魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第18話

「さぁ、皆さんお乗りください」

 

 鮫島さんの案内の下みんなマイクロバスへと乗り込む。

 

 人数が人数になってしまったために、アリサが手配をしてくれた。

 

 本当はこういったのをお願いするって言うのは図々しいから断ろうと思っていたのだが、アリサの両親曰く。

 

「あまりわがまま言わないアリサがお願いしてくれたことが嬉しい」

 

 とのことだ。

 

 お金持ちにも色々あるんだなぁって思った今日この頃である。

 

「さて、寝るか」

 

「待ちなさいよ!」

 

 久遠を抱き枕にし、寝ようとしたらアリサから声をかけられる。

 

「あんた何を寝ようとしているのよ」

 

「ああ、ゴメン。基本的に長時間の移動=寝るって癖ついていてさ」

 

「なによそれ…」

 

 呆れ顔のアリサ。すずかやなのはも俺が即寝入ろうとしていたためか苦笑い気味だ。

 

「いや、母さんの仕事について回っていたときは海外に行くことが多くてな。それでバスや新幹線、飛行機なんかは基本的に寝て過ごしていたからさ」

 

 ついたら即移動したりしていたために、移動中にしっかりと休んでおかなければいけなかったんだよ。

 

 母さんは俺を抱っこしてもいいって言っていたけど、移動中に寝ていれば嫌でも動けたから問題はなかった。何故か母さんは寂しい顔していたけど。

 

「そういや、あんたって母親の仕事で海外に行っていたっていっていたけど何処にいっていたのよ」

 

「えっと、基本はドイツで、後は仏・英・西・伊に後は露・中・韓って結構回っていたな」

 

 ドイツの頻度が高かったのは、何か因縁の組織がうんたらかんたらって零していたのを聞いたな。

 

「かなり行っているわね」

 

「じゃあ、色んな国の言葉を喋れるの?」

 

 すずかがこちらを覗きながら聞いてきた。

 

「ん~、ドイツ語と英語は意思疎通できるけど後は無理かな?ああでも中文とハングルは覚えろって言われて何とかなるのかなぁ?」

 

 ドイツ語を覚えられたのだって単語一つがカッコイイという厨二感覚で覚えたからなぁ。

 

 中文とかは覚えている途中だから上手くできる自信はないな。

 

「そっか、でも凄いね」

 

 笑顔で褒めてくれるのは嬉しいんだけど、理由が理由でなんか素直に誇れないな。

 

「それじゃ、紅莉君が持ってくるお土産が多国籍だったのはそういう理由だったんだ」

 

「まあなぁ、基本は空港で買ったりしていたけど、マーケットを回れるときは結構探していたからな」

 

 マーケットはその国の特徴が分かるって聞いたことあったから母さんに頼んでよく回らせて貰っていたな。

 

「いいなぁ」

 

「まぁ、母さんが死んでからはいけてないから羨ましがられてもいけないんだよ」

 

「あ…」

 

 俺の一言にすずかの顔が暗くなる。大方失言したとでも思っているのだろう。

 

「気にすんなって、別に仕方ないことだし」

 

「ごめんね」

 

 頭を撫でながら諭してやると暗かった顔が元に戻る。

 

「さてと、寝ちゃダメならどうするよ?各々勝手なことをやっているが」

 

 大人組みは酒を飲んでいるし、美由希や那美さんたちは談笑しているし。兄さん?兄さんは犠牲になったのだ。

 

「それじゃ、ありきたりだけどトランプでもやりましょ」

 

 アリサがカバンを探ってトランプを出してきた。

 

「よしきた」

 

「久遠もやる」

 

 今まで狐の格好で寝ていた久遠だが俺がやる気を出すと起きて人の姿になりやる気を示してきた。

 

「ううん…久遠ルールは分かるか?」

 

「??」

 

 可愛らしく首をかしげる久遠。あと、出来れば膝の上からどいて下さい。みんなの視線が痛いです。

 

「んじゃ、久遠は俺と一緒にやるか」

 

「うん」

 

「つーわけで、俺は久遠とやるわ」

 

「……………仕方ないわね」

 

 やけに長い間をおきながら了承したアリサがトランプを切り配りだす。最初はどうやらばば抜きのようだ。

 

「いいか久遠。同じ数字が書いてあるのが二つになったらこの中央に置くんだ」

 

「分かった」

 

 気分は子育てをしている父親みたいな感じです。俺まだ10歳なんだけど?中身は大人のつもりだけどね。

 

「できた」

 

 久遠ができたというので手札を覗き込んでみれば確かになくなっていた…残り一枚だけど。

 

「えぇ……」

 

「くーちゃん凄いね……」

 

「くっ、だったら最初は久遠ね」

 

 すずかとなのはは久遠の手札をみてドン引きしており、アリサは顔を引き攣らせながら提案してくる。

 

 まぁ、それ以外から始めたら久遠の番の前に終わるから仕方ないだろうな。

 

「これ」

 

 引いたカードはスペードの1。持っていたカードはハートの1なので…

 

「終わった」

 

「はやっ!?」

 

「うそっ!?」

 

「どんだけよ!」

 

 皆のツッコミも仕方ないだろうな。初期手札で既に1枚となり、引いたカードでペアを作れるんだから。

 

 てか、大まかにルールを説明しただけでこうも簡単に上がれるものか?

 

「まぁ、いいわ。兎に角終わらせましょ」

 

 アリサ音頭の下、三人娘が黙々とばば抜きを終わらせた。結果は久遠・すずか・なのは・アリサの順である。

 

「ぐぬぬ…今度は大貧民よ!」

 

「大富豪じゃないのか?」

 

「私は大貧民って言うよ?」

 

「私は大富豪だなぁ」

 

 ドロケイかケイドロの違いか。

 

「てか、またルールがめんどくさいものを…んでルールは?」

 

「8流しあり、縛りと階段なし、スペード3がジョーカーのみ有効ぐらいでいいでしょ」

 

 久遠がいるから縛りは無しかな?でも、大富豪は縛りあったほうが戦略の幅が増えると思う。階段もだけど。

 

 さっきビリだったアリサがカードを配り、各々札を揃えていく。さて、久遠はどうかな?

 

「ぶっ!」

 

「汚いわね。何噴いているのよ」

 

「すまん…」

 

 ありえねぇ…

 

「それじゃ、さっきビリだった私からやるけどいいわよね?」

 

 それに異を唱えるものは誰もいなかった。順番はアリサ→なのは→すずか→久遠としたから順となった。

 

「それじゃ、4のペアよ」

 

「う~ん…7のペア」

 

「私は…いいや、11のペア」

 

 お、すずかが一気につり上げたな。アリサやなのはも結構渋い顔をしている。

 

「紅莉、どうすればいいの?」

 

「ごめんごめん。こっちか、こっちを2枚出せばいいよ」

 

「それじゃ、これ」

 

 さっきのばば抜きはルールが簡単だったためか直ぐに覚えられたが、流石にこっちはちょっと難しかったみたいだ。

 

 俺に聞いてきたので教えてあげると久遠はAのペアを出した。

 

「パスよ」

 

「うう、パス」

 

「私もパス」

 

 全員パスを宣言したのでまた久遠の番となったので久遠にさっきのような感じでだしてごらんと言ったら今度はKを3枚だした。

 

「…パス」

 

「同じく…」

 

「私も…」

 

 これで、久遠の手札は残り8枚となる。ジョーカーは1枚しか入っていないので必然的に誰かが14枚で後は13枚だ。

 

「じゃ、これ」

 

 そういって出したのは2を4枚……革命である。

 

「ここで革命!?」

 

 アリサが驚きの声を上げるが誰も出せないとわかったのか久遠は気にせずに次の札を切る。

 

「えっと、これ」

 

 今度は8を2枚である。残りは2枚。

 

「終わり」

 

 最後に出したカードはAの2枚である。つまるところ久遠は最初から8を2枚、Kを3枚、1を4枚、2を4枚持っていたのである…俺が噴いた理由がこれだ。

 

 てか、久遠の初期手札がさっきから色々と酷すぎる。

 

 その後の勝負はなのはが何とか2位で抜けてすずかが3位でアリサが4位というお金持ちのお嬢様のはずが何故か大貧民というなんともあれな内容であった。

 

 その後もポーカーやればフォーカードやロイヤルストレートフラッシュを作り、ブラックジャックだと20未満はありえないともの凄い引きを連発して最終的には全員ドン引きであった。

 

「面白かった」

 

「だろうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、温泉行くか」

 

 温泉にきたらとりあえずひとっ風呂入ってから卓球やってまた風呂だな。

 

「紅莉、一緒に入らないの?」

 

「久遠?男は一緒に入らないんだよ?」

 

「でも、家では入っているよ?」

 

「あんた、久遠と一緒に入っているの!?」

 

「狐の姿だたわけ!」

 

 温泉にやってくると丁度女性陣も入るようで一緒にやってきた久遠が言ってきて大ピンチである。

 

「別にいいじゃん」

 

「いやいや美由希何言っているの!?」

 

「おませさんやな紅莉は」

 

「レンちゃん。つつしみを持ってくれ」

 

 幾ら胸と身長が慎ましいからって心まで…

 

「寸掌ッ!」

 

「ぬおぉぉぉぉっ!あぶねぇっ!?」

 

「ぐわぁっ!」

 

 レンちゃんの寸掌をギリギリで回避したらたまたま近くにいた晶にあたりそのまま8mほど吹っ飛んだ。新記録だな。

 

「って、危ないよ!」

 

「紅莉がもの凄く失礼なことを考えていた感じがしたから」

 

 何故ばれたし!?

 

「それにほら、皆もいるし」

 

「別にいいじゃない」忍

 

「紅莉、一緒に入ろうよ」フィアッセ

 

「かーさんも一緒に入りたい」桃かーさん

 

「いてて、別に俺は気にしないぞ」晶

 

「そんなに照れることなの?」那美

 

 ば、馬鹿なっ!?女性人全員が敵に回ったというのか!?いいや、まだだ!

 

「なのは達はいやだろ?」

 

「??紅莉君はいやなの?」なのは

 

「ちょっと恥ずかしいけど…」すずか

 

「ま、まぁ、偶の旅行よ、多少はめ外したっていいじゃない」アリサ

 

 くっ、三人娘までもか!?

 

「とーさん達ヘルプ!」

 

「行って来いb☆」とーさん

 

「まぁなんだ……がんばれ」兄さん

 

「おおう…」orz←俺

 

 まさか、全滅だと!?

 

「まてまて、混浴じゃないんだからダメに決まっているだろ?」

 

「紅莉君あれ」

 

「あれ?」

 

 なのはに裾を引かれて指を差していたので見てみると。

 

『子供は10歳まではどちらにも入ることが可能』

 

 銭湯じゃねえんだぞぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!

 

「と、兎に角俺は男湯に入る!追ってくるなよ!いいな、絶対に来るなよ!」

 

 俺は矢継ぎ早に言ってその場を後にした。

 

《ハーレムですね。もげろ》

 

 デバイスが兎に角失礼なことを言った気がしたが俺の精神はそれにツッコム気力はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助けてよ」

 

「いやぁ、あの場面で敵に回るほど俺は命知らずじゃないしね」

 

「父さんに同じくだ」

 

 無事に男湯に入ってから一息ついた俺はとーさん達に文句を言うが暖簾に腕押しの感じで簡単にかわされてしまう。

 

「まぁ、いいや。折角の温泉だしゆっくりと浸かろう」

 

「ここの効能は関節なんかにも効くようだし二人共しっかりと浸かるようにね」

 

「ういぃ~」

 

「分かった」

 

 とーさんの説明と注意により、俺と兄さんはゆっくりと温泉の中で力を抜いてリラックスする。

 

「紅莉は奥義は何個使えるようになったんだい?」

 

「まともに使えるのは未だに葬刃だけだよ。後はつぎはぎだらけだし、この前聞いた乱舞はちょっと試してみて無理だと悟ったよ」

 

「あれは何で作ったんだろうね」

 

 俺もわからんし、ネタ奥義って書いてあったしな。

 

「というよりも紅莉の年齢で奥義を使っているほうが可笑しいと思わないのか?」

 

 兄さんが至極もっともなことを尋ねてくる。

 

「あぁ~…緋凰は基礎から叩き込むんじゃなくて奥義を教えて極めていくほうが効率がいいみたいなんだぁ~。それに奥義は基礎の動きも重要になっていくから必然的に基礎も叩き込まれるって寸法だよぉ~」

 

「すっかりふやけてきたな」

 

 温泉テラ気持ちよす。

 

「なるほど…」

 

「御神は逆だからね。まぁ、緋凰の鍛え方の理由は常に近くに天命が控えて疲れた体を回復させるっていうのもあるからかもしれないね」

 

「確かに紅莉に針を打って貰うと疲れた体が癒されるな」

 

「照れるよ~。それに俺はまだまだだよ……月陰よりも覚えている量も多いし質は高いと思うけど~」

 

「紅莉はそっちにも適正があったのか」

 

 だと思うよ~。あ~地味にたまっていた疲労がい・や・さ・れ・る~。

 

「だけど二人共気をつけるんだぞ。今のペースが本当にギリギリなんだ。これ以上過酷にしたらまた壊れるよ」

 

 確かになぁ…魔力強化しながら鍛えれば問題ないってリニスやエアが言うが、これだけは己の身ひとつでやりたいからやらない。

 

「紅莉~」

 

「久遠さん!?」

 

 後ろから声が聞こえたので振り返ってみるとそこには久遠がぱたぱたとかけてきていた。

 

「どうしてこっちに来たんだ」

 

「??おばちゃんがいいって言ったよ?」

 

 首を傾げながら告げてくる久遠。おばちゃんとは仲居さんのことだろうか?ということは久遠は一旦廊下出てからこっちにきたのか?

 

「あとユーノがウインナーみたいだった」

 

 おいしそうだよねって言っているけど冗談だよね?

 

 そういやユーノを見ないと思ったらあっちに行っていたのか。あいつってオスだよな?まぁ、人語を理解しているからといって人間には欲情すまい。

 

 まぁ、ユーノには後でオッパイパラダイスの感想を聞いておこう。

 

「そんで兄さんは誰か一人を決めることは出来たの?」

 

「ぶはっ!?」

 

 誰もいないことから久遠は人間モードから狐モードに変わり温泉を泳いでいるのを見ながら気になっていたことを尋ねると首下まで深く浸かっていた兄さんが滑って頭の天辺まで潜ってから上がってきた。

 

「それは俺も聞きたいな。どうしてうちの息子どもはこんなにもモテるんだ?」

 

「「一緒にするな!!ムッ!」」

 

 一言一句違わずハモる俺と兄さん。

 

「俺は兄さん見たく鈍感じゃない!」

 

「誰が鈍感だ。お前と一緒にするな」

 

 な、なんてことを言うんだ!?俺はあえて無視しているだけだ!兄さん見たく切羽詰った状況じゃないんだぞ!

 

「ハッハッハいいじゃないか、別に。こう見えても俺もモテていたからな」

 

「「後でかーさんに言いつけてやる」」

 

「マジすんません。マジすんませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男湯でそんな会話をしているころ女湯では。

 

「うわぁ、美由希ちゃんって剣術やっているから体締まっているなぁ。それに胸も大きいし」

 

「忍さんこそ、そんなプロポーションで何を言ってるんですか」

 

「そうだよ二人共」

 

 美由希・忍・フィアッセのグループは美由希と忍がお互いのプロポーションを褒めており、フィアッセは自分にないしなやかな体を羨ましがっているのだが、二人の視線は厳しいものだった。

 

「ねえ、フィアッセ?」

 

「どうしたの美由希?」

 

「隣の芝は青いって言葉を知っている?」

 

「そうだそうだー」

 

 二人の目線の先はフィアッセのもつ双丘である。美由希や忍も大きいが、フィアッセには遠く及ばなかったのである。

 

 

 

 

「おらぁっ!」

 

「ワップッ!?やったなこのおサル!」

 

「あうあう、二人共やめましょうよ」

 

 一方晶・レン・那美のグループは風呂に浸かりながら湯のかけっこをやっていた。

 

 正直なところ、三人娘よりも子供であった。

 

 

 

 

 

「結局久遠ちゃんはあっちに行っちゃったね」

 

「うん、くーちゃんって紅莉君と常に一緒にいるんだよね」

 

「あ~あ、あの無邪気さが羨ましい」

 

 三人娘はと言うと久遠が早々に男湯に向かってしまったのをみてなにやらもやもやしていたのである。

 

「てか、紅莉も紅莉よ。なんであそこまで嫌がるのかしら?こんな美少女達にかこまれるっていうのに」

 

「にゃはは~」

 

「もう少し恥じらい持とうよ」

 

 他の子供に比べても早熟なアリサたちにとっても紅莉と一緒に風呂に入るのは恥ずかしいのだが、それでもという気持ちもあったりしたのである。

 

 

 

 

 

「リニスちゃん気持ちいいかしら?」

 

「にゃぁ~(温泉……これほどとは……!?)」

 

 桃子はリニスと一緒に一人ゆったりと湯に浸かっていた。

 

「娘達も大きくなって桃子さん嬉しいわ」

 

 一人ゆっくりと他の客がいないために良く見える娘達を見つめて呟いたのであった。

 

 

 

 

 

 

《いいんですいいんです。どうせこうなるだろうと思っていました》

 

《エア、私も入れて貰えませんでした…》

 

 なにやらデバイス同士の間に友情が芽生えたとか。

 

 

 

 

「何よあんた!」

 

 温泉から上がり卓球場のほうへと向かっていくとどうやらアリサ達のほうが先に上がっていたようで、声が聞こえてくる。

 

 ただし、その声色には怒気が含まれているが。

 

「どうした?」

 

「くぅ?」

 

 久遠を頭に乗せてアリサたちに近づくとなにやらオレンジ髪の美女に絡まれていた。

 

「なんかこいつが…」

 

「はいはい。それで何用ですか?」

 

「いやぁ悪いね。なんか知り合いの子に似ていてさ。悪かったね」

 

 俺が割り込んで話を尋ねてみると女性は直ぐに謝り横を通り過ぎていく。

 

『今回はただの挨拶だけど…あまり調子に乗っていると噛み千切るよ』

 

 頭に先ほどの女性の声が届く。どうやら、フェイトの関係者のようだ。

 

 なのはも気を抜いた瞬間に念話が届いて驚いている。

 

『さて…どっちがかな?』

 

 俺の返しに軽く振り返って睨んでくるが知らん顔してなのは達を卓球場のほうへと誘導した。

 

 その後、合流したリニスと久遠が頭の上の主導権をかけて喧嘩をしたり、リニスに温泉の感想をききつつ卓球を行ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後卓球は紅莉とすずかのラリーで勝負つかずとなり、再び風呂に入り夕飯を食べて就寝時間となったのだが…

 

「なんで紅莉は平然と寝ているのよ」

 

 川の字(一人多いが)で一番端で久遠とリニスを抱き枕にスヨスヨと寝ている紅莉にアリサが不満たらたらで文句を言う。

 

「う~ん…なんでだろ?」

 

「なのはちゃんでも分からないの?」

 

「うん。たまに夜にお話したくて部屋に行ってもいなくて待っていようとして結局紅莉君のベッドで寝ちゃっても紅莉君って平然と横で寝ているらしんだよね」

 

 因みになんでらしいなのかと言えば基本的になのはの起きる時間は紅莉より遅いために自分で確認している訳ではなく、両親や兄妹に教えてもらっているだけであるためにらしいという言い方なのである。

 

「あんた、紅莉と寝ているの?」

 

「ふぇっ!?ち、違うよ!ただ、お話しようとして結果的にそういう風になっているだけだで」

 

 わたわたと否定をするなのはだが、アリサの眼光は鋭いままだった。

 

「あんた、なんて、なんて…」

 

「なんて羨ましいことを!」

 

「「えぇぇぇぇぇっ!」」

 

 アリサが何かを言おうとした瞬間にすずかが割って入り。かつ、その言葉に驚いてしまう。

 

「あっ!ちが、違うの!」

 

 すずかが自分の言った事を理解して慌てて否定しだす。どうやら半分くらい無意識だったようである。

 

「いい加減に寝なさいね~」

 

「「「はーい」」」

 

 騒いでいたら襖の前から桃子の注意が届き三人娘は仲良く返事をし話題はそこまでとなり瞳を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『紅莉君、ジュエルシードが』

 

「わかった」

 

 寝ていたらなのはの念話が届き起きる。なにやらなのはは着替えようとしているので俺は時間を確認する。

 

 時計を確認すれば0時を示しており、気配を確認してみるとどうやら大人組みも全員寝静まっているようだ。

 

 俺達が起きたことにより兄さんが起きるかと思われたが、どうやら大丈夫だったようだ。

 

「えっと、紅莉君は着替えないの?」

 

「セットアップすれば関係ないだろ」

 

 それに浴衣で動いたりするのは慣れているし。

 

「あ…」

 

 どうやらなのはは気づかなかったみたいだな。多少抜けているが大ポカするうっかり属性ではないから大丈夫か。

 

「んじゃ、いくぞ」

 

「うん」

 

 忍び足で玄関に向かい靴に履き替え、ユーノ先導の下現場へと向かうとそこには昼間の女性とフェイトがすでにスタンバっていた。

 

「どうやら忠告の意味が分からなかったようだね」

 

「ジュエルシードをどうするつもりだ!」

 

ユーノがなのはの肩にぶら下がりながら聞く。おお、遂にユーノまで…

 

「答えるギリはないよ。それにさ…調子に乗っていると噛み千切るって言っただろう!」

 

 女性が腰掛けていた橋から立ち上がり此方を向くと女性から犬になった。

 

「へぇ、何処となく久遠に似た気配を感じていたが犬っころだったか」

 

「アタシは狼だよ」

 

「そりゃ、失礼」

 

 種族ってのは重要だよな。特に本人が重要視している場合はね。

 

「やっぱりあいつ、あの子の使い魔だ」

 

「使い魔?」

 

「そうさ、アタシは主の魔力で生きる代わりに命と力を持ってあらゆる障害から守る存在さ」

 

 リニスと俺も似たような関係だな。ただし、現在の俺らの場合はリニスに前に出るなって言ってあるから出てこないけど。

 

「先に帰っていて。直ぐに追いつくから」

 

「うん、無茶しないでね」

 

 どうやら主従の関係も良好のようだな。

 

「オーケー!」

 

 フェイトの気遣いに返事をしたアルフが一気にこっちに仕掛けてこようとした時、突如頭上から雷が落ちる。

 

 アルフが一瞬フェイトをチラリと見るが、彼女もやや驚いている。

 

「紅莉、大丈夫?」

 

「お、久遠来たのか?」

 

 声をかけられ振り向いてみればそこには紅白の衣装に身を包んだ久遠が此方に駆け寄ってきていた。

 

「え?くーちゃん?」

 

 なにやらなのはが驚いているがどうしたのだろうか?

 

「え、だって…くーちゃんって…えぇー」

 

 なにやら完全に処理落ちして固まっているんだが…

 

「ねえ、紅莉君」

 

「どうした?」

 

「この子…誰?」

 

「久遠だが?」

 

「なのは、酷いよ」

 

 なのはが尋ねてきたが何を言っているんだ?久遠もなのはが自分のことが分からないって分かり悲しんでいるし。

 

「だってだって、くーちゃんって私くらいの身長だったよね?それにシッポも…」

 

「ああ!」

 

 漸くなのはの疑問が分かり左掌の上に右で拳を作りポムと当てる。

 

「そういや大人モード知らなかったっけ?」

 

「そうだった」

 

「大人モード?」

 

「ああ、久遠は普段は力をほとんど抑えているし使おうとしないんだが、自分の力をしっかり使おうとするとこんな風に大人の姿で使うんだよ」

 

 子供の姿じゃ大した力は使えないらしいのと、この大人モードは結構燃費が悪いのかあまり長い時間は使えないようだ。

 

「てか、なのははあいつの相手だろ?頑張れよ」

 

「うん」

 

 漸く復活したなのははユーノを下ろしてフェイトのほうへと向かっていく。

 

「させないよ!」

 

「シッ!」

 

「くっ」

 

 アルフがなのはの妨害を行おうと動こうとしたのを抜刀しながら刀に溜まっていた魔力をそのままアルフの通り道へと放ち行く手を阻んだ。

 

「動くなって。そうしたら俺からは攻撃はしないから」

 

「嘗めているのかい?」

 

「嘗めちゃいないさ。ただ、理解しな。こっちには俺を含めて三人いるんだぞ?」

 

「ハッ!そんなのものの数じゃないね!」

 

 そういって、こっちを排除しようと向かってくるアルフ。

 

「二人共手を出すなよ?」

 

「分かった。よろしく」

 

「がんばれ紅莉」

 

 俺の言葉に素直に頷いて下がるのを気配で確認しつつ刀を構える。

 

「馬鹿か防御もしないで!……何っ!?」

 

「ハッ!」

 

 どうやらフェイトからは聞いてなかったのか幻武によって避けたことにより驚き固まっているアルフに遠慮なく刀を叩きつけるが野生の勘かギリギリでシールドを張って防いだ。

 

「クッ、幻術か何かかい」

 

「さぁ?」

 

 忌々しげに此方を睨みながら聞いてきたがおどけたようにはぐらかす。

 

 それを聞いたアルフが再び此方に向かってこようとしたとき。

 

「レイジングハートっ!?」

 

「いい子だね。主を守ったんだ」

 

 なのはの叫びが聞こえ上を向いてみるとどうやらなのはが負けたようだ。レイジングハートからジュエルシードが飛び出してフェイトのデバイスに吸い込まれていった。

 

 どうやら、ジュエルシードを賭けて戦っていたようだ。

 

「どうやら決着がついたようだな」

 

 刀を納めながらそう言うとアルフは俺が戦いを納めた理由が分からないのか睨んだままである。

 

「あんたがあいつのリベンジをするんじゃないのかい?」

 

「しないよ。あの子の相手はなのはに任せたんだ。俺は出ない」

 

「そうかい。次にあったときは容赦しないよ!」

 

 アルフはそのまま離脱していったフェイトを追う形で離脱した。

 

「負けちゃった…しかも、ジュエルシード取られちゃった。ゴメンねユーノ君」

 

「いいんだよ、なのはが無事なら。それに次に繋げよう」

 

「うん」

 

 律儀に謝るなのはにユーノはがんばって励ましを送る。どうやらユーノ自身もこの戦いには口を出すつもりがないようだ。

 

「でも、名前を教えてくれたんだ一歩前進じゃないか?」

 

「うん…うん、そうだね」

 

 自分に足りないものを自覚しながら、今回のことでの収穫を改めて確認するなのは。

 

 確かに負けたが、前は名前を聞く前に離脱されて今回は名前をしることができたんだ。これで彼女の中でもなのはという人間が記憶されただろう。

 

「それにしても、くーちゃんがこんな美人になるなんて知らなかったな」

 

「まぁ、なる必要もないし、何より…」

 

「………疲れた」

 

 ポンと音と煙を立てて煙が晴れるとそこにはぐでーとした久遠がいた。

 

「燃費がよくないらしくて長時間使えないし疲れて動けなくなるんだそうだ」

 

 頭に乗せながらなのはに教えてやる。頭からずれ落ちるかな?って思ったが流石にしがみ付く程度には力が残っているようだ。

 

「さ、帰るか。もし、桃かーさん達の誰かが起きたりして、いないってばれたら怖いしな」

 

「うん」

 

 こうしてゴールデンウィークの休日は過ぎていった。




私の場合だと大富豪とドロケイって言い方でした
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