ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~ 作:ステア(STER)
今回は、リクエストを参考に致しまして、稜と凛が親睦を深める回です(意味浅)
稜からは、純情チェリーボーイっぷり…そして凛からは、乙女チックぶりが垣間見える作品となってますので、凛ちゃんが好きな人は奮ってご視聴ください。
珍しく土日の練習がない12月初めから中ごろの話ニャ。
「うぅっ…寒いニャ…。」
凛は宛もなく散歩していたニャ。
「ふぅ~…。冬になると、東京でもこれだけ寒くなってしまうんだねぇ…。冬眠したくなるニャ。熊さんとか蛙さんが羨ましいニャ。凛が冬眠したら、海未ちゃんとかが殺しにくるから冬眠できないんだニャ。猫ちゃんも寒そうだね~…。」
『ニャアアア~…。』
凛がたまたま発見した猫ちゃんと会話してた時ニャ。トントンッと肩を叩かれた。
「誰ニャッ―――」
「ぶすり☆」
気づけば、指が凛の頬っぺたに突き刺さっていた。顔を見上げてみると、犯人は穂乃果ちゃんだったニャ。
「ひゃあっ!」
「あはははっ♪」
「もう…穂乃果ちゃんだったのかニャ…。ビックリさせないでよぉ…。」
「ゴメンゴメン♪」
「で、何か用かニャ?」
「えへへ♪ 実はこれから信翔君とデートに行くんだ~♡」
「へぇ~…。」
いつもはダサい練習着やジャージで練習してる穂乃果ちゃんだけど、今回は張り切っておめかしもしてる…。そういえば、穂乃果ちゃんって信翔くんの事好きなんだっけ。付き合ってもないのにデートだとか言って、意識してここまでおめかしするなんて穂乃果ちゃん、可愛いニャ~!
「どう、凛ちゃん? 穂乃果、似合ってるかな?」
「うんっ! 信翔くんもきっと可愛いって言ってくれるよ!」
「えへへ、ありがとっ♪」
「でもさ、なんでそんなに少し露出が多いの? 寒くないのかニャ?」
「凛ちゃん…オシャレっていうのは、時には自分の身を犠牲にするものなんだよ!」
「そ、そうなの~!?」
「凛ちゃんも、デートの時には気を付けてね! じゃ、待ち合わせに遅れちゃってるから行ってきま~す!」
「い、行ってらっしゃいニャ~!」
行っちゃった…。さっきのは何だったんだろ…。男の人と二人っきりでデートしたことがない(二人っきりでおつかいは経験アリ)凛への自慢なのかニャ…。凛、ちょっと妬いちゃうよぉ…。
「はぁ…そんなこと呟いても無駄かニャ…。」
凛には、デートできる男の人なんていない。当然だニャ、凛はモテっこないもん…。だから、 信翔くんにチヤホヤしてもらえる穂乃果ちゃんが羨ましいな…。サンタさんがいるなら今年は…是非とも一度男の人とデートしたいという夢を叶えてほしいな…。
「そんなこと神頼みしてもダメだニャ。ホントにそうしたいなら凛が動かなきゃ。」
でも…やっぱり男の人と二人っきりでどこか遊びに行くなんて、ははは、恥ずかしいニャ~…。さっきのはなしなし! 凛はラーメンを食べて、元気に動き回ってればいいんだニャ! さ~て、ラーメン食べに行こっと♪
―――あっ、お金ないニャ…。
*
今日も俺はラーメン屋でおっちゃんの手伝いをしていた。外の近くの店でクリスマスソングが流れる夜更けの
…だが、どうも座席に陣取る野郎衆が引き取らないつもりらしい。
「おいお前ら~…。そろそろ閉店だぞ。帰ってくれよ。」
「やかましいなぁ…お前とワシらの仲やねんから、ええやんけ…。」
「そーだぜチェリー田。そうカリカリすんなYO。」
「チェリー田って何だよ!! バカにしてるのか!!」
「まぁそう怒るな稜。俺、疲れてるからしばらくもう一歩も動ける気がしねぇんだよ…。カネ、上乗せしてやるから…。」
「女連れ回しといて…何が疲れた~だ。いい御身分なこったぁ。」
「そりゃ、悪かったのぅ。そういやお前はデートしようにも相手がおらんさかい、デートできへんねんやったな。すまんすまん。ちなみにワシは、明日のんたんに焼肉パーティーしよって呼ばれとるんじゃ! 楽しみやなぁ…。」
「お前、おちょくってるのか!」
「えぇ!? お、おちょくるつもりはなかったんや。チェリー田。」
「チェリー田ぁ」
「お前らやっぱりおちょくってるだろ! ケツに
「おいおいお前ら…。比喩表現なんていらねぇだろ。ここは素直に、童貞田って言ってやれよ~…。」
「ストレートに言うなよ! ってかお前も童貞だろうが!!」
「ハイ、童貞ですけど何か? 俺、格闘家なんで。それに俺、御曹司なんで、下手に子種バラ撒くわけにゃいかねぇんですわぁ~…。」
ダメだ…。疲れ切って信翔もおかしくなってる…。
「大悟~…お前は―――」
「いいなぁ皆。デートできるなんて。」
「お前は味方だったか!!」
「僕も、真姫ちゃんとデートしたいなぁ…。なぁ皆、どうやったら女の子とデートできるんだい? あ、チェリー田君は知ってる?」
「おのれ! 仲間だと思った俺が間違ってたよ!! っていうか知らないよ! 俺が聞きたいぐらいだよ!!」
「やかましいねん。負け犬の遠吠え如くやかましく騒ぎ立てやがって…。そういう自分も、凛とかとデートしたいんやろ?」
そう晃太に言われ、凛がふと頭に浮かんできた。
『ごめんね稜くん~…。待った?』
可愛らしくおめかししてきた凛が、待ち合わせの公園に現れる。
いやいや待ってないよ! 俺もさっき来た所だし!!!
『よかった…。ところで、似合ってるかニャ? 凛、ちょっと自信ないんだニャ…。』
いやいや大丈夫! 似合ってるよ!! 超可愛いよ!!
『えへへ♪ 稜くんに言われたら嬉しいニャ♡ ん? 稜くん、ドキドキしてる…? り、凛もだニャ…。』
そ、そうだったのか…。じゃ、じゃあ行こうか、凛。今日はどこ行く?
『え~っと…その…凛、見たい映画があるんだニャ! 付き合ってくれる?』
え…? もちろんもちろん! いくらでも付き合ってやるよ!!!
『凛、やっぱり幸せものだニャ~! 稜くんと映画見に行けるなんて♪ ところでお願いがあるんだけど…うぅ…。』
な、何だ!? なんでも言ってみろ!
『手…繋いでほしいな…。』
そんなもの、いくらでも繋いでやるよ!!
『稜くんの手…冷たいニャ…。でも冷たい手の人は、心は温かいって言うよね? つまり稜くんは、優しいんだニャ!』
うわぁぁぁ凛の手あったけぇぇぇぇぇ!!!! 凛の心もあったけぇぇぇぇ!!!
『稜くん…大好きだよ…♡』
「あぁぁぁぁぁ可愛いよ凛んんんん!!!! まじえんじぇええええええええ!!!」
「りょ、稜君が壊れた!?」
「ったく、この純情チェリーボーイは…。お~い、戻ってこい~…。」
「…ハッ!!」
「あっ、おかえり稜君。」
「この満悦した表情を見る限り…大分、妄想で凛とイチャイチャしてたらしいのぅ…。」
「ニャンニャンできたのKA? In Your Headの話だけどNA☆」
ここで俺はやっと我に返り、自身の状況を把握した。どうやら、妄想の様を見られてたらしい…。
「ぐぅ…うるさい…///」
「照れやがって…。」
「まぁ、年頃のチェリー男子高校生あるあるやから、気にすることはないで。のぅ信翔?」
「お、俺はねぇよ…。妄想なんて…。」
「そう言っときながら信翔~…穂乃果ちゃんとデートしてるとき、四六時中穂乃果ちゃんと繋がりたがってただろう?」
「あのなぁ大悟…俺と穂乃果はそんな事できる仲じゃねぇって。それにありゃあデートじゃねぇよ。恋人じゃねぇんだから…。」
「そんなことより稜、凛ちゃんは可愛かったか? 妄想の中やけど。」
「え? いや、その…。」
「まぁ、お前のことだし、手を繋ぐぐらいの事してたんだろ? 妄想の中だがな。」
「そこは、キスとかある部分を繋げるとか、それぐらいの事しとけばよかったんじゃねぇかNA? In Your Headの話だからNA☆」
「まぁ、君の凛ちゃんは、君にデレデレなんだろう? 妄想の中だけど。」
「…いや、その…///」
「どや?」
「どうなんDA?」
「言ってみろ。お前が何て言おうが俺は引かねぇから。」
「どうなんだい?」
「もう!!!! もうお前ら帰れよっ!!!!!! お代いらないからもう帰ってくれ! 頼むっ!!!」
遂に限界が来た俺は、あいつらを追い出した。
「あの野郎ども…。俺のことをおちょくって…!」
すると、おっちゃんが後ろから…。
「ハハハ、見られたみたいやな。」
「お、おっちゃん!」
「よっしゃ。あんなぁ、明日はバイトの兄やんも多い。やから、仕事せんでもいいから凛ちゃんとデートでも行って来たらどうや?」
「だからおっちゃん…。凛とは恋人じゃないって…。」
「でも、恋人になりたいんやろ?」
「それは…。」
「なら、デートっていうのは絶好のアピール機会やで。凛ちゃんはああ見えても乙女チックなのは、お前も承知やろ?」
「う…うん。」
「凛ちゃんがお前のこと、快く思ってない訳ないやろ。デートだってしてくれるさ。妄想が現実になるかもよ。」
「もう、からかわないでくれよおっちゃん…。」
「男は根性や。一か八か、電話してみぃ!」
俺は、恥ずかしさのあまり部屋に閉じこもった。窓からは、外で流れるクリスマスソングが聞こえてくる。静かにともしたケータイの画面には、星空凛と書かれたアドレス欄が…。
凛、本当に俺とデートしてくれるのかな? というより、明日、開いてるのかな…? おっちゃんが最後に言った言葉がフラッシュバックする。
よ、よし…! かけるぞ!!
*
「ご馳走さまニャ。」
「やっぱり、凛は食べるの早いなぁ。」
「私たちがまだこの家に住んでた頃から、早食いだったものね。」
凛達星空家は、外からクリスマスソングがすこし聞こえる夜更けの中、久しぶりに五人で机を囲んで食事していた。
「凛、おかわりは?」
「いらないニャ。」
「そ、そう。」
「かや姉、あや姉。悪いけどもう凛は上にあがって寝るニャ。」
「ええ、わかったわ…。」
「せっかくお姉ちゃんたちが帰ってきてるんだ。もうすこしお話したらどうだ?」
「もう凛、寝たいの。」
「そ、そうか…。」
今日の凛は元気がない。少しだけ、穂乃果ちゃんを嫉妬しちゃう感情がこみあげていた。信翔くんとだから…というわけじゃなく、デートしてること自体が羨ましい、そういう感情があって、凛はすこし塞ぎ込みたい気分だったニャ。
すると、凛のケータイが鳴った。そこには、『櫻田稜』の文字が…。
「もしもし、櫻田くん?」
『も、もしもし…凛だよな…?』
「うん、そだけど。」
『な、なぁ…。明日…何も予定ないか…?』
「うん、ないよ。」
『そ、そうか。実はさ…明日、凛とどっか行きたいなぁ~っと思って。』
「本当!!」
あれ…? もしかしてコレ、デートのお誘い…?
『なぁ凛、明日…どっか行かない?』
で、デートのお誘いだニャ…!! ど、どうしようどうしよう!! こ、こういう時、どうしたらいいんだろ…? 凛、ドキドキしてきたよぉ…。
「え、えーと…え~っと…。」
ここで答えるんだ凛! 男の人とデートしたかったんでしょ!?
「う…うん。いいよ…。」
『え、マジで!? よっしゃあ~!! んじゃあ、音ノ木坂学院の近くの公園で、10時からでいい?』
「いい…けど。」
『よし、じゃあそれで。ありがとう凛~!』
そういって、電話は切れた。
ど、どうしようどうしよう…!! 凛、こんなの初めてだから…!!
「どうしたんだ凛?」
後ろを振り返ると、あや姉がいた。
「あ、あや姉…。」
「どうした? 言ってみな凛。大丈夫、姉さんとかには言わないからさ。」
「本当…?」
「うん。私と凛の約束だ。さあ何でも言ってごらん。」
「実はね…。」
そして、あや姉にさっき起こったすべてを話した。するとあや姉は声をあげて笑わず、微笑んで凛を撫でてくれたニャ。
「そっか…。あんなに小さかった凛も、もう男の人とデートするぐらい、成長したんだねぇ。」
「…。」
「付き合ってるのか?」
「い、いや…まだ、なんだけど…。」
「あ、そうなの。」
「で、凛…男の人とデートするのなんか初めてだから、どうしたらいいか分からなくって…。」
「ふぅん、なるほどね…。よし、このあや姉に任せな。」
そういうと、あや姉は凛のタンスを開けて、物色し始めた。
「あ、あや姉? 何してるの!?」
「おーおー、可愛い物いっぱい持ってんじゃん。」
そういうと、あや姉は色々な服を引っ張り出してきてくれた。
「凛はさ、どれが可愛いと思う?」
「こ、これとか…?」
「なるほどねぇ~…。 じゃあ、これとこれを…。」
「待って!」
「どうしたの?」
「そんなスカート…櫻田くんに笑われちゃうニャア…。」
「大丈夫さ。凛だって女の子なんだから、ほら。うん、可愛い♪」
「は、恥ずかしいニャ~…。」
「恥ずかしいの? そうだねぇ~…んじゃあ、スカートじゃなくてショートパンツにしとこっか。んで、このタイツを…おっ、可愛い♪」
「ほ、本当?」
「本当だって。よし、上の方はどうしようかなぁ…。」
こうして、あや姉は凛の服をコーディネートしていった。
「ほら、凛。見てみなさい。」
鏡の中に映ってる人は、とても可愛いかった。
「これが凛…なの?」
「そうだよ。」
その時、扉がギィと開いた。か…かや姉だニャ!!
「凛~? 綺乃~? あら、二人とも何してるの?」
「かや姉!」
「姉さん!」
「わっ、凛! 可愛いじゃない♪ そんなにおめかししちゃってどうしたの?」
「…あや姉?」
「ホラッ、もうバレちまったものは仕方ない。話しなよ。」
「…また私やパパママに隠れて悪ふざけかしら?」
「い、いや! 決してそうじゃないニャ! かや姉には正直に話すから、どうか怒ったりしないでほしいニャ…。」
そして、凛は赤面しながらかや姉にすべてを話したんだニャ。
「ぷっ…あははははっ!!」
「ニャッ!?」
「あの凛がっ…デートぉっ!? プフフッ…。」
「もう! 笑わないでほしいニャ!!」
「姉さん! 凛が傷つくだろ? やめなよ!」
「フフフ…ごめんごめん。」
は~ぁ…。かや姉に笑われちゃった…。やっぱ凛は…。
「ほら見ろ! 凛、うなだれちゃったじゃないか!」
「違うわよ凛。お姉ちゃん、凛をただからかいたくなっただけなのよ!」
「…絶対嘘ニャ。絶対女らしくない凛がしたから、おかしいと思ったんだニャ。ふんだ! 女らしさなんてどこの誰が決めたかわかんない奴なんて知らないよ!」
「…そんなことないわよ。」
凛が自分を全力否定すると、かや姉は…お姉ちゃんは…小さな声で、それでいて何かを諭すように呟いた。
「凛が…可愛くない訳ない。女らしくない訳ない。どうしてかわかるかしら? それは…凛が、お姉ちゃんたちの妹だから…そして何よりも、一人の女の子なんだから…。女の子にはいつか、プリンセスの日が来るんでしょ? だったら、それに向けて男の人が好むような女の子になるために日々努力しなきゃ。」
「お姉ちゃん…。」
「それに、お相手さんは凛の彼氏じゃないにしろ、貴女の信頼してるというか…お慕いしてる方なのでしょう?」
「そ、それは…。うん…。」
「まぁ、万が一、ないがしろにされたのなら誰でもいいから、相談しなさい。貴女には信頼できる家族、仲間がいるはずよ。」
「うん。」
「パパやママだって、可愛いって言ってくれるわ。さあ、見せに行きましょう!」
そして、パパやママにも見せることに…。ママは、絶賛してくれた。パパは、「最後の娘も、遂にパパから離れていくのか」と、ため息をついてやきもちを焼いていた。
*
翌日の午前9時。俺はもう既に例の公園にいた。き、期待に胸を膨らませすぎというか…いくらなんでも早すぎたな…。
それから1時間ぐらい、俺は近くに寄ってきた猫と戯れたり、鳩に餌をやったりして時間を潰していた。
いつの間にか10時は過ぎていた。だが、あの可憐な彼女はいつまで経っても現れない。
「凛のヤツ…遅いなぁ。」
そう独り言を漏らす始末であった。
「櫻田く~ん!! お待たせ~!!」
すると、入り口から俺を呼ぶ声が響く。愛しい凛が、来た。
「ご、ごめんね…こんな寒い中…。」
「だ、大丈夫さ。俺が誘ったんだし…お、俺もさっき来たばかりだから。」
いやいや、1時間前から凛と手を繋いで歩くのを妄想してて何言ってんだよ!! でも、やっぱりこういうのって、本当のことは言えないよな…。
「で、今日は凛をど…どこに連れてってくれるのかニャ?」
「そ…それは…。ど、どうしようかな…?」
「え、決めてなかったの?」
「あはは…すまない。」
それどころじゃなかったんだよなぁ…。誘えたはいいものの、これからどうすればいいんだ俺…。
あぁ畜生! 緊張してモノが言えない!! …やっぱ、信翔とかに、二人っきりの時に女性と自然に接する方法とか教わっておけば…って、こんなにテンパってんのに教わっても無駄か。
「そ、そうだ。俺、何でもいいからさ。凛、何かしたい事があるならなんか言ってみろよ。カネは俺が全部持つから。」
「本当!? じゃあ、凛、したい事があるんだけどいい?」
「…んあっ? お、おう…。」
「凛、ラーメンの食べ歩きがしてみたかったんだニャ。」
え…? 今なんて言ったコイツ。
「た、食べ歩き…?」
「うんっ! 幸い凛達二人ともラーメン大好きだし、それに櫻田くんはラーメン屋だから、ラーメンのお勉強にもなるでしょう…?」
「え…あ、ああ…。」
なんか…物凄いお財布の危機…。
*
「うっぷ…。」
「ぷは~…。いっぱい食べたニャ♪」
「うぷ…吐きそう…。」
結局、夕方くらいまで都心近郊の色々な所に連れ回された挙句、おっちゃんから小遣いを前借りしたり、信翔から借金して肥えた財布は交通費とラーメン代に消えた。肥えた腹ははち切れそう…。そして俺は、かっこつけて『奢る』なんて言った事をひどく後悔した。
そして俺たちは、始まりの公園にいる。
「だ、大丈夫? すごい落ち込んでるみたいだけど…やっぱり、凛も払った方がよかった…?」
「いや、ダイジョブだ…。お前が喜んだなら。」
「そ、そう…。」
夕陽は既に沈んでいた。いいムードも出来上がってきた。さあ、俺よ! 時は来た! 今こそ…アレを遂行するのだ!
「な、なぁ…凛…。」
「ん? なあに?」
「頼みがあるんだ…。」
「いいよ。今日は色々してもらったから、凛何でも聞いてあげるよ!」
「そうか、実はしてほしい事があって…。」
「お前、ずっと俺の事を苗字呼びだろ? 頼むから…俺のことは名前で呼んでくれっ!!」
「…なんだ、そんな安いことかニャ。うんわかったよ。じゃ、これからもよろしくね稜くん♪」
稜くん…稜くん…稜くん………そうだ!! この響きだ! 俺はこの響きを待っていたのだ!! これこそ俺が求める凛なのだ!!
よっしゃああああああ!! 俺やったぞ! 遂に名前で呼んでもらえたぞっ!!!
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「で、テメェはただそれだけのために俺に土下座して3万円も持ってったわけか?」
「あ、あぁ…。」
「ほいでも、名前で呼んでほしかったって…。ホンマに純情な奴っちゃなぁ…。」
「僕は稜君らしいと思うけどね。」
「でも、そんないいMoodになってンなら、Make Loveの一回や二回…。」
凛と別れ、家に帰るとまた野郎衆がタムロしていた。
「うるさいなぁ…。お前ら全員名前呼びで何で俺だけ苗字呼びなんだって思っただけだよ。」
「逆にOnly OneでよかったんじゃないKA?」
「確かにそうだよね。」
「確かになぁ。お前、凛からのオンリーワンを消したも同然やで? アホやなぁ。」
「うるせぇっ!! 俺は名前呼びの方がいいんだよ! お前らだって、好きな娘からは名前で呼ばれたいだろ!」
すると、皆一瞬黙り込んだ。
「言ったなコイツ! 今凛の事好きって!!」
「言っちゃった言っちゃった~!」
「まあでも確かにそうだね。でも僕は名前で呼ばれてるから。」
「俺もやで。」
「オレもだZE。残念だったなBoy。」
「あれ~? 信翔はどうなん~?」
「うっせぇクソ宮! 黙れクソ宮!」
「穂乃果ちゃんからは、なんて呼ばれてるんだい?」
「大悟も、悪ノリすんじゃねぇよ…!!!」
信翔は大悟を張り倒すと、立って座敷から降りた。
「まぁ…とりあえず稜。ちゃんと借金は耳揃えて返してもらうぞ。そうだなぁ…利子もつけて、31,500円ってトコだな。一か月遅れたら1,000円増しで。じゃあな、また取り立てに来るわ。ご馳走さん。」
そう言って信翔は退場。そして俺は恋愛に飢えた三人に、深夜までイジられるハメになった。
ドキドキデートもクソもなかったね。そう、今回の二人っきりのデートはすべて、純情な稜君がただただ名前で呼んでほしかっただけらしい。いやぁ本当純情チェリーボーイだわ。チェリー田だねチェリー田。
ちなみに性交渉ではありません。そんな、変態関西人じゃねぇんだから…www
まぁいずれにしろ、二人の恋愛に発展はあったかと思います(適当)
さて、次回は…執筆が捗りますので、明日(12/22)の12:00ピッタリに投稿する予定です!