それでは第三話です。
あの戦いから一日が過ぎた。僕は勇者となって大橋の戦闘に参加し三人の勇者とともに戦った。鷲尾須美、乃木園子、三ノ輪銀この三人が勇者だ。
「(でも、あの三人が勇者か……)」
勇者にも大赦にも僕のことは『勇者』として広がっているだろう。神樹がそんな風に言っていたから違いない、昨日は戦闘中だったから話を逸らして、学校は早退したから何もなかった。今日はそうもいかないだろう、僕について多く問われる。大赦の人達は適当に流した、問題は勇者三人だ。
「学校に行って考えるか」
着替えて家を出た、まではよかった。思わぬ事態が起きたから。
「あ!祈くん、おはよう!」
会ったのは鷲尾さんだった。そして来るなり……
「昨日のこと全部話してもらうわよ。そのっちと銀にもね」
やっぱりか。いやまぁ、想像はついていたけどさ。適当に話しながら学校に向かっていたら。
「おはよ~。わっしー、祈くん」
「そのっち、おはよう」
「おはよう。乃木さん」
乃木さんも昨日のことを聞いてきた。
「祈くん、昨日はどうしてあそこにいたのかな~?」
「えっと、いろいろとあって。三人揃ったらちゃんと言うよ」
ほかの事について話しながら学校に向かって三人で歩いていた。僕は正門前であることに気付いた。
「(まて、昨日もこんな感じで面倒なことが起きたな。)」
そう、昨日の鷲尾さんの彼氏と思われた事件だ。またそんなことがあったら、たまったもんじゃない。
「二人ともごめん!僕用事があるから先に行くね」
「わかったよ~」
「じゃ、教室で」
よし、うまくいった。後は教室で待っておくだけだ。教室に入り席に着く。
「お、祈じゃん」
「三ノ輪さん?」
誰だ?と考えたが聞いたことのある声だった。
「銀でいいよ。同級生なんだし」
「うん、おはよう銀」
「おはよう、祈」
挨拶を済まして。教室を見渡す銀。
「二人だけだね……」
「まだ朝早いからね。鷲尾さんと乃木さんがもうすぐ来ると思うよ」
「なんでわかるの?」
「なんでって、学校に一緒に来てたからね」
銀の表情が少しだけ変わった。嫌な予感がする、のは僕だけだろうか。
「ふーん。で、どっちが好きなの?須美と園子」
はぁ!?まさか女子に聞かれるとは。
「(これはどう答える!?昨日は鷲尾さんと話を逸らすことができたけど)」
僕は必死に考える、何とかならないか。
「(あ、一つだけあるじゃん)」
だかこの方法はある意味恥ずかしい。だけど……
「いーのーりー、誰にも言わないからさ」
よし、覚悟はある。
「……わかったよ」
銀は次の言葉に期待している。ま、期待を壊す形になるけど。
「僕は……」
銀の肩を掴む。
「!?」
銀が驚く。それと同時に……
…………ガラッ
「銀が、好きだ『祈くんいる?』」
一時的な沈黙。そして
「「えぇぇぇぇぇっ!!!!」」
「わっしーどうしたの?」
何も知らない乃木さんはとても落ち着いていた。
「本当にすいませんでした!」
僕は全力で銀に誤っていた。あの後いろいろあったんだ。
「い、いや。いいよ。いやー銀さんこんな事されたの初めてだから。あはは……」
僕もだか銀も顔が赤い。冗談でも簡単な告白だったから、いくらその場しのぎのためにとった行動がここまで間に受けるなんて、思ってもいなかった。
「祈くん、さっきの本気じゃないよね?」
鷲尾さんが怖い。感じがする。
「(本気じゃないにしても、よく見ると銀はすごく可愛いな。普通に見た目もいいし、元気だ。僕のタイプにストライ……あれ?)本気……じゃ、な、いと思う」
「なに!今の間は!」
「まぁまぁ須美。落ち着けって」
「そういう銀はどうなの!?祈くんのことをどう思っているの!?」
「わ、私は、祈のことを……」
「はーい皆さん。席についてください」
「(ナイスタイミング!先生!)」
こんな感じでこの話は一旦終了した。
そのあと学校中で話題になった。昼休みになって。
「眠い……」
「ごめんなさい、言い過ぎたわ」
「ごめんね~祈くん」
申し訳なさそうに謝る二人。
「ああ、僕はいいよ。でも……銀をどうにかして」
「…………………」
「おーい、ミノさん~」
「ダメだわ、気を失っている。銀、銀」
でも銀は反応しない。どうしたものかと考えていると。
「じゃあ祈くんが言えばいいんじゃないかな~」
園子が言った。最近は嫌な予感しかあたらないんだよな。僕は銀に声をかける。
「銀?話し合いをするから戻ってきて」
ゆさゆさと体を揺さぶる。
「……あ。祈」
「ふぅ、銀も戻ってきたし話すよ」
僕は答えられるものは答えた。あっちも自分のお役目のことを話してくれた。
「じゃあ祈くんも勇者でいいんだよね?」
「うん、だからお役目の時は一緒に行動するよ」
僕の役目のことは言っていない。神樹を守るためじゃないからね。そこまで話すと昼休みが終わった。
そして授業、帰りの会も終わり。教室を出ようとしたところに。
「い、祈くん!」
鷲尾さんが話しかけてきた。
「どうしたの?鷲尾さん」
「明日の予定あいているかしら?」
明日、土曜日か。何もないなすることないし。
「あいてるよ。でもどうしたの?」
「みんなでお出かけをしようと思って、そのっちと銀には言っているわ」
お出かけね。することなくて暇だしいっか。
「一緒に行こうよ!祈!」
銀が元気に言ってくる。さっきのこともあるし断るわけにはいかない。
「わかった。僕も行くよ。」
鷲尾さんは嬉しそうに。
「わかったわ。じゃ、また明日ね」
「じゃあね、鷲尾さん」
学校を出て歩いているとあの時の違和感を感じた。
「(気のせいか?いや、これは)」
僕はこれを一度だけ感じたことがある。
「またか、神樹」
気づくと神樹の前に立っていた。
「お前はどうする?大赦のために戦うか、勇者のために戦うか」
呼びだすなり何を、そんなんいきなり聞かれても困る。
「なんでそんなことを聞く?」
「それは………」
次の話に続きます。
次回予告
「祈くん、来たよ」
「楽しもうね~」
「両手に花、ね」
「ここは銀さんに任せなさい!」
「神樹!どういうことだ!?」
第四話 平和な日。それは……