喉は痛いわ熱は出るわ鼻は詰まるわ頭痛はするわで散々です。
あと、movie2nd見ました。映画館に見に行ってなかったので初見でしたが面白かったです。
グレアムおじさんェ……
リインフォースがおまけではなくてキチンとユニゾンの役割があったのは特にポイント高いですね
「残りが見つからない?」
「正確には町にはもうないってことかな?」
順調にきていたジュエルシード集めだったんだがここ数日間は出動もなく、発動ないし反応があったという報告がなく尋ねてみたらそんな感じだった。
「そうすると、別の県に落ちたのか?」
「いや、ユーノの話や色々なデータを見たところここら近辺以外は落ちていないだろ」
すげぇ、データで何でも分かるのか。デバイスの画面とかでも思ったのだが、技術的に進歩しすぎな感じがしないでもない。
「忍さんがここの機材を見たらどうなるだろ?」
「う~ん……嬉しそうな悲鳴を上げてから色々弄るのに100円」
「んじゃ、俺は無表情で無意識の感じで弄るのに500円。リニスは?」
「そうですね……何故か怒りながら弄るのに200円」
「君たちは何を言っているんだ…」
心底呆れながらクロノがこちらを問い詰めてきた。
「サーセン。暇なものだったからつい」
「つい、で賭け事を始めないでくれ」
でも、本当に忍さんへの信頼度が分かる会話だったよね…身内ネタにもほどがあるけど。
「………リニス?」
「なのはも何で紅莉に乗るの」
フェイトは元家庭教師のリニスが案外俺の言葉に乗ってきて呆れやら驚きやらの表情で呼び、ユーノは完全になのはのイメージが崩れたよと言いたげな表情であった。
「「大体紅莉(君)のせいです(だよ)」」
「人のせいにすんなし」
まったく酷い妹と使い魔だ。
「そんで、残りの見当は付いているんだろ?」
「やはり気づくか」
気づかないでか!意味もなく呼び出すわけないだろうが。
「あらゆるデータを見直した結果、残りのジュエルシードは海に落ちていることが分かった」
そっか、確かにそっちのほうは探したりしていなかったなぁ……それにしても海かぁ…
「海水浴にはまだ早いよなぁ」
「流石に寒いよ。それに水着が…」
「いえなのはさん。ハワイや沖縄では泳げるはずです。私もないですね」
「海ってあの塩っぽい水だまりだっけ?」
「アルフ、なんとなく違う。海ってのは……」
「君たちは!やる気があるのか!ないなら帰れ!」
「「「「「サーセン」」」」」
とりあえず、ネタを振ってみたら思いのほか乗ってきてしまい、しまいにはクロノがマジギレしてしまった。
「冗談は兎も角として…海の深さによるなぁ…」
素もぐり何メートルくらいいけたかな?前にやった時は15mぐらいもぐったら周りがドン引きしていたな…今考えるとありえねぇな。
「君はまさか潜って取りにいくとでも言うのか?」
「違うのか?」
クロノから突っ込まれ聞き返す。周りを見ると状況が良く分かっていないのは俺以外はなのはだけだった。
「君は馬鹿か?」
「ひでぇ」
これでもIQ含め知能指数は結構高いぞ。とりあえず、兄さんや美由希の宿題は教えられるくらいには。
「ジュエルシードの発動条件を思い出せ」
「確か…ジュエルシード近くにあるものの意思に反応して起動だったか?」
「概ねそんな感じだ。ただ、活性化されていないものが活性したという言葉が必要だがな」
「どういうことだ?」
「海の中にあって、活性化していないのを活性化させる方法といえば?」
「ああ、なるほど。前になのはたちがやったような暴走に近い形で呼び起こすのか」
あれは、強い衝撃を与えたり攻勢魔力を与えたりすると暴走するらしいから眠っている子供を起こす方法としてはありだな。
「幸いにも残りのジュエルシードの場所は近くにあるから今回のことで一気に決められるぞ」
「なるほど……後は誰がやるかだな」
封印作業をこの中で行えるのは俺・なのは・フェイト・クロノの4人のデバイス持ちで残りの連中は厳しいだろうな。
「ごめん……僕は攻撃は……」
ユーノが俯きながら悔しそうに呟くので肩に手を乗せる。
「いや、お前のサポートあって俺たちはやってこれたというのもある。誇ることすれ、貶める言い方はしなくていいぞ」
「紅莉……」
なにやら感極まった感じで俺を見つめてくるユーノ……からかいたいけど、この場面では自重しよう。
「では、私がやりましょう」
立候補に名乗りを上げたのはリニスである。うん、リニスならば確かに信頼しているし、実力的にも十分だ。
「分かった。頼む」
クロノもリニスの姿を見て頷きリニスに任せる。
「お任せを。期待に添えますよ」
リニスの毅然とした態度に周りも期待した眼差しで見つめる。
フェイトやアルフが何やら複雑そうな表情をしているがまだ和解とまではいってないのかな?
リニスもリニスでわりと不器用なところがあるから上手くいってないのかもしれないな。
「……煌きたる天神よ 今導きのもと降りきたれ………」
リニスが朗々と読み上げる呪文詠唱。リニスの言葉が力となって先ほどまで晴れ渡っていた天気が次第に黒天に覆われ、雨が降り出してきた。
なんでも、フェイトやプレシアが使う魔法は先天資質により魔力が電気へと変わるために使える呪文も電気を帯びた攻撃になりやすいのだとか。
リニス自身は先天資質を持ち合わせてはいないのだが、魔力を電気へと変換すること自体は可能らしくて使えるようだ。
ただ、先天資質と違って一度回り道をしてから使うためか魔力消費が普通に使うよりも大きいらしい。
そこらへんの消費量などは主人の資質にも左右されるために一概にこうだとは言えないらしい。
俺自身にはそういった変換資質は持ち合わせていないようで、魔力消費量は昔より増えたのだとか。
基本的に俺からリニスへと魔力を渡しているから減らないのではと思っていたのだが、それとこれとは別らしく、俺が渡している魔力は基本的にリニスを維持するための魔力であって、リニスにはあまり還元されないそうだ。
ただ、ラインと通じて魔力を渡せるために減ってきたら渡せば問題はないらしいので事実上、二人目の無尽蔵の魔力を所有している形となる。
まぁ、俺の場合は魔力がたくさんあったとしてもあまり使わないけど…
「降り注げ サンダー・フォール!」
詠唱が終わり、呪文名を告げると同時にリニスが作ったスフィアから雷が海へと降り注ぎ、ジュエルシードが発動した。
「お疲れ様」
「ええ、さすがにここまで大規模の魔法を使うとなると少々疲れますね」
リニスに近寄り労わるとやはり疲れたようで、いつもの微笑を浮かべながら額には汗が浮かんでいた。
「後は俺たちがやるから休んでいな」
「ええ、そうさせて貰います」
リニスはネコ形態に変化すると俺の頭の上に乗りぐったりと伸びだした。
「リニス…」
「なんで…」
なんかフェイトとアルフが信じられないものを見たという感じにこちらを見てくるがどうしたのだろうか?
「さて、どうなったかな………って、こりゃまた凄いな」
海から竜巻が巻き起こり、更には先ほどのサンダー・フォールの影響もあるのか大荒れになっている。
ただ、目的のジュエルシードも竜巻の中心に浮かんできているから別段困ることではないのかな?
「さてと、どうするかな?」
互いの魔力が干渉しているのか生半可な攻撃じゃ届かないのだけは見て分かるけど。
「クロノ君と戦ったとき魔法を斬ったみたいに紅莉君あれ斬れない?」
腕を組んで悩んでいると、なのはがやってきて提案してきた。
魔法を斬ったときというのはクロノのブレイズキャノンを斬ったときか…
「やってみるか――緋凰流・奥義【断空】!」
色々と考えるのが面倒になってきた時の提案だったのですぐさま刀を抜いて振るうと竜巻は縦に真っ二つに斬りさけた。
《あ》
「どうした?」
竜巻を斬った後に何やらエアが声を上げる。てか、『あ』とかって人間かよ……人間より人間っぽいがこいつは。
《マスターやりすぎです》
「何がよ」
「どうしたの?」
回りもエアの答えに疑問を感じたのか近づいてくる。てか、さっきの言葉から考えると碌なことがおこらなそうな気がしてならないな。
《竜巻を斬ったのはいいのですが、序とばかりにジュエルシードも真っ二つに斬れました》
『えぇぇぇぇぇぇぇーっ!?』
エアからの報告に俺含めて周りが全員驚きの声を上げる。
「てか、そんなに軟かったのか……」
「ツッコミいれるところそこ!?違うよね!?」
「何で暴走しないの?」
断空とはもともと名前のとおり、空すら断つという意味をこめた緋凰流の奥義の中でも一、二の威力がある技なのだが…魔力を乗せると本当に出来るとは…威力重視のために連発できないのが辛いところだな。
《綺麗に二つに割れましたからね、恐らくですが暴走云々の前に機能が消失してしまったのでしょう》
エアの説明を受けたあと、周りからの視線は完全にジト目に変わっていた。
「ごめんなさい!」
ジャンピング土下座ならぬ、エア土下座を繰り出し皆に謝ると俺は手を出すなと端に追いやられてしまった。
「なんだよなんだよ、やれっていうからやってやったのに…」
「まぁ、今後も封印以前に壊されたらたまりませんからね。下手して暴走ってのはシャレじゃすみませんし」
隅でいじけていたらリニスがそんなことを言ってくる……フォローなしかよ。
《刃を魔力でコーティングするのをやめますか?攻撃力が極端に落ちますが》
「いや、それはやめない」
そんなことしたら腕力で斬れっていっているものだろ?いくら身体能力上げても限度があるし。
レヴを開放すれば話は別だろうけど、現状の方法として俺の攻撃手段の一つだからきついな。
「俺もあんなふうな魔法を覚えたほうがいいのかねぇ」
ふと見てみれば、アルフとユーノが魔力で出来た鎖で竜巻を抑えており、その隙にフェイトとなのはが封印作業をしている。
特にフェイトのような広範囲魔法を覚えれば今後の役に立つかなぁ?
「似合わないことは考えないほうがいいですよ?どうせ使わないので」
一々心に響くことを言うよなぁ…
《現状のマスターの攻撃で一番範囲が広いのは葬刃…アキシオン・ブレイカーですかね?
バスターはなのは嬢のバスターとなんら変わらないですし》
アキシオン・ブレイカーは葬刃の魔法名と言ったところか?葬刃自身は横への範囲が広い奥義として作られているからな…速度を出しているのは単に使い込んで早くなっただけだし。
「一撃の威力で考えればなのはさんと変わらない威力は出せるのですがね」
なのはって火力重視だしなぁ。エアがレイジングハートとデータ交換して貰ったデータをリニスが更に分かりやすいようにしてくれた資料を見たけど、なのはの特徴としては厚い防御に高い攻撃力だ。
一撃必殺とまではいかないまでも、バスターやシューターの一つとっても威力はリニスに教えてもらったものと比べてもかなり高い。
隙がなくはないけど、その分を厚い防御でカバーしているといった感じだ。
フェイトとの差は単純に経験の差が出ているだけで、ユーノも言っているが魔法に関しての才能は他とは一線を画するほどの成長率をしている。
これでなのはが経験をつんだら手が付けられないほどの力が出るのでは?
現状では負ける気は更々ないが、これが1年、2年と鍛錬し続ければ危ういかもしれない。
エア曰く、俺の力の本質はディス・レヴとディーヴァ・レヴの二つを使ってこその力で普段の力はおまけ程度だそうだ。
まぁ、普通に魔法を使おうとしたら最大威力がAランクまでしか行かないらしく、それ以上の威力を出すにはチャージが必要で結構時間を要する。
この前撃ったブレイカーでもクロノとの戦闘で10分もかかったわけで使い勝手はとことん悪い。
「紅莉の場合は、魔法の威力はあまり必要性を感じていないのではないですか?」
「ん、そうだな…」
ぶっちゃけ言えば威力云々とか別段どうでもいいとも思っているのは確かだ。
戦闘中にあれこれ考えているよりは近づいて斬っちまったほうが俺に合っているし効率的だ。
「終わったようだな」
立ち上がり、なのはたちに近づいていくと何やら不穏な気配を感じた。
「皆下がれ!」
俺の言葉にとっさに動けたのは誰もおらず、次の瞬間に先ほどのリニスが放った雷よりも強烈なものが降り注いでくるのが分かった。
「間に合ってくれよ!――緋凰流・奥義外伝【葬刃・雷切】」
一気に抜刀して雷全体を斬るという意思の元振り切ると降り注いできた雷は全て切り裂かれて霧散した。
「危なかった~」
「そんな……どうして……」
「今の攻撃は……!?」
なのはたちの元へと寄ると、なのはは突如の雷撃に驚いており、フェイトはなんか愕然としており、リニスはリニスで頭の上で憤りを感じていた。
「今の攻撃は一体…」
『みんな大丈夫か!』
通信ウインドウ越しに俺たちを心配して焦った声で聞いてきた。
「なんとかな…それより今の攻撃は?」
『説明するから戻ってくれるか?』
「頼むわ」
すぐさま転送用の魔法陣が現れて俺たちはアースラへと戻された。
「先ほどの攻撃は次元を跳躍しての指定座標を攻撃する魔法だ」
戻った俺たちは会議室みたいな場所へと連れて行かれ、そこで先ほどの攻撃についての説明を受けていた。
「そんなことが可能なのか?」
「ああ、但しこれをやるには相当な腕を持っていないとできないけどね」
ふむ、ある意味で最強だな。次元を超えて攻撃できるようになれば自分はリスクなく攻撃できるというものだ。
「君が何を考えているか分かるから言うけど、こんなことをしようとするならば、時間も魔力も相当必要になる。
恐らくだが、僕たちがやり始めたときから準備をしていたんだろう」
ありゃ、やっぱりそうは問屋が卸さなかったか。
「あと、先ほどの攻撃だが……」
クロノがちらりとフェイトを見る。何かあるみたいだな…
『リニス、悪いがフェイトを連れて行ってくれ。どうせさっきの攻撃は誰がやったか分かっているんだろ?』
『はい……先ほどの攻撃はプレシアが。それに、フェイトが気づいていないわけがないですね…』
念話でリニスにフェイトを連れて退出するようにお願いすると彼女も気になるみたいでフェイトに近寄っていく。
「フェイト」
「な、なに、リニス」
リニスが声をかけるもなんとなく焦りを隠そうとそっけない態度を取ろうとしているのが傍から見ても分かる。
「少し、先ほどのことで話したいことがありまして」
「でも、今は」
「私たちだけで、です」
リニスの言葉に裏があるのに気づいたのだろう、フェイトも頷いたあとリニスはクロノを見ると。
「ああ、君たちで分かることの確認ならしてきてくれ。もし、何か分かったら報告して欲しい」
クロノも無理に引き止めずに退出の許可を出す。
それを聞いたフェイトは立ち上がり、リニスと共に退出していく。アルフもご主人様がいない場所にはいる気がないのかリニスたちについて出て行く。
リニスたちがいなくなり、少したってから再びクロノは喋りだした。
「まずはこれを見てくれ。エイミィ」
「はいは~い」
エイミィが机中央に映像を出すとそこにはプレシアのデータが出てきた。
「少し気になって調べてみたんだ。彼女が元局員ということだから何かしらのデータが残っているだろうと。
かあさ……ん、ん゛。艦長もさすがに詳しいことまでは分からなかったみたいだし」
母さんといいそうになり咳払いをして艦長といいなおすクロノ。公私をきちんとわけようと決めているらしいから結構神経使ってそうだ。
「彼女がやっていた研究なのだが、調べてみて驚くべき事実が判明した。
彼女が行っていた研究は次元航行エネルギーの研究なのだが、やっていたのは違法といわれる行いだったんだ。
その実験の失敗により、違法行為が露見し放逐された人物だったんだ」
クロノの説明をみんな黙って聞き入っていた。なのはにしたら気になる少女の母親が違法研究者ということだったという事実に驚きを隠せないでいる。
「一つ疑問が」
「どうしたんだ?」
全ての説明を聞き終えてから質問するために手を上げるとクロノがこちらに向き直った。
「違法研究というけど、局員ならば途中成果とか提出するはずだしそこで分からなかったのか?」
何かに所属している人物ならば好き勝手に研究できるものではないはずだ。そういった場合は必ず途中報告や成果の提出が義務付けられている。
「どうやら提出していたのは違法行為を隠していてらしい」
「う~ん、科学者ではないからなんともいえないけど、書面上だけで上って納得するか?
次元航行エネルギーだったか?つまりはアースラの動力とかそんな話だろ?」
「うん、そうだよ」
俺の質問にクロノではなく、エイミィが答える。その後もこまごまと次元航行について話をされたが興味が出なかったので半分は聞き流した。
「それなら一層に研究成果を見るだろ?なんたって自分たちが乗る船のエネルギーになるのだから」
「言われてみればそうねぇ」
俺の答えにリンディさんも納得がいったのか頬に手を添えて同意してきた。
「君は管理局を疑っているのか?」
「全てじゃないし、或いはって可能性の話だよ」
世の中には完璧なんて存在しないと思っているから、ありえない話ではないと思う。
これで別に管理局を避ける理由にならないし、こうしてクロノやリンディさんのように信頼できる人物が普通に役職についているところを考えても悪い組織とは思わない。
「兎に角だ、全てが終わりに近づいている。プレシアの目的が達せられたら理由もある程度わかるんじゃないか?」
「ああ…そうだといいな」
クロノの言葉を最後に解散となり、各々動き出した。
「んで、あの攻撃はプレシアが行ったものだというのがデータからもわかったようだ」
家に帰り、ベッドで寛ぎながら今日のことを振り返っていた。
「はい。あの規模で攻撃できる人物でなおかつ雷の攻撃ができる人物など早々にいません」
まぁ、これが雷撃じゃなければ誰がやったと思うが、使われたのは雷撃だったしな。
「フェイトは?」
「どうやら、プレシアが攻撃してきたのが信じられないとやや精神的に不安定になっております」
「アルフは?」
「プレシアに対してかなり悪辣に言葉を吐いていましたね」
まぁ、会ったときから言葉は結構悪いほうだと思ったし紹介の時でもプレシアについてかなり酷い言い方していたからな。
「ジュエルシードは欠番一つがあるだけで全ての封印は終わった」
「けど、フェイトやなのはさんが持っているだけでそれをユーノさんに返したわけではない」
「そう、つまりはもう一波乱はあるということだな…」
体を起こしてリニスに告げると彼女も同じ予想をしているのか強く頷いた。
「この話はこれで終わりにするとして………雷切が上手くいってよかったぁ~」
ボフンとベッドに倒れこんで今日の出来事を思い出す。
奥義外伝の葬刃・雷切。これは葬刃を使いながら雷を切るというものだ。
別に葬刃でなくても使えるのだが、あの時は納刀していたから出が早い葬刃を使いながらやったわけだ。
「久遠に感謝ですね」
「そうだな。今度、稲荷寿司でも持って行ってやろう」
雷切自体は刀の名前だけど、由来が雷を切ったということから付いた名前だ……忍者漫画にも俺と同じような由来の技があるほどそこそこに有名な名前だ。
事の起こりはリニスと鍛錬していたら(俺は魔法を使わずにリニスに対人戦の練習相手をしてもらっていた)久遠も混ざりたいと言い出し、断る理由もなくやらせたのだ。
だけど、久遠の攻撃は俺たちが使う魔法と違い非殺傷設定などない、下手に受ければ死につながる威力を出すわけで…
最初こそ避けてなんとかなって、次第にめんどくさくなって迎撃できればと思いやってみたら案外出来たのだ。
生身で雷を切り落とすなんて出来るわけなくてそこだけは流石に刀に魔力を覆わせて迎撃したが。
「しかし、よく一瞬であの範囲の魔法を切り落とせましたね?」
「万が一のために魔力のチャージはお願いしていたんだよ」
「あらゆることを想定してですか…そこは敵いませんね」
苦笑いしながらリニスが俺を褒める。まぁ、必要ないと思っていた分威力がこの前よりは低かったのだが、対雷撃攻撃という意味では十分な威力を出したようだ。
『紅莉君、ちょっといい?』
「どうした?」
部屋の扉をノックしてきたなのはを部屋に通すと何やら決意した顔をしていた。
「うん、あのね…」
なのはの言葉に思わず俺は驚き固まってしまった。
うちの小説のクロノ君はかっこいい男の子を目指したい。ただ、脇役に陥るのは必然である。