魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第11話

「ねえねえ、今週末お花見しない?」

 

 朝食の席でうちの隠れ最強が何か言ってきた。

 

「花見?いいけど…週末混んでるんじゃないの?」

 

「あー確かに…山間とかはまだまだ混んでいましたよ?」

 

 桃かーさんの言葉に頷きつつ思ったことを言うと、どうやら晶が知っていたらしくて告げてきた。おおう、桃かーさんのテンションが一気に落ちたぞ…

 

「お、お前ら?その…なんだ?友達とかにマル秘スポットとかを聞いてみてくれないか?」

 

 桃かーさんのテンションが落ちたことによりとーさんが慌てだして何とかフォローをしてきた。

 

「まぁ、聞くだけなら…」

 

「紅莉君友達いたの!?」

 

「おいなのは、どういう意味だ?」

 

「うにゃ~っ!?痛い痛い痛い!」

 

 なのはが失礼なことをほざいたので頭を撫でてやる。

 

「割れる割れる割れるぅ~っ!」

 

 本当に失礼だ俺だって友達はいるわ。アリサにすずかに………

 

「あ、あれ?」

 

 ふと思い返してみるといつも一緒にいるのはアリサにすずかになのはだけだ。てか、飯を一緒に食ってるのがこいつ等のみだったよな…

 

 よし、落ち着け俺。確かになのはと一緒にいることが多い分アリサにすずかが友達なのは間違いは無い。俺の事情も知っているし。

 

 しかし、それ以外は…。

 

「あれ?男友達いない?」

 

「紅莉も変な性格やからなぁ…友達が作りづらいだろうとは思ったが…まさかここまでお師匠ににとりはるとは…」

 

「同感。でも、師匠は勇兄っていう友達いるだろ?」

 

「そやな~」

 

 なんか、あっちで普段仲が悪いコンビがめちゃくちゃ失礼なことをほざいてる。

 

 あとレンちゃん。俺は兄さんみたいな無自覚者では断じてない!

 

「うぅ…私がもっと早く気づいて紅莉を学校に入れていれば…」

 

「桃子のせいだけじゃないさ、これは俺の責任でもあるんだよ」

 

 そしてとーさん達は俺を話題にいちゃつきだしやがった。

 

「紅莉虐められたりとかしてないよね?ダメだよ何かあったら言わないと」

 

「やめて!純粋な優しさが返って胸をえぐるから!」

 

 うちの長女的存在に優しく心配される。

 

「あ、あはは…ほら、紅莉って大人っぽいから意外と皆から頼りにされているかもよ?」

 

「今回の美由希の言葉は心にしみるよ…ありがとう」

 

「どういう意味!?」

 

 結局朝の段階でお花見ムードから俺の心配が議題となって終わってしまった。

 

「いい加減頭を離してーーーーっ!」

 

 あ、忘れてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いう訳でいい場所知らないか?」

 

「そうねぇ。うちの私有地はこの近くに無いし…日帰りできる場所がいいんでしょ?」

 

「うん。おとーさんもおかーさんも一日だけ休めるけど、連日は無理だって」

 

 とりあえず、超お嬢様のアリサに場所のことについて聞いてみたが、どうやらダメっぽい…てか、私有地持ってるのかよ…

 

 いや、確か母さんもどこかの無人島を買ったとか昔言っていたな…今度調べてみよ。

 

「う~ん、私の場合は…お姉ちゃんに聞いてみるね」

 

「頼むわ」

 

 忍さん元気かな?最後に会ったのは去年辺りだったかな?

 

「それにしてもお花見ね」

 

 アリサが此方を窺うような視線を送ってくる。ふむ…

 

「どうしたアリサこっちを見て?」

 

「な、なんでもないわよ!」

 

「あ…紅莉君がお兄ちゃんみたくなってる」

 

「恭也さんって意外と意地悪だよね」

 

 なのはとすずかはこそこそと何かを喋っているつもりだろうけどばっちり聞こえているからな?

 

「くっ…」

 

 アリサはアリサでこっちを顔を真っ赤にして睨んでいるし…ある程度弄れたしここら辺でやめておくか、あまりやりすぎても意固地になるだけだし。

 

「んでさ、アリサにすずかも一緒に行かないか?まぁ、場所が決まらなければやんないかも知れないが」

 

「そ、そう。行ってやってもいいわよ」

 

「うん、私も一緒に行きたいな」

 

「ぶー、なのはが誘うつもりだったのに」

 

 う~む、安定のツンデレっぷりだなアリサは。しかしなのはは所々で幼さが出てくるな。普段は成熟している感じがするが時たま歳相応な感じがして微笑ましい。

 

(《マスター親父臭いです》)

 

 だまれ。

 

「あ、兄さんからだ」

 

 ポケットの中から振動がしたので取り出してみると兄さんからのメールが来ていた。

 

「なんだか、忍さんが場所を聞いてくれるみたいだな」

 

 兄さんのメールには忍さんが知人の所有している場所を貸して貰えるか交渉してくれるとのことだった。

 

「あ、そうなんだ」

 

 すずかもあっさりと納得して今週末花見にいけるように予定を考えているっぽかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、不詳この私、高町桃子が乾杯の音頭を取らさせて貰います」

 

「いいぞ桃かーさん!」

 

「ヒューヒュー!」

 

 週末、無事に花見を実行できることとなり高町家を始め、月村家の姉妹とアリサとかなりの大御所がわいわいとやってきた。

 

 場所のほうもきちんとゴミを片付けてくれればいいとなんともありがたいことだ。

 

 しかも、私有地だから俺達のほかにはだれもいなく、桜も独占で凄くいい。

 

「では、カンパーイ!」

 

『カンパーイ!』

 

 桃かーさんの音頭から皆も続きコップを掲げて各々ぶつける。

 

「んじゃ、自己紹介しましょ。何人かは初めましてだから」

 

 そういって、各々自己紹介を開始し始め、遂には俺の番となった。

 

「えっと、緋凰紅莉です。性こそ緋凰ですが高町家の次男坊となります。ちなみに、なのは達の一個上ですが学年自体は一緒です。

 趣味は釣りと針治療です。あと、武術をやっています」

 

 こんなものだろう。因みに釣りはこの前の兄さんに教わって以来少しやろうと決めている。あれは面白い。

 

 その後も各々自己紹介は終わり後は各自好きなようにやるようになった。

 

「そういえば、紅莉も武術をやっているといっていたけど恭也と同じ流派なの?」

 

 ふと、思い出したように忍さんが聞いてくる。忍さん自体は俺が剣術をやっているのは知っているがあまり興味がわかなかったのかそういった具体的な部分は聞いてこなかった。

 

「違いますよ」

 

「それじゃ、赤星君みたいな【剣道】?」

 

「それも違います」

 

 ちなみに勇吾さんは草間一刀流という剣道をやっていてかなり強い。体格に恵まれたそのパワーを遺憾なく発揮して重い攻撃をしかけてくるのだ。

 

「俺のは緋凰流…正確には緋凰月陰流といいます」

 

「あ、恭也見たく長くないんだ」

 

 ああ、御神流は正式名称ながいからなぁ…

 

「ただ、緋凰流は緋凰陽明流・緋凰月陰流・緋凰天命流と3つあってそれを纏めて緋凰流っていいますね」

 

「へ~」

 

「まぁ、まだまだ子供の俺には全然ですが」

 

「そうか?紅莉ってかなりやると思うんだが?」

 

「そうなんですか?」

 

 今までニコニコと聞いていた那美さんがコテンと首を傾げながら勇吾さんに尋ねるが持ち上げないでくれ。ここ1年なんて誰にも勝ってないんだから。

 

「ああ、高町たちほど奇抜じゃないが、それでも独特の戦い方で何度危うい場面があったか。

 あの出所が捕らえづらい攻撃は本当に厄介だよ」

 

 勇吾さんは稀にうちにやってきて兄さんと木刀で戦うことがある。そんなときは俺も参加させて貰ったりしてやるのだが、勝てるという感じが今まで一度もないんですが?

 

「すごいですね。私なんて運動しようとすると、何も無いところでこけちゃったりするのに…」

 

『………』

 

 今まで聴いていた人が全員無言になってしまう。かくいう俺もだが、しかしだ、これ以外にももう一つ、美由希を知っている人は思っただろうな…同類がいると。

 

「ま、まぁ、それは置いておくとしてだな」

 

 勇吾さんがナイスな感じで話題を逸らしつつ各々再び別グループで盛り上がりだした。

 

「ほれ、久遠にリニス」

 

「くぅん♪」

 

「にゃあ♪」

 

 膝の上に乗っている久遠とリニスに弁当の中から食べられそうなものを渡して食べさせてやると嬉しそうに鳴く。

 

 那美さん曰く久遠は何でも食べられるようで、かなりの雑食だそうだ。ただ、流石にネギ類はダメのようだが。

 

(その点私はなんでも食べられます。というよりも、こっちの姿が本来のものとしても使い魔として命を与えられた時点で人と変わりはありません)

 

(そうなんだが…しかし、お前は鰹節大好きだよな?あと干物)

 

(あれらこそ至高の一品!これを考え出した日本人には大きな敬意を表すしかありません!)

 

 おおう、凄い興奮の仕方で。キャットフードも美味い言っていたし、こいつが言うほど人間っぽくなくやっぱりネコなんだなと感じてしまう。

 

「いいなぁ、紅莉君はそんなに二匹と仲良くて」

 

「そうよね、私達にも懐いてくれたけど紅莉ほどじゃないし」

 

「うちのネコちゃん達にも人気だよね紅莉君」

 

 俺のプチハーレム状態をみて三人娘が羨ましそうな視線を送ってくる。月村家のネコに関してはリニスが締め上げて従わせているだけだ。

 

 実際の俺は動物には嫌われやすい体質だからなぁ…

 

 月村家のネコはリニスのおかげでそんなではないが、道端で会ったネコなどは警戒してどっか行っちまうし、犬に関しても怯えるか威嚇される。

 

「って、おい久遠何飲んでる。リニスも」

 

「くぅ~」

 

「なぁ~」

 

 二人共返事はするが、何かふわふわした感じがするが…

 

「あー、すまん紅莉。なんか、久遠とリニスが甘酒に興味を示してたから上げたんだけどさ…」

 

 晶がすまなそうな顔をしながら事実を教えてくれた。

 

「それで思いのほか気に入ってがぶ飲みしたと?」

 

「まさか、あんなに飲むとは…」

 

 晶の言葉に舌を見るとなにやらふらふらしながら歩き出す二人。

 

「なぁ」

 

「くぅ」

 

 しかし、千鳥足で歩いていた二人だったが力が入らなくなってしまったのかその場でパタリと倒れてしまった。

 

「あ~あ…しょうがねえな」

 

 二人を回収して再び膝の上に乗せると直ぐに寝息を立てだしたので放っておく。

 

「んじゃ、俺も…」

 

 近くにあったコップを掻っ攫おうと手を伸ばす。

 

「こら!」

 

「あたっ!?」

 

「あんたはまた勝手にお酒を飲もうとして!」

 

 桃かーさんにばれてしまい、もくろみ失敗。

 

「いいじゃないか、母さんは何も言わずに飲ませてくれたよ?」

 

 お神酒だといって、争いの前には必ず飲んでいた。

 

「ダメです!今からアル中になったらどうするの!私の眼が黒いうちは許しません!」

 

「ちくしょう!」

 

 結局今回の宴会で俺は酒を飲むことが出来なかった…

 

「あんた…」

 

「もう…」

 

「はぁ…」

 

 しまいには三人娘にも呆れた目で見られてしまったのであった…

 

 

 

 

 

 

「あ、あたまが…」

 

「二日酔いだな完全に」

 

 宴会後、目を覚ましたリニスはやはりというか完全に二日酔いになっていた…甘酒でなるのかは疑問だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんじゃ今の映像は…」

 

 寝起きに呟いてしまった。なにやら不可解な夢を見てしまった。

 

《おはようございます。今のは何かしらの魔力反応が見せた夢だと思います》

 

「魔力反応が?なんだそりゃ。リニス」

 

「はい」

 

「お前も感じたか?」

 

「はい。しかし、アレは…」

 

「悪いが調べて貰えるか?」

 

「分かりました。もしかしたら、この前落ちてきたものと関係があるかもしれませんので」

 

 そういうとリニスはさっと窓から飛び出て調べに行ってくれた。

 

「しかし、魔法が日常に入り込んでくるとは」

 

《私から言わせれば、魔法がなくともマスターや恭也様などは十分人外です》

 

 失礼な話だ。

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたなのは?いつも以上にぼーっとしたマヌケ顔して」

 

「どういう意味!?」

 

 うがーっと怒ってくるなのはをスルーしつつ味噌汁を飲む。今日は晶が当番だったからか和食がベースになっていて美味い。

 

「紅莉は相変わらずなのちゃんをからかってるな」

 

「まぁ、お師匠も美由希ちゃんをからかってるしそれみて育ってるからしゃーないんちゃう?」

 

「ほう…面白いこと言っているな」

 

「がんばれ晶、レン!私の人権獲得のためにももっと言ってやって!」

 

 ううむ、いつものことだが場がカオスになるなぁ。俺になのは、桃かーさんにとーさん、兄さんに美由希、レンちゃんに晶にそして…

 

「ほら皆、ご飯は仲良く食べよ」

 

 フィアッセさん。総勢9人での食卓ににぎやかさは事欠かないな。

 

 特にフィアッセさんはこれといって怖いわけではないのだが、ふわっとした感じで高ぶっている気持ちを落ち着かせてくれる雰囲気を持っているからか皆も素直に従ってご飯を食べだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「将来の夢かぁ…みんな、将来の夢って決まってるんだよね?」

 

 昼休み屋上に出て飯を食っていたら、なのはが先ほどの授業で言っていたことを尋ねてきた。

 

「まだ明確に決まったわけじゃないわよ?パパとママがやっている仕事をみて私も何かできたらなぁって思っているだけだし」

 

「私も、工学系が面白そうかなって思ってるだけだよ」

 

「すずかは決して忍さんのようにならないでくれ…」

 

「あ、アハハ…」

 

 俺の呟きにすずかが乾いた笑いを浮かべる。すずかの工学好きは恐らく忍さんの影響なのだろうが、あの人はものの実験台に俺や兄さんを使って試すので性質が悪い…

 

「そういう、紅莉も決まっているの?」

 

 アリサがすずかの乾いた笑いをスルーしつつ此方に尋ねてくる。

 

「ん?そうだなぁ、外国行って母さん…桃かーさんじゃないほうな?母さんのやっていた仕事をやってみたいと思っているかな?」

 

 アリサたちには俺の母親については知っているが、呼び名が似ているからこのような言い方をしょっちゅう行ってしまう。

 

「あんたの母親って何をやっていたのよ?」

 

「ん~、とーさんと似たり寄ったりだったからボディーガードとかそんな感じかな?」

 

 今の世の中だと中々依頼は少ないだろうけど、母さん繋がりってことで最初やれば依頼取れると思うから。

 

「へぇ~…じゃあ、将来私の専属にしてあげるわ」

 

 アリサが挑発的な笑みを浮かべながら言ってくるが。

 

「はっ!」

 

「鼻で笑ったわね!」

 

 右拳を思いっきり振ってきたのを軽々避ける。

 

「ほれ、こんなに鋭い拳を持っているのにいらないじゃないか」

 

「あっさり避けといて何をいってんのよ!」

 

「そりゃ、まだまだ素人のパンチだからな。しかし、アリサはこのまま続ければ恐らく凄いことになるぞ!目指せ世界王者!」

 

「ムッキー!」

 

「ふはは!甘い、甘い!」

 

 怒りが最大までたまったのかアリサは弁当を置いて俺に殴りかかってくるのを全て裁いた。

 

「そっかぁ…みんな凄いよね、しっかりとしたヴィジョンあって」

 

「ぜぇ…はぁ…でもなのはには喫茶翠屋の二代目マスターってのがあるんじゃないの?」

 

「うん…でも、他になにかあるんじゃないかって…」

 

 息を切らしながら前に言っていたことを尋ねるがどうやらなのは的にはただ惰性で継ぐのを良しとしないみたいだ。

 

 まぁ、桃かーさんはなのはが継いでくれると嬉しいって言っている反面子供達には好きにしなさいって言ってくれているからどっちでもありだろ。

 

 まぁ、兄さんが嫁さんを貰って孫を産んでくれーって言っていたけど、あっちは本気だったなぁ…

 

 とーさんはなのはに激甘だから何かやりたいと言ったら絶対に応援して終わるだろうし、それは俺達兄姉も同じだな。

 

「それに私…なんの取り柄もないし…」

 

 ふと思いを馳せていたら、なにやらなのはがアホなことをほざきだしたぞ?

 

「バカチン!」

 

 アリサがなのはの言葉に激怒して弁当に添えられていたレモンを投げる。

 

「アリサ、食べ物を投げるな」

 

「あ、ゴメン…って、違う!今はこっち!自分からそんなことを言うんじゃないわよ!」

 

 それは俺も思ったが、如何せん飲食店の子としてはそれは見過ごせない。

 

「そうだよ、なのはちゃんにしかできないこときっとあるよ」

 

 すずかは相変わらず優しいなぁ。

 

「大体あんた!理数の成績はあたしよりいいじゃない。それで取り柄がない?どの口が言っているのよ!」

 

 アリサは普段から成績を競うのが好きだからしょっちゅうテストやなんかで競ってくるが、理数に関してはいっつもなのはに負けてるからそれが今回は我慢が出来なかったのかそれを口実になのはに飛びつく。

 

「ふえぇ~」

 

「あ、あのその…ふたりとも!」

 

「この!この!」

 

 すずかはそんな二人を見て慌てており、アリサはなのはの上に乗ってなのはの頬を引っ張っている。

 

「こ、紅莉君止めてあげて!」

 

「いいじゃん、微笑ましくて」

 

「笑ってないで止めてよ~」

 

 すずかの懇願により、仕方無しに両者を止めて向きあわせる

 

「まあなんだ?俺達はまだ小3なんだから急ぐ必要もないだろ?兄さんを思い出せ、剣のこと以外は考えてないぞ?」

 

「それは確かに…」

 

 兄さんなんて大学行くかどうかも未だに決めてないからなぁ…

 

「それになのはには夢があるだろ?」

 

「え?」

 

「前に俺に言ったこと忘れたか?」

 

「え?え?」

 

 どうやら覚えてないのか…仕方ない教えてやるか。

 

「わ、私って何か言っていたっけ?教えて…ううん、やっぱ言わないで!」

 

「なんでさ」

 

「だって、紅莉君がすっごく意地悪そうな顔しているんだもん」

 

「失敬な」

 

 そう言ってキリッとした顔をする。

 

「お前、前に将来の夢はお嫁さんだって言っていたじゃないか」

 

「うにゃぁぁぁぁぁっ!」

 

 なのはが奇声を上げて俺に突撃してきてぽかぽか殴ってくる。

 

「可愛い夢じゃない」

 

「そ、そうだよ。それに、女の子なら誰しもが夢見るものだよ」

 

「でも!でも!」

 

「あの時はかわいかったなぁ。俺が誰か相手がいるのかって言ったらすかさずに俺の名前言ってきたし」

 

「にゃぁぁぁっ!」

 

 あの時は嬉しかったな。まぁ、それを聞いていたとーさんが思いっきり落ち込んだ後に八つ当たりの如く攻撃してきたけど。

 

 まぁ、子供の頃って言うのはそういうのあるよな。…俺はないが。

 

「ちょ、ちょっとなのはこっち来なさい!」

 

「うん、なのはちゃんちょっとお話しよ?」

 

「ちょ、ちょっと二人共…怖いよ?あ、ちょっと引っ張らないで~…」

 

 結局なのははアリサたちに引っ張られていってしまい、寂しい昼飯になってしまった。あ、結局レンちゃんと晶の弁当勝負のメールするの忘れてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の体育凄かったね。すずかちゃんと紅莉君が大活躍で」

 

「そうね、結局どっちも当たらないで終わっちゃったし」

 

「そうか?」

 

「そんなことないよー」

 

 学校帰り、なのは達は塾だというので送っていくことにした。前に誘拐なんてことも起こったし一応大人数いればそんなに襲ってこないだろ。

 

 まぁ、なんかあったら囮になって逃がした後にエアにしまっている刀出せばいいことだし。

 

「あ、こっちの道が近道よ。ちょっと、道は悪いけどね」

 

「アリサぁ…お前は誘拐されたこと忘れたのか?」

 

 アリサの提案に不安そうな顔をするすずか達をみつつジト目で睨む。

 

「なんかあったらあんたが守ってくれるんでしょ?」

 

 アリサの目はなにやら信頼しきった目である…はぁ、こういった目に弱いんだよ。

 

「オーケー、お嬢様。誠心誠意お守りしますよ」

 

 俺が折れてうやうやしくお辞儀をするとアリサは満足そうに頷き、残りの二人も俺が折れたことによりしかたないといった感じでこの道を通ることを了承した。

 

『助けて…』

 

「あん?」

 

「あ…」

 

「どうしたのよ二人共」

 

 今確かに頭に声が…それに何故かは分からないけどなのはも感じたようだ。

 

「今…なにか聞こえなかった?」

 

「そんなこと…」

 

「なかったよ?」

 

 アリサとすずかは何も聞こえなかったということは…

 

『助けて…!』

 

「っ!」

 

「なのは!」

 

「なのはちゃん!」

 

 再び頭に響く声…これはもしかして…

 

(エア)

 

(《はい、確実にコレは念話です。しかも、魔法を使っての》)

 

 エアに確認を取るとやはりそうであった。それにこの場所は今朝方夢に出てきた…

 

(エア、一応リニスに連絡を取れるか?)

 

(《はい、どうぞ》)

 

(リニス)

 

(紅莉?どうしました?)

 

(今朝方のあれの話は覚えているな?)

 

(はい、ですがまだ見つからなくて…)

 

(今から俺の場所までこれるか?見つけた)

 

(! わかりました。直ぐに向かいます)

 

 リニスにも連絡が取れたので急いでなのはの後を追うとそこにはフェレットがぐったりとしながらなのはに抱かれていた。

 

「紅莉遅いわよ!」

 

「すまん、それでそいつはどうしたんだ?」

 

「それが、倒れていて…」

 

「兎に角病院!」

 

「獣医さんだよ」

 

「この近くに獣医さんってあったっけ?」

 

「槙原動物病院が近かったはずだから行くぞ」

 

「あ、待って」

 

 とりあえず、今はこいつの怪我を何とかしないとな。それにこいつが声の主かどうかはわからんし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後、愛さんにフェレットを預けなのは達を塾に送り届けた後、リニスがやってきてそのまま家に帰り部屋に篭る。

 

「どうでしたか?」

 

「正直あれがそうかはわからん」

 

《マスターは探知などは苦手ですからね》

 

「気配を察知するのは得意なんだが…」

 

 魔力を探知するとかは分からん。砲撃クラスの魔力なら察知できるがそれ以下は…リニスの魔力を測ってみろと前に言われたが全然できなかった。

 

「そこら辺は向き不向きがありますから、しょうがないとして…見張りますか?」

 

 リニスの提案に悩む。正直、あのフェレットが何かしらの魔法に携わっているものだとしても、俺達の目的に適しているかどうかと言われれば分からん。

 

「兎に角は様子を見てみよう。何かしらアクションを起こしたらそのとき動けばいいだろう」

 

「そんな行き当たりばったりな…」

 

「けど、それ以外はどうしようもないと思うが?」

 

 正直、これ以上あれこれ考えても動きがなければ無駄に疲れるだけだ。それなら動けるようにしつつ動いたほうが楽だ。

 

「…そう、ですね。わかりました。それに私は普段はただのネコになってますから動きやすいですし」

 

「そうだな、サポート頼むわ」

 

「ふふ、それが使い魔ですよ」

 

 リニスは一笑いした後俺の頭の上に乗ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでね、そのフェレットさんをしばらくうちで預かれないかなって」

 

 夜帰ってきたなのはは夕食の席で先ほど保護したフェレットについてうちの両親達にきいてきた。

 

「フェレットか………フェレットって何だ?」

 

 本気で言っているのか父さん?いやまぁ、今までが今までだから仕方ない、のか?

 

「鼬の仲間だよ父さん」

 

 兄さんが知っているほうが結構驚きだよ。

 

「ここ最近、ペットとして人気があるんだよ」

 

 結構テレビを見る美由希とかも説明に加わる。

 

「確か、ちっちゃいわよね」

 

「えっと、これくらい?」

 

 なのはは手で大体の大きさを示す。

 

「それなら、ケージに入れとけば大丈夫じゃないですか?」

 

「そやねー。それに、ウチにはすでにリニスもおるし…襲わんよね?」

 

「大丈夫でしょ?あいつは言うこと聞くし」

 

 レンちゃんから尋ねられて答える。まぁ、野生の本能が開放されないことを祈ろう。

 

「それじゃ、大丈夫じゃない?」

 

「だってさ」

 

「ありがとう皆!」

 

 満面の笑みでお礼をいうなのは。まぁ、打算的にはなるが近くにいてくれれば見張りやすいってのもあるしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そいじゃ、行ってくるね」

 

「気をつけるのよ」

 

「分かってるって。人目にはつかないようにするさ」

 

「にゃっ」

 

 リニスも頭にのっかって答える。いつもの夜の鍛錬に出かけるために今でも一声かける。

 

 桃かーさんはいつも俺がこの時間を出歩くことを不安に思っているのか必ず一言言ってくれる。

 

 まぁ、兄さん達とやらないと言った時は凄く説得されたが俺は折れなかった。

 

 緋凰の技を中心的にやりたいために、鍛錬を見られたくないといったのだ。

 

 流石にそれには兄さんたちだけではなくてとーさんも同意してくれたので助かった…まぁ、とーさんはその後に桃かーさんに説教受けてたけど。

 

「んじゃ、いってきま~す」

 

 まさか、この後あんな展開になるとは夢にも思わなかった。




この世界ではある程度の人間関係が変わっております。

具体的に言うと、恭也と忍の出会いは既に起こっており、兄妹とも知り合いとなっております。

しかし、那美などは逆にとらハ基準で知り合ったのは今回からということになります。

なぜ、こんなことを言うかといえば、リリなのだと恭也は大学生でとらハだと恭也は高校生ですので…

てか、恭也の留年話がリリなのだとなくなっていると最近書いていて思い出しました。

当分はりりなので進みますが、きちんととらハ内容ははいります。
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