魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第39話

「すまん、よそ見していたら逃がした」

 

 ヴォルケンリッターが逃げた後、紅莉たちも撤退し拠点となっているフェイトの家までやってきていた。

 

「ううん、私達も同じだし」

 

 頭を下げる紅莉に慌ててフォローするなのは。

 

「それは、こちらも一緒だ。僕達の責任だ……すまない」

 

 そういって、頭を下げるクロノとユーノ。二人とも紅莉から任されたにも関わらず、みすみす逃がすための行為を許してしまったのである。紅莉たち以上に責任を感じている。

 

「そうそう。どうして、ああなったんだ?」

 

 そいえばと、紅莉は二人に質問をする。

 

「ユーノがあの緑の女性を抑えて僕があの仮面の男の相手をしていたのだが」

 

「突如横からもう一人の仮面の男が現れて、僕はその人の魔法で吹き飛ばされて」

 

「それで、僕がよそ見した瞬間に相手をしていた男に攻撃をもらってしまって逃げられたんだ」

 

 二人の説明を聞いて納得する紅莉。2対2で実質、クロノが仮面の男を抑えれば勝利という切羽詰っている場面で援軍が来れば確かに勝利は揺らいでしまうものであった。

 

「しかし、もう一人の仮面の男か……」

 

「ただ、彼らは役割が分担されているように感じた」

 

「役割を分担?」

 

「ああ。最初に現れたほうは格闘戦を主に、後に現れたほうはバインドや細かい操作弾を作っていたことにより魔法戦を主に戦うと」

 

「なるほどな。確かに、コンビを組んでいるならバランスが取れているな」

 

 クロノの説明に納得をする紅莉。そもそも、バランスが取れている戦法は多種多様な戦闘を可能にする分器用貧乏になりかねないと思っているために、そういった役割分担は紅莉にとっては納得できるものであった。

 

 その後、話し合いを行うも、結局分からずじまいなのは変わらなかったために話を打ち切った。

 

「ねえねえ」

 

「どうした?」

 

 そこで話は終わり、リニスが持ってきたお茶を飲みながら一息ついていたら、エイミィが紅莉に声をかけた。

 

「紅莉君さ、さっきの戦闘のとき姿が違ったよね?あと、観測していたら魔力量も凄いことになっていたんだけど?」

 

 エイミィが切り出したことにより、他の皆も思い出したのか興味深げに紅莉を見る。

 

「あ~……エア」

 

 色々と説明しようとしたのだが、結局はエアに丸投げしてしまう紅莉。

 

《あの姿は私の能力をフルに使うための姿と思ってください》

 

「エアの力?」

 

《はい。そもそも、デバイスには形状が設定されていますよね?》

 

 エアの質問に各々頷き、デバイスを手に取る。

 

《例えばなのは嬢のレイジングハートやクロノ殿のS2Uならば、杖。フェイト嬢ならば斧と》

 

 一旦言葉を区切るエアに各々のデバイスの形状を思い出す。紅莉も思い出し納得したように頷いている。

 

《そして、私の場合はあの姿こそが本来の形状です》

 

「って、ことは今まで別の姿で戦っていたってこと!?」

 

 エアの告白に驚きの声を上げるエイミィ。声こそ上げないが、他の皆も同じ事を思っているのか驚きの表情をしている。

 

《説明が難しいのですが、それも少し違います。マスターが普段使う刀こそ違いますが、あの姿も本来の力を使う姿でもあります》

 

 エアの謎掛けみたいな言葉に頭が混乱しだす一同。いくら技術的に知識があろうが、分からないことだらけのため仕方の無いことかもしれない。

 

《そうですね……普段の姿をレヴモードとするならば、先ほどの姿はエグゼモードとでも呼びましょう。

 レヴモードはマスター本来の力を使うために私はその管制が主な役割となります……ここまではよろしいですか?》

 

 その言葉に頷くが、一個だけ納得がいかないものがあったために恐る恐る質問をするエイミィ。本来ならばリンディあたりがするのだが、ここは最初に質問をしたエイミィが代表として最後まで質問をするようだ。

 

「紅莉君の本来の力って?」

 

《前に一度観測したでしょう?虚数空間から帰還したときのマスターを》

 

 その話をして思い出されるは、観測できないほどの魔力を持って虚数空間と通常空間の間をぶった切って生還した紅莉の姿であった。

 

《あれの力を使うにはあの姿ではいけません》

 

 そういって、一応は納得を示すが、結局紅莉の力がなんなのかというのははぐらかされてしまった。

 

《さて、ここからが本題です。私の本来の力……それは、魔力精製機が私に搭載されているということです》

 

「うぇぇぇぇっ!?」

 

 少女らしからぬ悲鳴が上がる。しかし、それは仕方の無いことかもしれない。現に、リンディやクロノ、リニスなどは驚いた顔をしている。

 

 唯一話についていけてないのが、詳しくないなのはとフェイトのみである。

 

《レヴモードの時は、そこまで演算に手が回らないために使えませんが、エグゼモードの場合はマスターの力を使わずに私の力を使えばいいために十全に力を発揮でき、そして基本魔力値が変わります》

 

 しれっと答えるエアに相変わらず固まる一同。

 

《因みに、推定魔力値はSSですが、瞬間的に出せるのはその限りではありませんよ?》

 

 更に爆弾を投下するエアに一同は引きつらせた顔をすることしかできなかった。

 

「い、一度解析を!」

 

《お断りします。因みに、変に探ろうとしたら敵対行動とみなして、データベースを全て破壊します》

 

 解析を頼むエイミィだったが、相変わらず誰かの手に取られるのが嫌いなエアは即答で答える。

 

 また、手を出そうとしただけで管理局のデータベースに進入して壊すと公言したために下手に手を出せなくなってしまった。

 

「こ、紅莉君からも何か……」

 

「エアが嫌がっているから却下で」

 

 最後の望みといって紅莉に頼むが紅莉もまた却下する。因みに紅莉が却下した理由としては、こんなものを持っているために危険視されて没収果ては変な監視がつくのを嫌がったためである。

 

 紅莉が却下した理由にエイミィはがっくりとうなだれるのを見た紅莉は先ほどの理由を伝えようとリンディのほうをみて目が会うと、リンディは分かってるといわんばかりに耳を塞ぎ目を閉じたのである。

 

 これだけで、今の話を自分は見聞きしていないというのが紅莉も伝わり安堵する。

 

 今後、管理局に世話になったときなどはどうするかなどはその時に考えればいいと問題を先送りにしつつ、この場は解散となった。

 

 

 

 

 

†――――†

 

 

 

 

「――緋凰流・奥義【乱舞】」

 

「くぉっ!?」

 

 水樹さんから放たれた乱舞を何とか紙一重で射程外まで退避する。

 

 水樹さんは乱舞を出し終えると、何事も無かったように鞘に収めてこちらににこりと微笑みかけてきた。

 

「今のが乱舞だよ?どう、自分のとどう違うか分かる?」

 

「全然違った。俺が撃ったのだとまるで斬撃の結界をはるような感じだけど、水樹さんのは相手を倒す技になっていた」

 

 刀の長さ云々以前の問題であり、俺のよりも完全に攻撃と思われるものだ。

 

「ああ、最初はどうしてもただ振り回すだけになっちゃうからね」

 

 水樹さんも覚えがあるのか、苦笑いしている。しかし、現物をみるとやはり違いがはっきり分かって修正しやすいな。

 

「さ、紅莉もやってごらん」

 

 ただ、こうやればいいという教えではなく、あくまで実践に近いやって体で覚える鍛錬のために自分のイメージ力と体がどこまで合致するかが鍵である。

 

 ふと、さっきの乱舞を見て殺人貴の技が思い浮かんだ……よくよく考えれば似たような技だ。よし。

 

「――緋凰流・奥義【乱舞】」

 

 そして、繰り出すはイメージどおり前面の相手をバラバラにするかのような高速の斬撃が放たれた。

 

「いつつ」

 

 放ち終わった後、体がやや痛み口に出てしまった。

 

「流石に行き成りは体が付いていかないか……でも、出来たじゃない」

 

「ええ。ただ、水樹さんほどの時間は出来ませんけどね」

 

 心配して俺の体を見ながら告げてくる水樹さんに苦笑いして返す。

 

 途中で体が痛んだためにやめてしまった。が、これで乱舞は確りと習得できたということだ。後は、要練習というだけだな。

 

「それは、まだ子供だから……この言い方は嫌いか」

 

「別にそうじゃありませんけど……」

 

 子供だから仕方ないと言いかけてやめてしまう水樹さんに多少ぶっきらぼうに答えてしまう。

 

「はは。大丈夫。私や姉さんだって子供だから、女だからって言われるのが嫌で必死に練習したんだもん」

 

「なんか、母さんが必死というのが想像できないな」

 

 母さんはなんというか、こう常に余裕を持ったような人だった。何事に対しても必死になるなんていうのは無かった。

 

「う~ん。その評価も間違っては無いんだよねぇ。てか、紅莉はこのままだと新記録作るんじゃない?」

 

「新記録」

 

 母さんの評価に何故か苦笑いして答える水樹だったが、何かに気づいたようでそんなことを言って来る。

 

「そ、新記録。ここ最近は、緋凰に帰ってないから分からないけど、一応、全ての奥義を習得した最年少って姉さんの12なんだけどさ、紅莉今10歳でしょ?」

 

「おぉっ!」

 

 言われてようやく意味が分かり、拳を手のひらをぽむと叩く。そういや、前にとーさんにそんなこと言われて無理とかいった記憶があるな。

 

「てか、姉さんもさしたる師匠もいないのに、よくそこまでたどり着けたね」

 

 なんか、感動とかではなくかなりの呆れ顔で水樹さんがそういってくる。

 

「しかも、見ただけである程度まで把握できるなんて、普通はないよ?」

 

「母さん」

 

「うん、だから普通じゃないって言ったよね?」

 

 あ、母さんは普通じゃないのね……うん、母さんを普通だといったら普通という言葉に失礼だ。

 

「まぁ、もし俺が異常だとするなら、母さんが残してくれたこれのおかげですね」

 

 そういって、水樹さんに奥義書と表紙に書かれたノートを渡す。

 

「へぇ……へぇっ!姉さんの鍛錬方法や技の出し方なんかが残っていたんだ!」

 

 目を輝かせて真剣にノートをめくる水樹さん。ところどころで噴出しているのは奥義についての母さんの考察で笑っているのかな?色々と可笑しいようなこと書いてあるし。

 

「いやぁ、堪能した。これなら確かに習得早くなるわねぇ。緋凰ってわりと脳筋だし、こうだ!覚えろ!ってぐらいにしか言わないし」

 

 あ、どこぞの天才が教えるのができない理論をいっている。やっている俺がいえたことじゃないけど。

 

 ただ、母さんの残してくれたノートには事細かに奥義についてのやり方が書いてあるために覚えやすかった。

 

 二番目に覚えた断空なんかもわりと簡単に覚えられたし。ただ、緋凰の奥義は練度が物言うものだから常に練習しないと同じ技を使ったとしても、練度が足りなければ競り負けるからがんばらないと。

 

「それじゃ、最後の奥義いこうか。これに書いてある内容は覚えてる?」

 

「はい」

 

 俺が返事すると、水樹さんも頷き距離を取った。

 

 この後、かなりボロボロになって家に帰ったのだが、最後の奥義も無事に習得できて、最年少記録を更新したねと嬉しそうに言われたのがやや恥ずかしかった。




†久遠放送局†

久遠「一週間以内に更新できたけど、内容は薄い!どうしようと悩んでいる作者に色々と欲求が溜まってきた久遠です。
 さて、今回はゲストなしで進行するよ?

 今日は緋凰流についての説明Part2!」

緋凰流・乱舞

久遠「作中でも軽く説明というか、紅莉が思ったことだけどぶっちゃければ、メルブラの志貴の閃鞘・八点衝と同じと思ってくれていいよ。というよりも、緋凰流は何かしらの元ネタがあるからね!」

作者「やめて!それ以上に私のライフを削らないで!」

久遠「だったら、私の出番を増やせ!」

作者「さーせんw」

久遠「真面目にしろ!では、次回もお楽しみに」
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