魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第16話

「ねえ、紅莉君って普段鍛錬している時って魔法を使ってないって言っていたよね?」

 

「そうだが突然どうした?」

 

「う~ん、私も魔法の練習したほうがいいのかなって思って……それで、紅莉君が鍛錬している時に魔法を使っていたなら参考にしようかなって」

 

 学校から帰りノンビリとくつろいでいるとなのはが隣にやってきてそんなことを言ってくる。

 

 今日は塾はなく、珍しくアリサたちとも都合がつかずに一緒に帰ってきたから暇を持て余しているのかな?

 

 俺としてはこれから天命流の針修行をしようと考えていたがなのはに付き合ってもいいかな?

 

「最初のころに緋凰流との兼ね合いを試した程度だからなぁ…」

 

 リニスを伴っての魔法戦もここ最近はガン・スレイブすら使わなくなってきたなぁ…

 

 魔法に関しても身体能力向上の魔法の制御をエアにまかせて俺は足場生成と飛翔魔法しか使わないし。

 

「う~む…逆になのははどんな練習がしたいんだ?これだっていう考えがあるなら練習を組んでやることはできるが」

 

 兄さんみたいに美由希用に綿密に組むのはできないだろうけど軽い指摘ならできるだろ。

 

「う~ん…これはか~」

 

「ユーノは何かないか?」

 

「ボクの意見?そうだなぁ…なのはは魔導師としては典型的な砲撃型だから…でも、まだなのはは魔法と出会って間もないし、最初から型を決めすぎたら今後の発展みたいのがなくなるとおもうし…」

 

 ああ、それは確かに。俺は最初から型を決めて鍛錬してきたけどそれは最初にやる目標があってそれに体をあわせるように鍛錬したからであって、なのはみたいに順序が逆の場合は決め付けるのはよくないな。

 

「なのはの魔力量って分かるか?」

 

 俺は常時Aランクらしいけど、エアやリニスはそれ以上を感じるって言っていたからもっと凄いんだろうな。

 

《おおよそAAAランクです》

 

「へ~」

 

「いや、そんな簡単に流さないでね?かなり凄いから」

 

 基準がないから軽く流すしかできないんだよ。

 

 それにしても俺より最低でも2ランクは上ということか。

 

「そうだなぁ、ボクたちがいる世界で言えばAAAランクといえばほんの一握りの人しかいないって言えば分かりやすいかな?」

 

「そりゃ凄いな」

 

 今度は実感できた。一握りのしかいないとなれば確かに俺が簡単に流すのも納得いかないというのは納得できる。

 

「紅莉は確か前にAランクって言っていたよね?」

 

「ああ、ただエア曰く感情の起伏であがるらしいけど」

 

 方便を使いつつ頷く。さすがにディス・レヴなどのことを正直に話すわけにはいかないし、どうしようかと相談してこういう形にすることにしたのだ。

 

「ランクが上下する?聞いた事無いなぁ。感情と言うよりもコンディションで多少の上下はしたりするけど……もしかしたらレアスキルかもしれないな」

 

 へ~、魔力量って大きく上下しないのか。まぁ、意味もなく実力を隠す必要がないのか?

 

 それとも戦闘力こそ力の象徴ってことで練習しないのか…

 

「それじゃ紅莉君は界王拳みたいに何倍だーって叫びながら力を上げるってことだね」

 

 そしてなのは、俺も考えていたが口に出すな。あと、叫ばん。

 

「界王拳?どんなのなの?」

 

 ほら、ユーノが興味持ってしまったじゃないか。

 

「私達の世界にあるとっても面白い漫画なの!」

 

 やや興奮して伝えるなのはにユーノがやや引いている。いや、あの漫画は確かに面白いけどさ。

 

「あとで見せてあげるね………そうだ私も」

 

「それ以上言うな」

 

 せめて最強の弟子のような……あっちのが過酷と思えるのは何故だろう?

 

「そのうち紅莉君も金髪戦士に「なんねーよ」ちっ」

 

 舌打ちしやがったよ。ここ最近甘やかしすぎたか?ここら辺でしめとかないと調子に乗りそうだな。

 

「よし、今日はなのはの鍛錬をするか……そうだな、最初は町内5周でいいだろ」

 

「えぇっ!?無茶だよ!」

 

「何を言う。何をするにも体力はあって困らないだろ?余っているくらいで丁度いいんだ」

 

 町内は大体でみつもっても5km程度は最低でもあるから25kmか…ハーフマラソンと思えば大丈夫だろ。

 

「何、ここ最近甘やかしたかなぁって思ったり、こいつ調子乗ってるのかーとか、一度しめるかなんて考えてないよ」

 

「絶対考えているよね!?」

 

 口は災いの元とはよくいったもんだ。その日のなのははぶっ倒れるまで走らせて次の日にはロボットみたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せい!」

 

「甘いわ!」

 

「ま~たやっているよ」

 

 なのは達を塾に送ったあと家につくとそこではいつもの如くやりあっているレンちゃんと晶の姿が。

 

「でやぁっ!」

 

 晶は空手を習っているためか威力の高い突きを繰り出すも、レンちゃんは軽くいなして反撃する。

 

「ぶっとび!」

 

――寸掌

 

 レンちゃんの掌が晶の鳩尾あたりに添えられたと思ったらそのままノーバンで5mほど吹っ飛んだ。

 

「相変わらず寸勁が凄いねぇ」

 

「お、紅莉お帰り」

 

「ただいまー」

 

 俺に気づいたレンちゃんが朗らかに挨拶してきたので返す。

 

「う~ん、おししょーなんかも言うてはるけどうちはあまり興味ないんよねー」

 

「勿体無い。そこまで凄いのなら極めてみようと思って欲しいよ」

 

 遠距離では棍を使って近づけさせず、上手く潜り抜けたとしても中国拳法で翻弄され、更に距離をつめたとしても関節技をかけられるという多彩な才能を持っているのに。

 

「うちはのんびりと過ごせたらそれでええよ」

 

「まぁ、のんびり過ごすって意見は賛成かな?」

 

 俺だって別に慌てて生きたいとは思ってないし。まぁ若干の焦りは持ってしまっていると自覚できているから大丈夫なのかな?

 

 俺も兄さんも一度怪我をしてしてしまって出た結論が結局それだったために昔ほど無茶をするわけでもない。

 

 まぁ、兄さんは言っている傍から無茶しているようだけど俺の場合は完全に止められてしまっているためにしたがっている。

 

「おまえらー。人が吹っ飛んだというのにノンビリ話をしているなーー!」

 

 ユラリとこちらに向かいながら晶が騒ぐのをレンちゃんが呷り俺は観戦している。

 

 こういう日常ってのもいいもんだ…自分で言っておいてなんだが爺臭いなおい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、紅莉君明日って暇?」

 

「暇だが?」

 

「だったらすずかちゃん家に行かない?誘われたからお兄ちゃんにお願いして一緒に行こうって話になったんだけど」

 

「すずかの家ってことは月村邸か…」

 

 ううむ、あそこのネコ天国は捨て難いが、ディス・レヴの影響かはたまた元々の性質なのか兎に角俺は動物に好かれない体質だ。

 

 例外が人語を解する久遠とリニスという変り種だけだ。

 

 いや、あそこのネコは基本的にリニスが言い聞かせたからか威嚇はされないが、近寄ってこない。

 

 何より、あそこには忍さんが住んでいるのだ。兄さんが一緒に行くとなると絶対に家にいると言うことで…

 

「そ、そんなに悩むことなの?」

 

「なのは」

 

「は、はい!」

 

 俺が真っ直ぐなのはを目を見て名前を呼ぶとなにやらビクッと背筋を伸ばして返事をする…若干顔が赤いがまぁどうでもいい。

 

「お前も忘れたわけじゃないだろう?俺があそこにいくとどうなるか」

 

「あ……あはは~」

 

 一瞬ポカンとしたなのはだったが直ぐに思い出したのか声を出した後乾いた笑いをしだした。

 

「はぁ…まあいいや、行くよ」

 

「うん。紅莉君ならそういうと思って二人で一緒に行きますってメールで言っておいたよ」

 

 確信犯かよ!

 

「あ、それとアリサちゃんからリニスちゃんとくーちゃんを連れてきてってメールがきていたよ」

 

「りょ~かい」

 

 とりあえず、明日の朝の鍛錬は山に行ってもらってそこで誘うか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのは、紅莉そろそろ行くぞ」

 

「了解」

 

「く~ん」

 

「にゃ」

 

「もうちょっと待ってー」

 

 約束の休日となりすずかの家に行く準備をしてノンビリとしていると兄さんから声をかけられたので腰を上げたが、なのはの準備はまだ終わってないようだな。

 

「う~ん…紅莉のその格好は重くないの?」

 

「なれた」

 

 俺の今の格好を説明すると頭の上にリニス。肩に久遠が張り付いている感じだ。

 

 最初のころこそ重かったが人間慣れるとどうとでもなるらしい。

 

 久遠は最初抱っこしているだけだったのだが、リニスが俺の頭の上から垂れるように乗っかるところを見続けたせいか自分もと言い出したのだ。

 

 それこそ最初はリニスをどけて自分が頭の上に乗ろうとして何故かリニスと喧嘩していたのだが、最終的には肩からぶら下がる形で落ち着いた。

 

 本当はバランスが悪いから右肩から誰かにぶら下がって欲しいが、生憎と右肩は怪我をしているので重いものは乗せられない。

 

『リニス、そこ代わって』

 

『ダメです。ここは私の指定席です』

 

 そして未だに論争を繰り返す二匹…しかしいつから俺の頭の上は指定席になったのだろうか?

 

 いや最初は冗談のつもりで頭の上にリニスを乗っけて漫画みたいにしようとしたのだがそれがことのほかリニスが気に入ってしまったものでこうなったのだが。

 

「お待たせ!ユーノ君おいで」

 

「キュ」

 

 今まで美由希の掌に乗っていたユーノだがなのはに呼ばれて手から飛び降りてなのはの肩に乗っかる。

 

「くぅん」

 

 久遠がぶらさがらないの?って言っているが、ユーノは残念ながら久遠のこの形態での言葉は分からないから何を言っているかさっぱりだろうな。

 

 てか、リニスはいつから分かるようになったんだ?

 

『気づいたらですね』

 

 そして心で思ったことなのに律儀に返すな。

 

「さ、二人行くぞ」

 

「「は~い」」

 

 兄さんにせかされて玄関からバス停に向かう。

 

「兄さん免許取ったら?兄さんの年齢なら問題ないでしょ?」

 

「む…しかし、時間が…」

 

「学校終わってから2時間弱程度ならいいんじゃないの?夕方は基本的に自由行動にしているんだし」

 

 朝と夜の鍛錬を外せないのはしかたないけどそれ以外ならノンビリやれば取れるでしょ?

 

「考えておこう」

 

 おお、一歩前進。うちだと車乗れるのってフィアッセさんととーさんと桃かーさんだけだし…って、大人組みは全員か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのは止まれ!」

 

「にゃっ!?どうしたの?」

 

 俺の大声になのはが驚きの声を上げるが今はこっちを先になんとかしよう。

 

「はぁ…結局こうなるのか…兄さぁん」

 

「情けない声を出すな…これはこれで楽しめ」

 

 これを?悪質すぎるだろ…

 

『やあやあ、忍ちゃん特性侵入者撃退パークへようこそ!ここから先はとおさないわよ☆』

 

 めっちゃテンションが高い忍さんの声を録音されていたものがスピーカーから流れてくる。

 

『自分が侵入者じゃないって言うなら屍を越えて来てね☆』

 

 やべぇ、すげーイラッとくる。

 

「こ、紅莉君おちついて!」

 

「分かっている。分かっているけど…ムカつくんだ」

 

 きっとこれは理屈じゃないんだ!

 

「兎に角あいつは止めないだろうから行くぞ」

 

「あ~い」

 

 リニスと久遠をなのはに預けて兄さんに続く。

 

 なのは達を残して一歩月村家へ踏み込んだ瞬間真横から矢が飛んでくるのを兄さんは掴み取り俺は幻武により避ける。

 

 更に進むと今度は何かしらの円柱形のものが地面から生えてきたが…コレは!?

 

「やりすぎだろ!?なのは後ろを向いて耳をふさいで地面に体を丸めるようにかがんで目を閉じてろ!」

 

 急いでなのはに指示を出すと後ろから直ぐさま俺の言葉どおりに動き出すのを気配で感じながら俺も似たように目を閉じ顔を背けるとその瞬間に眩い光と甲高い音が辺りを覆う。

 

 光が未だに収まらないのに更に追い討ちとばかりに再び矢が飛んできたのを俺は避けながら弾き、兄さんも同様に矢を弾いていた。

 

「くっ、これで終わるとは思えない」

 

「まだまだ行くぞ」

 

 兄さん?マジで楽しんでない?

 

 その後もなんかトリモチ爆弾が空から降ってきたり、落とし穴があったり剣山かくやと言わせんくらいの針が地上に向かって伸びてきたりなどしてきたがなんとか玄関までたどり着いてインターホンを押すと。

 

「待っていたわよ恭 キャンッ!?」

 

 兄さんにハグしようと飛び出してきた忍さんにデコピンを喰らわせる。

 

 身長差でそのままでは無理なのでジャンプしてだが。

 

「なにするのよ~」

 

「何するのよじゃ、ありませんよ。なんで俺と兄さんが一緒に来る時はこんな大掛かりな仕掛けをするんですか」

 

「いいじゃない、どうせいつもいつも回避するんだから~」

 

 ぶーぶーと口を尖らせて文句を言う忍さん。

 

 前になのはと一緒に来たときに間違って罠が作動してしまったのを全能力を使って(魔法は使わず)事なきを得たらなにやら対抗意識を燃やされてしまったようだ。

 

「てか、スタングレネードはやりすぎです。気づかなければ見ていたなのはも被害にあってましたよ」

 

「うっ…そうね、ちょっとやりすぎたわ…もう、忍ちゃんったらお茶目。テヘ☆」

 

 なんだろうこの可哀想な生き物は…

 

「うわっ、紅莉だけじゃなくて恭也からの視線も厳しい…」

 

 ヨヨヨと泣き崩れるまねをする忍さんをほっとくと後ろからやや駆け足でなのはが近づいてくる。

 

「うー、紅莉君に言われてなかったらどうなっていただろ?」

 

「直視したら当分は目が見えなかっただろうな」

 

 俺の答えになのははブルリと体を震わせて顔を青くする。マジで今回はやりすぎだ。

 

「ようこそいらっしゃいました。恭也様、なのはお嬢様、紅莉さん」

 

 泣き崩れている主を完全に無視して玄関からメイドさんがやってくる。

 

「こんにちはノエルさん」

 

「やあノエル」

 

「いつ見てもいい服ですね、俺のメイドになりません?」

 

 やってきたのは月村家お抱えのメイド長のノエルさん。

 

 頭にリニス、肩に久遠を乗せながらとりあえず定番の挨拶をする。

 

「にゃっ!」

 

「くぅっ!」

 

「あだだだだだだっ!?」

 

 いつもの冗談なのにリニスは爪を立ててデコを久遠は首筋に噛み付いてくる。

 

「こんなでも私の主ですのでお誘いは嬉しいですがご遠慮します」

 

「そ、そうですか…あだだだだだだっ!?冗談!冗談だから!」

 

「にゃ」

 

「くぅん」

 

 必死に冗談だと伝えると漸く開放される。

 

『メイドが欲しいなら私がやります』

 

 なにやら意味深なことをリニスが言っているがここはとりあえず無視しておこう。

 

 メイドが欲しいのではなく、メイド服が眩しいだけだし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またやっていたのね」

 

「文句は忍さんに言ってくれ、俺は知らん」

 

「お姉ちゃんもなんだかんだで紅莉君が来てくれるの楽しみにしてくれているからあんまり邪険にしないでね?」

 

「とは言っても毎度毎度あれは疲れるんだ」

 

 溜め息をつく俺にすずかは苦笑いを返すだけだ。まぁ、大好きなお姉ちゃんと俺がじゃれあっているだけと思っているんだろうな。

 

「にゃ」

 

「にゃっ!」

 

 リニスが頭から降りて一鳴きすると今まで足元でじゃれあっていた猫たちがざっと綺麗に整列をする。なんとなく軍隊を思わせるような動きである。

 

「いつ見てもこれは凄いわよね」

 

 アリサが感心したように頷く。うん、俺もコレ見たときはビックリしたわ。

 

「あ、なのはちゃんに紅莉君きたんですね!」

 

 席に着くと後ろから声が聞こえ振り向くとそこには俺の天敵が立っていたのである。

 

「来るな駄メイド」

 

「酷いです!私が何をしたというんですか!?」

 

「俺に茶をぶっ掛けること数回。転ぶと同時にお盆を凶器の如く投げつけること数回、その他もろもろの被害を受けること毎回……言いたいことは?」

 

「忍お嬢様がそういうドジっ娘に弱いからがんがんやっちゃいなさいって言ってましたが迷惑だったんですか?」

 

「故意だったのか!?」

 

 今知らされる驚愕の事実。てか、ドジっ娘は傍から見れば可愛いものだが実害を蒙ると抹殺したくなる対象だというのはこいつを見て初めて知ったよ。

 

「というより、やる事が出来たちょっと行ってくる」

 

「わーっ!待って待って!お姉ちゃんの冗談だから!」

 

 俺が席を立とうとしたら、後ろからすずかがしがみついてくる。

 

「はなせすずか、あいつを殺せない!」

 

「殺しちゃダメーーーーッ!」

 

 俺が落ち着いたのは優に10分かかった……いつか殺る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~久遠の毛並みはふさふさで気持ちいいわね~」

 

「本当だね~。ネコちゃん達も可愛いけど久遠も可愛いね~」

 

「次は私も~」

 

「くぅ~ん♪」

 

 久遠モテモテである。普段は那美さんの下にいることが多いためアリサやすずかは滅多に久遠を触る機会がないためか優しく撫で回す。なのはは結構接する機会は多いはずなのだが、メロメロである。

 

 今日は最近なのはの元気がないということでなのはを呼んでゆっくりとお茶をして元気になって貰おうと企画したようだ。

 

 その話を聞いてなのははうるっときて瞳を潤ませた。

 

「キュキューッ!」

 

 突如聞こえるユーノの泣き声に下を見るとなにやらネコに追われるユーノの図があった。

 

「アインダメ!」

 

 すずかが注意をするが、聞き分けることなくユーノを追うネコと逃げるユーノ。

 

「うむ、自然の摂理だな」

 

「感心してんな!」

 

 流石アリサ、鋭いツッコミだ。ネコたちと戯れているリニスに目配せをして止めて貰おうとしようとしたが運悪くファリンが部屋へと飲み物とお茶菓子を持って入ってきて2匹は足元でぐるぐると鼬ごっこを開始する。

 

 ファリンは両手が塞がっているのも相まって、その場でワタワタと回転してって

 

「あぶねえ!」

 

 急いで現場へと向かってファリンを支える。倒れる前に支えられたから事なきを得た。

 

 珍しく俺への被害もなくて助かったし。

 

「はっ!こ、紅莉君ありがとう………で、でも、手を…」

 

 手?ふと見てみると何故か未発達のファリンの胸を思いっきり揉んでいる形で抱きとめていた。

 

「誰が未発達ですか!お姉さまや忍お嬢様がでかいだけで普通です!」

 

 思考を読むな!

 

「あんたは何をやっているのよ!」

 

「ゲフッ!?」

 

 その後アリサからフライングニーを顔面に思いっきり喰らいぶっ倒れた……やっぱりファリンは天敵だ…

 

 

 

 

 

 

「おーいて。ちったあ手加減しろよ」

 

「あんまり効いてないでしょうが」

 

 いやまぁ実際はそうなんだが、だが、顔面に膝を食らえば痛いのは痛いぞ。とっさの判断で鼻頭に喰らいそうなのをずらしたが。

 

 そんな風に話をしていると突如の魔力反応を感じる。

 

『今のは…ユーノ君!紅莉君!』

 

『うん、ジュエルシードが発動したよ』

 

『みたいだな。しかし、どうする?』

 

 今はアリサたちと話をしている最中だ、下手に席を立つに立てない状況だが。

 

『ボクに任せて』

 

 そういうとユーノはジュエルシードの反応があるほうへと走っていってしまう。

 

「あ、ユーノ君!ごめん、ちょっと探してくるね」

 

「一緒にさがそうか?」

 

「ううん、とりあえず一人で探してみるよ」

 

 そういうとなのははそのままユーノを探しに向かっていく。

 

『俺もなんとか理由つけて向かうからその間は頼む』

 

『紅莉君が来る頃にはもう終わっているかもね』

 

 上等。そんな口を叩けるなら大丈夫だろ。

 

「くぅくぅ?」

 

 大丈夫なの?と久遠に聞かれたけど大丈夫だろ。ユーノもある程度サポートできるだろうしって思っていたら月村家を囲うように結界が張られたな。

 

 これで魔法ばれの心配はないだろうし、思いっきりできるだろ。

 

 数分しても戻ってこないので席を立つ。

 

「案外迷っているかもしれないから探してくるわ。もし、俺も戻ってこなかったら兄さんに言って探しにきてくれ」

 

「分かったわ」

 

「久遠を持っていっていいか?狐って確かイヌ科だからもしかしたら匂いで分かるかもしれん」

 

「確かにそうだけど…」

 

「くう!」

 

 すずかに呆れられ、久遠には抗議の声を上げられてしまうがとりあえず久遠をあずかりなのはが向かったほうへと結界の中に入りながら向かう。

 

 途中、リニスがついてきたのでセットアップしながら向かうとそこにはなのはともう一人黒い服を着た金髪の少女がなにやら争っていた。




因みに魔力を測れるのはエアの性能です
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