ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~   作:ステア(STER)

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どうも、STERです!

さて、今回は、やっとクライマックス(大会)に向けての下準備の回です。

ラブライブの詳細も載ってますのでぜひともご覧ください。


【39th Live!】ラブライブへ走り出せ!

 十月に入って間もない時分…。音ノ木坂学院アイ研部室の空気は重くなっていた。

 

「ビッグニュースだ。いよいよ…だぞ。」

「そう切り出すってことは、ラブライブ開催期日が正式に決まるんだね…!」

「そういうことだ穂乃果。では、これを見てくれ。」

 

 そういって俺はノートパソコンを取り出し、メンバーの前に突き出した。

 

「今日、詳細期日と場所などが決まる。もうすぐのはずだが…。」

 

 その後、固唾を飲んで見守る皆…そのうち、時間は午後3時を指した。

 

「来たッ!!」

 

 腕時計を見た俺は光の速さでブラウザ更新ボタンを押す。すると、すごい量の情報がパソコンに表示された。

 

「花陽、頼む。」

「は、はい! え~と…。第三回ラブライブ!詳細事項。 今回のラブライブは地区予選、最終予選、本大会に分けられ開催されます。 地区予選で都道府県の代表を決め、一位通過者のみが最終予選へコマを進めることができます。 最終予選ではそれぞれの地方で代表者を決定し、本大会では関東地方、中部地方、近畿地方、北陸地方、中国地方、四国地方、東北地方、九州地方にの代表者で競われます。 なお、北海道は地方予選を勝ち抜くと東北地方代表決定戦で地方代表を競っていただきます…。 場所に関しましては、それぞれの自治区で決定してください。 本大会は東京都にあるアキバドームで行われます…って………」

 

「「「「「「「「「「「「えええええぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!?」」」」」」」」」」」」

 

 アキバドームでの本大会開催を聞いたメンバー達は驚いたのだった。

 

「あ、あれは…無駄ではなかったってことですね…! いちいちアメリカにまで行ってあんなことをやった甲斐がありました…!」

「アキバドームと言えば、観客席だけでも十万人を収容できる超大型ドーム…! そんなところで歌って踊れるなんて…。」

「ふんっ、にこぐらいのアイドルとなると、それぐらい大きいステージじゃないと釣り合わないわよ!」

「にこっち、ウチらは出ないんやで?」

「ハッ…! そうだった…! 羨ましいぃ~!!!」

 

 

「フッ、盛り上がっちまったようだな。でも驚くべきところはそこだけじゃねぇ。下の方、よく見てみな。」

 

 下の方には、さらなるビックサプライズが…。『なんと、優勝者には栄誉の証としてラブライブトロフィーがスクールアイドル出身学校に贈られるだけでなく、副賞として、アキバドームを一日貸切る権限を差し上げます!!!』 俺が見せてるモノにはそう書いてあった。そう、これには俺もビックリしたのだった。

 

 このトンデモ内容にメンバーは再びビックリ仰天。俺も含め、皆こぞって目をひん剥き、パソコンの画面に視線を注いだ。

 

「じゃ…じゃじゃじゃじゃあ…優勝すれば今度は…あの大きいドームで思いっきりライブができるってことなの!?」

「そ…そういうことだな。ことり。」

「すっご~い!! あんなところで、ことりたちがライブをできるなんて…。」

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。」

 

 高揚する皆を真姫が静めた。パソコンに注がれた視線が一転、真姫に集中。

 

「なんで皆、優勝した後のことばっか考えてるのよ! まだ優勝したワケじゃないでしょう? バッカじゃないの、これじゃあ捕らぬ狸の皮算用よ!」

 

 沸騰していた空気を真姫が重く、気まずくしたのは肌で感じてわかった気がした。だれもが何かを口ずさんでいるが、声にしようとしない。

 

「ちょっと何よ! 文句があるなら堂々と言いなさいよ!」

「…真姫。アナタの言う事も(もっと)もだわ。でもね、今は皆、そんなこと考えたくないと思うのよ。空気読みましょう?」

「ヴェ、ヴェエ…。」

「まあでも、真姫の言ってることは道理にかなっている。そうだろ? お前らが去年、優勝をしたからって必ずしも次回も優勝できるとは限らねぇ。新生アイドルも多数生まれてきてるし、スクールアイドルの王者…A-RISEも健在だ。それらの勢いは去年よりお前らの人気に押されて縮むどころか、なにくそと言わんばかりに上がってきている。それにA-RISEに関しては『万全の態勢で挑む』と宣言した。今度はもう、曲選びを間違い、恋心沸き立つ雪の中で無駄にカッコよくて映えない曲を歌うようなヘマはこかねぇだろう。」

 

 そう、俺はどうも引っかかっていた。去年のラブライブで、何故A-RISEが敗退したのか…。A-RISEは第一回大会に優勝し、人気はうなぎのぼりだったハズだ。ファンの数も、パフォーマンスの質もバッチリだった。だが、できたてのμ'sに敗退した…。

 その理由は、アホな曲選をかましたからなのだろうと睨んでいる。μ'sもA-RISEもともに新曲を用意していたそうだが、A-RISE当時の新曲…『Shocking Party』はどうもポップすぎて、雪の中では光り輝く事ができなかったのだ。あん時は愛知に帰省してて、俺は妹とテレビから見ていたが…いやあスノハレには心を打たれたな。アイドルなんてあまり興味がなかったけれども。

 

「そうだニャ~…。またA-RISEが、凛達のライバルに躍り出たんだったニャ…。」

「今回で勝ってこそ、真にA-RISEを負かしたと言えよう。A-RISEは地区予選で早速当たる相手になるが…。」

「えっ、地区予選から入ってくるのぉ!?」

「当たり前でしょ。音ノ木坂学院とUTX学園は近いんだから。」

「まあ、お前らは相手をしたこともあるし、まあよかろう。だがな…。」

 

 俺の視線は一年生へと移った。

 

「ラブライブに挑むにあたって、去年とのメンバー相違点はずばり、絵里たちが外れて、雪穂たちが加わっていることだ。まあ、今年は去年の…えーっと、何だったっけ?」

「KiRa-KiRa Sensation?」

「そうそう、それ。それとはまた違う、今のメンバー用の楽曲で挑むわけだが…。やはり、一年生のメンタルがまだ心配な点はある。どうだ?」

 

「私は大丈夫ですよ! 何せ、高坂穂乃果の妹ですもん!」

「私も、絢瀬絵里の妹ですから!」

「私だって、兄さんの従妹なのですよ!?」

「ふむ、気概だけはあるようだな。だが相手は全国のスクールアイドル。それらを踏みにじり、頂点に立つ覚悟はあるか?」

「の、信翔くん…踏みにじるっていうのはあまりよくないんじゃ…。」

「おっとすまねぇ。クチが悪いタチでな。まあともかく、どうなんだ? A-RISEにも臆さぬか!?」

「「「はい………。」」」

「返事が小せぇ! それで本番、プレッシャーに押しつぶされることなくパフォーマンスができんのかぁっ!!?」

「「「は…はいっ!!」」」

 

 三人は声を張って言った。軍人のように大声で言わせたということになるが、三人の瞳からは、他に負けたくないという闘争心の欠片を見ることができた。

 

「よろしい。だが、大声で誓わすなぞ猿にでもできること。人間だったらそれに向けて実践しなきゃならねぇ。緊張と言うモノは自身の能力への不信で生ず。なれば、練習を重ねて自信を確固たるものとせねばなるまい。これからの練習は厳しくなるぜ? ついてこいよ。」

「「「はい!」」」

「よし、返事も一丁前だ! じゃあOG組、こいつらをより鍛えてやってくれ。」

「任せて。」

 

 こうして、俺たちはラブライブへと正式にエントリーを果たした。地区予選は11月1日。俺たちは地区予選へ向けてスタートダッシュを決めたのだった。

 

 夕方。俺は自宅の布団に寝転がっていた。

 

「本当にやってくれたんだな、親父―――」

 

 

 *

 

 

 少し前、俺は愛知へと帰郷していた。それは、ある要求を持っていたからだ…。

 

 俺の親父が総裁を務める大企業グループ、『東織グループ』…。ラブライブの大々的スポンサーだ。これは、親父がアイドル好きであるが故に成立している。

 そんな親父に、願いがあって俺はこうして広い敷地を持つ実家の前に来ていたのだった。

 そんなことは露知らず、貴重な休日を満喫している親父の姿が門前からも確認できた。縁側でじんべえを着て、うちわを扇いでいる。一方の俺はスーツを着て服装を正していたのだった。親父は、すぐに俺の存在に気づいた。

 

「おっ、信翔か? 久しぶりだな。元気にしとるか?」

「ああ。」

「というか、どうした? スーツなんか着て…。」

「親父…お袋は?」

「お母さんか? お母さんは清華と一緒に買い物へ行っとる。」

「ふぅん。」

 

 …俺の要求とは、とんでもない単位のカネが動く大がかりなモノである。ゆえに、超お金持ちである親父に対しても少し躊躇いを隠せなかった。

 

「そっちはどうじゃ? 皆、元気にやっとるか?」

「ああ。ラブライブ優勝めざして張り切ってるハズさ。」

「そうかそうか。」

「あと…なあ親父…。」

「何だ?」

「えっと…その…ら、いや…。ひ、大翔はどうしてる?」

「大翔か…。」

 

 また言い出そうとしたが、やはり言い出せず、ヤクザになった不肖な弟の話題を持ってきてしまった。

 

「もうアイツは家から追放した。勘当じゃ。やっぱり、わしの育て方が間違ってたんだろうな…。お前ばっかりに力入れて、アイツは甘やかすことしかできなんだ。」

「それが、アイツに自分が跡取りであるという妄信を生んだってことか。」

「そうだな…。」

 

 あいつは、夏が終わる数日前に荷物をまとめさせられ、家から放りだされたという。理由は、ヤクザと盃を飲みかわし、榊原組の構成員となった事で織田家の人間としての居場所をなくしたのだろう。その後、織田家の人間はアイツとは一切かかわらなくなったという。当然だ。自分で自分の首を絞めるとはこのことだな。

 …さて、こんな話題を持ち込んでもキリがねぇ。やはり男なら言わなければいけねぇよな。ダメもとだが、頼んで損はないかな。

 

「まだ話があるんだ、親父…。」

「あ? 大翔を許してやれってか?」

「違ぇ! 兄貴である俺を筆頭に様々なモンをないがしろにするアイツの行く末なんて知ったもんじゃねぇ。アイツが野垂れてくたばっても、俺を葬式に呼ぶなよ。」

「違うなら、何なんだ?」

「…ラブライブの件なんだが。」

 

 親父がそれを聞いて反応した。

 

「ど、どうしたんだ? まさか、今年は出ないとか…。」

「いやいや、そうじゃねぇ。確定の日時や場所は出てねぇのかなぁ…って。」

「ああ、それか。今、主催者らや他のスポンサーさんらと共に話し合ってる途中だよ。なんだ、意見があるのか?」

「ああ。聞いてくれるか?」

「お前はわしの愛しい跡取りだ。聞くだけ聞いてやろう。」

「そういえば、アキバドームが候補地に挙がっているそうだな…。」

「あぁ。去年のラブライブが終わったあとから早速出てきている。それがどうした?」

「俺は…アキバドームを本大会会場に強く推す。」

「ほぅ…大きく出たな。流石はわしの息子だ。やるならトコトン大きなステージがいいというのか?」

「当然だ。」

 

 あぁ…遂に言っちまったよ…。こんなお願い、車を要求したとき以来だぜ…。いや、規模的にはこれの方が大きいかもな…。

 

「信翔…。それには前回よりも莫大なカネが動くということは…わかってるんだろうな?」

 

 そう、ラブライブの主催金は、全て個人からの募金で成り立っている。親父はそれの半分を占める…いわば筆頭株主のような存在だった。

 まあ要するに、秋葉ドームを本大会会場に推すということは、それに必要なカネも用意しなければならないということだ。まあでも、現実的だとは思っている。ラブライブは未だに一般に浸透したとは言えないがかなりの知名度である。ゆえに使用を認めてもらえるかもしれないということ。それは、去年のμ'sが絡んでいることも忘れてはいけぬ。

 

「ああ。生まれてこの方18年生きて、親にする最大の我儘(わがまま)だと思ってる。けど、アイツらは高校を卒業したら、それぞれの道へと歩みだすんだ…! だから、夢見る少女ができる高校の間だけでも、そういうとんでもない青春を見せてやりてぇんだ!! あいつらの記憶に残る青春を作り上げてぇ…!」

「ふっ、言うことがでかいわ。大翔の奴は知らんが、お前は間違いなくわしの誇らしい息子じゃわな。」

 

 親父は少し、ため息をついた。

 

 

「わかった。わしもアキバドームを強く推そう。」

 

 

 そして間をおかず、返事をくれた。

 

 

 *

 

 

 …やっぱり、親父は偉大だ。こんなことをやってのけるなんて…。というか、アキバドーム1日貸し切ることができる副賞なんて、俺にとってもサプライズだった…。あの興奮の様は、たぶん全国のスクールアイドルがそうなっていることだろう。

 

 …礼ぐれぇ、言っとくかな。

 

『もしもし、信翔か?』

「あぁ、親父…。」

『ビックリしたじゃろ? 頑張れよ。優勝したら1日アキバドームを使いたい放題だぜ。』

「ああ! んで、その…。」

『ああ?』

「あ、ありがとな。親父…。」

『お前の頼みなぞ朝飯前だ。なんでも頼れよ。わしはお前の親父じゃからな。』

 

 そういって電話は切れた。親父にマトモに礼を言うのは少し照れたが、なんだか気分がスッキリした気がした。

 そんな清々しい気分になっていた俺は、無性にどこか行きたい気分になった。そして俺が赴いた場所は、神田明神…。

 

「あっ、信翔君やん。」

「の、希…。」

 

 その時だった。皆がぞくぞくと神田明神へと集まってきた。

 

「の、信翔君!? どうして!?」

「それはこっちの台詞だぜ。穂乃果。」

「あら、信翔さんも来てたのね。」

「もしかして、信翔君も参拝目的かニャ?」

「そうだぞ。お前ら全員そうみたいだな。」

「まぁ、去年からよくここには通ってたからね。」

 

 そういうと、俺たち13人、(やしろ)の前に立った。そして二礼二拍手一礼をして参拝した。

 

「信翔君は何のお願いなん?」

「皆と同じさ。きっと。さ~て、騒ぎてぇ気分だ。そうだ、これから皆でどこか食いに行かねぇか?」

「えっ、いいの?」

「行くニャ!!」

「御馳走になるにこ~♪」

「おいおいちょっと待て! なんでそうなるんだ!?」

「たまには、いいじゃないの。」

「真姫、お前まで…まあいい。よし、じゃあどこへ食いに行こうか?」

「本当にいいのですか?」

「ああ、かまわん。」

 

 そして俺たちは、共に手を組み合い、どこか、食べに行ったのだった。さ~て、優勝に向けて走ろうか!




…ちなみに、今話でこの小説は五十話を突破しました!

有難うございます! 有難うございます!

これからも頑張っていく所存でございますので、応援よろしくお願いいたします!!
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