魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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第72話

「おつかれさまでーす」

 

 ミッド郊外に近い場所でアホな立てこもり犯をさっくりと制圧をし、撤収を進めていると、ふと大きな建物が目に飛び込んでくる。

 

「緋凰二尉どうしました?」

 

「いや、あれってなんだろうなって思ってね」

 

 近づいてきた局員に建物を指差して尋ねると、何やら怪訝な顔をされてしまった……はて、俺は何か変なことを言ったかな?

 

「あれは、訓練校ですよ?」

 

「ああ、なんとなく学校に見えるわ」

 

「知らなかったんですか?」

 

「うむ」

 

 今まで無縁だった場所だったから気にも留めなかった。言われると、無性に気になるというのも人間の性というものだろう。

 

「後は、任せた!というよりも、俺はこのまま直帰の予定だったし大丈夫だよな?」

 

「ええ、まぁ」

 

「んじゃ、後は宜しく」

 

 手を上げてそのまま訓練校へと向かっていった。

 

「ちょっ、まっ……まぁいいか。あの人に何が起ころうとも関係ないし、訓練生程度じゃどうにもできない人だし」

 

 残された局員の呟きなど、俺には聞こえなかった。

 

 

 

 

「へぇ、改めて見ると、見れば見るほど学校だな」

 

 昨年に中学を卒業した身としては懐かしいという感情は湧かないが、それでも何やら感慨深い感じはする。

 

 それにしても、ここがただの学校ではなく、訓練校というのが来てみてあらためて感じるな。

 

 校舎は座学がメインだから、学校と変わりはしないが、校庭というかグラウンドが、ただ運動をする場所という感じではなくまさしく訓練用の設備である。

 

 地球にはないこういった学校というのは良いのか悪いのかの判断は他人に任せるとしても、俺としては地球にあったらこっちに通っていただろうか?

 

「通わないだろうなぁ」

 

 少しの間考えた結果としてないという結論にたどり着いた。

 

 ぶっちゃけ、俺の戦闘スタイルは独特だ。

 

 こういった教科書がある学校に合うものかと考えれば確実に合わない。

 

 なので、教師からああしろ、こうしろと言われるのが目に見える。

 

 そんな中で自分の目的に向かっていけるかと考えれば疑問しか浮かばない。

 

 唯一の利点と考えられるのは同世代の戦闘者と戦えることだが、やることなすことに口出ししてきそうなこんな窮屈な場所で自由に戦えるわけでもないだろうし。

 

 そんなことを考えて散策していると、うしろから突如こちらに向かって突進してくる気配を感じた。

 

 

 

 

 

 時を少し戻し、紅莉が学校に向かっていく途中。

 

《ふむ、ただ行って見学というのもつまらないでしょうし、マスターにサプライズでも用意しておきますか》

 

 紅莉がのんびりと歩くなか、エアが紅莉がこれから行く場所に匿名でメールを発信した。その内容とは……

 

『近くにて起こった立て篭もり犯のうち一名がそちらに向かったと考えられる。注意されたし』

 

 というものだった。

 

 これを受けた訓練校側と言えば、もともと近くで犯罪が起こっていたことに厳戒態勢を引いていたが、先ほど無事に鎮圧したという報告を受けて緊張が緩んでいた一時であった。

 

 ゆえに、緊張感は最高潮に達し、本来ならばきちんと確認することなのに、匿名のメールなのにもかかわらず鵜呑みにしてしまったのである。

 

「あら?」

 

 そんな中、訓練校の校長が続けてきたメールがあったのに気がついた。その内容を読み上げた後、苦笑いしながら、教師陣が大慌てで色々と対策をしているのを見て、あえて口を出さなかった。

 

「ねえ、ティア今の……」

 

「うっさい、黙ってなさい」

 

「酷い……」

 

 青髪をショートに整えた少女がオレンジ髪をツインテールに結わいた少女に話しかけるも、ティアと呼ばれた少女は一言で青髪の少女を黙らせる。

 

「丁度いい獲物が来たわ」

 

「ティア、ティア、それなんか違うし怖いよ」

 

 ふふふと笑うティアと呼ばれる少女。

 

 本日は、もともとあった授業などが全て中止となり、厳戒態勢の中、ほぼ軟禁状態に閉じ込められていたのである。

 

 自身を鍛えることに余念がないティアと呼ばれる少女。それが、今日のそれである。

 

 先ほど脅威が去ったと放送があり、これ幸いと本日怠っていた訓練をしようと外に出たのに、これである。

 

 色々と鬱憤が溜まっていたせいなのか、それとも他の何かが触れてしまったのか、ぷっつんといってしまった。

 

「さぁ、スバルぅ……殺りにいくわよ?」

 

「ひぃっ!?」

 

 スバルと呼ばれた青髪の少女はティアと呼ばれる少女の笑顔に思わず悲鳴を上げてしまう。

 

 がくがくと震えるスバルと呼ばれる少女にティアと呼ばれる少女は優しくほほ笑みかけながら、彼女の頬を軽く包み込む。

 

「何を怯えているよ、大丈夫よ、私たちならやれるわ。自信を持って」

 

 そういって、にっこりと笑うティアと呼ばれる少女。だがしかし、スバルと呼ばれる少女は言えない。貴女の笑顔が怖いのだと。

 

 そのままずるずると引きずられる様相で引っ張られていくスバルという少女。これでは、どちらが犯罪者か分かったものではない。

 

「みつけた、あいつね……」

 

 ティアことティアナ・ランスターとスバルことスバル・ナカジマがここに逃げたという犯罪者を探すのにそれほど時間はかからなかった。

 

 というよりも、訓練場近くにいたのである。

 

 黒い装束に白いコートという格好であるが、あちこちをキョロキョロを見回している様はまさしく犯罪者のそれである。

 

 ただ、隠れるような気配がないのは、訓練校ということで甘く見られているのかと勝手に結論をつけるティアナ。

 

 そんなティアナの隣にはドナドナと言った感じで連れてこられたスバルだが、その顔はそのときにしていた情けない顔でなく、真面目な顔に変わっている。

 

「わかってるわね、スバル?相手の力が未知数なのだらか、一撃で終わらせるわよ?もし、あんたの攻撃が致命打にならなくても、あんたの攻撃をブラインドに使った私の攻撃でけりをつけるわ」

 

「わかったよティアナ!」

 

 元気よく答えるスバルにティアナが頭を思いっきり叩く。叩かれたほうも叩いたほうも痛そうにしているのが実にシュールである。

 

「あんた、相手に気づかれたらどうするのよ」

 

「うぅ…ごめん」

 

 顔をしかめながら、そう注意するティアナにスバルは涙目で謝るとティアナはそんなスバルを見て軽くため息を吐く。

 

「ほら、終わったらなんか作ってあげるから、頑張りなさい」

 

「ホント!?頑張る!」

 

 小さな声で叫ぶという器用なまねをするスバルにふっと笑みを漏らした後、表情を引き締めるティアナ。

 

「いくわよ……3・2・1…GO!」

 

 ティアナの掛け声とともに、足に装着しているローラースケートが唸りを上げ犯罪者へと突撃していく。

 

 またティアナもスバルが飛び出した後、狙いを違わないようにシッカリと狙いを定め、引き金を引いたのであった。

 

「おりゃぁぁっ!」

 

 背後から素早く奇襲に近い形で飛び出したスバルは気合の掛け声とともに、右手を犯罪者に振るう。

 

 背後に近づき右手を構えた時に犯罪者が気づき、スバルへと気づき振り返ったが、既に右手は放たれ、ここからどうにか出来るようなものでない……普通ならば。

 

 そして、そんな中スバルは、振り返った犯罪者の顔を見てそれが誰なのかが一瞬で理解できた。

 

(あれ?この人って……)

 

 そんなスバルの思考とは裏腹に、気がつけば背中から衝撃を受けていたのであった。

 

 

 

 

 

「おりゃぁぁっ!」

 

 背後から威勢のよい声に振り返ると、何故かは知らんがこちらに対して攻撃してきていたので反射でつい腕を取り、そのまま地面へと叩きつけてしまった。

 

 いやまぁ、二人ほどこちらに向かってきているとは分かっていたんだけどね。

 

「かはっ」

 

 不意打ちに近かったのだが、鍛えかたがいいのか咄嗟の判断でそれなりに受け身をとったところを見れば、そこそこな者だというのは分かる。

 

「って、ん?」

 

 そんなことよりも、なんで攻撃されなきゃならんのだと思って仕掛けてきた人物の顔を見てやろうと思ったら、それがなにやら見覚えのある顔だと分かり疑問に思ったのだが、それよりも先にこちらに近づいてくる弾丸をどうにかせにゃいかん。

 

「秘技、バリアー!」

 

 とりあえず、咄嗟に投げ飛ばした人物の腕を引いて自分の眼前に持ってくる。いわゆる楯だ。

 

「ぎゃぁぁっ!?ティア、ストップーーっ!」

 

 スバルちゃんが大声で叫ぶとこちらに近づいてきていた弾丸が徐々に弾速を弱め、鼻先ギリギリで止まった。

 

「あちゃちゃちゃっ!?」

 

 と、思ったのだがどうやら鼻先に触れていたようでスバルちゃんが熱がるがそのままの体勢を保つ。

 

「あちゃちゃ、こ、紅莉さん、なんで放してくれないんですか!?」

 

「いやぁ、面白そうだから?」

 

「酷い!?」

 

 腕が極まっているものだから振り向けもせずに熱がるスバルちゃん。

 

「スバル!」

 

 そうこうしていると、林の奥からオレンジの髪をツインテールにした少女が出てきた。さっき、スバルちゃんがティアと呼んでいた子かね?

 

 

「ほれ」

 

「うわったっ」

 

 極めていた腕を解放してやると、崩れたバランスで着地したスバルちゃんが何とか体勢を立て直そうとしていたので、膝かっくんで転ばせてやる。

 

「なんで!?」

 

「楽しそうだから」

 

「酷い!」

 

 再び憤るスバルちゃんを落ち着かせていると、ティアと呼ばれた少女がポカンとしているのに気がついた。というか、スバルちゃんをからかうのが楽しくて放置してしまった。

 

「すまんね、君はスバルちゃんの知り合いかい?」

 

「え、あ、はい」

 

「紅莉さーん、もうちゃんはやめてくださいよ」

 

「わかったよ、スバルちゃん」

 

「直す気ありませんよね!?」

 

 当然である。

 

「んで、スバルちゃん、この子は?」

 

「あ、この人は私のルームメイトで現在バディを組んでいるティアナ・ランスターさんです」

 

「ど、どうも……」

 

 まだまだ放心状態から戻ってこないな。返事も上の空って感じだ。

 

「それで、こっちの人が、もとお母さんの同僚で緋凰紅莉さん」

 

「よろしくな」

 

 片手を上げて、挨拶をしておくと、彼女もある程度回復したのかきちんと挨拶を返してくれた。

 

「そ、そうだ!紅莉さん、協力してください!」

 

「あん?」

 

 なにやら緊張感漂うような感じでスバルちゃんが説明をしてくる。

 

「いや、ありえんから」

 

 その説明を聞いて、すぐに否定の言葉を告げる。それでも、納得できないのか二人とも食ってかかってきた。

 

「いやいや、あいつらは残さず殲滅したしたからなぁ。逃げ伸びるやつなんてありえんよ」

 

 突撃・粉砕・勝利がモットーのテロ対策課の3課の応援としてやってきたのはいいが、あまりのあっけなさに笑ったもんだ。

 

「えぇっ!?紅莉さんも参加していたんですか!?」

 

「まあなぁ。立て篭もりも対して武力なかったし」

 

「なんで、言い切れるんですか?」

 

「ん?」

 

 スバルちゃんと話していると納得のいかない顔で尋ねてくるティアナ嬢。

 

「なんでって、そんなの気配を察知していればわかるだろ?」

 

「気配ってそんな非科学的な。それならまだ、サーチャーで監視していたって言ったほうが現実感があります」

 

 ちょっと馬鹿にしたような感じで言ってくるティアナ嬢。まぁ、これは仕方ないな。魔法世界の住人に気配が云々とかって伝わらんし。

 

 実際、騎士連中でまともに気配が分る奴なんて一握りいるかどうかってところだしなぁ。シグナムもここ近年で多少は分かるとか言っていたが本当かどうか。

 

「ティア、ティア」

 

「あによ」

 

 そんなことを考えていると、なにやらスバルちゃんがティアナ嬢に話しかけていた。

 

「あのね、紅莉さんについては考えちゃだめ、諦めたほうがいいよ?私もそうだし、お父さんもお姉ちゃんもお母さんも言っていたから」

 

 考えるな、感じろとはよく聞くが、諦めろって何さ?てか、ナカジマ家全員思われている俺ってなんなん?

 

「ギンガさんまで……」

 

「ギンガちゃん知っているんだ?」

 

「この前、休みのときに会ってきたんです。その時に紹介しました」

 

 何故かドヤ顔で説明するスバルちゃん。まぁ、お姉ちゃんっ子だしありなのかね?

 

「まぁ、なにはともあれ……ちょいまち、また一人来たな」

 

 俺が別の場所を見ると、つられて二人も俺が向けたほうへと視線を送ると、そこから一人の落ち着きを持った女性が現れた。

 

「あらあら、注意したはずなのに、血気盛んねぇ」

 

 なにやらこの状況を仕方ないなぁという表情で見てくる女性。

 

「初めまして、緋凰二尉。私は、この訓練校の学長のファーン・コラード三佐です」

 

「あ、どうも。勝手に上がりこんで申し訳ない」

 

 一礼すると、穏やかな笑みを浮かべるファーンさん。ううむ、歳食っている分、こういう人は余裕がある。

 

「お噂はかねがね」

 

「紅莉さん、何をやっているんですか?」

 

「心当たりがありすぎてわからん」

 

 一体どれほどのものかねぇ?

 

「本日は、とてもいい訓練になりましたよ」

 

「はて?一体何のことですか?」

 

《説明しましょう!》

 

 ファーンさんの言葉に首を捻っていると、今まで黙っていたエアが突如として喋り出した。

 

《どうせ見るなら多少のサプライズをと思い匿名のメールで、犯罪者がこちらに逃げてきたというメールを送ったんですよ。

 どうせ、マスターのことだからここに所属している人がどれくらい使えるかと考えているだろうから、ちょっとしたお茶目です》

 

「アホか、それだけじゃ迷惑をかけるだろうが」

 

《そのあとに、ここの学長あてにマスター名義でそういう風にしてもらえるかという感じで送りましたよ?》

 

「お前、いい加減にしないと適当な技術部に放り投げるぞ」

 

《すいませんでした!なので、やめてください!》

 

「ったく」

 

 やれやれと肩を竦めるとなにやらクスクスとファーンさんが笑っていた。

 

「本当にいい訓練になりましたよ、教員、生徒含めて」

 

「それで、校舎のほうからピリピリした気配を感じたんですか」

 

「ええ。まさか、学生が向かっていくとは思いませんでしたけどね」

 

 そういって、ファーンさんがスバルちゃんたちを見ると、見られたほうはばつが悪いような顔をする。

 

「それで、地上部隊で有名な剣士さんの評価はいかほどに?」

 

「さぁ?すぐに終わりましたからね」

 

 俺の言葉に項垂れる二人。まぁ、一瞬で終わったからねぇ。

 

「そうですか、よければ後で夕飯でもいかがですか?私も個人的にお話をしたいので」

 

「おっと、女性からのお誘いは断り辛いですね。構いませんよ、今日はこれといって用事がありませんので」

 

「では、私はもう少しだけ仕事をしてきます。よければ、校内でお過ごしください」

 

 そういうと、ファーンさんはそのまま校舎のほうへと消えていった。残ったのは、俺とスバルちゃん、ティアナ嬢だ。

 

「あのぉ、紅莉さん」

 

「おう、なんだ?」

 

「私たちを鍛えてもらえません?」

 

「ちょっ、スバル!」

 

「構わんが?」

 

「ほら、この人だってこう言って……いいんですか!?」

 

 ううむ、いいノリをしているな。はやてと合いそうだ。

 

「構わんぞ?疲れることでもないし」

 

「っ。それは、私たちが弱いってことですか?」

 

「そうだが?」

 

 何を怒っているんだティアナ嬢は。

 

「えっと、ほら、ティアナも紅莉さんも落ち着いて」

 

「俺は落ち着いているぞ」

 

「紅莉さんもわざわざ煽らないでください!」

 

「反応が楽しくてなぁ」

 

 こういった娘は弄るに限る。アリサと似た気配を持つし。

 

「んで、訓練だったな。訓練場に案内してくれや」

 

「紅莉さんだって、通っている間にいったことあるでしょう」

 

「ないぞ」

 

「へ?」

 

「こんなところに通ったことなんてないと言ったんだよ。知り合いは行ったんだが、俺は行ってないなぁ」

 

 クロノ曰く『君が教えてもらうようなことはないよ。それなら、とっとと部隊に配属されたほうが君のためになる』とか言って、俺はこういうところに通っていない。だから、気になって見に来たわけでもあるんだが。

 

「マジですか」

 

「マジだ」

 

 驚くスバルちゃんに笑いかけてから改めて訓練場にたどり着く。

 

「とりあえずかかっておいで、俺に一撃でも加えられたらそのあとの訓練を考えてやる」

 

 まぁ、絶対とは言わんが、無理だろうなぁ。なのは達ですら無理だったし。

 

「くっ、やるわよスバル!」

 

「応!」

 

 なにやら憎たらしげに見つめていたティアナ嬢が意を決したようにスバルちゃんに声をかけて仕掛けてくる。

 

 それを時には弾いたり、時にはバリアー(当然スバルちゃん)を張ったり、時には避けたりを繰り返す。

 

 1時間程度やっていたら、二人とも疲れたのか地面に座り込んで息を乱している。

 

「だらしないなぁ。せめて立ち続けろって」

 

「無茶……言わないで……ください……」

 

「なんなのよ……」

 

 息も絶え絶えな二人に苦笑い。まぁ、こんなもんかな?部隊の訓練とは違って個人的なものだ、俺があーだ、こーだ言っても問題はあるまい。

 

「とりあえず、スバルちゃんは考えなしに突っ込んでくるな。ティアナ嬢は大きい一撃を撃てないなら手数で圧倒してみな」

 

 俺の忠告になにやら驚きの表情を浮かべる二人。

 

「えっと、またお願いできますか?」

 

「暇ならな」

 

 俺もあまり暇じゃないからなぁ。ただ、絶対に無理とは言えないからなんとも。まぁ、意欲的な奴は嫌いじゃないから、手が空いたらきてやるのも一興か。

 

《マスター、連絡がきましたよ》

 

「おっと、んじゃまたな。ああそれとついでにもう一個だけ、スバルちゃんはもう少しSAを使いこなせるように、ティアナ嬢はさっきのに加えて、防御が薄そうだから、立ち止まるんじゃなくて常に動きまわることを心がけとけよー」

 

 そういって、手を振ってからその場を後にした。

 

 

 

 

「何者なの、あの人?」

 

「えっと、お母さんやお姉ちゃんが言うには、人外?」

 

「納得」

 

 その場に取り残された二人にまで人外認定を受ける紅莉だった。

 

 

 

 

 

「ふふ、本当にあの子たちの言ったとおりね」

 

「あの子たちですか?」

 

 あの後、それなりに洒落たレストランに案内してもらい、食事を食べていると、ファーンさんからそんなことを言われる。

 

「ええ、高町なのはさんにフェイト・テスタロッサさん」

 

「あの二人と知り合いですか」

 

「ええ。あの子たちが短期で訓練校に入ってきたときに、教えたのが私なのよ」

 

「なるほど」

 

 どうりで、なにやらこっちを知っているような感じがしたのか。

 

「最初からかなりの技術をもっていたし、考え方も同い年の子と比べてもかなり違ったもの。それが、何かを尋ねてみたら二人ともあなたの名前を言ってね」

 

「いやはや、偏った知識でもうしわけないです」

 

「そんなことはないわ。まぁ、ちょっと尖っていたのはいなめないけど」

 

 戦闘者としての心得を教えたからなぁ。こういった場では不釣り合いの部分も多いだろうに。

 

「まぁ、それでも教えることがあってよかったと思うわ」

 

「そうですか、そう言ってもらって安心しました」

 

 あの二人は剣士でも戦闘者でもなく、魔導師だからあまり血まな臭い考えにならなくてほっとしている。

 

「あの子たちからあなたのことはたくさん伺ったのよ?例えば……」

 

「うわっ、あいつらそんなことを言っていたのよ」

 

 そのあとの暴露話に照れてしまったことはここだけの秘密だ。




†久遠放送局†
久遠「スバルとティアナという原作キャラが出てきたけど、あまりからまなかったね。てか、ちょっとティアナが黒い?」

リニス「作者曰く『やべ、このままだとティアナの影が薄くなるかも』って考えで性格の改変が行われました」

久遠「黒いのはリニスだけで十分だー」

リニス「何か言いました?」

久遠「何もー?てか、二対一でも流石に負けないね紅莉は」

リニス「私と久遠相手に余裕を持つのに、負けたら説教です」

久遠「おぉ、怖い怖い。では、次回もお楽しみに」
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