魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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序盤は何故かギャグっぽくなっちゃった。


第17話

「フェイト!?」

 

 隣を走るリニスの声が上がる。彼女の目線の先にいるのはなのはと争っていると思われる金髪の少女。

 

 あれが、リニスが言っていたフェイトという少女か…

 

「すまん、今はそれどころじゃないようだ」

 

 見れば、彼女はなのはに危害を加えており、今まさに彼女のデバイスが鎌となりなのはに迫ろうとしていた。

 

「エア!」

 

加速(ハイスピード)発動》

 

 俺の言いたいことを理解したエアがコマンドを起動すると俺の周りに赤い粒子が舞い上がり一気になのはと彼女の間に割り込むことに成功した。

 

「………なんですか貴方は」

 

 感情が篭ってない瞳で尋ねてくる。

 

「少なくともお前の味方ではないよな?」

 

 俺の言葉をもって敵と認識したのか、キッと睨んでくる。

 

「なのは、ジュエルシードの封印を任せる」

 

「でも…」

 

「順番を間違えちゃダメだ。それと今のお前じゃ無理だ」

 

「させない」

 

 なのはを封印に行かせようとすると、フェイトが今まで彼女のデバイスを防いでいた刀を弾いて攻撃を仕掛けてくるが。

 

「え?」

 

 攻撃を空振り呆けた声を出す。無防備なその体に刀を走らせたが直前に我に返ったのかきっちりとガードをした。

 

「なんで…」

 

「世の中にはわからんことも多いさ」

 

 まぁ、奥義を使って避けただけだがそれを教える必要はない。

 

「だったら!」

 

《フォトンランサー》

 

 デバイスの先から複数のスフィアが展開され俺へと発射される。

 

 このまま避けることは簡単だが、射線上になのはがいるために避けるわけには行かない。

 

「シッ!」

 

 刀を素早く振り、飛来したフォトンランサーを全て斬りおとす。

 

「リリカル・マジカル・ジュエルシード封印!」

 

 そうこうしていると、後ろからなのはの声が聞こえてきたので振り返ればでかかったネコが元の大きさになっており、その傍らにはジュエルシードが浮かんでいたので俺はなのはの元へと向かい。

 

「ほい」

 

「へ?」

 

 レイジングハートに取り込まれる前に掠め取った。

 

「ほれ」

 

 掠め取ったジュエルシードをフェイトへと放ると彼女は呆けていたがキャッチはきちんとした。

 

「どういうつもりですか?」

 

 フェイトがこちらの意図が分からずに困惑した顔になりながら尋ねてきた。

 

「なに、元々はあの時点で詰んでいたのがこっちだったんだ。俺が割り込んだ理由は単純にこいつを傷つけさせたくなかったからだな」

 

 なのはを差しながら理由を教えてやるが未だに納得はしていない。

 

「そうだな……君の気を引こうとしたプレゼントとでも思ってくれ」

 

「ふぅん」

 

 なにやら後ろからプレッシャーがかかるけど気になりません。ええ、なにやら黒っぽいオーラが視界の端にちらちら映っているとか、さっきまで忽然としたフェイトの表情が焦りを帯びているなど気になりません。

 

「そ、そんなことを言われても…」

 

「まぁ、兎に角今日は引きな。こっちも色々と事情があるからね」

 

「………次はこうはなりません」

 

 それだけ言うとフェイトはその場を飛び立っていった。

 

「ねえ、紅莉君?」

 

「どうしたなのは?」

 

「アレはどぉいうこと?」

 

 うん、怖いよなのは。近くまで来ていたはずのユーノがカタカタと震えているよ?

 

「まぁ、落ち着け。兎に角彼女にはジュエルシードを回収している段階でまたあうだろうしさ」

 

「私が聞きたいことはそんなことじゃないよ?」

 

「てか、俺が来たからよかったけどなんであんなに躊躇をしていたんだ?」

 

「え?……それは………」

 

 オーラが引っ込みなのはの様子が変わる。動揺しているのか目がかなり泳いでいる。

 

「相手はお前を倒そうときていたのに、お前は何をそこまで躊躇していたんだ?」

 

「そ、それは…」

 

 言葉にならない声をだすなのは。俺が思っていた懸念事項が見事に当たったようだな…

 

「兎に角一旦戻ろう。さすがに時間をかけすぎたら兄さん達まで出張ってきて探しに来るからな」

 

「うん…」

 

 なのはの背中を叩いて歩き出す。

 

『前に紅莉が言っていた懸念事項ってこれのこと?』

 

『ああ、なのは人と争うと考えてなかったんだろうよ』

 

『それはボクもだよ』

 

『そういう意味じゃなくて、魔法を扱うにいたって、戦うこともあるってことだ』

 

『そういうことか…』

 

 ユーノも合点が言ったのか頷いている。まぁ、確かにユーノの手伝いだと考えると普通に考えて狙うようなやからが現れるというのは想定していないだろうな。

 

『どうするかなぁ…あいつの性格を考えると今度出てきた場合は私がやるっていって聞かないだろうし』

 

 そもそもなのはとフェイトだと圧倒的に違うものが出ているし…

 

 それにリニスも何だかんだで精神的にきているだろうし…はぁ、やる事は山積みだなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれが、フェイトか」

 

「はい…」

 

 すずかの家を後にした後にリニスをつれて部屋に篭り先ほどの少女のことについて話を始めた。

 

「なんというか…こう、追い詰められているというかそれしかないというか、兎に角フェイトの眼を見たらかなり切羽詰った感じがしたな」

 

 それに感情が乏しくも感じた。

 

「私がいたころのフェイトはあんな風ではなかったのですが…」

 

 ということは、ここ半年であんな風になったということか?

 

「どうする?今度の戦いにお前も出るか?そうすれば彼女は止まるかもしれないが」

 

「……正直不安です。行き成り消えた私がなのはの方に立っているとなると、あの追い詰められている感じがしてる彼女を更に追い詰めそうで…」

 

 そうなんだよなぁ…リニスに悪いが俺はなのはの敵に回るつもりはない。しかしと言って、リニスとの契約(約束)として彼女を救うためにも動かなければいけない。

 

 正直に言えば全て投げ出して俺一人でやってしまったほうが早いのだろうけど、それが結果的によくても、過程がダメならば後に亀裂が生じる。

 

「そうだなぁ…だったら、今度彼女が出てきたら発信機でもつけて活動拠点でも探して乗り込むか」

 

 それならば、戦いの場で現れるよりかはマシだろう?

 

「……紅莉、それは犯罪では」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「問題ありますよ!」

 

 まぁ、結局それが一番無難な答えで他に良案が出てこなかったためにそういう形となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「晶、レンちゃん誕生日おめでとう」

 

 4月の後半となり今日は晶とレンちゃんの誕生日ということなので数日前から準備していた誕生日会が始まった。

 

「これは俺となのはからのプレゼントだよ」

 

 そう言って、包みを渡す。

 

「お、エプロンか」

 

「ありがとなー」

 

 晶とレンちゃんにはエプロンをプレゼントした。

 

 この前、結構よたよたになってきた~って言っていたからなのはと一緒にデパートに向かって探したのである。

 

「なあ、紅莉?なんで俺のプリントはサルなんだ?カメのプリントがカメなのは納得できるけど」

 

「ハッ!まんまってことやろが!」

 

 なのはと探していたらこれしかないと二人で納得して買ってしまったのだ。

 

 晶もレンちゃんもお互いにデフォルメされた動物シリーズで結構可愛く機能性もあったりするらしい。

 

「これからも美味しい食事をよろしく」

 

「あれ?誕生日なのにいいのかなそんなこと言って?」

 

 なのはの呟きについ視線を逸らしてしまった。いやまぁ、そうなんだけどね。

 

「いやいや。二人がプレゼントしてくれただけでも嬉しいよ」

 

「そやそや。それに、うちの食事を美味しいと食べてくれるなら作っているかいがあるもんや」

 

 こうして、二人の誕生日を祝い楽しいひと時を過ごしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃま、やりますか」

 

「本当にやるの?」

 

 普段、夜鍛錬するところに今日はなのはを誘いやってきた。理由は模擬戦を行うためである。

 

「おうよ。まぁ、力試しだな」

 

 渋るなのはだが、とりあえず確かめたいことがあるために無理をいってつれてきた次第である。

 

「ルールは簡単で、ある程度被弾したほうが負けって感じだな。カウント自体はデバイスがやってくれるから俺達は気にせずにやればいいさ」

 

「いつの間にそんなのを作ったんだ?」

 

 ルールを説明するとユーノが聞いてくる。

 

「エアによろしくって言ったら作ってくれたけど?」

 

《デバイスの使い方が粗いマスターです。ですが、頼られた分はしっかりと果たします》

 

「前から思っていたけどエアのAIってまるで人と同じ感じだね」

 

「あ、私もそう思った」

 

 確かにレイジングハートもインテリジェントデバイスって話だけどエアほど喋るって感じはしないな。

 

 ただ、マスターのなのはのために色々とエアにデータを提供して欲しいとお願いしているようであるが。

 

《それは当然でしょう。私はロストロギアが作られた時代に作られ、また人格も当時の最高頭脳の人間をベースに作られましたから》

 

「ええっ!?」

 

「本当に!?」

 

『本当か?』

 

『フィクションです』

 

 念話で一応確認してみたが嘘だったようだ。

 

『ただ、最高の頭脳の人物に作られたっていうのは間違いはありませんが』

 

 いやマジであいつが作ったのか?それともそれ関係?マジでわからんわ。

 

「さて、雑談はこんなもんでやるぞ~」

 

「うん」

 

 なのはも覚悟を決めたのか頷いて空へと上がる。

 

「ユーノ開始の合図よろしく」

 

「分かった」

 

 ユーノに合図を頼み構える。なのはもレイジングハートをこっちに突き出す形で構えた。

 

「レディー………ゴーッ!」

 

 開始の合図がされたが、俺もなのはも微動だにしない。そんな様子を見てからか、ユーノは何か間違ったのかおろおろとしている。

 

「来ないのか?」

 

「紅莉君こそ」

 

「俺はお前が動かない限り動くつもりはない」

 

 予想通りというかなんというか、なのはは先制をしかけてこず俺が話しかけても攻撃をしてこなかった。

 

「どうして…」

 

「どうしてか…正直なのはの覚悟を確かめたかっただけだ」

 

「覚悟?」

 

 その言葉に心当たりはないのか首を傾げるなのは。

 

「この前出会った彼女は恐らくこのままジュエルシード集めを続けていたら再び会うだろう。

 そして、前回は警告の意味を込めて本気では戦ってはいなかった」

 

 俺の言葉に素直に耳を傾けるなのはをそのまま見つめながら続ける。

 

「次に出会うときは俺達が持っているジュエルシードすら狙ってくるかもしれない。

 そんなときにお前はどうする?」

 

「どうするって…」

 

 そのことを考えてなかったのか又はあえて考えないようにしていたのか、なのはの表情が暗くなる。

 

「彼女は躊躇せずに俺達に攻撃してくるだろう。そこでお前はどうするんだ?」

 

「私は、彼女の話を聞きたい」

 

「話す雰囲気じゃなかったが?」

 

「それでも、聞きたい。何故彼女がジュエルシードを集めているのか」

 

「聞いてどうするんだ?」

 

「聞いて納得できるならユーノ君には悪いけど手伝ってあげたい」

 

「納得できなかったら?」

 

「そのときは…私が戦う」

 

 なのはを見ればしっかりと覚悟を持った目をしていた。

 

「その道は険しいぞ?」

 

「うん、分かっているよ。紅莉君に手伝ってとも言わない」

 

 へぇ、俺はてっきり手伝って欲しいと言ってくるもんだと思ったが。

 

「それは俺が頼りないからか?」

 

「ううん、そうじゃない。そうじゃないの。逆だよ。いつも紅莉君ばっかりに頼っていたんだもん。私だって一人でできるって所を見せたいから」

 

 頼られていたのか俺は?ここ数年は修行ばっかりで結構なのはを放置してしまっていた感じがしたのだけど。

 

「分かった。じゃあ、見せてもらうかな、なのはのできるって所を」

 

「あう、お手柔らかに」

 

「ハハハ、自分で言ったんだ責任は持てよ」

 

 笑っているとさっきまで暗かったなのはの顔も晴れたようだし、大丈夫だろう。

 

 確かにいつまでもなのはを頼りないと思って気を張って見ているのも失礼か。

 

「まぁ、ユーノも今の会話聞いていたし何か言ってくるかもしれないけど説得は自分でしろよ?」

 

「うん、分かった」

 

 地上に降りてなのはを家に帰した後は自分の鍛錬を積んでから予定通り家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや、今度のゴールデンウィークって温泉に行くって言っていたっけ?」

 

「そうよ~。商店街の福引で当たってのよ。今まで家族揃っての旅行ってやったことなかったし丁度いいでしょ?」

 

 ゴールデンウィーク間近に予定を思い出して食卓で尋ねると桃かーさんがテンション高く説明してくれた。

 

「確かに今まで行かなかったからいいかもね。俺も母さん死んでから行ってないから楽しみだ」

 

「「「「…」」」」

 

 俺の発言でなにやら楽しい食卓がどんよりと暗くなってしまった。

 

「えっと、別に俺はもう大丈夫だから暗くならんでよ。それに母さんも暗くなっているよりも楽しくしていたほうが好きだったし」

 

「そうだな。橙璃は自分のせいで暗くなっていると分かれば嫌がるだろう」

 

 とーさんの言葉で再び活気が戻った。

 

「それで、行くのが高町家の住人とアリサと月村家だっけ?」

 

「あと、那美さんを誘ったよ」

 

 美由希はどうやら那美さんを誘ったようだ。

 

「フィリス先生も誘ってみたが、ゴールデンウィーク中も仕事のようでダメだった」

 

 兄さん、いい加減にしたほうがいいと思うよ?ほら、女性陣の目つきがきつくなったし。

 

「そうそう。ペット可の温泉だからリニスちゃん達も連れて行って大丈夫よ」

 

 へぇ。最近増えてきているって話だったけど今度行くところも大丈夫なんだ。

 

「そりゃよかった」

 

『温泉ですか…楽しみです』

 

 何故かエアまで楽しみにしているが、お前はいれんぞ?

 

「恭也や美由希、紅莉はたまには修行を離れてのんびりしなさい。お母さん命令よ」

 

「「む」」

 

「は~い」

 

 まぁ、確かにここ数年は常にやり続けていたしいいのかな?でも、ただでさえ行き詰っている時に…

 

「紅莉、君が何を考えているかは分かるがたまには剣から離れてこそ見えてくるものもあるんだよ?恭也もな」

 

「ん、分かったよとーさん」

 

「了解だ」

 

 さすがとーさんだな。俺達の現状は見抜けるわけか。

 

 まぁ、たまにはのんびりすのもいいか。ここ最近は色々ありすぎて疲れちゃっていたからいい羽伸ばしになりそうだ

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