魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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スパロボやっていたら書く暇ありませんでした


第21話

「ここが時の庭園か?やけにおどろおどろしいな」

 

「私がいたころはもう少し明るかったのですがね…」

 

 プレシアから転送コードを貰い、時の庭園にやってきたのはいいのだけど、なんかやけに暗い印象がある。

 

 ぶっちゃけ言えばお化け屋敷に近い感じだ。

 

「とりあえず案内頼むわ」

 

「はい、こちらです」

 

 リニスにプレシアの元へと案内を頼み後についていく。

 

「ん?」

 

「どうしました?」

 

「今誰かに…いや、なんでもない」

 

 誰かに見られたような気がしたけど周りを見回してみても何もいないから気のせいか?

 

「きたわね」

 

「来てやったさ」

 

 案内されたのは玉間と言えばいいのか、プレシアは椅子に座って俺たちを出迎えた。

 

「プレシア…」

 

「ずいぶんと飼い猫の姿が板になっているわね」

 

 久しぶりの対面だというのに感動の再会もあったもんじゃないな。プレシアの第一声が皮肉とは。

 

「んじゃ、目的を果たすとしましょうか。あまり、長居するわけにもいかなしね」

 

「ついてらっしゃい」

 

 俺が提案するとプレシアは椅子から立ち上がり歩き出すのでついていくとなにやら更に奥の間へと案内されそこには漫画にあるような生体ポットがありその中にフェイトをやや幼くしたような少女が一糸纏わぬ姿で浮かんでいた。

 

「それでどうなのかしら?」

 

 横からのプレシアの声。その裏には駄目だった場合は覚悟しろと言っている。その裏を正確に感じ取ったリニスが俺を守るように間に割り込む。

 

 その間にも俺は彼女(・・)を見る。

 

「ちょっと」

 

 しばらく彼女を見ていたら横合いからプレシアの声が聞こえたので振り向くと。

 

「ダークネス・スティンガー」

 

「ノオォォォォォォォッ!?」

 

「ぷ、プレシア!?紅莉!?」

 

 いうなれば唯の目潰しが俺の両目に直撃し俺はその場でのた打ち回る。

 

 リニスが心配そうな声で話しかけてくるが、そんなのに答える余裕がない。

 

 てか、何で目潰ししてくるんだよ!?

 

「いつまで娘の裸を見続けるつもりかしら?」

 

 未だに痛みでのた打ち回っている俺に上から声がかかるが、そういうことか…誰が餓鬼に欲情するか!

 

「ダークネス・スタンプ」

 

「ぐほぉっ!?」

 

「さっきから何をやっているんですか!?」

 

 今度は股間目掛けて踏みつけてきた。間一髪で腹で受けたから当初の何倍もマシだが。

 

「私の娘に魅力がないとでも言うのかしら?」

 

 知るか!あと10年経ってから出直せ!

 

「ああ、痛かった」

 

「大丈夫ですか?」

 

 ようやく痛みが和らぎ起き上がる。これで失明したらどうしてくれるんじゃ。

 

《まぁ、回復しますがね》

 

 エアからのありがたいお言葉を無視しながら再び彼女を見る。ふと、した瞬間にこちらに気づいたのか彼女と目が合った。

 

 彼女の姿はやや透けていたけど、ポットとの姿と瓜二つというよりも一緒であった。

 

 うむ、どうやらいたようでよかった。

 

 もし、ここにいなければ降霊術に挑戦するしかなかったな。英霊みたいな存在ならば無理やり持ってこれるかもだが、彼女が英霊のような存在になるとは到底思えんし。

 

 彼女は俺の視線に気づいたのか、それを確かめようと少し横にずれたので視線で追うと今度は逆側へと動くので再び追う。

 

 そこでようやく自分に気づいたと分かったのか彼女の顔が喜びに染まる。

 

 何か言っているようだけど、今の俺じゃ彼女が何を言っているのかまでは分からない…まぁ、唇読めるから大体何を言っているかは分かるんだけどね。

 

 彼女いわく、ママ…プレシアを止めてフェイトを救ってくれだとさ。いい子だな。

 

 ゆっくりと口を動かし心配するなと言ってからプレシアに向き直る。

 

 今まで俺が何かをやっていたのは分かるのだろうがそれを奇行と見ていたのだろう。なにやらかわいそうな子を見る目だった…やめたろか?

 

 てか、那美さんに感謝だな。霊という存在をきちんと教えてもらえなければどうやって復活させようか悩んだもんだ。

 

 第三魔法は魂を物質化して現世に干渉するというものだけど、それは魂がなければ無意味のものだったし。

 

 そもそも俺は第三魔法の使い手ではなくて擬似的に再現できるだけだから出来ても意味はないか。

 

「さてと、約束のアリシアのことだが任せておけ、生き返らせてやるよ」

 

「本当なの!?」

 

 俺の言葉にプレシアが今までにはないぐらいの驚きの表情をする。隣にいるリニスも驚いているな。

 

「ああ、ただ今すぐは無理だ」

 

「それは、どうしてかしら?」

 

 娘が生き返る。その事実が分かったからなのか、プレシアが放っていた威圧が全てなくなり、ただの母親の姿になる。

 

「現状では色々足りない。場所は…ここ以外ならどこでもいいけど、それ以外の場所につれていけばいい」

 

「ここ以外なら、ですか?」

 

 今度はプレシアの変わりにリニスが聞いてきたので頷いてみせる。

 

「ああ、来たときも言ったけどここは禍々しすぎる。下手をすると失敗するかもしれない」

 

 別の霊なんているわけではないが、蘇生法に色々とあったりするので万が一が起きる可能性が0じゃないというのが理由だが、説明したところで分からないだろうから割愛しよう。

 

「んで、後ひとつがジュエルシードが必要ということだな。7つあれば大丈夫かな?」

 

 こっちに関して言えばユーノに頼み込んで使わせてもらおうと考えている。

 

 もともとの所有者はユーノなんだし何とか回してくれるだろ?無理だといったらちょっぱるとしよう…怒るだろうけど。

 

「まさか紅莉もプレシア見たく…」

 

「当たらずとも遠からずって言ったところかな?」

 

 俺が何をしようとしているかなんとなく察したリニスが責めるような目つきで聞いてきたのであいまいな返事を返す。

 

 出来なくはないんだけど、あったほうが恐らくは上手くいくと結果がでると思っているから。

 

「っと、その前に…プスリ」

 

「いきなり何をするの!」

 

「あっぶね」

 

 プレシアに針を刺したら驚いたプレシアの杖から魔法が放たれぎりぎりで避けた。

 

「顔色がかなり悪いから針を刺したんだよ。それで少しは体が楽になるはずだ」

 

 たしか、実験が失敗したときにアリシアは死んでしまいプレシアはその影響かなんかで体が病に侵されたとか。

 

 化粧で誤魔化しているものの、生気が感じづらいというのは相当なものだ。

 

 活心孔をついたので多少なりとも体が軽くなるだろう。本当は毎日やったほうがいいのだけれど、当分は出来る余裕はないだろうな。

 

「んじゃ、帰るわ…約束忘れるなよ」

 

 後ろ手に手を振りながらその場を後にすると後ろからリニスがついてくるのを感じつつ家へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束、ね。ふふ、もう無理よ…」

 

 残されたプレシアはポツリと言葉をこぼす。その顔はなにやら色々な表情が読み取れるものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はアースラの艦長リンディ・ハラオウンよ」

 

「緋凰紅莉です」

 

「高町なのはです」

 

「ユーノ・スクライアです」

 

 翌日、昨日の話をしたいと夜に連絡が入ったようで緋凰家へと招待をして現在は自己紹介中だ。

 

「君はいつまでその姿のままなんだ?」

 

 ふとクロノがユーノに向かってそんなことを言う…そのまんま?

 

「あ、忘れてた」

 

 クロノに言われて何か思い当たる節があったのかユーノが頷くとパァと光りどんどんと人間の形になっていた。

 

「え、えぇぇっ!?」

 

「へぇ、ユーノって人の姿になれたのか」

 

「え?もともと僕はこの姿だったんだけど…あれ?あった時ってこの姿じゃなかったっけ?」

 

「ち、違うよ!」

 

 なのはの否定に俺も頷く。最初にも何もずっとフェレットだったが?俺たちの反応を見ておかしいと思ったのかユーノは考え込みやがて

 

「ああ!そうだった!」

 

 ポンと左の掌に右手で叩いた。

 

「ユーノ」

 

「な、なに、紅莉?」

 

 俺が近づくとなにやら後ずさるが逃がさないためにも肩をつかむ。

 

「温泉で誰の肌が一番綺麗だった?」

 

「は?」

 

 俺の質問に呆けるユーノ。しかし、これは由々しき事態だ。公然として見れたわけだから是非知りたい。

 

 エロとかそんなのではない…そう、世界の意思なのだきっと。それに大きさならばフィアッセさんが一番でかいのなんて傍から見たって決まっている。

 

 俺の予想ではフィアッセさんだ。あの人の肌って一番綺麗だし。

 

「うごぉっ!?」

 

 ユーノが答えようとしたその時、頭の天辺に衝撃が走りそのまま畳とキスをした。

 

 頭を抑えつつ、振り返ってみるとそこにはレイジングハートを握ったなのはがって

 

「お前、それで殴ったのかよ!?」

 

「紅莉君?」

 

「な、なんだ…」

 

 こ、この威圧感は桃かーさん!?

 

「いい加減にしようね?」

 

「すいませんでした。マジですいませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

「お騒がせしました」

 

「いいのよ。うちのクロノだって歳相応に…」

 

「艦長!?」

 

 再び脱線しそうになったのだが、クロノがきつく睨んだために答えを聞けなかった。

 

「それじゃあ、改めてお話しましょう」

 

 ううむ、なんというか掴めないなこの人は。女狐ってほどじゃないけど化かし合いで勝てそうにない。

 

 交渉術はある程度は俺も学んでいるが勝てそうにないや。

 

「貴方たちが回収しているロストロギア…ジュエルシードは今後は私たち管理局が受け継ぎますので貴方たちは普段の生活に戻っていいわ」

 

「そんなっ!」

 

 おいおい、なのはこの場では静かに話を聴いていたほうが得策だぞ。

 

「貴方たちが今までがんばってきたことはとても素晴らしいわ。でもね、一歩間違えればとても危険なことなのよ」

 

「特に先日異常な魔力を感知して僕たちもようやくここに何かあると分かったんだ」

 

 先日というとジュエルシードが暴走しそうになったことだよな?

 

「ん?そうするとここには偶然に来たってことですか?」

 

「ええ、近くの次元世界に行った帰りのことよ」

 

「ユーノ」

 

「なに?」

 

「こんの馬鹿が!」

 

 ユーノに向かって拳骨を落とす。拳骨を食らったユーノは先ほどの俺と同じように畳に沈むが知らん。

 

「お前は危険なものだと知っていながら管理局に連絡していなかったのか」

 

「けど、僕の責任で…」

 

「そのせいで迷惑かかっているほうが大きいわ!」

 

「うっ…」

 

 ユーノに一喝してからリンディさんたちに向き直る。

 

「こちら側に責任があったとは言え、無礼な態度はすみませんでした」

 

 頭を下げて謝るとなにやらクロノが意外そうな顔をしているのが見えた。

 

「いいのよ。確かに彼の気持ちは分かるわ。自分の責任なのだから後始末はしっかりとやりたいってのは」

 

「すいませんでした」

 

 復活したユーノも謝る。

 

「それじゃあ、後は私たちに任せてもらえるかしら?」

 

「それなんですが、現地協力者という感じで手伝わせてもらえませんか?」

 

「さっきも言ったけど危険なことなのよ?」

 

「分かっていますよ。けど、こっちのなのはにも俺にも引くわけには行かない理由があるので。それに、さっきユーノも言っていましたが、あいつ自身が責任を感じているのにそれを他人に任せるってのは出来ないでしょうし」

 

 なのははフェイトのことが、俺はプレシアたちとの契約のため、何より中途半端って嫌いなんだよね。

 

 俺の提案になのはが同意だと何度も首を縦に振る。

 

「それに危険って言いますが、あの程度の暴走なら別に俺にとっては大変ではないですし」

 

「どういうこと?」

 

「異常な魔力を検知したって言いますが、あれはジュエルシードが暴走したからでしょうね」

 

 俺の言葉に二人とも息を呑む。そりゃ、話を聞いていれば危険なものが暴走したと分かればそうなるよな。

 

「そのときは俺が収めましたしあれくらいなら対処は出来ますよ」

 

「それは嘘だ」

 

 クロノから否定の言葉が入る。嘘だとは心外な。どういう根拠で言っているんだ?

 

「あの時、データを取っていたから君たちの大まかな魔力を測定したけど君はそっちの子の半分程度の魔力しか持ってないじゃないか」

 

「戦っている、いないの違いがあるでしょうけどそれでも貴方の言葉は真実味は帯びないわ」

 

 へ~、魔力ってきちんと分析できたんだな。うちのエアだけが規格外なだけだと思っていた。

 

《褒めないでください。照れます》

 

 こいつには一回きちんと話をしないと駄目だと思う。俺に似すぎだ。

 

「ユーノの話だとレアスキル?らしいんだが、魔力が上がったりするらしいんだよ俺って」

 

 ディス・レヴとかを使わない限り一切あがらないらしいけど必要になる場面ってのがないから別にかまわないか。

 

「魔力が突如上がる……そんな馬鹿な…」

 

「嘘じゃありません!私は見たんです」

 

 おいなのは、それじゃ俺が犯罪者みたいな言い方だぞ。

 

「僕も見ました。あの時紅莉がいなければ確実にジュエルシードが暴走して悲劇が起きていたと思います」

 

 なんかどんどん俺が犯罪者ちっくな話に…いやまぁ、刀の所持とか考えれば仕方ないのか?

 

 母さんとかは国から許可貰っていたとか言っていたけど、二度と申請なんてしてやるかとか言っていたな…

 

「証明することは?」

 

「えっと確かレイジングハートにデータが…」

 

 そういってユーノがなのはに目配せしてなのはがレイジングハートにお願いすると空中にディスプレイが映し出された。

 

『虚無へと消えろ、アキシオン・バスター……デッド・エンド・シュート!』

 

 ちょうど映し出されたのはアキシオン・バスターを放っているシーンである。客観的に見ると厨二っぽくて恥ずかしいなこれ。でも、気分が乗るんだよね。

 

「確かにこれなら…」

 

 リンディさんが映像を見ながら頷いている。逆にクロノは信じられないものを見ている感じだ。

 

「まぁ、それでも駄目だって言うなら俺たちは好きなようにさせてもらうけど」

 

「………負けたわ。こっちが貴方たちの能力について調べたことを伝えたのが敗因かしら」

 

「どうでしょう?正直に言えば、主導権を最初の段階で取られていたのでどこかで挽回できるチャンスを待っていたので。

 あの場面で嘘と断定していなければ話は別だったのでしょうけど」

 

 あの映像を見てしまえば、下手に牙を向けられるなら監視下に置いたほうがましだとでも思ったんだろうな。

 

 まぁ、余程のことがない限りは俺は牙を剥かないと思うけど。

 

「ただ、そちらの都合もあるしこちらの都合もあるのでそこはその都度の状況によってということで」

 

「ええ、そうね」

 

「後は……フェイトに関して言えばこいつに任せてもらえますか?最終的にはなんとかしますので」

 

「紅莉君、それって…」

 

「ああ、別にお前とあいつについてどうこうしようってわけじゃない。それに決着がついた後のことだよ」

 

 なのはが俺がフェイトをなんとかするかと思って割ってきたけど違うと答える。

 

「管理局で働く気ないかしら?色々と口を利いてあげるわよ?」

 

「将来のひとつのプランとさせてもらいます」

 

「残念ね、貴方みたいな子がきてくれたらそれは楽になるのに…」

 

 てか、この歳で働かせるなよ…いや、クロノを見れば案外普通なのか?

 

「ああ、それと協力者が他にもいるんで紹介しますね」

 

「協力者?紅莉君いつのまに…?」

 

「現地の人に説明したのか?」

 

 こっちにきて間もないリンディさんやクロノは置いておいて、なのはとユーノも俺の言う協力者というのが誰か分からずに首を傾げている。

 

 そんな、なのはたちを見てリンディさんたちもますます分からないようで同じように首をかしげている。

 

『本当にここなのかい?』

 

『うん、母さんから指定されたのはここだよ』

 

 お、ちょうどいいタイミングで来てくれたようだ。

 

「え、今の声って…」

 

「まさか……!?」

 

「ちょっと出迎えてきます」

 

 一言断りを入れてから席を立って玄関へと向かい扉を開ける。

 

「よく来たな」

 

「あんた!」

 

「え、どういうこと……?」

 

 玄関から出迎えた俺を見たアルフは一瞬で警戒して戦闘態勢を取り、フェイトはこの状況が分からずに困惑しているようだ。

 

「ん?プレシアから聞いてないのか?」

 

「えっと、母さんからはここに行きなさいとしか…」

 

 ふむ、どうやらプレシアはまだアリシアのことは話していないようだ。難しい家族の問題だしそこらへんは俺から話さないほうがいいかな。

 

「兎に角入りな」

 

 未だに警戒しているアルフを無視しつつフェイトに上がるように言ってから再び居間に入るとなにやら不穏な空気が流れ出した。

 

「管理局!?まさか、あのババア私たちを管理局に売ったんじゃ!?」

 

「落ち着けよ」

 

「黙れ!管理局の手先が!」

 

「黙れ」

 

「っ!?」

 

 未だに敵愾心丸出しのアルフを落ち着けようと言葉をかけるも聞く耳もたなかったので少し強めに言うとおとなしくなった。

 

「ほら、兎に角座れ。今後のことについて話し合いたい部分もあるからな」

 

 フェイトとアルフを無理やり座らせて、再び俺も座る。

 

「まぁ、色々といいたいことがあるんだろうけど一先ず横に置いておいて貰えるかな?」

 

 上座から皆を見回しながら告げる。リンディさんのみ俺の言葉に従ってくれるのか平然とした顔だが、他の皆は各々を警戒している感じだな。

 

 特に駄目なのがクロノとアルフだ。アルフのほうは先ほど威圧したからまだ何も言わないのだが、これでクロノが何かを言ったら確実に話は拗れるな。

 

 ふと、視線をリンディさんに合わせると頷いてくれたのでどうやらクロノを抑えてくれるようだ。

 

「クロノ、今から私がいいと言うまで発言を控えなさい」

 

「ですが艦長」

 

「命令です」

 

「………分かりました」

 

 昨日の夜にユーノに管理局について聞いたけど、警察というよりは軍隊っぽい感じがしたな。

 

 特に今のリンディさんとクロノのやり取りは完全に上官とそれという感じだし。

 

「それじゃ確認なんだけど、このジュエルシードは現在はユーノの持ち物というので問題はないのか?」

 

「えっと、僕のというよりは一応は僕の部族が発掘したものだから部族全体のものということになるのかな?

 紅莉やなのはに説明はしてなかったと思うんだけど僕の部族って遺跡発掘とか古代の文化の究明をしているんだ」

 

 つまりは考古学者の一族ということかな?ロマンがあっていいな。

 

「ものは相談なんだけどさ、ジュエルシードを分けてもらうってことは出来ないのかな?」

 

「君は何を言っているんだ!」

 

 本題を切り出してユーノに告げたら、ユーノからではなくてクロノからの怒声があがった。

 

「いや、危ないもんのロストロギアを分けてくれって言ってるんだ、お前の怒りももっともなんだが人助けに使いたいんだよ」

 

「どういうこと?」

 

 俺が人助けに使いたいと言うとユーノがこちらの意図していることが分からずに尋ねてくる。

 

「そこのフェイトの母親、プレシア・テスタロッサがなぜジュエルシードを求めるかの理由がそれだからかな?」

 

「プレシア・テスタロッサですって?」

 

 プレシアの名前を挙げたら意外な所から反応があった。声の正体はリンディさんでなにやら考え込んでいた。

 

 フェイトはというと、自身の母親の名前を挙げられてビクリとしたあとに少し俯いている。確かあいつって母親に理由なく集めろって言われていたはずだから俺が理由を知っている分、何故自分には教えてくれなかったんだろうと考えているのかな?

 

「てか、リンディさん知っているんですか?」

 

「彼女は元管理局の人間よ」

 

「なんだって!?」

 

 リンディさんの言葉にアルフが驚きの声を上げる。確かにやっていることとかを考えるとにわかには信じられないよな。

 

「彼女は大魔導師としての能力もそうだったけど、優秀な科学者としても知られていたわ………ただ、実験中に事故にあって管理局を出て行ったと聞いていたのだけれど…」

 

 言葉を続けずにちらりとフェイトを見ながら何かもの言いたげになっていた。

 

「それで、プレシアは何をしようとしているのかしら?」

 

「う~ん、教えてもいいんですがこういうのは本人に聞いてもらえます?」

 

「では、質問を変えましょう。貴方は何でプレシアの目的を知っているのですか?」

 

 ううむ、突っ込みすぎたかな。リンディさんが完全に俺をロックオンしてしまい言い逃れが難しくなってきた。

 

「はぁ、仕方ない…リニス~」

 

「「「「え?」」」」

 

 リニスを呼ぶ俺に対してなのは・ユーノ・フェイト・アルフが声を上げる。

 

『いいのですか?』

 

「すまん、とちっちまった。これじゃ下手に隠したら俺の信用がなくなる」

 

「あってないようなもののような気がしますが」

 

 一瞬光るとネコの姿から人間…獣人?の姿に変わるリニス。てか、どういう意味だコラ。睨んでやるが平然と流される…ちくせう。

 

「え?リニスってネコ…あれ?えっと…」

 

「使い魔だったのか!?」

 

 リニスが人型になったことでなのはは混乱してユーノは答えを導き出した。

 

「驚いた…リニスって魔力を持っている感じはしていたけど、動物には多かれ少なかれ持っているものだからそんな感じかと」

 

「騙していてすいませんでした。しかし、紅莉と相談して私はあまり前に出ないほうがいいという結論になったので」

 

 頭を下げるリニスにいやいやと手を振るユーノ。

 

「なんで…なんで、あんたがここにいるんだリニス!!」

 

 今までの大声が小さく聞こえるくらいの大声が居間に響き渡る。声の主のアルフはリニスを睨みつけたまま動かない。

 

 対するリニスもアルフをじっと見つめ続ける。

 

「どうして……母さんはリニスはもういないって…」

 

 フェイトもまたリニスに再び合えたが感動の再会というわけには行かないようだ。

 

「このリニスは元プレシアの使い魔でな、消えそうなところを俺と契約して命を繫いでプレシアの目的を知ったんだ」

 

「図々しいお願いだったのですが、紅莉は私を助けてくれると申されたので」

 

 未だに気持ちの整理がついていないアルフたちを一度放置してリンディさんに理由を教えると何とか納得してくれたようだ。

 

「この場は納得しておくことにしましょう」

 

 納得してないけど、追及はしないと言われてしまった。まぁ、そのほうが俺も助かるし。

 

「それで、今後はなのはさんやフェイトさんと一緒に回収作業をしていくという方針でいいのかしら?」

 

「ええ、俺やなのはは学校がありますし、昼間をフェイトに夕方からはなのはや俺がという感じがいいかと」

 

 そうすれば上手い具合に分担ができるし、昼間の間にリニスたちに話をさせればわだかまりなども消えるだろ。

 

「ええ、ではそうしましょう」

 

 そうして解散となり、フェイトたちも一度自分たちの拠点へと戻っていた。しかし、最後までリニスのほうを見なかったところを見ると胸が痛いな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、紅莉さん?」

 

「なんです?」

 

 各々解散しているときに一人でいる俺のところにリンディさんがやってきた。

 

「確か、プレシアのお子さんは…」

 

 ああ、知っているのか……実験の事故というのがどれほどの規模なのかはわからないけど、結構有名みたいだし知っているのも当然なのかもな。

 

「まぁ、そういうことですよ」

 

「だったらフェイトさんは……」

 

「おっと、これ以上は俺は言えませんが、彼女は彼女でしょ?他の誰でもないフェイトという子でしょ」

 

「ええ……そうね」

 

 それ以後は何も言われずにリンディさんたちも帰っていった。

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