ベイビー・パニック   作:高嶺 蒼

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 大分お久しぶりです。
 お待たせしました(^▽^;)
 乙女とレオのドタバタお風呂の回です。



ベイビー・パニック 16

 食事が終わり後かたづけまでちゃんとしてから、なごみは家へと帰っていった。

 今、乙女は最大の試練の場にいる。

 小さいとはいえ、立派な男子であるレオと一緒にお風呂という、試練の場に。

 

 すでにレオはすっぽんぽんだ。まあ、これはさっきも見たから何とかなる。

 だが、さっきと違うのは、乙女も脱がねばならないと言うことなのだ。

 

 今のレオは子供だが、だからといって一糸纏わぬ姿を見せるのが恥ずかしくないかといえばそうではない。

 レオがこちらを意識してようとして無かろうと、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

 

 真っ赤な顔をして、乙女はゆっくりと肌を空気にさらしていく。

 最後に残っているのは下半身をわずかに隠す小さな布切れと、豊かな胸を覆うさらしのみ。

 乙女は横目でちらりとレオを盗み見た。

 小さなレオは、乙女の気持ちなどいざ知らず、絶賛1人遊び中だ。

 

 

 (よ、よし、女は度胸だ!)

 

 

 乙女はリンゴのような顔をしたまま、ぐっと拳を握る。

 そして、意を決してさらしをしゅるしゅると解いていく。

 これで上半身の防御力はゼロになってしまった。残すは下半身のみ。

 

 乙女はもう一度、レオを見た。大丈夫。まだ1人で遊んでいる。

 ごくりと唾を飲み、意を決して最後の砦だった小さな布地を脱ぎ捨てた。これでもう、身を守るものは何もない。

 何とも心許ない思いで、乙女はレオの方を見た。

 

 

 「レ、レオ。風呂に入るぞ」

 

 

 からりと浴室のドアを開けて促すと、レオがこちらを見上げて手を伸ばしてきた。

 

 

 「乙女ちゃん、抱っこして?」

 

 

 そんな可愛いおねだりと共に。

 乙女はひるんだ。それも盛大に。

 服を着ている状態ならいくらでもその要請に応えてやれる。

 だが、今はお互い何も身につけておらず、そんな状態で抱っこなどしようものなら、なんというか、その、色々差し障りがあるような気がする。

 差し障りがあるような気はするのだが・・・・・・

 

 乙女はにこにこして自分を見上げているレオの可愛い顔を見た。

 なんというか、断れる気がしない。それに、断ったら泣かれそうでそれも怖い。

 乙女は真っ赤な顔でレオを見る。

 レオは、抱っこしてもらえることをみじんも疑っていない顔だ。

 

 はー、と大きく息をついた。

 いつまでもこのままにらみ合っているわけにもいかない。ちょっと寒くなってきたし、レオが風邪をひいたら大変だ。

 乙女は意を決して両手をレオのわきの下に差し入れた。

 

 

 「大人しくしてるんだぞ?」

 

 「うんっ」

 

 

 いいい笑顔で返事をするレオをそろそろと抱き上げて、身体から少し離した位置で固定。

 乙女の腕力があれば、造作も無いことだ。

 これなら、最小限の接触ですませられる。

 

 うむ、我ながらいい考えだと1人うなずき、そのままそろそろと浴室へ歩を進めた。

 湯に浸かる前に身体を洗わねばと、乙女はバスチェアに腰掛けてレオを下へ下ろす。

 

 

 「さ、レオ。身体を洗うぞ~?」

 

 

 そう声をかけながらボディソープを愛用のボディタオルにたっぷりかけて泡立てる。しっかり泡立ててから勢いよくレオの背中を擦った瞬間、

 

 

 「いたぁーい!!」

 

 

 とレオの口から悲鳴が上がった。

 びっくりして手を止めると、レオが涙目でこちらを見上げている。

 そんなに痛かったかと反省して、今度はもう少しそっと擦ってやろうとタオルを寄せると、余程痛かったのかレオはイヤイヤと首を振る。

 

 

 「ほら、レオ、今度はそっとするから、な?」

 

 「や。そのタオル、固くて痛いの」

 

 

 レオは頑なに首を振る。乙女は、そんなに固いか?と思いつつ、手の中のボディタオルを見た。

 泡だらけの中からタグを探し、表示を確かめる。そこには、ボディタオル(極硬)としっかり表示が残っていた。

 

 

 「た、確かにレオにはちょっと固いかもな。しかし、他にないしな」

 

 

 うーんと考え、しかし代わりになるようなものも見つからず、仕方がないので乙女は手を使うことにした。手のひらにボディソープを泡立てて、

 

 

 「今度は手で洗うから痛くないぞ~」

 

 「・・・・・・ほんとに、痛くない?」

 

 「ほんとだ!大丈夫、優しくする」

 

 

 疑り深く乙女を見上げるレオに、乙女はにっこり微笑んだ。

 そして、恐る恐る背中を向けたレオの信頼に応えるように、手のひらを押し当て優しく優しくその小さな背中を擦った。

 

 

 「ふわ~」

 

 

 レオが、気持ちよさそうな声を上げる。

 その声に気を良くして、乙女は手を止めずにレオの全身を洗っていく。

 可愛い背中から首筋、ぷりっとしたお尻から足にかけてもしっかり洗い、今度は前へ。

 上半身を洗い、足を洗い、泡がついていない場所が一カ所残される。

 乙女はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

 

 (だ、大事な所だから、そっと丁寧に洗ってやらないとな)

 

 

 正直言えばすごく恥ずかしい。

 だが、その場所こそ特にしっかり洗わなければならない場所であることも分かっている。

 乙女は意を決して手を伸ばした。女にとっては未知のその器官へと。

 

 

 ふより・・・・・・

 

 

 柔らかな感触が手に伝わってくる。

 

 

 「やんっ」

 

 

 レオがくすぐったそうに首をすくめた。

 レオが後ろに逃げないように片手でそっとその背を支えながら、優しく男の子の証を泡だらけにしていく。

 

 

 ふにふにふにふに・・・・・・

 

 (や、柔らかいな)

 

 

 なんだか、病みつきになりそうな感触だった。

 乙女はしばらく夢中で洗い続け、それからはっとしたように手を止めて、真っ赤な顔をしたまま、レオの身体の泡をシャワーで流した。

 ついでに目をつぶらせてシャンプーもしてやる。頭の泡も流し終わってすっかり綺麗になると、

 

 

 「はふぅ~」

 

 

 とレオは気持ちよさそうな声を上げるのだった。

 

 

 




読んで頂いてありがとうございました。
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