魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第30話

「おはよう、久遠」

 

「くぅん」

 

 まだ日が高くなってない早朝に林の中で紅莉が挨拶をしながら近づいてきた。

 

「う~ん、よく分かるね紅莉」

 

「幻武を使っていると気配察知が鋭くなるんだよね」

 

 後ろから美由希がやってきて久遠を見つけた紅莉をなんか呆れながらみているけどなんでだろ?

 

「美由希ももう少し【心】を鍛えろ」

 

「無茶言わないでよ!?恭ちゃんや紅莉が異常なだけで私はきちんとできているから!とーさんにも太鼓判おされたんだよ!?」

 

 美由希の更に後ろから黒ずくめの恭也がやってくる。前に恭也を傷だらけにしちゃったけど、恭也はしかたないと言って許してくれた。

 

「くぅ」

 

「見ろ、久遠も呆れているじゃないか」

 

「くぅ!?」

 

 なんか、恭也が久遠の思いとは全く違ったことを言って来る。

 

「兄さん。美由希を弄るのはかまわないけど、久遠をだしに使うな」

 

「む……すまん」

 

「うぅ、兄と弟が酷い」

 

「くぅん」

 

 美由希ががっくりとうなだれているので前足で頭を叩いてあげると何やら撫でてくれた。

 

「哀れな……久遠にすら慰められる対象とは……」

 

「だから兄さん。久遠を引き合いに出すのはいいけど、久遠が低いような言い方はすんなって」

 

「む、すまないな」

 

「本当に二人とも人!?心はある!?血は赤い!?」

 

 なんか、美由希が泣いている……かわいそうだね。

 

「さてと、訓練するからリニスは久遠と見ててくれ」

 

「にゃう」

 

 紅莉の頭からぴょんと飛び降りて久遠の隣に歩いてくるリニス。くぅ…一緒にすんでいるから紅莉の頭の上に乗れるんだよ!いつか奪ってやる!

 

《おはようございます》

 

《おはようリニス!》

 

 久遠の頭に声が響いてくる。リニスが言うには念話って言うらしい。

 

 紅莉やなのはみたいな魔法使いやその使い魔で魔力を持っている人が使えるものらしい。

 

 元々は久遠は持っていなかったけど、前に紅莉の攻撃を受けたら少しだけど使えるようになったんだってエアが言っていた。

 

 紅莉みたく空を飛んだりまでは出来なくて、出来るのはあくまで念話だけらしい……飛んでみたかったなぁ。

 

「リニスは猫のまんまなんだね」

 

「こちらの方が楽なので」

 

 美由希の質問に答えるリニス。あれ?秘密じゃないんだっけ?そのことをリニスに聞いてみると。

 

《バレてしまったので人目が付かないところでは問題ないんです》

 

《そうなんだ》

 

 でも、どうやってばれたんだろ?紅莉って魔法を使えるらしいけど使っているのって昔の人と一緒で刀振っているだけだよね?

 

《恭也さんたちの前で空を飛んだようです》

 

 それは確かにバレちゃうね。

 

 その後は紅莉が恭也や美由希との鍛錬をリニスと一緒に座りながら見続ける。

 

《あ!紅莉が消えた!恭也も消えたよ!》

 

《魔法も使ってないのに……見れば見るほど信じられません》

 

 久遠の隣でリニスがなんか唖然としているし、休憩と見学の美由希もなんか驚いている。

 

「うぉっとぉ!?」

 

「ちっ、攻め切れなかったか」

 

 恭也の攻撃をぎりぎりで避けた紅莉に恭也が舌打ちして間合いを離した。

 

「やっぱり神速は反則だわ。幻武使ってもみつかっちまう。時間軸が違っちゃ幻武も形無しだわ」

 

「だが、使わなければ見失う。それにいつの間に?」

 

「この前の戦いでこつを掴んで少しずつね」

 

 なんか難しい会話でついていけない……

 

「マズイ。本格的に弟に追いつかれるかも……!」

 

 美由希は美由希で紅莉と恭也の戦いを見ていたら呟き始めて素振りをしているし。

 

「それじゃ、魔法なしでも勝たせてもらいますか!」

 

「そう簡単にできると思うな」

 

 再び激突する二人を境にリニスと一緒に見続けた。

 

 

 

 

 

 

 

「今日はここまで」

 

「「あり……がとう……ございました」」

 

 恭也の号令にぜぇぜぇと息を乱している紅莉と美由希が答えて鍛錬が終わった。

 

「ふぅふぅ……ふぅ~。うっし、帰るか。久遠も来るか?」

 

「くぅん」

 

 紅莉のお誘いに答えると紅莉は屈んだので近づいていき上っていく。

 

《待ちなさい久遠!そこは私の場所です!》

 

 くぅ、後ちょっとのところでリニスにばれた。仕方ないので肩にぶら下がる。

 

「なんで、お前らは俺の頭の上を取り合うんだ」

 

 なんでだろ?でも、紅莉の頭の上ってきもちいんだよね。肩にぶら下がるのも好きだけど。

 

「あはは、まぁ普段動物に好かれないから紅莉にとっては贅沢な悩みじゃない」

 

「うっさい」

 

 紅莉って森の動物とか町の動物に嫌われるのは仕方ないよ。紅莉の中にある不思議な力って害意がないと分かっても何か怖いもん。

 

 久遠の中にあったのと同じかと思ったけど、それよりずっと深くて暗いし……

 

 でも、その反面逆に神々しい感じもするから変な感じ。

 

 前に紅莉に聞いたら何か特別な力っていわれただけではぐらかされちゃった。

 

「っと、那美さんにメール打っておかないと」

 

 紅莉はズボンから機械を取り出して何かやりだした。

 

「おっし、送信。んじゃ、帰るか」

 

 恭也たちは先に帰ってるからなのか紅莉はのんびりと歩きだす。

 

「今日は休日だからどうするかな」

 

「何かやりたいことはないのですか?」

 

 どうやら紅莉は休みらしい。那美なんかが行っている学校というのに今日はいかなくていいようだ。

 

 リニスの質問に紅莉はん~と唸りながら歩いている。

 

 周りの人たちが久遠やリニスを見ながらクスクスと笑っているけど失礼だよね。

 

《微笑ましいのでしょう。傍から見たら紅莉の格好は可愛いですからね》

 

 流石に街中になってきたのかリニスが念話で伝えてくる。

 

 かわいい?紅莉はカッコいいよ。

 

「白凰はこの前メンテ出したし……う~ん……」

 

 紅莉はこれと言ってやることがないのか未だに悩んでいるようだ。

 

「偶の休日だしノンビリするのも悪くないかな」

 

《でしたら病院に行ったらどうですか?》

 

「断る!」

 

「くっ!?」

 

 びっくりした。リニスが病院って言ったら凄い速さで却下したし……でも、うん。病院は嫌だね。久遠も嫌いだ。

 

「ただいま~」

 

「おかえり~」

 

 紅莉が家について玄関を潜ると奥から声が聞こえてくる。この声はレンかな?

 

 レンはよく久遠や猫なんかにおやつをくれるし、ぽかぽかとした感じが気持ちいいんだよ。

 

「兄さん達は先に帰ってるよね?シャワーは?」

 

「さっき、おししょーが上がったから今は開いてるよ」

 

「了解、入っちゃうわ」

 

 紅莉はレンとの会話を終えるとそのまま家の奥へと向かっていく。

 

「久遠も入るか?」

 

「セクハラですよ」

 

「入る」

 

 紅莉に聞かれたので肩から降りて人型になって答える。お風呂って気持ちいいから好きなんだよね。

 

 それにしても、リニスが言ったセクハラってなんだろ?後で聞いてみよ。

 

「~♪」

 

「うわっぷ。久遠、気持ちいいのは分かるが尻尾を振らんでくれ。泡が散る」

 

「は~い」

 

 紅莉に頭を洗って貰って気持ちよかったからつい振っちゃった。

 

「はぁ……前にアリサさんに言った言い訳は何なんでしょうね」

 

「知らん。覚えてない」

 

 リニスが桶の中に張ったお湯の中で何かため息をはいているけど、お風呂はさっぱりするところだから気持ち暗くしちゃダメだよ。

 

「それにしても、なのはも久遠も髪の毛さらさらだな」

 

「色々と危ない発言ですよ」

 

「流石にまずかったか」

 

 久遠の頭を洗いながら何か言っているけど、目に泡を入れないように注意しているからよく聞こえなかった。

 

「おっし、流すから確りと目を閉じていろよ」

 

「うん」

 

 前に目に入ったときはとても痛かったからギュッと閉じると頭の上からお湯がかかる。

 

 一旦途切れてもまだ開けちゃいけない!前に油断してそれで入っちゃったから!

 

「うっし、顔を拭くぞ」

 

「うん」

 

 紅莉から声がかかり顔にタオルの感触を感じると紅莉から目を開けていいと言われてあける。うん、気持ちよかった。

 

「気持ちよかった」

 

「そか」

 

 久遠が感想を言うと、紅莉は何が嬉しかったのかニコニコとしながら頭を撫でてくれる。

 

「お、出たな。わるいけど、なのちゃんを起こしてきてくれん?」

 

「まだ起きてないのか」

 

 紅莉がため息を吐きながら回れ右したので久遠もついていくとなのはの部屋の前までやってきた。

 

「なのはー起きてるかー?」

 

 扉を叩きながら紅莉がなのはに声をかけているけど反応がない。

 

「しゃあない。はいるぞー」

 

 断りを入れてから紅莉が扉を開けると。

 

「すぅすぅ……」

 

 なのはがベッドの上で気持ちよさそうに寝ている。

 

「ほら、なのは朝だぞ起きろ」

 

「うぅん……」

 

 紅莉がなのはの肩を揺すって起こそうとしているけど、なのはは起きる感じがしないな。

 

「久遠。一回狐形態になってもらえるか?リニスも」

 

「? いいよ」

 

「分かりました」

 

 お願いされたので元の状態へと戻る。

 

「舐めてやれ」

 

「う、う~ん……」

 

 紅莉がなのはの上に久遠とリニスとを置くとそんなことを言ってくる。なのははというと久遠たちが上に乗ったのが苦しいのかうなされている。

 

 失礼だよ!久遠太ってないもん!

 

 そんな思いと共になのはの顔を舐めると。

 

「うわっぷ!?な、なに!?」

 

 なのはが飛び起きた。体が起き上がる前にベッドから飛び降りてるから久遠たちは無事だよ。

 

「ようやく起きたか」

 

「え?え?」

 

 なのははまだ事情がよく分かってないのかきょろきょろとしている。

 

「おはよう」

 

「あ、うん。おはよう紅莉君」

 

「くぅ」

 

「くーちゃんもリニスさんもおはよう」

 

 紅莉しか見てなかったから声をかけたらなのはは久遠たちに気づいて挨拶してきた。

 

「顔洗って居間にこいよ。朝飯だってさ」

 

 紅莉が部屋を出て行くので久遠たちもそれに習って部屋を出て行った。

 

「それで、紅莉君はなんであそこにいたの?」

 

「なんでって、起こしてくれって頼まれたんだよ。そんで肩を揺すっても起きなかったから久遠たちに顔を舐めてもらっておこしたんだよ」

 

「だから顔がべたべただったんだ…」

 

 なのはが何かずーんとしているけど、そんなことよりご飯だよ!

 

 今日はレンが作ったからかいつもと少し感じが違って面白い。

 

「うん、美味い。俺も料理できるようになったほうがいいかね?」

 

「最近の男子は料理できるほうがモテるって話やねー」

 

「出来てこしたことはないな」

 

 紅莉の料理かー。どんな感じだろ?

 

「まぁ、俺よりもなのはが先か?」

 

「にゃっ!?」

 

 突如話を振られたなのはが驚きの声を上げる。前から思っていたけど、なのはって突如のことに声を上げるときって猫みたいになるよね。

 

「うぅ……どうなんでしょう、師匠方」

 

「いやいや、なのちゃんいい筋しているって。さすが桃子さんの子供だよ」

 

「そやね。難しい料理意外は案外もう一人でできるんとちゃうか?」

 

「うぅ……妹にすら追い越される…」

 

 へ~なのはって料理ができたんだ。こんど食べさせてもらおう。

 

「ご馳走様でした」

 

 楽しく会話をしていたらご飯の時間も終わってそれぞれが動き出した。

 

「さてと……一旦神社に行くか」

 

「あ、私もいく」

 

「アリサたちと何か約束してなかったか?」

 

「なんか用事入っちゃったんだって」

 

 紅莉が神社に行くといったらなのはもついて来るようだ。楽しいお散歩になるかな?

 

「あ、久遠。もー、紅莉君に迷惑かけちゃだめでしょ」

 

「かけてないもん」

 

「まぁまぁ、久遠がいてくれると俺も癒されるので別にいいですよ」

 

 ぶー。那美は口うるさいなぁ。紅莉がいいって言ってるからいいじゃん。

 

「それじゃ、久遠を借りているお礼に境内の掃除を手伝いますよ」

 

「いいよいいよ!そんなことしなくても」

 

「これも修行ですよ」

 

「脳筋なの…」

 

 紅莉ってわりとなんでも修行といって色々とやるよね。なのはの言う言葉にちょっと納得。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、那美さんまた」

 

「久遠はどうする?」

 

「紅莉のとこに行く」

 

 最近は一緒にいることが少なかったから今日は一日一緒にいる。

 

「ごめんね、お願いできる?」

 

「はい」

 

 那美と別れて紅莉のうちへと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ!はっ!」

 

 あたりが真っ暗になったあと、紅莉が鍛錬に行くので一緒についてきている。

 

 紅莉は毎日一生懸命に刀を振って鍛錬している。前に聞いたら死んだお母さんがやっていたのを一日でも早く習得したいといっていたっけ?

 

「紅莉、そろそろ」

 

「ん。やるか。エア」

 

《ゲットレディ》

 

 リニスが声をかけると紅莉がエアに話しかけると姿が変わる。

 

 久遠みたく人間になるってわけじゃなくて服が変わるだけなんだけどね。

 

「久遠もやる!」

 

「こいこい」

 

 久遠もやるといったら紅莉が手招きで読んだので人間の姿になってリニスのそばにいく。

 

「ふぅ…」

 

 紅莉が腰を落として刀に手を添える。

 

「フォトンランサー」

 

 それと同時にリニスが光の矢を紅莉に向かって撃ったけど素通りしちゃう。相変わらず反則だ。

 

「えい!」

 

 紅莉に近づいて爪を振るうけど紅莉が一瞬で抜刀して久遠の手を弾く。

 

「まだです!」

 

「対応できる」

 

 紅莉の一瞬の硬直を狙ったリニスが紅莉に向かって攻撃するけどそれすら紅莉は刀で斬っちゃう。

 

「でたらめな!」

 

「知るか!」

 

 距離を取っていた久遠たちに向かって紅莉が一気に近づいてくる。

 

「ふっ!」

 

 紅莉が横に振る刀を更に後ろに下がることで何とかよけつつ、紅莉に雷を放つ。

 

「オラッ!」

 

 紅莉の足は止められたけど、雷は斬られてしまう。うぅ、攻撃があたらない。

 

「久遠、あれを使いますよ」

 

「わかった!」

 

 こっそりとリニスと練習したあれだね!

 

「まずは足を止めます。ライトニングバインド」

 

「バインドはきかん!」

 

 オレンジ色の輪っかが紅莉を縛るけど直ぐに壊してしまうけど、準備は完了したよ!

 

「しかし、準備は整いました。降り注げサンダー・レイジ!」

 

「いけ!」

 

 リニスが作った雷に久遠の雷を混ぜて紅莉の頭上に配置する。

 

「おいおいおい!洒落にならんわ!」

 

 紅莉は口端をピクピクとさせながら刀を構える。

 

「「雷神の鉄槌(トール・ハンマー)!」」

 

 リニスと一緒に作った攻撃で、一本の極太の雷を相手の頭上に落とす必殺技だ!

 

「――緋凰流・奥義【断空】」

 

 久遠たちの攻撃と紅莉の攻撃が正面からぶつかり合い、眩しい光があたりを覆った。

 

 しばらく目が眩んでいたけど元に戻ったので目を開けてみると、攻撃した場所には服のあちこちが焦げているけど体が無事の紅莉がいた。

 

「あ、危なかった……てか、非殺傷だったか今の?」

 

《威力はSSですか……恐ろしいですね。あと、非殺傷?何それおいしいの?》

 

 ??どうしたんだろ?紅莉が慄いているけど。

 

「おい、リニス」

 

「す、すみません。まさか、ここまでとは……それに、久遠の攻撃を混ぜたものですから非殺傷には…」

 

「非殺傷になるまでか命の危機になるまで使用禁止」

 

 うぅ、せっかく作ったのに禁止されちゃった。

 

「さ、帰るぞ」

 

 紅莉の服が元に戻ってこっちに近づいてきたので元に戻って肩にぶら下がる。

 

「久遠はふかふかして気持ちいいな」

 

「くぅん♪」

 

 ベッドで紅莉に抱っこされながら眠る。おやすみなさい。




†久遠放送局(?)†

作者「皆さんこんばんわ。今回は予定をちょっと変えて久遠の一日みたいな感じにしてみましたがどうでした?あ、どうも作者のレティウスです」

――ズダダダダダダダダッ

作者「ん?なんか凄い音が聞こえますね」

――バタンッ

久遠「はぁ…はぁ……作者なにやってるの!!」

作者「何って、今回は久遠がメインに出ていたので私が代わりに」

久遠「ここは久遠のための場所だよ!」

作者「だから放送局(?)ってなってるじゃないか」

久遠「良いから出て行け!」

作者「といっても、そろそろ終わりだよ」

久遠「嘘!?あ、本当だ……」

作者「では、最後にお伝えを。前の感想でコラボっぽい依頼がありましたが、コラボはいつでも受け付けます。
 ただ、いつやれるかは物語の流れ次第になります。現在ならばいつでもできますがね」

久遠「コラボはこっちにきてもらうのも、こっちのキャラが出張するのもどっちでも大丈夫だよ!」

作者「では、次回もお楽しみに」

久遠「〆まで取るな!」
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