魔法少女リリカルなのは The Annihilation Swords and Fists 作:zwart
突撃したテロリストの拠点の中、葉木はまだ倒し切れていない、無駄な生き残りに一つずつ鉛玉を撃ち込む。それにしても臭い。拠点に帰ったらシャワーを浴びよう。
「吐け。お前等は何をたくらんでいる」
ガチャリと音を立ててこめかみに銃口を押し付ける。
「う、撃つなら撃て」
「分かった」
座っている男の右膝に撃ち込んだ。
「ギャアアッ!?」
「次はどこを撃とうか」
銃口を上へとゆっくりスライドさせる。男はガクガク首を揺らした。
「わわ分かった。何でも話すから、助けてくれ!」
「お前の組織がやろうとしていたあらゆる武力行動について。あと武装の入手ルート。全部吐けば殺しはしない」
「わ、我々はただ、『炎』を回収し他の組織に引き渡すことしか命じられていない」
「誰に命じられた。作戦は何時発動予定だった」
「さ、作戦決行は一週間後、俺達が一番目だ。誰に命じられかは分からない」
「一番目とはどういう意味だ」
「こ、この作戦は複数の組織が『炎』を順番に輸送して、目的地まで持って行く。最後に『炎』を燃え上がらせる為に」
「『炎』とは何だ」
ピクリと男の肩が揺れ、沈黙した。
パン!
「アアアアアッ!! 分かったっ。話す!話すから!」
「『炎』とは何だ」
「『炎』は、ロシアの軍事衛星の動力。原子炉だ」
落とすということか。ならばハッキング系の組織が関わっているな。
「燃え上がるとはつまり、爆発させるということか」
「そ、そのとおりだ。輸送する過程のどこかで核爆弾への加工が行われる」
『輸送する』───では衛星を落としてその場で爆散させるのではなく、原子炉を回収して爆弾に加工し直すのか?
「そうか。では次の質問だ。お前等に武器を渡した組織、人物について知っていることを全部言え」
「組織は知らんが、男が来て俺達全員分の武器をくれた。ガキを一人連れたスキンヘッドの白人の男だ」
「容姿を詳しく」
「そ、そんなん覚えてねぇよ。だげど『トラクルおじさん』とか名乗ってやがった」
「そうか。十分だ。ありがとう」
パン。
その場に保管されていたガソリンを部屋中に撒いてマッチを擦る。出口まで移動し火を落とすとたちまち室内は激しい炎に焼かれた。すぐに消防が来るだろうし、その後憲兵隊が到着すれば区画ごと封鎖される。逃走にあまり時間は掛けられない。
「トラクルの名前で検索。甲、この街の憲兵のサーバーを突破できるか?」
『不可能だ。正規回線から侵入しなければ勝ち目は無い』
「次の標的はMPBか………」
Milliopolis Polizei Bataillon。通報MPBはかつてウィーンと呼ばれたオーストリア首都ミリオポリスにおいて特殊兵科を使用する治安組織の一つだ。
***
暗い部屋だ。白く光るモニターは全部で7つ。それぞれの前に人影がある。
「さて、我々の計画が一つ潰れたようだ」
一番目の影が最初に語る。
「計画に必須だった星が落ちてしまってね。もう修正は不可能だ」
男の声は楽しげだ。
「その代わりに面白い者を見つけたよ」
全てのモニターに新たに写真が表示される。東洋人の少年の顔が映っていた。
「彼が今度の計画を潰した張本人だ。どうやら我が社の事を色々知っているようだが………まあ、それはいい。彼の処遇をどうするか、意見はあるかね?」
「場所が分かれば俺が撃つ」
言ったのは別の男だ。北欧人の男で、首に『中』の字が入ったブロックを掛けている。
「残念だが彼を追わせたエージェントは既に全滅していてね。現在位置は不明だよ」
「『
簡単だ、と男は笑みを深める。
「より派手に、大きな計画を動かそう。邪魔な虫螻を挽き潰すくらいに大きなものを」
「標的はどこだ」
「それは追って通達しよう。さて、次の計画に異論ある者は---いないようだね。では解散だ。皆、世界の真実のため奮闘してくれたまえ」
一番目の男が場の閉幕を宣言した。モニターが消灯し部屋に完全な暗闇が訪れた