魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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最近、ラブライブにはまっています。

穂乃果可愛いよ穂乃果!

それとは別に、紅莉をいかに人間の枠に収めながら、人外にするか考えるのが最近のトレンドです。


第83話

「でりゃぁぁっ!」

 

「せっかく、後ろからの奇襲なんだ、声を出すなどアホ」

 

「うわっ」

 

 後ろから迫り有利対面を築けたのに、それをドブに捨て去るスバルちゃんを叱ってから、殴りかかってきた腕を取り放り投げる。

 

「それからティアナ嬢、それは撃墜してくださいと取っていいんだな?」

 

「違います!」

 

 先ほどから指令に俺への牽制、その他のことを請け負っていたために、動けないでいるティアナ嬢に確認を取った後、距離を詰めていく。

 

 ティアナ嬢は下がりながら弾丸を連射するが、まだまだ、移動しながらの攻撃の命中精度が低いせいか簡単に避けられる。

 

 まぁ、ティアナ嬢の命中精度の問題もあるが、それよりも照準が遅いから、ティアナ嬢の目やデバイスの位置を見れば避けるのは容易いんだが。

 

「やぁぁぁっ!」

 

「速度はあるにはあるが、お前が持っているせいで、せっかくの速度が落ちているぞ。なんだったら、投げつけろ。回収方法に関してはリニスに相談でもしてみろ」

 

 ティアナ嬢へと向かっていく途中で、横合いからエリオが突っ込んでくるが、せっかく、デバイスにブースターが取り付けてあるのに、速度が生かし切れていないので、軽く俺の考えを告げながら、腹に足を突き刺して吹き飛ばす。

 

「キャロはさっきから、何をやっているんだ。サポートならば、対象の二手三手先までのサポートを考えろ」

 

「ひぃっ!?」

 

 俺に翻弄されているせいで、サポートがままならず、役に立ってないキャロを心苦しいが説教をしながら、近くの石を拾い上げて、頬すれすれを狙って投げつけると、見事に悲鳴を上げる。

 

 あの程度の攻撃なんぞ、なのはの攻撃よりも可愛げがあるものだと思うのだが、違ったようだ。

 

「どっせい!」

 

「どアホ、せっかくの隠蔽が台無しだ。もうちっと、余裕を持て」

 

「アダァッ!?」

 

 先ほどの注意を聞いてなかったのか、ティアナ嬢の幻術でギリギリまで近づいてきたのに、最後で台無しにしちまったスバルちゃんの頭を峰で思いっきり叩く。頑丈だけあって、気絶しないで悶えていただけだ。

 

「ほれ、移動することに集中しすぎて、次の指示が止まりだしているぞ」

 

「くっ!」

 

 ティアナ嬢は逆に、俺の注意を受けて、改善しようとしているのだが逆に、先ほどまで出来ていたことが出来なくなっている。

 

「せいっ!」

 

「何処を狙ってるんだ、たわけ」

 

「兄さんが言ったんだよね!?」

 

 エリオも俺に言われて、いきなり実践していたのだが、狙いが全くあっておらず、回避も何もしないでも、あらぬ方向へと飛んでいくストラーダ。お前、今からどうするんだ?

 

「投擲ってのは、こうやるんだよ」

 

「きゃっ!?う、動けない!?」

 

 針を取り出して、キャロへと投げる。狙いたがわず、体の筋肉を硬直させる秘孔へと刺さり、キャロは動けなくなってしまって驚いている。

 

「ほれ、たとえ動けなくなっても、近づいてくる奴には対処方法は腐るほどあるんだぞ」

 

「ふ、フリード!ブラストフレア!」

 

「キュクー」

 

「なんで、殺しそうなくらいの威力を出してくれるかね」

 

 未だに好かれないフリードに泣きそうになりながら、とりあえず迫ってくる炎を一旦バックステップで距離を取り、納刀する。

 

「今よ皆!」

 

「おう!」

 

「はい!」

 

「だ、誰か、この針抜いて!」

 

 俺が守勢に回ったのを好機と見たのか、ティアナ嬢の指示が飛び、俺に一斉に襲いかかってくる。

 

 舐められたものだ。この程度の脅威はなんにもならない、ということを見を持って知るべきだな。

 

 一番近い脅威である、炎を抜刀で切り裂き、次いで、迫りくるスバルちゃんの方へと視線を向ければ、そこには目の前近くまで迫ってくる拳。

 

 それを、足で蹴り飛ばし、力の方向をずらす。

 

 ずらした方向にはストラーダを回収したエリオがおり、お互いの技がぶつかりそうになり、慌てて止めようとしている。

 

 その間に、隙間を縫うように迫ってくる魔力弾は、左手の鞘で全部はたき落とす。

 

 スバルちゃんとエリオはどうやら、止まり切れなかったようで抱き合う感じで、転がりそうなのを、何とか踏ん張っていた。

 

 そんな二人に一気に接近し、足払いをかけ、こかすと同時に、速攻で納刀し、両手でそれぞれを掴み、ティアナ嬢のほうへと投げ飛ばす。

 

 投げ飛ばされた側にいる、ティアナ嬢はそんな二人の下敷きはごめんだったのか、慌てて回避していた。

 

 だが、位置が悪かったな。回避した場所は、先ほどから固まっている、キャロのすぐ近くだ。

 

「はい、終わり」

 

「ちょ、まっ」

 

「待たない。アキシオン・ブレイカー(弱)、デッド・エンド・スラッシュ」

 

 ティアナ嬢の制止を無碍にし、俺が使う数少ない魔法の一つのブレイカーを放つと、そこで模擬戦はあっけなく終了した。

 

 時間は……1分半か。もう少し、何とかしてほしいものだ。

 

「つーわけで、不合格。せめて、5分は持たせろ」

 

 延びていた新人達が起き上がった後に、結果を言い渡せば揃ってしょぼくれた顔になる。だが、試験をしてくれと頼まれた以上は、きちんとせにゃならんからな。

 

「にゃはは、皆、お疲れ様」

 

 そんな雰囲気の中、この戦闘を見守っていた隊長陣がそろって苦笑いしながら現れた。

 

 なのはが声をかけたのは、教導官としての立場だろうな。じゃなければ、先ほどからエリオ達を心配してそわそわしているフェイトが真っ先に飛びだすだろうし。

 

「皆、なんで負けたか分かる?」

 

「攻撃が全然当たりません!」

 

「攻撃する暇がありませんでした」

 

「というより、来る攻撃が全部分かっていた感じです」

 

「なんか、扱いが酷いです!」

 

 待て待て、キャロ。お前のだけはなんか違うぞ。まぁ、あんな扱いだったのは、脆いし、やりすぎるのはちと可哀そうだと思っての対応だったんだが。

 

「スバルちゃんにしろ、エリオにしろ、攻撃が単純すぎるんだ。奇をてらえとは言わんが、せめてフェイントを混ぜろよな。どこに攻撃するか分かっているのなんて、避けないほうがどうかしている。

 ティアナ嬢に関しては、最後の指示がいただけん。突撃命令を出すならば、あの時は念話が絶対だ。

 相手の動きを読める相手に、今から攻撃しますなんて聞こえたら、それは笑いを呼ぶぞ」

 

 笑いを呼ぶか、怒るか、呆れるか、無反応か。俺は笑うが。

 

「つーわけで、鍛えなおしてこい。以上」

 

「厳しすぎるよ、紅莉君」

 

「これでも、控えているんだが」

 

「それで、なんだ」

 

「この人外が!」

 

「人間という定義を思い出せ!」

 

 なんか、ヴォルケンズの二人に恐ろしいまでに、意味が分からん罵倒を受ける。

 

「おい、なんで罵倒されているんだ」

 

「だって紅莉、あの戦いって、最初から最後までルート見えていたでしょ?」

 

「ああ」

 

「ほら」

 

「はい?」

 

 フェイトが補足してくれたのだが、さっぱり意味が分らなかった。一体何が、言いたいんだろうか?

 

 言い方は悪いが、ティアナ嬢達位のレベルならば、相手がどう動くかなんて簡単に予測がつく。ならば、その移動先を俺が操作すれば、俺がやりたいようにやれる展開に持っていけるのだが。

 

「マルチタスクとかなんとかも、関係ないよね、もう」

 

「出来たとしても、あれはありえん」

 

「てか、紅莉よ。一体、一つの結果に対して、いくつの選択肢を用意しているんだよ」

 

 なんか、こそこそと喋っていたのだが、ヴィータが前に出てきて訪ねてきた。選択知ってことは、何手読んでいるかということだろうか?

 

「そうさなぁ……大体、100手位までは対策を立てているが」

 

「つまりは、101手を用意せねば、貴様に届かないってことか?」

 

「完全に新しい1手ならな。どこかしらの派生ならば、どうとでも対応はとれる」

 

「てか、100手まで一瞬で思いつくのかよ」

 

「そこは、経験としか言えんなぁ。100通りの経験を積めば、100手以上の手は考えつけるからな」

 

 とりあえず、正直に答えてやったら、揃って溜息を吐かれた……解せぬ。

 

「はーい、それじゃ、お疲れ様。皆、明日からまた頑張ろう!」

 

「え?明日?」

 

 反省会が終わったなのはが、ポロっと聞き捨てならないことを言ったのだが、それをきちんと聞きとめていたのか、キャロが不思議そうな顔をする。

 

「デバイスリミッターを解除したり、なんかしたりの手続きで忙しいし、今まで訓練漬けだったから、休暇も兼ねてね」

 

「まぁ、ぶっちゃければ、お前らに休みを与えないと、俺らが取れんからな、しっかりと休んでこい」

 

「紅莉君!真面目にしてよ!休みなんて、いらないでしょ!」

 

「真面目だし、いるわ。フェイト、今度の休みに飯でも食いに行くか?」

 

「うん、行く」

 

「あー!」

 

「まぁ、今のはなのはの失態だな」

 

「仕事好きが裏目に出た結果だな。いや、この場合は、テスタロッサのたなぼたか?」

 

 ガッツポーズするフェイトと、がっくりと項垂れ、絶望の色に顔を染めるなのはが対照的だな。

 

 まぁ、なのはは多少は、息抜きをするってのも考えてほしいと思って言ったのだが、想像以上に効果的だった。後で、埋め合わせせんと、なのはとフェイトで戦争が起きかねんな。

 

「それじゃ、皆ご飯に行こうか」

 

「あー、隊長陣はちょい残れ」

 

「?? それじゃ、皆は先に行っていていいよ」

 

『はい!お疲れさまでした!』

 

 俺が残れと言った意味が分からんかったのか、なのはは首を傾げるが、新人達の時間を有効に使わせたいと考えたのか、先に行かせた。

 

「それで、どうしたの?」

 

「ヴィータから伝わってないか?」

 

「ヴィータちゃん?」

 

「あん?何を言って……あ゛っ」

 

 どうやら、ヴィータは俺が何を言いたいか思いついたようだ。思いついた、というよりは、思い出したという感じだな。

 

「新人共が、ある程度育ってなけりゃ、お前らにお仕置きと称した戦闘を加えると言ったんだがな」

 

『………』

 

 俺の言葉に4人が固まる。さて、さっきの戦闘じゃあまり体は温まらなかったが、まぁ、問題はない。刀に手をかけて、改めて4人に笑顔を向ける。

 

「覚悟はいいな?」

 

『キャーーーーッ!』

 

 珍しく、シグナムまでもが乙女のような悲鳴を上げて、それに口角が上がりそうなのを必死に耐えながら、お仕置きを敢行した。まぁ、単純にやりたらなかったから、追加の模擬戦をしただけなんだがな。流石に、新人共と違って、やりがいはあった。だが、なのははブラスター使うことはないんじゃないか?フェイトもソニック使っていたし、てか、皆が魔力以外は完全にガチだった。

 

 

 

 

 

 

「準備は問題ないな?」

 

「はい!」

 

「もちろんです」

 

「うん」

 

 エリキャロに加えて久遠が元気に返事をする。今回の休暇でエリキャロが町に行くそうなので、久遠も一緒に連れて行ってもらうことにした。

 

 ここにいると、かまってやれるのだが、遊びに行くのは難しいので、たまには俺意外とも行ってもらいたく、同行させて貰うようにしたのだ。

 

 久遠的には、自然もある程度再現できるここに不満はないようなのだが、たまにはいいだろう。

 

「エリオ、分かっているとは思うが、久遠に手を出したら、お前は明日の朝は迎えられないからな」

 

「は、はい!」

 

 これだけ脅せば大丈夫かね?久遠は可愛いからな、男と同行させるのは心配でたまらんのだが、久遠自身は毛の先ほどもエリオに異性を感じてないだろうし大丈夫と思う。

 

 無理やりということも考えられなくもないが、その時は全力で抵抗していいと教えてもいるし、エリオ達レベルならば、余裕で対処できるくらいには強いし大丈夫か。

 

 いや、でも……

 

「箱入り娘の父親ですか、貴方は」

 

「でも、やっぱり、久遠は可愛いじゃないか」

 

「貴方の久遠に対する愛情は、嫌ってほど分かりますが、ほら、見てみなさい。エリオやキャロがポカンとしているじゃないですか」

 

「そんなの知らん」

 

「知らん、ですませないで!」

 

 二人の保護者であるフェイトが何故かプリプリと怒りながら詰め寄ってくる。はて、俺は何か変なことを言ったかね?

 

「二人だって、紅莉とは付き合い長いんだよ?もうちょっと、かまってあげてよ」

 

「すまんすまん」

 

 どうにも、俺の中の優先順位が邪魔をするなぁ。別に無碍に扱うという訳ではないのだが、フェイト的にはもう少し優しさが欲しいのだろう。

 

「かまうって言うのは、こんな感じか?」

 

「え、や、やぁ……」

 

 ふと、悪戯心が働いたので、フェイトの腰に手をまわして抱き寄せると、顔を真っ赤にする。

 

 それにしても、胸がでっかくなったなぁ……こうやって、抱きつくと胸の感触が気持ちいい。

 

「紅莉、フェイトをからかって萌えるのは非常に結構ですが、そこの柱の陰から、なのはさんが呪い殺せるぐらいの呪詛を吐き散らしながら見ていますよ」

 

「おおぅ……すまん、フェイトここまでだ」

 

「残念」

 

 本当に残念そうにするフェイトだが、流石に心の奥底の何かが揺れ動きそうになっているので、諦めてほしい。

 

 とりあえず、三人を見送り、休憩室へと脚を運んだ。

 

「さてと、こっちもある程度は余裕あるよな?ちょっと出てくる」

 

「出てくるって、どこに行くの?」

 

「ちと本部に行って報告とか、その他諸々だな」

 

「ちょい待ちぃ!」

 

 なのはに理由を告げて立ち上がり、出かけようとすると、はやてが止めに入った。

 

「報告って、何を報告する気や!」

 

「何って、六課のあれこれだが」

 

「その、あれこれってなんや!?」

 

「さぁ?報告書はエアが作ってるからなぁ。俺は目を通してないし」

 

「なんでやねん!」

 

 ハリセンで思いっきり叩かれいい音が鳴り響く。

 

「何をする」

 

「なんで、目を通してないんや!」

 

「エアが不利になることを書くなんて、あるわけないだろうが。それに、俺は出向中は、監査の役割なんて面倒な仕事も押し付けられているんだぞ」

 

「あの……タヌキ親父がぁっ!」

 

「食えないのはお互い様って訳だな」

 

 まあ、おっさんのほうがタヌキっぽいのは間違いないだろ……腹的な意味で。ただ、可愛げはないし、顔は厳ついんだが。

 

「そんじゃ、行ってくる」

 

「はーい」

 

「気をつけてね」

 

 未だに、ぐちぐちと文句を言うはやてを放置して、俺は本部へと向かった。

 

 

 

 

「ふむ、問題はないか」

 

「問題を起こすような連中でもないからな」

 

 おっさんの執務室に邪魔をして、エアからおっさんへとデータを渡し、早速見ていた、おっさんが読んだ感想を述べる。

 

「相変わらず、貴様が作ってないようだが」

 

「メンドイ」

 

「それで済ますなたわけ!」

 

「どっちが書いてもクオリティが変わらんから問題もないだろうに」

 

「なぜ、貴様が書いても、内容が変わらんのだ……これで、剣しか取り柄のない奴だったらどれだけ楽か……」

 

「酷いな、おい」

 

「それだけ、貴様が異常なのだ」

 

 相も変わらず、どこに行っても俺への評価が散々だ。まぁ、別にそこを評価してくれなんて思ってもないから問題はないが。

 

「して、六課に問題はないのだな?」

 

「報告書を見ただろうに」

 

「書面に記載されている以外でだ」

 

「ないと思うぞ?そもそもが、知り合いが大半だし、管理局のアイドルが隊長を務めているからなぁ。人望もさることながら、そこらへんもあってか、ぎすぎすしたものはない」

 

「ちっ」

 

 何がしたいんだろうか、このおっさんは。まぁ、気に食わないのが揃っているからなぁ。

 

「そういや、俺が出張る様な事件は起こってないのか?」

 

「ない。そもそもが、貴様が出張る必要がありそうなのは、六課に集約されている……この、誘蛾灯が!」

 

「今まで、一番酷いな」

 

 俺がいるから事件が起こるって、それは流石に言いすぎだろ?こんな、剣しか振ることに興味がない人間が、事件を誘発させるなんて、ありえないだろ。

 

『休み中に失礼します!』

 

 その後も、おっさんの顔に辟易したら、オーリスを見て心を潤して、面倒な仕事を片付けていたら、エリオから通信が入る。

 

 どうやら、事件が起こったようだ。

 

「って、ちょっと待てよ?エリオが事件にかかわると言うことは……久遠が危ない!?おっさん、俺はもう行くぞ!」

 

「とっとと、行け」

 

「んじゃ!」

 

 おっさんとオーリスに別れを告げ、急ぎ現場へと向かう。ここからならば、六課から向かうより早くたどり着くだろう。待っていろよ久遠!




†久遠放送局†

久遠「GWが始まりましたね。皆さんは、どうお過ごしかな?」

リニス「作者は、今日が休みで、後はずっと仕事だそうです」

久遠「さて、物語も中盤を迎え、だんだんと終わりに近づいて行っているね」

リニス「そうですね。あと、紅莉の久遠への愛情が重すぎます」

久遠「そう?久遠は、嬉しいよ」

リニス「はぁ……」

久遠「溜息なんてついたら、幸せが逃げるよ。では、次回もお楽しみに」
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