ベイビー・パニック   作:高嶺 蒼

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 なごみんのお母さん、出てきました~(*^-^*)



ベイビー・パニック 10

 姫や良美と別れて帰宅途中、レオを腕に抱いたまま、乙女はある疑問を胸にフラワーショップYASIの前にたたずんでいた。

 深刻な顔だ。

 レオは、乙女の胸にぺっとりとくっついたまま、花屋の店先が珍しいのかきょろきょろしている。

 

 「あら~、鉄さん。今日もお買い物、ですか~?」

 

 そんな乙女の姿を見つけて、フラワーショップYASIの店主でなごみの母親のどかが出てきた。

 彼女はゆっくり間延びした声で乙女に挨拶し、その腕の中のレオを見ると、にこーっと微笑んだ。

 

 「可愛い子ですね~。鉄さんの弟さんか、何か、ですか~」

 

 レオの頭を撫でながら、にこにこと問いかけてくる。

 

 

 「えっ?弟?あ、いや、まあ、そんなようなものだ」

 

 (レオは元々弟みたいなものだから、嘘ではないぞ、嘘では)

 

 

 不特定多数にレオの正体をふれ回る訳にもいかないので、乙女は何とか無難に答えてしのいだ。

 

 「そう、ですか~。ボク、お名前、は~?」

 

 だが、敵もなかなかのもの。今度はそんな質問をレオにぶつけてきた。

 しまった!、と思ったときにはもう遅く、レオはにぱっと笑って、

 

 「ボク、対馬レオ!」

 

 と元気良く答えてしまっていた。

 のどかはゆっくりした動きで首を傾げ、

 

 

 「あら~、あの対馬さんと、同じ名前、なんですねぇ~」

 

 「そ、そそそそ、そうなんだ。ぐ、偶然だ、偶然」

 

 

 激しくドモリながら苦しい言い訳をする乙女。

 

 「そう、なんですか~。あら~、でも~、名字が鉄さんと違うんですね~」

 

 そこをつっこんできたか!と天を仰ぐ乙女。しかし、あきらめるわけにはいかない。レオの明日がかかっているのだ。

 

 「いっ、いや。実は弟はレオにとても憧れていてな!自己紹介でついつい鉄レオでなく、対馬レオと言ってしまう癖があるんだ!!!」

 

 気合いを入れて、言い切った。

 のどかは首を傾げたまま、考えているようだった。これで誤魔化されてくれなければ後はない。乙女はじーっとのどかの顔を見つめた。

 にこー、とのどかが笑う。

 

 「そう、なんですか~。対馬さん、素敵な男の子、ですもんねぇ~。それで、今日は~?」

 

 何とかごまかせたとほっとしたのもつかの間、お買い物ですか~?と首を傾げられ、乙女はここを訪れた理由をはっと思い出す。

 

 

 「あ~、今日は買い物ではないんですが。その、椰子は帰宅していますか?」

 

 「なごみ、ちゃん、ですか~?いますよ~。今、呼んできますねぇ~」

 

 「すみません。お手数をおかけします」

 

 「いえいえ~。いつも、なごみちゃんと、仲良くしていただいて、ありがとう、ございます~」

 

 

 そう言いながら、のどかは奥に引っ込み、なごみの名前を呼ぶのだった。

 

 

 

 

 




なごみんとちびレオの交流が少なかったので、ここでなごみん投入!!
今回短いですが、明日も投稿しますので勘弁してやって下さい。
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