ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~   作:ステア(STER)

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どうも、STERです。

前回、メンバーたちをぶち壊したのでその修復を、今回でなんとかしていこうと思います。

実を言うと、「オレ愛知に帰るから」って信翔は愛知に帰ってTHE ENDでもよかったんですがねぇ…。
それでは信翔も私も無責任ですので…安心してください、ちゃんと続けますw

穂乃果には、不遇な描写が見られるかもですのでご注意ください。まぁ万事は信翔君が解決してくれますよキット。


【46th Live!】支離滅裂のμ's II

 穂乃果の突然の脱退からはや一週間以上の時が過ぎた。中心がいなくなりまた、スクールアイドルの活動を続けるための目標を見失ったことによりメンバーは次々と部室を開けるように。そして、遂に部室に集まるのは花陽と凛だけとなってしまったのだった。俺は何があってもサボらねぇ。それじゃあ無責任だからな。

 

「かよちん…。今日も皆、来ないね。」

「うん…そうだね。」

 

 元気いっぱいな凛も、元気がない。花陽も、ここしばらくの間笑顔を見せなかった。

 

「ちっ…皆、幻滅してやがるな…。」

「真姫ちゃん、来るって言ってたのに…。」

「ことりちゃんも、海未ちゃんも…。」

「雪穂、亜里沙、紗奈さえも…。」

「うん…。皆、いなくなっちゃったんだね。」

「そして穂乃果ちゃんは…。」

「しばらく、不登校になったんだニャア…。」

 

 今の部の状況を見ると、だんだんとブルーになるだけであった。練習しようにも、メンバーがいないのは勿論のこと、最早二人にも歌って踊れる気力はないのだった。部は、単に集まるだけの何の意味も持たない会合と化していたのだ。これでは廃部勧告が出るのは時間の問題である。

 

「仕方あるまい。最早奴らが帰ってくるのを待っても無駄だ。」

「え…。」

「にこが起こしたこの部、もう何時廃部勧告が出てもおかしくない。だろ?」

「そういえば、教員会議でこの部の存廃(そんぱい)が会議されてるって噂も出てるニャ~…。」

「皆が向ける目線も冷たくなっちゃったよね…。」

 

 この二人以外は、それぞれ違うことを始めたようだ。海未は弓道場で乱れ矢を放ちまくり、ことりはミシンとしか向き合わなくなり、真姫はまた音楽室に入りびたり、雪穂と亜里沙は二人組に戻り、OGの奴らは大学と家を行ったり来たりの生活になったという。

 

「もう、くよくよすんな。お前らが二人になっても、俺はずっと傍にいて練習に付き合ってやるよ。この部を存続させてぇ気があるんなら、今はメンバーをどう呼び戻そうか考えるよりも、活動が優先だ!」

「そんなことができるわけないでしょっ!!」

 

 珍しく、花陽が声を荒げて怒鳴った。俺は唐突なことにどぎまぎする。

 

「は、花陽…!」

「か、かよちん…。」

「皆がいて、初めてこの部は成立するの! 誰か一人でも欠けてたら…私、活動なんか…。」

「確かに、かよちんの言う通りだニャ…。凛も、歌う事や踊る事、かよちんや信翔くん、そしてあの皆が大好きだから、凛は恥ずかしくても、ステージに立てるんだニャ! 特に魅力なんかないはずの凛がスクールアイドルをやれるのは、そんな勇気のリーズンがあるからだニャ!」

「分かってねぇのはテメェらだろうがっ!!!」

 

 今度は俺が、廊下に響き渡るほどの怒声をあげた。

 

「このままじゃあ、本当にこの部は終わっちまう! お前らが去年、そして今年で築き上げてきたモンが本当にパーになっちまうだろ!! それこそ最悪の事態。そして穂乃果や他のメンバー達を迎えるこの部室もなくなる! そうしたら本当に、あの矢澤先輩に見切りを付けられるだろ!」

「でも…でもっ!」

「気持ちは分かる。全員が揃っていて初めてこの部は成り立ち、かつμ'sとして活動ができる。だがな、今はそんなキレイ事は言ってられねぇだろっ…。」

「………。」

「あいつらは、その内帰って来るさ。今は、気持ちに整理がつけられねぇだけ。そして穂乃果は…俺が連れ戻してやる。それが実現するまではお前ら二人でデュオを組んで活動しろ。これは“命令”だ!」

 

「…返事は?」

「「は、はいっ!!」」

 

 俺はこれまで自分がいる地位を濫用して“命令”はしたくなかったし、してこなかった。だが今はそんなことを言ってられない。部には来るもののやる気が消え失せて弱音を吐いているこいつらを導けるのは、最早俺しかいねぇからだ。

 

「でも、それに合わせた新曲はどうするの? やっぱりデュオ活動をしようと思ったら新曲がいるでしょ?」

「それは俺が何とでもしてやる。心配するな!」

 

 その後、俺は帰った後すぐ親父に相談し、プロの作曲家とピアニストを雇ってピアノの猛特訓と作曲のノウハウを教わり音楽の猛勉強を始めた。

 作詞にも手を出した。俺は頭がカタいのであまり物事に対して多角的かつ柔らかな考えを持つことができず、説明文っぽくなって苦戦した。それでも、残ったあいつら二人を支えようと頑張った。

 

 

 *

 

 

「お前ら二人のライブを取り付けてきよ~!」

「ほ、本当か!?」

「本当だニャ! 理事長室に乗り込んだら、来週の金曜日の放課後、使用OKだって!」

「よし、やったな!」

「曲はできたのかニャ?」

「ああ、まぁな。」

 

 俺が新たな決心をし、猛勉強を開始してかなりの日にちが経った。結局、俺には作曲の能力がないことが判明し、俺が一から曲を作る事は断念せざるを得なくなった。そんな時に事情を知った講師が曲を書き下してくれた。今、その曲を俺が講師より教わった全技術をかけて編曲をしたものが俺のポケットの中のCD-ROMに記録されている。

 

「ここに、新曲がある…。」

「うわ! 本当に作曲しちゃったニャ…。信翔くん、すごいニャ~!!」

「残念だが、この中に入ってる曲は俺が作ったワケじゃねぇ。俺には作曲の能力がなかったらしい。だが、俺が全身全霊で編曲したものだ。相当いいものにはなってるだろう。」

 

 俺はそういうとROMをプレイヤーに突っ込み、再生する。先生と俺が寝る間も惜しんで作った花陽と凛のための曲が流れる。

 

生憎(あいにく)、作詞はまだなんだ。俺のカテぇ頭ではどうも無理なようだ。手伝ってくれねぇか!」

「はいは~い! 凛、お手伝いしちゃいますニャ~! ね、かよちん♪」

「そうだね…。私も一緒に考えます!」

 

 俺たちは我が家に移るまでして、夜遅くまで考え続けた…。そして遂に、素人の俺たちが俺たちなりに作った曲が完成した。その時の達成感は絶大だった。わかってたつもりだった真姫や海未の苦労が、今ようやく真に理解した気がした。

 

「やっとできた~!!」

「凛、疲れたニャ~………。」

「そうだね。なんだか花陽、お腹が空きました…。」

 

 すると、一斉にお腹が鳴る…。同時にこれまで何ともなかった空腹感が押し寄せてきた。

 

「よっしゃ! 飯、食いに行こうぜ!」

「凛、お金ないニャ…。」

「心配すんな! こんなめでてぇ日は、羽振りよく行かねぇとな! 奢ってるよ。」

 

 俺は二人を食事に連れて行った。

 

 

 *

 

 

「ライブ、よろしくお願いします!」

「宜しくお願いしますニャ~!」

 

 翌日、俺らはビラを配る。通り通る人らはビラを取っていく…。だが決まって皆、俺の顔を見てヒソヒソ話すのだった。俺の顔にゴミかニキビかご飯粒でもついてるかってんだ。

 

 こんな地道な作業で、来週まで集客できんのかよ…とは思っていたが、大資本を持つ俺も女子校では無力。こうするほかあるまい。

 

「あっ、三人こんなところでなにしてるの~?」

 

 そんな声が聞こえ、ふと振り向いた先には…俺たち五人衆と同じくメンバーを支える存在でいたヒデコ、フミコ、ミカの三人。俺はまとめて“ヒフミ”と呼んでいる穂乃果らの同級生三人組だ。どうやら初代μ’sが三人だった頃から手伝っていたという、感心するほどの人らだそう。五人衆がとってかわった今も俺たちよりも更に裏の方のことをやってくれている。舞台設定とか、まぁ色々。うん。

 

「聞いたよー。皆、来なくなっちゃったんだってね…。」

「そうなんです…。」

「残念だね…。でも私たちは応援してるから! 手伝えることがあったら何でも言って!」

「それなら、一緒にビラ配りを手伝ってくれねぇか?」

 

 ヒフミは快諾してくれた。

 

 

 *

 

 

 日も暮れた頃だった。俺はお笑い番組を見て大笑いしていたころ、ドアをぶち破るように荒ぶってドアを入ってきた音が来た。晃太だ。

 

「た…大変やっ!!」

「あ? なんだよ今面白ぇ所なのによ…。」

「これ! これ見てくれ!」

 

 そういって晃太が見せてきたものはとある雑誌だった。まさに高校生ぐらいの純情チェリーどもが好みそうな…少しエッチなグラビアつきの雑誌である。これはよくコンビニでも見かけるし、いくら雑誌などに縁がない俺でも分かる。だが晃太の持ってきたそれは何の変哲もなさそうな至って普通のモノに見えた。

 

「またこんなモノ買いやがって…。自白か? 殴って欲しいのか?」

「ちゃうわい! ほら、ここここ! このページ見てみぃ!」

 

 そういって晃太はマガジンをペラペラ~とめくり、特定のページに着くと俺にそれを押し付けてくる。普段ならこの変態を叩き潰して雑誌を破り捨てる所だが、晃太の剣幕は全くふざけたものではなかったため、晃太のマジに引っ張られるままそのページに目を通す。

 そのページに印刷されていたのは、とある女のグラビア写真である。水着以外、一糸もまとわぬ状態である。割と新人なのだろうか、赤面気味の表情が伺えた。

 

 完全に余談だが…コイツ、誰かに似てるな…。それも極端に。

 

「で、これがどうしたんだよ?」

「アホかお前は! ここ見てみろよ!」

 

 そうして晃太は見出しのようなところを指さす。そこには、『HONO☆、18歳です』との書き込みが…。その瞬間、俺は目を点にした。

 

「ま、まさか………。」

「せや、そのまさかやろ。見てみぃや。髪色一緒、瞳も一緒、それにスタイルかて一緒yグフッ!!」

 

 嘘、だろ……。いつの間にそんな世界へと足を踏み込んでしまったんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 穂乃果………。

 

 

 

「来週あたり、AVも撮りよるらしいで。いやぁ穂乃果も、けったいな連中に捕まってしもたなぁ~…。あいつらは、プロ集団やさかいにおっとろしい…。」

「ちょっと行ってくる。」

「どこへや?」

「決まってんだろ! 穂むらだよ!」

「おーおー流石やで。やっぱり自分の彼女の事になったら行動力が違いますのぉ~。」

「…またエルボ食らいてぇのか?」

「や、遠慮しときまっさ…。へぇ。」

 

 俺は家を飛び出し、車に飛び乗り、あの日と同じ土砂降りの雨の中、車を走らせた。

 

 俺の胸は…穂乃果のことでいっぱいであった。俺がチンタラしてる所為で、穂乃果があんな所へと行ってしまうなんて…。

 

 もはや、アイツがどうなってしまったのか…俺自身の目で確かめたかった。

 

 穂むらへと着いた俺は光の速さでドアを開けた。現時点で店番をしていたのは雪穂だった。

 

「穂乃果ッ!!!」

「うわぁっ!!! って、信翔さんか…。もう、ビックリさせないで下さいよ!」

「雪穂か…。穂乃果はいるか? いるならどこにいる?」

「お姉ちゃんは今お風呂ですけど。」

「分かった。ちょっと行ってくる!」

「いやいやいやいや!!!! ダメですよ!? 今日の信翔さんなんだかおかしいですよ? お茶をお出ししますから、どうぞ座って落ち着いてください…。お姉ちゃんが上がるまで待っててくれて構いませんから…。」

「あ、あぁ…。すまねぇ…。」

 

 俺は冷静さを取り戻すと、近くの椅子に腰かけた。割烹着姿の雪穂が、奥から熱いお茶を持ってきてくれた。

 

「どうぞ。」

「サンキュー…。」

「どうしたんですか? 最近は来て下さらなかったのに、急に…。」

「…穂乃果のことなんだがなぁ。」

「やっぱり、お姉ちゃんですか…。」

「アイツ…脱退した後はどうしてんだ?」

「それが………家を出てっては家に帰ってひきこもるの繰り返しで…。」

「そうか…。ならアイツがどこへ行ってるのかわかるか?」

「それは…わかんないですねぇ…。」

 

 外出かぁ…よからぬ事をしているのだろう。俺の直感が囁いた。考えたくはないのだがな。

 

「お父さんもお母さんも、カンッカンに怒ってるんですけど…。もう手の付けようがなくって…。お母さん、お姉ちゃんがヤンキーになるかもって…。」

「それはないだろうが、もしかしたらヤベェ世界に足を踏み入れるかも知れねぇ…。」

 

 雪穂とそんなマジメな談義をしてると、奥の方で扉が開く音が………。そう、穂乃果が風呂から出てきたのだった。俺はスクッと立ち上がった。

 

「穂乃果ッ!!」

 

 そしてそう叫ぶ。穂乃果はこちらを向いた。

 

「信翔君…。来てくれてありがと。でも…もう帰ってくれないかな?」

「どういうことだ?」

 

 穂乃果の返答はなかった。奴は二階へと消えてゆく。俺はただ呆然とその様子を見るほかなかった。

 

 そして俺はスマホを取り出した。

 

「おうもしもし、親父か?」

 

 

 *

 

 

 様々な思いが俺の中で交錯する中、デュオでのライブ当日となった。晃太らは俺が強制召集したが、やはり他のメンバーの姿はない。今部室にいるのは、俺、晃太ら四人、花陽、凛、ヒフミだ。

 

「ビラは配りきったから、まあお客さんは来ると思うよ。」

「そうか。すまねぇな。」

「ちょっと待て。何で俺らを呼んだんや? 照明とかなんて、ヒフミがやってくれるやろ?」

「テメェらは他に用事があって呼んだんだよ。」

 

 舞台裏で、セッティングも完了した。裁縫技術はないので今回は制服だ。

 

「よし…まだ部は終わっていないってことを、証明して来い。」

「「はいっ!」」

 

 俺は、あいつらの背を軽く押してやった。ところで、俺はこの二人でこのまま活動させようだなんて思っちゃいない。あいつらは、きっと来て、戻ってきてくれると信じてる…。そしてμ'sという結晶の、オレンジ色のコアは俺が取り戻してやる…。そう、このライブはまたあの12人をくっつけるためのものなのだ。

 そして始まったライブ。お客はかなりの数来ていた。凛と花陽は二人になりながらも一生懸命歌って踊っていた。あまりにも即興なもので、ダンスも曲もいいとは言い難いものだが、それでもやり切ったかと思う。あいつら、帰ってきてくれればいいんだが…。

 

 

 ライブは終了した。二人は達成感に満ち溢れ、抱き合っていた。俺たちはそれを拍手で見守る。

 

「やったね凛ちゃん!!」

「やったねかよちん!!」

「お前ら…よくやった!」

 

 そうして抱き合ってるうち、皆が舞台に上がってきた。そう…これは俺が呼びかけたことだ。メンバーにビラを配ったあの後、念押ししておいた甲斐があったものだ…。

 

「何よあの曲、誰が作ったの? もう、私がいないと、無理なのねぇ…。」

「大丈夫です。穂乃果はきっと帰ってきます。でも、私たちがこれでは、ダメですよね…。」

「もう…凛ちゃんも花陽ちゃんも信翔くんも…衣装作りはことりに任せてくれればよかったのに…。」

「」

 

 

 さて…残すところは穂乃果だな。コアがいなければ、何物も動きゃしねぇだろ? その大事な大事なμ'sのコアを、変態共から取り戻しに行こう。

 

 俺は皆で抱き合ってる様子を見て、男四人を引き連れてその場を離れる。

 

「信翔…。」

「晃太、お前の情報によると、今日もうすぐしたら穂乃果が…。」

「ああ。せや。」

「な、何の話なんだ?」

「今から…穂乃果の初AVを舞台ごと叩き潰してやる…!!」

 

 俺の中で、メラメラと怒りに火が点く。奴ら、俺の大事な仲間に………許さねぇ!

 

 

 *

 

 

「もう抵抗しないのかな?HONO☆ちゃんの吹っ切れ様には感心するよ。」

「…よ、よろしくお願いします…。」

 

 私は、あの時道端でスカウトを受けてから何週間も経ったとき…いつの間にか廃工場の中にいました。私の周りには、ベルトに手をかけている男の人が一人、エッチな手つきでカメラを回す男の人が一人、プロデューサーっぽい人が一人いた。私は今から、とんでもないことをされる…。そう思うと、逃げ出したいキモチでいっぱいでした。こんなの聞いてないし…。

 でも、ここからは民家には悲鳴が聞こえないらしいし、逃げ出しても私は力がないから、抑えつけられてしまうのは目に見えていました。

 

 選択肢はただ一つ…。信翔君がこれまで一生懸命になって守ってきてくれた穂乃果の始めてを、この人に捧げてこの場を凌ぐ事…。それだけでした。

 

 うぅ…信翔くぅん…。お父さん、お母さん、雪穂…。海未ちゃん、ことりちゃん、そして皆…こんな不甲斐ない穂乃果と付き合ってくれてありがとう…。

 

 できれば穂乃果の初めては、今まで穂乃果を守ってきてくれた愛してる信翔君に捧げたい。でもそれは、最早敵わない夢であるという事を今知りました。ならもう、穂乃果は抵抗しない、抵抗しても無駄だから…。

 

 ハァ…もし私の願いが叶うなら、いつものように信翔君が颯爽と現れて、この危機的状況から助けてくれたら………なんて、もう辞表も出しちゃったし、もう信翔君は私を置いて他の皆と次に駆けだしてるだろうなぁ…。

 穂乃果も…正直に言って、皆のもとに戻りたいよぉ…。うぅ…。

 

 

「それにしても、工事の音うるさくないっすか?」

「だよなー。まあいいか。その方が雰囲気出るだろうし…。」

「それもそうっすね。」

 

 外から聞こえる工事の音もそれで流してしまい、男優と思われる男の人は、穂乃果に覆いかぶさる。

 

「じゃあ、よろしくねHONO☆ちゃん!」

「あ…よ、よろしくお願いしますっ………。」

「あぁ~その涙目いいね! これ、レイプ設定だからね。」

「そ、そうですか…。」

 

 誰も気づいてはいなかった…これは私の、ピュアな涙だって。このオトナ達は、そんな穂乃果から純潔を奪おうとしている。

 

 

 

 

 

 

 その時でした。

 

 

 

 

 まるで何かを壊したような音が、入り口の方からしました。すると、ブルドーザーやショベルカー、ロードローラなどがこの廃工場になだれこんできました。

 

 

 

「ぐわっ!! な、何だァ? いい雰囲気になり始めてきたってのに…! 営業妨害だ!」

「スミマセ~ン。㈱東織建設ですが~?」

 

 それを聞いた瞬間、さっきとは違う涙がぶわっと穂乃果から…。

 

 

 の、信翔君…! この前はあんなに冷たくしちゃったのに、穂乃果を助けるために来てくれたんだ…!!

 

「何ですか!? 仕事中なんですけど?」

「それは大変申し訳ありません。いやぁ上からここを解体しろという依頼を受けてましてね。」

「なにも聞いてないぞ!? どういうことだ!! 依頼者は!?」

「そんなの、ここの土地権利を持ってる東織グループホールディングスに決まってるじゃないですかぁ。」

「はいィっ!!!?」

 

 それを聞いたプロデューサーさんは卒倒してしまった。

 

「取り敢えず、ここは解体命令が出てますんで、解体しますね~。」

「ちょっと待て! 証明書はどこにある!? 誰か証人いるのか!? おおん!? そんなのがいなかったら俺らは納得しない! 逆にお前らに退去してもらう!」

 

 乗り込んできた工事の人が少し返答に困った時、コートに身を包んだ男の人が四人くらい入ってきた。

 

「構わんぞ。解体を続行しろ!」

 

 そう言葉を発したのは…信翔君だった…。私の目が、みるみるうちに輝きを取り戻していったのを感じました。

 

「ちょっと待て! アンタに何の権限があるんだ!?」

「俺を知らねぇのか? 俺は東織グループホールディングス社長、織田大信の息子、信翔だよ! 俺の言葉は親父の言葉だよ!!」

 

 これ、夢じゃないよね? ううん、夢じゃない。あの信翔君の瞳は、穂乃果を救ってくれる。そんな気がしました。そして心から安堵を覚えた。

 

「な…何だとっ!?」

「そしてそこにいる女は、俺の婚約者だ。」

 

 え、えぇぇぇぇぇっ!!!! くぉ、こここ、婚約者ぁっ!? まだ恋人にもなれてないのに、婚約者だなんて…!!!

 

 私がそう頭を沸騰させていると、私を犯そうとした男と信翔君が対峙していた。

 

「よう、アンタか。俺の未来の嫁に手ぇ出そうとしたのは?」

「よくも、撮影をメチャクチャにしてくれたな…! おかげ様で、久しぶりの処女を味わい損ねちまったじゃねぇか!」

 

 それを聞いた信翔君は一気に表情が変わって、男の人を殴り飛ばした。

 

「ケッ…。よくもまぁ、女を性欲を発散する道具だと言ってるようなことぬかしやがって…。」

「残念やったな。おたくら。」

「テメェら…!! 一体何者?」

「聞いてへんかったんかいな? まあええわ。要は事務所じゃわいな。」

「事務所!?」

「そういうこっちゃ。まあ、ワイらに一報もいれんとこんな事やってくれおったな! 落とし前つけてもらおか。ほな、事務所に来てもらうで。」

「じ、事務所!?」

「せや。嫌とは言わせへんで? なんせおたくら、ワイらの大切なコに手ぇ出そうとしたんやさかい。覚悟ぐらい、お有りでんな?」

「いや…そのぅ…。」

「問答無用じゃ! おら、連行しなはれ!」

「はいよ!」

 

 私を地獄に落とそうとした人たちは、晃太君らにしょっ引かれ行った。信翔君は、その後ろ姿を見守ると、すぐこちらに駆けてきた。

 

「穂乃果、大丈夫か!?」

「…信翔くぅぅん。グスッ…。」

「すまんな、あの時止めてやれなくて…。」

「うわぁぁぁん信翔くぅぅぅん!!!!」

「ぐわっ!!」

 

 感極まった私は、つい信翔君に抱き着きました。最初はビックリした彼ですが、微笑んで私の髪を優しく撫でてくれました。

 

「言っただろ? お前は、何があっても俺が守るってよ。」

 

 この言葉は、信翔君のことを更に好きになった私の乙女心に深く刻まれました。

 

 

 *

 

 

 その後、あの人たちは事務所じゃなくてお巡りさんの所に連れて行かれたそうです。あの廃工場は、怒り狂った信翔君の一声で取り潰すことが決定したそう…。信翔君のやっぱり凄い…。

 

 信翔君に救われた私は、信翔君の車で一緒に帰っていってました。

 

「ねぇ、信翔君…。」

「何だ?」

「信翔君は、脱退した穂乃果を…許してくれるの?」

「フンッ…まず、許さねぇ要素がドコにあるんだってんだよ…。」

「でも…穂乃果は、あの時致命的な失敗しちゃったし…信翔君が許しても皆は許してくれないよね…。穂乃果の所為で、何もかも壊れちゃったわけだし…。」

 

 自信なさげな口調で呟き、俯くと信翔君は意外な返答をしました。

 

「フン…。皆の返答は、自分の心に訊いてみろ。去年にも、こういう事例があったんだろ? その時皆はどうした?」

 

 その時、去年の記憶が巡り巡った。海外へ行くことりちゃん…しょげた穂乃果…穂乃果を怒ってビンタした海未ちゃん…。

 

 ことりちゃんを取り戻した後も、私は普通に活動していた…。

 

「それにな…。」

 

 そういうと、ハンドルを持ってる右手とは反対の左手を肘掛けに置いていた私の右手と重ねて、指を絡ませてきた。

 

 こ、これって…恋人繋ぎ…だよね?

 

 顔はこっちに向かなかっけど、窓の先を見据えたまま信翔君はそう呟いて、私の手を強く握ってきました。私の鼓動は早くなっていった。ドキン、ドキン、ドキンって…信翔君のことを考えるたび、どんどん早くなっていくよぉ………。

 

「まだ優勝への道は閉ざされたわけじゃねぇ。」

 

 信号で止まった後、信翔君は絡めてた手を離し、色々な思いで涙目になっていた私をそっと抱きしめました。

 

「お前の帰る所はまだあんだよ…。μ'sってぇグループのコアって言うところにな…。」

 

 私は、信翔君の抱擁に、自然と心が落ち着きました。

 

「ところで信翔君。あの時、穂乃果を婚約者って言ったのは?」

 

 そう問いかけてみると、信翔君の顔がみるみる赤く…。

 

「それはっ…あ、アレだ。お前に群がる変態どもを本気で殴り飛ばす口実さ………。」

 

 信翔君…フフフ♡ 信翔君の照れてる顔を見ると、緊張も涙も吹っ飛んじゃった♪

 

 はぁ~早く帰りたいなぁ~♪

 

 

 *

 

 

「「「「「「「「「「「敗者復活戦!?」」」」」」」」」」」

 

 翌日、元通りになった12色の綺麗な結晶がある部室では、そんな素っ頓狂な声が響いた。

 

「あぁ、知らなかったのか? だからよ皆、これを頑張ればいいじゃねぇか…。ったく、修復にこんなに時間がかかるとは思ってなかったぜ…。」

「し、仕方ないでしょ! もう皆やるせない気持ちになってたんだから!!」

「取り敢えず、だ。これはほぼ二週間後。これからは今まで浪費した時間を取り戻すべく、毎日夜まで練習だ!!」

 

 ふと穂乃果を見ると、穂乃果は微笑んできた。俺も自然と顔がほころび、部室の天井を仰ぎ見た。

 

 その後、見事我らは敗者復活戦を勝ち抜いて、地方予選へと何とか駒を進めることができたのであった。

 これも全部、親父の発言力のお陰だな…フフ。




これは…信翔脈アリ?

いや、それは信翔のみぞ知る。それに、信翔は未だ穂乃果の恋心に気づいてないわけですしね。
まぁいずれにせよ、このまま距離を詰めてくればと思う私でした。

さて、なんとか地方予選に駒を進めたメンバーたちですが、次回より冬編となります。

夏もイベントいっぱいあるかと思いますが、冬も負けないくらいありますよね! クリスマスとかクリスマスとかクリスマスとかク(ry
ちなみに私はクリスマスは勉強地獄ですので聖夜に現をぬかしてる暇はございません。

冗談はおいといて…次回は音ノ木坂学院生徒会の改選です。
そういえば…穂乃果や海未が生徒会云々という話を全く書けてなかった…。

生徒会長かぁ…凛ちゃんがなるのかな?
流石にそれはダメかなぁ…?
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