アースラに転送されるとそこには、全員がいて出迎えてくれた。
「ただいま~」
「戻りました」
クロードと共に出迎えてくれた皆に挨拶をする。
「あ~、リニス」
「どうしました?」
皆が駆け寄ってくる前にリニスに声をかける。最初に声をかけたのがリニスだったのが気に入らないのかなのはは膨れっ面だしフェイトもなんだか残念そうだが、今の俺にはそんな余裕はない。
「悪い。一時間したら起こしてくれ」
それだけ言って、俺は意識を完全に手放した。
「紅莉君!」
「紅莉!」
「あらあら」
紅莉が一言残すと、紅莉はリニスに向かって倒れこむ。心配して駆け寄るなのは達だが、当の本人はただ寝ているだけであった。
「お疲れ様です」
主に労いの声をかけるリニスだが、紅莉は何も返さずただ静かに寝息を立てるだけであった。
「皆さんはどうぞお休みになってください。私は紅莉を医務室に連れて行きます」
紅莉をお姫様抱っこして皆に背を向けるリニス。紅莉が知れば、赤面ものだが、今の紅莉は完全に寝ているために知るよしもない。
「待って!」
「私達も!」
リニスが去っていくのに後を追うなのはとフェイト。リニスは一度微笑んでから二人を待ち、並んで医務室へと向かった。
「しかし、紅莉がここまで深く眠るなんて」
紅莉の前髪を上げながら言うリニス。付き添いできていたなのはとフェイトが不思議そうな顔をする。そんな二人の表情を見て、理由を知るリニスは苦笑いを洩らす。
「紅莉は、寝ていても、意識の半分は起きているんです。夜中などに久遠がやってきたときなども目を覚ましてベッドに連れて行ったり、誰かが部屋に入ろうとすると目だけを開いたりなど」
どこの刺客に狙われているんだとツッコミを入れたいなのはとフェイト。しかし、紅莉にとってはそれが普通となり、今までやってきたのである。
「話を聞くに恭也さんなども似たようなものらしいですよ?紅莉の場合は意識はあっても動かないこともありますしね」
リニスの台詞に絶句しかできなくなる二人。気持ちはよく分かるのかリニスも困ったような顔をするだけである。
「その紅莉が、私が髪をいじっても目を覚まさず、微動だにしないくらいまで消耗するなんて、よほど疲れたのでしょうね」
「お疲れ様、紅莉君」
「ゆっくり休んでね」
未だに動かない紅莉になのはとフェイトは手を取って、紅莉にそういうと、ゆっくりと休ませようと医務室を出て行った。
「やれやれ、あなたも中々罪深いですね」
二人の姿を見て、自分の主にそういい残したあと、リニスは猫の姿となりその場に蹲ったのである。
「紅莉、時間ですよ」
「ん……」
何処からとも無く、声がかけられる。どこか遠くに聞こえるが、それは違うと頭が理解する。
「まだ、休みますか?」
「ん……大丈夫だ」
リニスの声と理解し、先ほど自分が言った台詞を思い出し、身を起こし体を伸ばす。
一時間という短い時間だったが、意識を完全に落として眠ったおかげか、目覚めはよかった。てか、ここまで深く眠ったのは久々な気がするな。
「んあ?なんで、はやてが横に眠っているんだ?」
戻ってきたときは確か一緒に出迎えていたはずだが?
「そのことについても説明しますね」
はやてが倒れたのは単純に疲労によるものらしい。ただ、疑問なのはなんで守護騎士やクロードたちがいないんだ?あいつらの性格なら付き添っていても問題はなさそうだが?
「それは、夜天の書の完全破壊をするためです」
「は?」
なんでも、夜天の書の歪められた情報というのは直ってないらしく、近からずに暴走プラグラムを再び復活させるそうだ。
それを防ぐために、なのはやフェイトに頼み自身を完全破壊を申し出たそうだ。
「なんやて!」
途中からはやてが起きていたのは気づいていたが、リニスが言う内容のほうが気になったのか今まで黙っていたようだな。
「はやくいかんと!場所は!場所はどこや!」
「落ち着け、連れて行ってやるから」
夜天の書に犯された体は未だに回復していない。足が不自由なはやてを一人送り出すなんていうのは流石に人として放置できん。
「まぁ、なんだ。もしかしたら、何とかできるかもしれんしな」
「それ、ほんまなんか!」
「もしかしたらだ。流石に今回は前準備とか色々無いからなんとも言えん」
「紅莉、またあれを?」
リニスは俺が何をするのかの検討がついたのか顔をしかめている。まぁ、副作用が強くて毎回ダメージ受けているからなぁ。
「兎に角行くか。ほれ、厚着しろ厚着」
「わかったから、剥こうとするな!」
はやてを部屋に残し、出て行く。あんなジャリの裸見たって反応もなんもせんけどなぁ。
「誰がジャリや!」
「お前だお前。てか、声に出していたか?」
「紅莉、女性に対して聊か偏見が過ぎますよ」
結局答えは貰えずに、はやての車椅子を押して転送ポートまで向かう。
「紅莉、起きたのか」
「おうよ」
転送ポートに辿り着くと、クロノが何故か立っていた。
「悪いが、近くまで送ってくれるか?」
「ああ。彼女の気持ちも分かるが、はやての気持ちも汲まないで自己満足はいただけないからな」
そういって、場所を開けてくれるクロノ。
「それじゃ、頼むぞ」
「やれやれ、何で誰も彼もが俺に期待をかけるんだか」
「今までの行動を見ていたら、望みをかけたくもなりますよ」
クロノはどうやら俺がこれから行おうとしていることを見抜いているのか一言言ってから転送された。それに苦笑いしていると、リニスが答えを教えてくれたのだが、そんなにやっているか俺は?その答えは出なかったけど。
「リインフォース!」
「我が主」
「はやて」
「紅莉君」
「紅莉」
はやてを押しながらリインフォースの場所まで辿り着くと、そこには俺等を除いたメンバーが集まっていた。
「やめて!破壊なんてせんでええ。私がちゃんと面倒見るから!」
「いいのです、主はやて」
「いいことなんてあらへん!」
「随分と長いときを生きてきましたが、私は最後に綺麗な名前と心をいただけました。短い時ですが、貴女と空を駆け、貴女の力になることができました。思い残すことは何もありません。それに、騎士たちは貴女の傍に残すこともできます」
「最後なんて言わんで!なんとかするから!」
リインフォースの顔はそれは穏やかな顔だ。けど、やはり瞳の奥に悲しみがあるな。まぁ、漸くめぐり合えた本当に使えるべき主だが、それがほんのひと時しか出来なかったことを考えると悲しくないといえば嘘になるだろうな。
「あ~、取り込み中にすまん」
とりあえず、空気を読まずに声をかける。
「紅莉君、たまには空気を読んだほうがいいよ?」
それだと俺がいつも空気を読んでない言い方だな。俺は空気を読むのは得意だぞ。ただ、基本的にそれを無視している自覚はあるが。
「お前の暴走プログラムの精製する機能だったか?もしかしたら何とかなるかもしれん」
「なに?」
リインフォースの顔が穏やかな顔から怪訝な顔に変わる。まぁ、どうにも出来ないという症状なのに、出来るというやつが現れればそうなるのも頷けるけどな。
「おい、エガ」
「だから、何で戻したし!?」
相変わらずノリが芸人風だなこいつは。戦っているときはヘタレで普段は芸人……いいところ無いなこいつ。
「なんか、とてつもなく失礼なこと考えただろ!」
勘はいいのか。
「どうでもいい。おまえ、魔法のマテリアってどんな種類があるんだ?それによって出来る出来ないが変わるんだが」
「なんで、マテリアの話に」
「いいから答えろ」
なんで即答しないんだか。こういうことはぱっぱと終わらせたいんだよ。誰かが悲しむような場面は苦手なんだ。
「一応、蘇生以外のマテリアは全種あるし、マスター魔法もあるけど」
「なぬ?だったら、何で戦闘中に入れ替えてんだお前は」
「お前も余計なことを聞いてるじゃねえか……答えは、それだとボーナスがないから普段はそっちを使ったほうが能力的にいいんだよ」
蘇生は流石に危険だと思って使えないようにしたのか?まぁ、死者蘇生をバンバン使われてもあれだしな。
そういえば、マテリアってそれぞれに何かしらのボーナスついたっけ?詳しくは覚えてないけど、本人が言うなら間違いないのかな?
「一体なんの話をしているの?」
おっと、クロードとの話に夢中になりすぎて、なのは達を置き去りにしてしまった。
「こいつの特殊なアイテムでちょっとな」
「マテリアって、クロードが持っているあの丸い珠だよな?アタシも使ってみたかったんだけど、結局使えなかったな」
「あれは、我等のデバイスに加工されていないから使えないという話だったな」
へぇ、一応は他のメンバーでも試してみたのか。
「ただ、マスターマテリアだけは俺専用っぽいから他の人たちは使えないぞ?」
別にそれは気にしてないし、戦闘でもないから別に問題はないな。
「んじゃ、消滅と治療のマテリアの準備をしろ」
「一体何を……そうか!」
どうやら、あいつも俺が何をしようとしているのか気がついたようだな。
「さっきから一体何の話を」
「確認なんだが、お前の暴走プログラムっていうのは後付けなんだよな?」
ユーノから聞いた話じゃ、元々は魔法を蒐集するだけの魔導書だったはずだ。暴走プログラムなどの破壊の力は歴代の所有者が勝手に後付けしたという話だ。
「ああ。誰がいつ何処でというのは忘れてしまったが、確かにそれは最初から私にあったものではない」
「そかそか、それなら何とかなるかな?」
「ほんまか?ほんまに大丈夫なんか?」
「まぁ、待て。今回は準備やら何やらがあるわけじゃないから成功率が高いとはいえないんだよ」
俺だけに被害がこうむるなら1%以下の確立でもいいんだけど、別の人物にやるなら適当にやるわけにはいかない。
「クロード、ちょちこい」
「今行く」
クロードを手招きすると、あいつも走ってそばによってくる。
「いいか、考えられるのは暴走プログラムはいわば呪いだ。そして、それは状態異常でもある」
「ああ。それで、治療のマテリアを使って直すってことだろ?だけど、消滅は?」
「リインフォースと呪いが結びついていると考えると、まずはディスペルでその繋がりを切って、残っている部分を完全浄化というほうが正しいと思う」
「なるほど」
「ただ、気をつけなければならないのが、ディスペルがどう働くかだ」
俺の言葉に考え込むクロードだが、答えが見つけられないようだ。
「ディスペルがはやてとリインフォースの繋がりまで切ってしまったらそれじゃあ意味がないだろ?」
重要なのは、はやてとリインフォースが繋がったままハッピーエンドを迎えることだ。なのに、契約まで初期化してしまったら意味がない。
「すると、繊細なコントロールが必要ということか」
「ああ」
クロードの言葉に重々しく頷く。正直俺はそんなコントロールがあるほど魔法を熟知してない。せいぜい、身体操作ぐらいが限度だ。
「正直、俺はそこまで細かい動作は得意じゃない。近接型ってのもあるんだろうけど、魔法なんて大まかに撃って、後は剣戟で敵を倒すって戦法が主流だし」
だろうな。こいつと何度か戦っているが、そこまで魔法が上手いって気がしなかったし。
「それでよくマスターまで持っているな」
「一応は、全部のマテリアを使い込んで自分で作ったんだぜ?」
マジか。
「まぁいい。消滅と治療をよこせ、俺が何とかする」
「何とかって」
「俺が最後に残している札を切る」
「お前、一体何個貰ったんだよ!」
「3つだな。ただ、札が多いのはその後の応用だ」
ディス・レヴにディーヴァ・レヴ、それとエア。俺が貰ったのはこれのみだ。ただ、これから行うのはこれらの中から可能性を見つけて手に入れた力だ。
「おまたせ。何とか、しようか」
「しかし……」
リインフォースの顔が陰る。
「最後の質問だ。お前は直る可能性を捨て、このままはやてと別れるのと、可能性に賭け、今後もはやてと一緒にいるのとどっちがいい?
俺も全力はつくすが、もし本当にだめだったらならば、その時は俺が責任を持って送ってやる」
自分から言って、ダメでしたで終わるわけにはいかない。その時は、全責任は俺が持つ。これが俺の覚悟であり、信頼の証だ。
「どうして、お前はそこまで……」
「どうして、か」
リインフォースにいわれて考える。
「別に深い理由はないんだがな。しいて言うなら、美人に寂しい顔をさせるのが忍びないとかそんなもんさ」
俺が理由を教えてやると、すっごく視線が突き刺さる。
「まさか、そんな理由で」
「いいか?美人とは人生の清涼剤だ。見れば、心が満たされる。男なんてわりと単純なのさ」
「少し、頭冷やそうか」
「なのは、私も協力するよ」
「待て!とりあえず、なのは!お前の台詞は何かは分からんが早すぎる気がする!それと、冗談だから落ち着け!フェイトもマジになるな!」
いつの間にか、エクセリオンモードとザンバーフォームを起動して殺るき満々な二人に慌ててツッコム。冗談も言えやしないのか……わりと本心だが。
「誰かが願い、それが尊きものならば、緋凰は切り開く者にならん。それが俺の行動原理であり、俺の信念だ。
はやてが、お前と共にいたいのに、それが許さない状況ならば、俺はそんな状況を切り開き、新たな道を作るまでだ」
誰彼かまわず、そのものの道を切り開いてやるほど俺は聖人君子ではない。俺は俺がそうしたいと思えるやつ等にしかやらない。これが正しいのかどうかは分からないけど、俺のありかたは恐らく変わらないだろう。
「さあ、お前はどうだ?はやてと共にいたいか?」
「………ああ、もし我侭が許されるなら我が主と共にいたい」
しばしの間、瞳を閉じ考え込んでいたリインフォースだが、瞳を開け確りと頷き答えを言った。
「OKだ。お前等は、そのままいてくれ」
クロードからマテリアを預かり、リインフォースの傍へと寄っていく。
「エア、セットアップ」
《ゲットレディ》
セットアップしリインフォースの向かいに立つ。
「さあ、始めようか、大団円を迎えるために!
《
俺の言葉と共に脳が焼ききれるような感覚が襲うが耐える。
《接続……コンプリート!マスター》
「ああ…」
エアの言葉に頷き、マテリアを体の中に埋め込む。クロードと違ってそれを使うための穴はエアに開いてないから、こうするしかない。幸いなことに出来ると集えた知識で知りえた。
「なっ!」
「あんな方法ありかよ!?」
周りが俺が体にマテリアを埋め込んだことに驚いているが、それに反応するほど余裕はない。
「リインフォース……手を」
「大丈夫なのか」
心配そうに声をかけてくるリインフォースだが、そんなに心配してくれるならばとっとと手を出して終わらさせてくれ。
「ユニゾン………イン」
差し出された手に俺の手を重ねて、ユニゾンをした後、深く意識を沈めていった。
「えぇっ!?」
紅莉がリインフォースとユニゾンを行うと周りは驚きの声を上げてしまう。
ユニゾンには適合率というものが存在し、それが低ければ互いに干渉しあい、ダメージを受けてしまうものである。
そんなことを知る人は少ないが、それでも主であるはやてを除き行ってしまう紅莉に驚きがおきてしまう。
「なんて、デタラメな」
ユニゾンした紅莉を見て、シグナムが呆れた声を洩らす。
「紅莉に常識を求めたら疲れますよ」
そんなシグナムにフェイトが失礼なことを言う。紅莉のほうといえば、まったく反応を示さずにその場で佇んでいる。
「とりあえず、見守りましょう。紅莉が、何とかしくてれるって信じて」
「リインフォース」
フェイトの言葉に頷く一同。そんな皆とは別の場所でクロードと共に祈るように名を呟くはやての姿があった。
「どうやら、上手くいったか」
「なんともデタラメだな」
瞳を開くとそこは深く暗い場所であった。あたりを見回していたら後ろから呆れたような声をかけられる。
「言うな。最近、自覚しだしているんだ」
「最近なのか」
確かに能力的にはデタラメだ。俺自身は普通と思っていたんだが、周りが一切肯定してくれないんだよ。
「さてと、女性の中を覗くというのは失礼だからな、終わらせてとっとと出て行くか」
「私は極論を言えば物だぞ。別段気にしないが」
「俺は気にするの」
女性が多い場で育ったせいで、女性にどうにも甘いところがあるんだよなぁ。戦いなら割り切れるが、それ以外では気を使わなければ身を滅ぼすのを知っているし。
「これは、お前の記憶か?」
「ああ、全てではないが、今までの私の記憶だ」
「やれやれ、言った傍からこれか」
暴走プログラム体を消そうと歩いていると、なにやらディスプレイ形式で景色が流れ始めた。それは、今よりも古い時代やどこか古風な景色など様々な景色だ。
「この人は」
出来るだけ覗かないように歩いていたのだが、ふと目に入った人物に足を止めてしまう。
「その人物か?その人は、前の私を最後は身をもって止めた人物だ」
「そうか」
顔立ちがクロノに似ている。前にクロノが言っていた父とは恐らくこの人なのだろう。暴走プログラムに体を犯されながらも必死に止めようと動いている。手を合わせた後、俺は再び歩き出した。
「ここだ」
リインフォースが先頭を行っていたが、突如止まり振り返る。そこには、あの時の暴走体と似たような化け物が生み出されようとしていた。
「今はまだ殻から出て来れないが、時が立てば再び出てくるだろう」
恐らくはイメージの世界となり、俺に分かりやすいようになっているんだろうな。じゃなければ、ここまでデカイ存在ではないだろ。
「離れていろ、終わらせてやる」
刀を引き抜き、静かにリインフォースに言うが、彼女は離れることはなかった。
「たとえ、悪意に満ちていようと、あれもまた私と共に生きてきた存在だ。だから、終わりも見届けてやるのが一緒にいたものの義務だろう」
「そうかい」
好ましい回答を貰い、笑いが出そうになるのを耐える。
「お前がどんな理由で生まれてきたのかは俺には想像がつかない。もしかしたら、お前もまた歪められた存在なのかもしれないな」
かつて、久遠に取り付いていた怨念をふと思い出す。あれもまた、純粋な思いから生まれた存在だ。
「ただ、お前がいると誰かが涙を流す。俺はそれをただ黙って見過ごせるほど薄情でもないんでな」
子供に言い聞かせるように静かに言う。奴はこれから何をされるのか察知したのか暴れようとするが、何も出来ずに殻の中で暴れているだけだ。
「安心しろ。お前の存在は消えても、俺は忘れない。だから、消えろ。
緋凰流・奥義【断空】」
全てを断つ意思を持って、殻ごと暴走プログラムを切り裂いた。
「これで、お前も大丈夫だ。だから、元に戻ったら笑え」
「ありがとう。緋凰の剣士よ」
「これが、俺さ」
リインフォースの礼を受け取り、再び意識を表層へと戻すようにした。
「ユニゾン・アウト」
《マテリア排出します。接続アウト》
意識が戻り、ユニゾンを解除した後、エアが俺に埋まっていたマテリアを排出し、接続も止めてくれたことにより頭痛なども徐々に引いていく。
「どうなったん?」
はやてが恐る恐る尋ねてくる。リインフォースがこちらを窺ってくるような顔をしているのに俺は頷いて答える。
「主はやて……ただいま、戻りました」
はやての元へと近づいて膝を突いて頭を下げるリインフォース。
「リインフォース!」
はやてが大声を上げながら抱きつくと、騎士たちも駆け寄っていく。俺はそれを見ながら大の字に倒れた。
「お疲れ様です」
「いや、全くだ。疲れて眠って起きたと思ったらまた疲れた」
「でも、満足しているんでしょう?」
「当たり前だ。大団円だぞ?満足せずにどうするよ」
近寄ってきたリニスに愚痴をこぼすも、どうやら見破られていたようで苦笑いしか出てこない。付き合いが長いと、こういうところは見透かされて困るな……困るモンでもないか。
「紅莉君!」
「う~い」
「大丈夫?」
「なんとか」
副作用で体が痛いのか、戦いの影響で体が痛いのかは分からんけど、大丈夫って言えば大丈夫かな。
「因みに今回は?」
「髪ぐらいですかね。目は元の状態です」
あちゃ、また白髪になっているのか。まあいいや。魔法バレしているしそれでなったって言い訳きくだろうし。
「あーーー!」
「リニスずるい!」
リニスが倒れている俺に膝枕してくれると、なのはとフェイトが不満の声を上げる。てか、フェイトがここまで自己主張するのも珍しいな。
「使い魔の特権です」
「だったら、妹の特権でもいいと思うの!」
「えっと、その……えっと」
なにやら、膝枕の権利をかけて喧嘩しだした3人をほっておいて、ぼーとしていると、話は終わったのかはやてたちがやってきた。
「悪いなこんな格好で。流石に疲れていて動く気がなくてな」
「かまへんよ。そんなことよりもありがとう。私の家族を救ってくれて」
「気にすんな。俺がやりたいようにやっただけだ」
「それでもだ。俺からも礼を言うありがとう」
「だったら、色々と復活したらザッフィーもふらせてくれ」
「わ、私か?」
「え、紅莉君ってこっち?」
「どっちだ。誰が人間形態って言ったよ。ワンコスタイルに決まってんだろ」
「狼なのだが……」
「言い方が楽だったんだ、許してくれ」
ああ、楽しみだ。アルフをもふろうとするとリニスや久遠が煩いが、ザッフィーなら問題ないだろ。てか、3人はいつまで喧嘩しているんだ。
「緋凰紅莉」
「あん?」
そんなのほほんとした空気の中、突如リインフォースが片膝を突いた。それは、はやてのためにやるんじゃねーのか?
「此度のこと、礼を言っただけでは気がすまない。貴方がもし、私を必要とするならば、私は貴方に協力を惜しまない」
「あ~、だったらあてにしているよ」
恐らくは、これといって必要になることも無いだろうしな。
「さ、帰るか……お前等、帰るぞ」
「へ、あ、待って!」
起き上がり、未だに喧嘩をしているなのはたちに声をかけて俺達は歩いていった。
†久遠放送局†
久遠「ハローエブリワン。久遠タイムがやってきたよ。今回でA'sは終わりかな?」
エガ「ちょっ!名前!」
久遠「諦めろ芸人。因みにここだけの話、エガはリインフォースを生き残らせるために生まれたんだよ」
エガ「ちょーーっ!?なにそれ!」
久遠「作者が『あ、このままだとアインス死んじゃうどうしよ……』って思って慌てて考えたんだって。因みにクラウドにした理由はたまたまFF7ACがどこかのお店で流れていてこれだって思ったらしい」
エガ「え?だって、俺の出番ってかなり初期の頃に……」
久遠「うん。A'sまでの構想はある程度練ってから投稿始めたからそのころにはエガの出番は決まっていたよ」
エガ「えー……」
久遠「うちの作者はそんなもんだよ。出来ないなら他所から持ってこよう理論!」
エガ「それじゃ、今後も増えるのか?」
久遠「増えないんじゃない?流石に扱いきれないでしょ。現にユーノが空気だし」
エガ「そういえば」
久遠「さて、今後の予定は後日談にIF・NG話と続いて、空白期をやっていくよ。そして、後日談が終われば久遠専用の話があるって約束を貰ったよ!」
エガ「そういえば、序盤にいただけで、後は出てこなかったな」
久遠「死ね!」
エガ「ぎゃあぁぁぁぁっ!?」
久遠「では、次回もお楽しみに!」