星崎 祈は勇者になる   作:小鴉丸

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お久しぶりです、小鴉です。

待っててくれた人がもしもいたのならすいませんでした。

時間は空きましたが第四話です。


第四話 新たな仲間

~祈side〜

 

 

「祈様、どうぞ」

 

「う、うん」

 

大赦の人に扉を開けてもらい中に入る。

次の日にも僕は大赦に来ていた。

 

「学校側には昨日の話は通してあります。……それで例の件ですが」

 

例の件とは昨日話した内容の一つだ。その内容は

 

「現勇者との連携及び監視、それと大赦の守護……その役割受けるよ」

 

「ありがとうございます」

 

頭を下げられる。

大赦の守護とは勇者が暴走した場合に大赦へ反乱した時に大赦を守るというのだ。

 

「まぁ大赦(ここ)に潰れられても困るからな」

 

「天照様もご一緒でしたか」

 

「おう」

 

片手をあげる。

 

「それで今日は何で呼んだの?」

 

二日はゆっくりと家で過ごしたかったのだが。まだ腕が回復していないのだ、余計な事は頼まれたくはないけど。

 

「来週から讃州中学に転入するにあたり、こちらで新しい住まいを準備させていただきまして」

 

相変わらず準備がいいな、一日でなんて。

 

「そこに家具や必要なものを運んでもらおうかと。人はこちらで出しますので」

 

「分かったよ、それじゃあよろしくね」

 

それなら家に帰っていろいろ準備をしないと。

そう思い挨拶をして大赦を出る。

 

「さてと帰るか」

 

「うん。天照お願いしてもいいかな?」

 

家までの移動を今回も天照に頼む、が。

 

「……お前も転移は出来ると思うがな」

 

「ってどうするか分からないよ?」

 

「行きたい場所を念じれば出来る」

 

教え方が雑だ。

とりあえず家をイメージして念じる。

 

「(む、むむむ……)」

 

目を閉じてるから暗くて何も見えない。と、そこに天照から声をかけられる。

 

「出来たじゃねぇか」

 

「え?」

 

目を開くと目の前は家だった。

 

「本当だ……、感覚なんてなかったのに……」

 

「そういうもんだ。さっさと準備するぞ」

 

家に入って僕は引越しの準備を始めた。

 

 

 

 

〜園子side〜

 

 

祈くんと再開して一日が経った。

 

「それにしても昨日は楽しかったね~」

 

「だな。祈とまた話せるなんて……ラッキーだな!」

 

「祈くん家に居るのよね?明日にでも会いに行ってみる?」

 

私達三人はその話題で持ちきりだ。今は部活が終わって帰宅中。

 

「三人ともあの人の事が好きなんだね〜」

 

ゆーゆが何気なく言ってくる。

 

「大好きだよ~、祈くん」

 

にこにことしながら言う。

思い返してみると男の子だからか随分成長してた気がする。背が伸びてて全体的に少し大きくなってる気がした……昨日抱きついた時も――。

 

「? どうした園子?顔赤いぞ?」

 

「な、何でもないよ~」

 

手を前で交差させて言う。

つい考えてしまった、少し気をつけないと。

 

途中で私とミノさん、わっしーとゆーゆで帰り道が別れる。

 

「須美、友奈また明日な」

 

「じゃあね〜二人共~」

 

「また明日」

 

「ばいばーい!」

 

別れる前に挨拶をする。

そして私達はアパートに着く。そこであることに気づいた。

 

「あれ?大赦の車じゃないか?」

 

ミノさんが指をさして言った。見てみると確かに大赦の車だった。

 

「どうして?私達に用事かな〜?」

 

少し不安になる。

大赦の人とは大抵勇者関連の話になる。今回の戦いだってお役目が続いているのだ、理由が無いとこんな事はおかしい。

考えているとアパートからスーツ姿の男の人が出てきた、そして車に乗る。

 

「あの人が?」

 

「あの人なら大赦で見たことあるよ〜、名前は覚えてないけどね~」

 

車に乗ったという事は私達に用事じゃないのだろうか?

じゃあ一体誰に……、なんて疑問はすぐに解けた。

その後によく知っている人物が現れた。

 

「今回はありがとうございました、春信さん」

 

「いやいや大丈夫だよ。後は頑張ってね」

 

「はい、それではまた」

 

私達は目を丸くする。それはそうだ、だって――

 

「……い、祈、だよな……?」

 

「うん……でも、人違いかな?」

 

驚いてる間に車は私のいる方向に走っていった。それを目で追っていた祈くんと私達の目が合う。

 

「あれ?」

 

そしてこちらに走ってくる。私達の目の前に止まり。

 

「園子と銀じゃん。何してるの、こんな場所で」

 

昔の様に、話しかけてくれた。

 

 

 

 

~祈side〜

 

 

「成程、二人もここに住んでるのか」

 

園子と銀に出会った僕は話を聞く。ちなみに今は僕の部屋に居る。

 

「驚いたよ〜まさか祈くんがこっちに来てるなんて〜」

 

「僕もだよ。でも知ってる人が居てくれて助かるかな、こっちの事は全く知らないから」

 

例えこっちの世界にいようが外にいようがこればかりは変わらなかっただろう。でも二年という時は思いのほか多くのものを変化させるようだ。

 

「(僕も少し変わったけど)」

 

というのは言わないでおく。

昨日もうどん屋で話をしたが正直話どころじゃなかった。腕が動かないからか須美、園子、銀に食わされていた、それを面白そうに天照は見ていたわけだが……。

 

「ここに住むという事は……学校は!?」

 

銀は目を輝かせながら聞いてくる。

 

「讃州中学だよ、期待通りのね」

 

「「おお〜~!!」

 

二人は声を揃えて言う。

 

「いつから登校するの〜?」

 

「週が明けたらかな」

 

今日は金曜日、明日は家を整理したり必要なものを買いに行く。だから通うのは来週という事になる。

 

「これは須美には黙っとくか……」

 

にひひと意地悪そうに銀が言っている。

 

「来週のお楽しみだね~」

 

それから少し話をして二人には家の片付けをするから帰ってもらった。

 

「ばいばい~い」

 

「じゃあな祈」

 

「うんじゃあね。……って言っても隣だけど」

 

少し笑いながら言う。

 

「そこは気持ちの問題だよ〜」

 

「だな」

 

二人は笑う。その光景はひどく懐かしく感じた。

 

「(平和だ……)」

 

思わずそう思ってしまう。

そして二人は家の中に入った。それを確認して僕は呟くのだった。

 

「さて、片付けるかな」

 

 

 

 

~天照side〜

 

 

外はとてもいい天気。少し暑いくらいだ。

 

「何で俺が買い物をしないといけないんだよ……」

 

ぶつぶつ独り言を言いながら歩く。

そう事の発端は数分前に遡る。

 

 

「あー、天照ー?」

 

「んー何だー」

 

今朝片付けを手伝いながら返事をする。

 

「買い物を頼みたいんだけどさ」

 

「何で俺だよ、自分で行けばいいじゃないか」

 

「僕は別の場所に買いに行くからね」

 

さらっと言う。

……こいつ。

 

「そういえば天照って料理は出来るの?」

 

料理か。

栞那とよく交代で作ってた事もあり自分はまぁ出来る方にある。

 

「そこそこは出来るぞ。軽くだがな」

 

「じゃあ天照は食材をお願いしていい?何を買ってくるかは任せるよ」

 

 

という事があり現在に至る。

 

「(はぁこんな事なら手伝わなければ……、って一応あそこに俺も住むわけだから手伝わないとなぁ)」

 

真っ直ぐな道を歩く。すると最近見た顔を見つける。

 

「(あれは確か――)よう」

 

「えっ、あ。こんにちは星崎先輩」

 

ぺこりと頭を下げて挨拶をする。

犬吠埼樹。風の妹、大人しく礼儀正しい少女だ。

 

「買い物帰りか」

 

手に下げている袋を見て言う。

 

「そうですよ。星崎先輩は?」

 

「俺は今から買い物かな、祈に頼まれてな」

 

「あっ――」

 

「? どうした」

 

樹は口を手で隠して申し訳そうに言った。

 

「天照さんの方ですか?」

 

そう言われて気づく。

そうか似てるもんな、そりゃ間違うか。

 

「悪い、先に言っとけばよかったな」

 

「い、いえ! でも本当に似てますね……」

 

これは見分ける方法を教えといた方がいいか。

俺は右手首に付けてるブレスレットを樹に見せる。

 

「右腕にこれが付いてると俺、付いてないなら祈。ま、見分けるならここが一番分かりやすいかな」

 

ふむふむと顔を動かす。

 

「なるほどです。あ、買い物に行く途中でしたっけ。止めちゃってすいません」

 

「いや気にしてないからいいぞ」

 

「ふふっ、優しいんですね」

 

――あぁ。

俺はとある記憶と今の樹の動作が重なって見えた。

 

「そうか? それよりもそっちは大丈夫か」

 

「大丈夫ですよ。もう少し話してたいですけどもう帰りますね」

 

足を進める樹。

 

「気をつけろよー」

 

その背中を見ながら声をかけた。

 

「はい、ありがとうございま――ひゃ!?」

 

すると樹が石につまづき前に倒れそうになる。

 

「っと、大丈夫か?」

 

樹の前に転移し、それを片手を引いて俺の体を壁になるようにして受け止めた。

ぽすっと樹は俺の胸の部分に顔が当たり止まる。

 

「あっ、あっ……だ、大丈夫……です……。えと、えと、あ、あの!ありがとうございました!」

 

下を向いて顔を隠しながら言う。そして返事をすると慌てる様にどこかに行ってしまった。

 

「どうしたんだ?」

 

樹の背中を見ながら疑問に思う。それと――

 

「(何となく、栞那に似てるな……。危なっかしい所とか)」

 

そういえば、と買い物に行く途中だったことを思い出して俺は店に向かうために足を進めた。

 

 

 

 

~祈side〜

 

 

食料は天照に任せて僕は日用品を買った。必要最低限の物は買ったから家に帰ることにする。

もし必要なものがあれば次に買い足せばいい。

 

「そろそろあいつも帰ってる時間かな」

 

携帯で時間を見ると十一時半、家に着くのは十二時前になりそうだ。

 

「あら。祈じゃない」

 

後ろから唐突に声をかけられる。

 

「風先輩……?」

 

振り向くと犬吠埼風先輩が立っていた。

 

「持ちましょうか?腕、治ってないんでしょ」

 

僕の返事を待つ前に右腕に掛けていた袋を取って持ってくれる。

 

「あ、ありがとうございます先輩」

 

「いいってことよ。人を助けるのが勇者の役目だしね」

 

いろいろと質問されながら家までの帰路を二人で歩く。その中で。

 

「そういえば祈って中学生よね。どこに通うの?」

 

大赦側から連絡はまだいってないのか?勇者のリーダーは先輩だと聞いていたが。

 

「そのうち連絡が来るかと思いますが、讃州中学にですね。もちろん勇者部に入りますよ」

 

「あらそうなの。それじゃあ更にって言うか……まさかこんなに増えるとはね」

 

前に勇者部とうどんを食べた時に話したが須美達が勇者部に入ることは予想してなかったらしい。それもそのはず、勇者部は勇者で構成される予定だったのだ。

まぁ結果は全員勇者な訳だが。

 

「そして祈はあの子達にとても信頼されてるじゃない。部長として羨ましいわ」

 

「ま、昔は色々ありましたからね――。っと、それでは僕はこっちなんで失礼しますね」

 

家の近くに来て道が違うので別れる。

 

「家まで持ってあげましょうか?」

 

「いえ気持ちだけで十分ですよ。それではまた明後日会いましょう、先輩」

 

「ふふ。そうね明後日、楽しみにしてるわ」

 

そう言葉を交わして僕達は別れた。




次回予告

「星崎祈です。よろしくお願いします」

「飯は作ってるぞ」

「おはよー!」

「来たわね祈!」

「一緒のクラスだなんてね」

第五話 讃州中学




前書きでも言いましたがお久しぶりです。最近はほかのゲームにハマってしまいそっちの創作ばかりしてました(バンドリ)。
こんな僕の作品ですがこれからもこのほしゆを読んでくれる方がいるのなら感謝です。

それでは読んでもらいありがとうございました。
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