「なによ?」
「えっとね、ユーリさんが……」
10分後
「それで、ユーリさんが」(*'▽')
「……」
30分後
「それなのに、ユーリさんが」(>_<)
「……」
1時間後
「でね、ユーリさんが」(///∇//)
「……(イラッ)」
3時間後
「でねでね、その時、ユーリさんが」(≧▽≦)
「うるっさぁぁああああああああああああい」(#゚Д゚)
本編をどうぞ
↓↓↓↓↓
「そ・れ・で! 相談とやらを聞かせてもらおうじゃない」
銃口を突きつけ、怒りで顔を真っ赤に染めたユニは、どすの利いた声で、ネプギアに詰め寄る。
夢中になって調子に乗りすぎたと、強制的に自覚されたネプギアは、両手をあげ、乾いた笑みで、すっかり忘れてしまっていた相談を口にした。
「―――――つまり……どういことよ……?」
「だから、もっと、ユーリさんといちゃいちゃしたいというか……もう少し、女の子として見てほしいんだよ!」
ユーリのネプギアに対する信頼は、それこそ命を預けられるほど高い。
だが、やはり、年齢の差というものは大きく、異性として見られていないのも確か。
手をつなぐ、腕を組むくらいのスキンシップなら娘か妹を見る目で受け入れられるのだが、それ以上の行為となるとやんわりと拒絶されてしまう。
何度も想いを伝えても、返答は変わらず。
その生殺しの状況で、黒いことを思いついても仕方ないよね?とはネプギアの談であり、それが、悠理を警戒させて止まないことは無自覚である。
「まぁ、ニュアンスは分かるんだけど、それをあたしに相談されても……」
色恋沙汰に時間もエネルギーも割く余裕のなかったユニも、男女交際の経験などあるはずがない。
ネプギアは同性であるユニから見ても、愛嬌もあれば容姿も優れており、それを額面通りに受け取れない、年の差という大きい壁を前に、適切なアドバイスを出せるには、人生経験が浅すぎた。
「えっとね、出来ればノワールさんに相談したくて、ユニちゃんにお願いしに来たんだ」
「―――――お姉ちゃんに……?」
確かに、ユニの姉であるノワールは、多くの分野において優れている。
しかし、誰にも苦手分野というものあるもの。
ユニが見てきた限り、唐突に訪れるネプテューヌ以外、プライベートなコミュニケーションを取っているところは稀とすら言っていい。
その姉に、色恋沙汰の相談が務まるのか?
答えは否に決まっている。
更に、期待の眼差しを向けられた姉が強がる姿が嫌というほど鮮明に浮かび、大参事に繋がる未来があまりにも簡単に予想できてしまう。
「あー、ごめんね、ネプギア。お姉ちゃんも戻ってきたばっかりで、仕事が忙しいのよ」
姉の名誉を守るため、もっともらしい口実を建前を口にする。
一刻も早くネプギアをこの場所か離れさせるため、市街に連れ出そうとした瞬間、狙っているのではないかという最悪のタイミングで扉が開いた。
「あら、ネプギアじゃない。珍しいわね、貴女が一人でラステイションに来るなんて」
艶のある黒髪を二つに結び、嫉妬するの馬鹿らしい、見惚れてしまうスタイルを持った少女、ラステイションの守護女神であるノワールが現れる。
凛々しい顔立ちに、その雰囲気に見合った能力を併せ持つノワールは、あまり接点のないネプギアにとって憧れの存在。
だからこそ、相談を持ち掛けたのだが、会わせてはならない二人の会合に、ユニは半ば心が挫けていた。
「お、お姉ちゃん、お仕事忙しいんじゃ……」
「3年も空けてたからやることは山積みだけど、ユニも手伝ってくれるから、息をつく暇もないって程じゃないわよ。それに、ケイからも、仕事のし過ぎだって追い出されちゃったし」
狙っているのではないかと疑うほどに、神ががったタイミングの悪さ。
この日、ユニは初めて尊敬してやまない姉を、心の底から憐れんだ。
「あ、あの、ノワールさん、相談に乗ってもらえませんか!」
「えぇ、いいわよ。でも、どうして、私に?」
「お姉ちゃんには相談しずらくて……それに、ノワールさんはすごく頼りなりますから」
「ふ、ふーん、よく分かってるじゃない! いいわよ、どんな相談にも乗ってあげるわ!」
「あ、あぁぁぁ……」
石が坂を転がり落ちるように、予想通りに、語るたびに自らの首を絞めているノワール。
こうなると分かっていながら止められなかった無力さにユニが力なくうめき声を漏らす。
そんな献身的な妹の嘆きを知らないノワールの気分はまさに有頂天。
いつも、からかわれてばかりのネプテューヌの妹から、姉より先に相談を持ち掛けられ、頼りにされているという優越感に満たされている。
「年上の男の人に、どうやったら異性としてのアピールが出来るんでしょう?」
「――――――え゛?」
しかし、そんな気分が長く続くはずもなく、持ち上げたネプギアの手で、叩き落とされた。
悠理が見ていれば、相手の心を折りに行く、その手際に感心と驚嘆を覚えていただろう。
好意を持っている相手から、そこまで性悪認定されているネプギアは、いっそ哀れですらある。
そんな空回り気味のネプギアはさておき。国営、もしくは戦闘に関しての相談かと思いきや、あまりにも専門外どころか、友達がいないことを逆に相談しなければならないくらいのノワールは、夢心地から一気に現実に引き戻される。
「ね、ネプギアには、まだ、そういうの早いんじゃないかしら……?
色恋沙汰に興味があるのは分かるけど、私たちは女神なんだから、軽々しく交際なんて口にするものじゃないわよ」
とっさに出た言い訳にしては満点の説得力。
そう、これは相談に乗れないのではなく、一時の感情で過ちを犯そうとしている後輩を宥めているに過ぎない。
瞬時に理論武装を固め、ぼっちであることを認めようとはしない。
「ユーリさんなら、いーすんさんも認めてくれてます。それに、これだけは、絶対に譲れない所なんです!」
だが、そんな言い訳も、悠理の名前によって、覆された。
囚われていた女神たちを救い出し、犯罪組織と戦った英雄エミヤの名は、ノワールも聞き及んでいる。
否、聞き及んでいるではなく、ラステイションの教祖であり、数少ない友人でもある神宮寺ケイから、前代未聞の高評価を得ている人物であり、可能ならば引き入れて欲しいとまで言われる人物だ。
そんな人物ならイストワールも推奨するだろう。
「私はユーリさんが好きです。愛してます。だからこそ、私だけは、あの人の特別になってあげないといけないんです」
うっとりと恍惚する乙女の恋慕と同時に、聖母の如き慈愛の微笑みが両立した、「女」の顔に、ノワールもユニも思わず見惚れ、赤面し体温が上がってしまう。
それほどに強く、純度の高い、一途すぎる想い。
その純情に、虚勢を張っていたノワールは、罪悪感に耐えられなくなり、ユニの予想通りの結果となった。
必死に謝り倒すノワールと、逆に申し訳なさそうにしているネプギア。
その二人を傍目に、ユニはため息を漏らし
「―――――あたしも、彼氏欲しいなぁ……」
ぽつりと呟くと、袋路地になっている二人を落ち着かせるために、言葉を尽くすのだった。
自爆するノワールと苦労人なユニちゃんの回でした。
ちなみに数年後、ユニは年上の彼氏ができた模様。ノワールは名誉のために伏せることにします。
彼氏の設定は、ユニと同じくように、優秀な兄にコンプレックスを抱いているちょっと達観した少年。でも、超有能で、女神としての責務を果たすユニを影から支えるタイプ。「スパイラル」の鳴海歩みたいな感じです。ちょっと例がマイナーかな?