「紅莉。サッカーやらないか?」
「どーしたの突然?」
夕飯の時にとーさんがおもむろにそんなことを言ってきた。そんな、海に行こうZE☆みたいなノリで聞いてくるなよ。
「いや、紅莉は僕がサッカーチームの監督をやっているのを知っているだろう?」
父さんが自分の事をボクと言うのは裏には関係ないときだけだ…誰に説明してんだろ?
「ああ、何か若干色物っぽいという話を聞いたことあるし、クラスの奴が確か入っていたっけ?」
「紅莉君…クラスメイトの事情も忘れていたの?」
なのはが呆れたような表情をしてこっちを見てくるけど…
「いやだってなぁ、興味ないし…」
「だから友達が出来ないんだよ」
「べ、べべべ別に、出来ないんじゃなくて作らねーだけだし!作ろうと思えば10人や100人なんてよゆーだし!本当だし!」
なのはがとても失礼なことを呟いたのできちんと本心を丁寧に教えてやる。なぜか回りに生暖かい目で見られた……泣きたい。
「それで、どうしたの?」
「実はな、今度の休みに試合があるんだけど欠員がでてしまってな、それで紅莉に助っ人で参加して欲しいんだよ」
「いや、控え使ってやれよ」
確かかなりの数の人がいたような気がしたけど?とーさんは意外と面倒見がいいし教えるのも上手いって評判じゃなかったか?
本職は剣士だろうけどそれ以外にもできたんだなぁって思ったこともある。
「実はなぁ…」
突如とーさんが渋い顔をする。え?マジでなんかあったの?今度戦うチームといがみ合ってるとか?
「実は控え組みの子含めて、怪我だったり自分探しの旅立ったりショタっ子好きおねーさんと約束だったり、婚約者と会ったり、母親が同じチームの兄にネトラレたりとか色々な理由があってだなぁ…」
ちょっと待てやコラ。所々というか、ほとんどが訳が分からん理由だぞ。特に最後。
「それで、欠員がいたままじゃ今まで必死に練習をしていた子がかわいそうだからなんとかするって言ってしまってだな…
それで、紅莉に話を持ちかけたんだ。紅莉ならよく晶ちゃんに付き合っているからルールも分かるだろ?」
「いや、そりゃまぁ…」
午後の暇なときなんかは晶ちゃんに付き合ってロードワークやったり、ボール蹴りあったりしているけどさ。
「頼む紅莉!」
そういって、頭を下げるとーさん。
「紅莉、士郎もこういってるんだしやってみれば?」
「そうだよ。それに紅莉だったらかなり出来るだろ?オレと一緒にいつもやっていて上手いしさ」
「そーやな、いつもいつも修行ばっかじゃ灰色な人生になってまうよ?」
「私も紅莉君のやっているところ見たいなー」
う、ううむ…うちの女性陣から期待された目で見られる…美由希も何も言わないけど、やれば?って目で見ているし、兄さんもまたそうだし、かーさんも似たようなものだ。ここまでされたらオレの返答なんて決まっている。
「わかったよ」
「そうか!みんなにはボクからきちんと説明しておくから」
パァーっと嬉しそうな顔になるとーさん。とーさん自身も負けたくないのかはたまた剣ばっかりの俺を気遣ってくれているのか、とにかく嬉しそうだ。
まぁ、今度の休みなんかは母さんが残した奥義書をみつつリニスと魔法について話し合おうとしていたぐらいで予定らしい予定なんてなかったからいいか。
「と、いう訳でサッカーの試合をすることになった」
「一体どういう訳よ?」
次の日の学校でとりあえずネタ振りという意味で朝の開口一番にアリサに言ってみると予想通りの反応をしてくれた。
これがすずかだとがんばってねと芸人殺しの如くスルーされる感じだからやはりアリサは面白い。
「いや、実はな?かくかくしかじか」
「まるまるうまうまっていう訳ね」
ちなみにきちんと理由を言ったぞ?
「それじゃ、昼間では予定空いているし応援に行ってあげるわ」
「うん、私も特に予定ないから応援に行くね?」
「おう、期待していろ」
かなり自重はするつもりだけど、やる事はやるつもりだ。
「リリカル・マジカル・ジュエルシード封印!」
鍛錬の帰りにジュエルシードが活性化したと念話がきたので急いで向かうと丁度なのはがくるくる回りながら封印するところであった。
「問題なかったか?」
「うん。今日は最初のような思念体だったからそこまで苦戦するような感じじゃなかったです」
「そういや何だかんだと機会を奪ってしまったような気がしたが、なのはは大丈夫なのか?」
「はい、正直に言えばここまで魔法の才能が溢れた子っていうのは逆に珍しいんですよ」
ほーほー。運動はできないようだけど、意外なところで才能が偏っていたのかな?
「しかし懸念事項も……」
「懸念事項それは一体………?」
もし、これから先にことが起こるとしたら…
「いや、なんでもない」
「そう…ですか?」
ユーノが窺うような感じで聞いてくるけど、基本的に俺が一緒にいるんだからそうそう起こる訳ないと頭を振って考えたことを消すようにした。
「てか、なのはは?」
さっきからユーノとの話に夢中で肝心のなのはについて忘れていた。
いや、気配は感じていたからいるのは分かっていたんだけど、会話に割り込んでこなかったからどうしたんだという意味なんだが…
「へぅ~」
変な声が聞こえたので振り返ると目をぐるぐるに回したなのはがふらふらと立っていた。
「な、なのはっ!?」
「なのは!」
こちら側に倒れてくるなのはを慌てて受け止める。
「はぁ…無茶しすぎだ」
「そうだよ。手伝ってくれるのは嬉しいけど無茶されるのは違うよ」
「だってぇ…」
力のない答えに苦笑いせざるえない。無茶するのはどうやら高町家の血筋だなぁ…高町というよりも御神か?
でも、桃かーさんも似たような感じだしなぁ…
「とりあえずおぶっていくから寝てろ」
「ごめんねぇ…」
「はいはい」
適当に返事しながらなのはをおぶる。
「家の近くになったら結界よろしくなユーノ」
流石にうちの家だと普通に誰かしら起きているだろうからなのはのことがばれるのはまずいだろうし。
「うん、わかったよ」
「助っ人の緋凰紅莉ですよろしく~」
休みの日となり、助っ人としてサッカーグラウンドまでやってきた俺はチームメイトに挨拶をする。
最初はハーフコートでそれぞれ練習をしていたが、時間となり試合することとなった。
「いっけぇ!ドライブシュートだ!」
蹴られたボールは最初はゴールバーを越える高さだったが途中からは一気に下降してゴールネットを揺らそうとしたが。
「たぁっ!」
うちのチームのゴールキーパーは余裕綽々で両手でキャッチする。
「反撃だ!」
特大パントキックでハーフコートを超えたボールは最初から分かっていたのか、うちのチームのトップ下が受け止めて更に上がっていく。
「小日向!」
トップ下からエースストライカーへとスルーパスが通り一気に右足を振り上げる。
「食らえ、雷獣シュートだ!」
右足から放たれるキャノンショットは相手のキーパーの少し前から浮き上がりゴールネットを揺らした。
「くそっ!反撃だ!」
「よっと」
相手のフォワードがフェイントを駆使して俺を抜き去ろうとしたのだが、俺は惑わされることなくカットして近くにいたやつにパスをした。
「コラー紅莉!攻めなさいよ!」
「がんばって!」
「ファイト!」
応援席からのアリサたちの応援を手でふり答えつつ苦笑い。アリサ無茶言うな、ディフェンダーに置かれた俺が攻めあがっても仕方ないでしょうが。
「くそリア充が!誰かあいつの顔にボール当ててやれ!」
アリサたちの対応をしていたらいらん恨みを買ってしまったようだ。
「くらえ、コレが王様のトルネードアクセルだぁっ!」
相手のトップ下が1回転してからボールを蹴ると、最初は変な方向に向かっていったと思ったら突如ゴールに向き直り迫っていく。
「やらせない!……うわっ!?」
一瞬、虚をつかれた形になったのだが、キーパーが追いつきキャッチできたと思ったら手を弾かれてゴールネットが揺れてしまった。
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
手を振っていたので捻ったかと思ったけど杞憂だったようだ。
「いけぇっ!」
「あれは!黄金の左だ!」
ふと前を見ればトップ下の奴がシュートを打っていた。
先ほどはキーパー手前で浮き上がったが今度はキーパー手前で左側に曲がりキーパーは見失いネットを揺らした。
「これで同点だ!気を抜かずにがんばるぞ!」
エースからの激励に皆が元気に答える。
その後、ハーフタイムをはさんで後半戦が始まったが、やはり情報どおり色物集団だった。
やけに曲がるパスや二人のコンビで片方が寝転び片方が寝転んだ奴の足の上に着地するとそれをトランポリンのごとく上空へと飛び上がり急降下のヘッドを叩き込んだり、さっきの王様発言したアホみたいに1回転したあとに強力な直線シュートを叩き込んだり、黄金の左に対抗した幻の左だったりなど兎に角一進一退が繰り返される。
「おっと」
そんなことを考えていたら攻めづらかったのかバックパスで俺まで戻されてきた。
「くぅーん!」
ふむ…色物相手なら自重も捨て去って問題ないよな?なにより、久遠から応援されて黙っているわけにはいかない!
「いっくぞ!」
「え?」
真正面から俺へとボールを取りにきた奴をそのまま抜き去りあがっていく。
「な、なんだっ!?いま、あいつすり抜けなかったかっ!?」
周りで騒いでいる奴を放っておいてそのまま駆け上がる。晶とやりあっているからかドリブルもスムーズに出来るために速度を落とさずに走っていける。
「こなくそ!」
「無駄だよ」
「ま、またかっ!?あいつはお化けかなんかか!?」
失礼な、きちんと生きているよ。ちょっとチートな転生者なだけだ。
「手を使える俺まで抜けると思うなよ!」
「でも抜いちゃう」
ねっ転びながら俺のボールを取ろうとするキーパーすら抜き去りそのままゴールネットまで駆け抜けた。
「なずけてファントムドリブルなり!ってね」
ノリでやってみたが上手くできたな。
その後、敵が試合間際にシュートを放つもうちの
「あんた、やればできるじゃない!なんで最初からやらなかったのよ」
「ルールを覚えろよ。俺がついたポジションはディフェンダーといってゴール前の守備するポジションなんだよ」
試合後は翠屋で祝勝会となり、応援に来ていたアリサたちと一緒に飲み物をのみつつ談笑している。
「でも、相手のチームの人は攻めていたよ?」
「と言われてもな、だからと言って俺まで攻め上がっていいというわけじゃないし、助っ人で入ったもんだからチームプレーもできないしな」
いや、かなり自重していただけなんだけどね?やろうと思えば一人で出来たけどそれはもう別のものになるからやらなかっただけだ。
「それにしても、改めてみるとこのフェレット変わっているわね」
「そうだね、院長先生も変わっているねって言っていたし」
話が飛んでみんなテーブルの上に乗っているユーノの話題となる。
確かにフェレットにしては少し違うしなぁ。
「くぅ~ん」
「ん?はいはい」
「くぅ!」
撫でて撫でてと言ってくる久遠の頼みなので頭を優しく撫でてやると嬉しそうにないて目を細める。
「ま、まぁ、変わったフェレットって事で。ユーノ君、お手」
「キュ!」
なのはが苦し紛れに芸を要求するとユーノは空気を読んで短い前足をなのはの差し出した手に乗せる。
それみた二人は目を輝かせる。まぁ、普通に見れば可愛いもんだからな。
「にゃ」
「くぅ」
「はいはい」
ユーノをみてほっこりしていたらうちの使い魔とお嬢様がこっちもかまえと催促してきたので撫でてやると満足そうに目を細める。
「あんたはあんたで久遠とリニスを独り占めね」
恨みがましい視線を送ってくるアリサ。この2匹もユーノ同様に他の人にも人気はあるのだが如何せん一番懐いているのは俺なので俺がいると基本的には離れない。
『私の場合は使い魔です。マスターが近くにいる時にはなれるのは可笑しいでしょう?』
『紅莉の傍にいる』
あろうことか俺の考えを読んだ2人が念話で言ってくる。てか、なのは達に傍受されたら大変だからやめなさい。
「撫でられるのは別にいつもしているじゃないか」
「と言っても、あんたがいると大抵その2匹はあんたの近くから離れないでしょ」
「そうだよ。私だって久遠やリニスを撫でたんだよ」
「そうだそうだー」
ついになのはまで参戦して俺に文句を言ってくるが、俺がなにをしたというんだ。
《獣ハーレムですね!流石マスター、人間に飽きたらずそっちまで》
うちの
「あれ?」
「どうかしたのか?」
「えっと、なんでもないよ…『紅莉君、今ジュエルシードの気配しなかった?』」
『いや、してないと思うが?』
『じゃあ、気のせいかな?』
なのはがふと辺りを見回していたので聞いてみると念話でそんなことを言ってきた。
元々、魔力探知はあまりよろしくない俺とすれば発現していないとわからないのだ。
『なんだったら、探してみるか?』
『でも、今は感じないから気のせいだったと思う』
どうやら、神経過敏になってそれっぽいのと勘違いしたのかもしれないな。
「ああ、ユーノ君!?」
ふと見てみれば、アリサとすずかにおもちゃにされたユーノが目を回しておりなのはが必死に介抱している。
「さてと、皆はこの後用事だったっけ?」
結構いい時間になってきてお開き間際になったのでこの後の予定を聞いてみる。
「パパたちとお買いものー!」
「私はお姉ちゃんとお出かけ」
アリサもすずかもこの後の予定はしっかりとしており、特にアリサは両親が忙しいのも相まって食事にいけるのが嬉しそうだ。
「いいね、月曜に話聞かせてね」
それを聞いたなのはは肩にユーノを乗せてそういう。
「お、皆も解散か?」
「あ、お父さん」
とーさんが外まで出てきてこちらにやってきた。
「今日はお誘いいただきましてありがとうございます」
「試合かっこよかったです」
「ありがとう」
とーさんは褒められたのが嬉しいのか人懐っこそうな笑みを浮かべた。
「帰るんだったら送っていこうか?」
「大丈夫です、お迎えが来ますから」
「同じくです」
「なのははどうする?」
「んー、家でノンビリしているよ」
人差し指を顎に当てて考えるなのはだが、これといって予定がないのか家に帰るらしい。俺も予定がないし帰るかな。
その後、迎えがきたアリサたちはそのまま店を後にして俺達も帰ろうとしたのだが…
「紅莉は残りなさい」
はて?俺は何かやっただろうか?心当たりがありすぎて思いつかん。
「あー、なのは先に帰ってくれ」
「あ、うん」
なのはを返して俺はとーさんに店の控え室に連れて行かれ…
「奥義をスポーツで使うとは何事だ!!」
と言うことでしたーーーーっ!
とーさん曰く身体能力を遺憾なく発揮するのは構わないが、それと奥義を使うのは別物だとくどくどと珍しいほど説教を受けたのであった。
《マスター!ジュエルシードの反応が!》
「分かっている!てか、目の前のあれがそうか」
説教が終わり家に帰ろうとしたら突如地響きと共に巨大な木が聳え立つ。
「リニス結界!」
「分かりました!」
頭の上に乗っていたリニスが飛び降り、人型になると同時に結界を張り、被害を抑える。
発動時に多少町を傷つけはしたが、結界の展開が速かったためになんとかなった。
近くにいた人も結界外に押し出しているのでこの中でなら、なんとかなるだろ。
「エア、セットアップ」
《ゲットレディ》
素早くセットアップし空へと一度舞い上がる。木の大きさはそこいらにあるビルより高く、また太い根などが地面から盛り上がっていた。
「エア、ジュエルシードの反応は?」
《あの木から感じますが、何かしらの結界が張られているのか詳しい場所まではわかりません》
チッ、面倒なことを…
「兎に角近づいて調べるしかないか」
『紅莉君!ジュエルシードが!』
「分かっている、直ぐに来い」
動き出そうとしたらなのはから念話が入ってきたので急いでこさせる。
「兎に角近づくぞ」
空を蹴って近づいていく。
《マスター攻撃が》
「何っ!?」
ある程度まで近づいてくと、木の根が俺に襲い掛かってきたので急ぎ抜刀して近づいてきた根を切り裂く。
「くっ」
あまりの量に一度離れると攻撃がやんだので適当なビルの上に立つ。
「あの物量は厄介だな」
「私がサポートしてもいいのですが、もう少ししたらなのはがやってきますがどうします?」
リニスは暗に私の存在を教えますかと聞いてきている。俺はそれに首を振る。確かに急ぐことも必要だが、まだ手札を明かすときじゃないと思っている俺はその提案を却下する。
それを聞いたリニスは猫型に戻り、もの陰に隠れる。
「紅莉、私がやる?」
久遠が人型になって提案をしてくる。確かに久遠の大人モード時の雷撃ならば俺に近づいてくる攻撃を迎撃できるだろうが…
「どうするかな?あの根の攻撃は近づいてくる敵に対しての防衛に近いからどちらかというと遠距離から仕留めたほうが楽に思えるんだがな」
それにしたって、ジュエルシードが何処にあるかを調べないといけないんだけどねぇ。
《いっそのこと全て滅しますか?》
「いや、物騒すぎるわ。それに、それをするならどうやってもどちらか起動する必要があるしなぁ」
「紅莉君!」
色々と対策を考えているとなのはがやってきた。どうやら結構な時間考えに集中してしまったようだ。
「きたか、状況は見ての通り、あの大きな木からジュエルシードの反応があるんだけど、詳しい場所が特定できないんだが…なのはかユーノ分かるか?」
「ううん、私もあの木からしかわかんない…」
「あの光っているところじゃないですか?」
ユーノの言葉に従ってよく見てみると、確かになにか光っているような場所が見えた。
「エア…」
《ま、マスターだって気がつかなかったじゃないですか!》
いやまぁ、確かにそうなんだけどね。
「しかし、そうするとどうするかなぁ。結界は張れたのはいいんだけど俺は遠距離の手段持ってないんだよ」
「どういうことなの?」
「あの木は近づいてくる奴に攻撃して来るんだが結構な物量でな対処することに精一杯でとてもじゃないけど封印ができるような暇がないんだ」
「だったら私がやる!」
「できるのか?」
「やってみる…ううん、やってみせる!」
おお、力強い。ならばここはなのはに任せてみるか。
「だったら、俺は多少近づいて木の注意を引いておくから頼む」
「気をつけてね」
「誰に言っている」
ニッと笑って見せて屋上から飛び上がる。
「さあこいや!素材になりたい根っこから片っ端からやってやる!」
近づいてくと案の定攻撃されるが宣言どおり片っ端から斬り捨てる。
「っと、アブね!?」
調子乗って根っこを攻撃していたら突如後ろから嫌な気配がして慌ててその場から飛びずさると俺がいた位置を極太のピンク色の閃光が横切ったのである。
《凄いですねぇ。彼女は砲撃の才能があるようですね》
しみじみと言ってくるエアなのだがこっちはもう一歩で喰らいそうになったのでそんな感情になれん。
『おいこらなのは。どういうつもりだ』
『ご、ごめんなさ~い!』
わざとじゃないにしても文句だけは言いたかったので念話で文句を言うと若干涙声の謝罪が返ってきたのでよしとしよう。
その後はきちんと封印でき、ジュエルシードがあった場所にはサッカーチームのキーパーとマネージャーのカップルが抱き合うように気絶していた。
気絶していた二人をだれも見つからない場所に避難させてからリニスに結界を解いて貰った。
「………」
「どうしたんだなのは?」
無事に封印できたのだが、何故かなのはの雰囲気が暗い。
「私がさっき気がついたときにもっと真剣に探ればこんなことにならなかったんじゃないかって…」
「そうだな、俺にもいえることだったがここまで順調に集めてきたからこそ油断があったんだろうな」
僅かな違和感にそれを気のせいとするのは簡単だけど、それを調べるとなる重要性は高い。
気のせいで終わるならば苦労が無駄になるが、逆に言えばきちんと安全であると言う証明ができる。
今回のことは俺も反省しなければいけないな。こんなことを分かっているのにそれを怠ったのは間違いなく俺だし。
「今までもマジメにやってきたが、気持ちを入れ替えて改めてがんばろう」
「………うん」
いまだに落ち込んでいるなのはを励ましつつ、今回の反省をもとにもっとこれからはがんばろうと決意した。
サッカーシーンはキャプテン翼とシュートから引用しました。