魔法少女リリカルなのは~刃の行き着く先~   作:レティウス

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スクフェス楽しいです。


第84話

 六課のフォワード陣+2名は緊迫した状況の中にいた。

 

 休日を過ごしていたのだが、エリオがひょんなことで見つけたボロボロの少女が休日を返上して、捜査を行わなければいけない状況へと導いたのである。

 

 少女が現れたと思わしき、地下用水路。そこへと向かってみれば、出るわ出るわのガジェット軍。

 

 途中で108部隊のギンガ・ナカジマと合流を果たし、目当ての物を見つけたまではよかった。

 

 だがしかし、そこへたどり着けば、見知らぬ魔導師の少女と人型昆虫獣、リインと同じだと思われる融合騎が現れたのである。

 

 突如現れた、人型昆虫獣の実力は、このメンバーの中で一番と思われる、ギンガよりも頭一つ上と思われる実力を有していた。

 

 ゆえに、動くに動けず、また相手も人数が人数だったためか、睨みあいが続いていた。

 

 緊迫した状況が続くと思われたが、それはあっさりと崩れさった。

 

 気配察知が、この中でも特に秀でていた人型昆虫獣が、この場の者以外の来訪者が訪れたのをいち早く察知した。

 

 用水路の奥から、それは壁や床を蹴りながら相当な速さで近づいてきたのである。

 

 警戒を強めた人型昆虫獣であったが、来訪者のほうが一枚上手だったのか、気がつけば既に目の前におり、手にもつ刃を人型昆虫獣へと向けて走らせていたのであった。

 

 だがしかし、その刃は、その身に届くことはなかった。

 

 それどころか、どこか気さくな感じで、空いているもう片方の手で肩をぽんと叩いてきたのであった。

 

「よく見れば、ガリューじゃないか。久しぶりだな」

 

 ガリューと呼ばれた昆虫獣は、声をかけてきた青年と呼んで差し支えない人物をその複眼でじっくりと見る。

 

 どこかで見た記憶はある。だがしかし、それがどこだったか、思い出せないでいた。

 

 しかもだ。気さくに話しかけてきたのとは裏腹に、右手に持つ剣は未だ、体に沿わされている。下手に動けば、斬られると悟っていた。

 

 油断せずに、その青年を観察する。そこでふと、青年の髪をみれば、2本の触角とも見れるような、独特な髪形をしていることに気がついた。

 

 そこで漸く、この青年が誰であるかが思い出せた、その青年の名は……

 

「紅莉!」

 

「おう、大丈夫だったか久遠?」

 

 エリオ達に同行していた久遠が、状況を読まずに嬉しそうに紅莉の腰に抱きつくと、紅莉も顔を安堵に染めて、久遠に尋ねれば、久遠も笑顔で頷いた。

 

「それにしても、久しぶりだな、ガリュー」

 

 久遠の安全が確認できたからか、再び人型昆虫獣……ガリューに気さくに話しかける紅莉。

 

 話しかけられたガリューも、警戒はしつつも、頷いて紅莉に答える。何だかんだで数年ぶりの再会である。それが、たとえ敵だったとしても、懐かしさはどうしても、感じてしまうのだ。

 

「しっかし、なんでお前がここに?」

 

「……」

 

 紅莉は、ガリューがどういった存在か知っているがゆえに、何故今ここにガリューがいるのか疑問に思い尋ねる。

 

 人語が語れないガリューだが、意思は存在する。そして、喋れはしないが、紅莉との意思の疎通は問題なく行えた。

 

「新しいマスター?お前が?ぶっちゃけ、同意していることが驚きなんだけど」

 

 ガリューからの説明を聞き、驚く紅莉。ガリューは召喚獣である。召喚獣は、主との契約に基づいて召喚されるが、双方の同意なくして、召喚は成立しない。

 

 そして、紅莉はガリューという男の性格をある程度は把握しているつもりだった。

 

 彼は、紳士である。紳士であると同時に、戦士であり執事でもあるのだ……執事については、色々と語弊があるかもしれないが、やっていることはそれに限りなく近いので、問題はない。

 

 そして、彼ほどの義理がたい性格ならば、主を鞍替えするというのは信じられなかったのだ。

 

「なに?娘、あの人の?」

 

 再びガリューからの説明を聞き、近くにいた、敵勢力と思わしき少女へと視線を向ける。

 

 というより、彼女に近づいて行った。

 

「……似ているな、確かに。そういや、娘がいるって言っていたっけ?あの人」

 

 目線を合わせるために屈み、少女の顔をじっくりと観察して、結論付ける。

 

「誰?」

 

「ん?俺か?俺は、緋凰紅莉。かつて、メガーヌさんと共に戦っていた男だよ」

 

「お母さん?」

 

 抑揚のない声で、紅莉に問いかければ、出来るだけ優しい声で、少女の質問に答える紅莉。

 

「うーむ、確かに似ているが、あの人と違って表情の変化に乏しいなぁ。あの人は、良くも悪くもコロコロと変わったからなぁ」

 

 メガーヌの娘のルーテシアを見て、紅莉はなんとも言えないような表情をしながら立ち上がる。

 

「さてと、見たところ、敵対しているようだが、言っておく。やめておけ」

 

「いきなり来て、なんだてめーは!」

 

 展開の速さについていけなく、今まで黙っていた融合騎である彼女が紅莉に食ってかかる。

 

 しかし、紅莉が動く前にガリューが動き、彼女の動きを止めた。

 

「ちょ、何をするんだガリュー!」

 

 ガリューにまで食ってかかる彼女だったが、ガリューは首を横に振って、やめろと言外に伝える。

 

 ガリューは既に悟っている、彼を相手にすれば無事では済まない、と。

 

「んで、お嬢ちゃんのお名前は?」

 

「……ルーテシア」

 

「そか、いい名前だな。今まで、何をしていたんだ?あの事件以後、君を引き取ろうと、クイントさんとメガーヌさんの自宅に行ったら、もぬけの空でかなり心配していたんだが」

 

「言う必要はないよ」

 

 紅莉の問いに、ルーテシアが答えようとしたが、それを遮るように、言葉が重ねられた。

 

 声の出所は、ルーテシアの後ろからであり、暗い中、影がだんだんと形になってきた。

 

 影から現れた男は、この前の事件の時に現れた二人と同様の銀髪を有し、顔立ちも非常に整っていた。

 

「ほう」

 

 紅莉が感心の声を漏らす。影から現れた男の佇まいは只者ではない。それを一瞬で見破ったからこその感心の声である。

 

 紅莉の心の声を代弁するならば、『いい獲物が現れた』である。つくづく、度し難い人物である。

 

「お前ら、その子の保護を頼む。間違っても戦うなよ?ガリューは強いぞ」

 

「紅莉、久遠は?」

 

「悪いが、そいつらの手助けをしてやってくれ。いざとなったら、大人モード使っていいから」

 

「はーい」

 

 久遠の指示も終わった紅莉が、構えを取ろうとしたが、それをやめてその場を久遠を抱えて飛びのく。

 

「お父さんのピンチに、華麗にリイン参上です!」

 

「リイン?空気を読もうな」

 

「クロードさん!芸人の貴方が、それでどうするんですか!」

 

「違うから!?」

 

 天井を破って現れたのは、クロードとリインであった。それを察知したからこそ、その場にいて被害を受けるのも嫌だったので、飛びのいたのである。

 

「なんで、お前まできたんだ?」

 

「なんとなく、な。ここに来た方がよかった感じがしたんで」

 

「まぁ、悪くはないが」

 

 現れたクロードにここに来た真意を尋ねた後、紅莉は先ほど現れた男へと視線を戻す。それにつられて、クロードもまた、男へと視線を移した。

 

「くっ」

 

「どうした?」

 

「なんとなくだが、誰かに似ているなと」

 

 顔をしかめながら答えるクロードにあまり興味を示さないで、男を見る紅莉。すると、彼の後ろから更に二人の人物が現れた。

 

「お、てめぇらも来たのか。こりゃいい」

 

「おい、紅莉。顔顔」

 

「おっと」

 

 獰猛な顔をした紅莉を見かねたクロードが紅莉に注意をすれば、紅莉も気が付き、顔を平時の状態に戻した。

 

「リイン。来たところ悪いが、さっきの奴らを追ってくれ。あの融合騎はもしかしたら、友達になれるぞ」

 

「はいです」

 

 既に、後ろにいたフォワード陣とルーテシア一行は、クロードが来た時に作った大穴を通って、外へと出て行っていたのである。

 

「クロード、やつらの強さは、大体今の俺と一緒だ」

 

「マジか」

 

 リインが出て行ったことを確認した紅莉は、クロードに敵方の強さを伝える。

 

 伝えられたクロードと言えば、その事実に冷や汗を流した。

 

「んで、真ん中にいる奴は、両隣にいる奴よりも強いな」

 

「マジで?なんか、あいつが一番俺を睨んでるんだけど」

 

「あいつの彼女でもネトったか?」

 

「してねぇよっ!」

 

「お前、無自覚にたらしているんだから、気をつけろよ?また、お仕置きされんぞ」

 

「本物のたらしに言われたくねぇよっ!」

 

 ぎゃあぎゃあと文句をいうクロードだったが、現れた三人組が動きそうな気配を敏感に感じ取ったのか、すぐに戦闘態勢へと移った。

 

「会えた、漸く会えたよ……兄さん」

 

「はい?」

 

「なんだ、お前、兄弟いたのか……似てねぇな」

 

「分かって言っているだろ、お前」

 

 紅莉に呆れたいクロードだが、目の前の男たちから注意を移せないため、内心で呆れるしかなかった。

 

「まぁ、いいや。兄さん……あんたを頂く」

 

「あ、そっち系だったんだ……どうぞどうぞ」

 

「断る!」

 

 それが合図だったのは、微妙だが、ついに男たちは動き出した。

 

 真ん中の男は双刃刀という珍しい武器を使っており、クロードに襲いかかる。

 

 残りの二人は、この前のうっ憤を晴らしたいのか、紅莉が割り込み邪魔をさせなかった。というよりも、襲いかかっていた。

 

「ふっ!」

 

 勢いよく振り抜いた刃が空を切り、相手の弾丸が性格に紅莉の眉間に撃ちこまれる。

 

 だがしかし、弾丸は紅莉を素通りし、攻撃が意味のないものに変わる。

 

「おらぁっ!」

 

 一番筋肉な男……ロッズが殴りつけるも、拳はすり抜ける。そればかりか、開いた胴に刀が滑りこんでいく。

 

「!」

 

 紅莉の刃が届く前にロッズが高速で消えたように移動し、攻撃を回避する。そして、再び長髪の男……ヤズーがロッズの体をブラインドにして撃ちこまれた弾丸を紅莉は刀で弾きながら体勢を整えた。

 

「なんだよなんだよ、この前は実力を隠していたのか?だったら最初に言っておく……遊びはねぇよ」

 

 どの口が言うんだと呆れながら、目の前の男……カダージュと対峙するクロード。

 

 普段は実力の半分も出さず、なおかつ、体の関節をずらしているなんていう変態が言えるセリフではない。

 

 一気に近づく紅莉を再び高速移動で回避を選択したロッズだったが、その瞬間、紅莉が消えた。

 

「!?……あがぁっ」

 

「ロッズ!?」

 

 消えたことに驚いた瞬間に襲いかかる、猛烈な痛みに声をもらしながら吹き飛ぶロッズと、それに驚きの声を上げてしまうヤズー。

 

 見れば、紅莉はロッズが逃げた方向に先回りしており、刀を振り抜いた姿勢でたたずんでいた。

 

「速く動けるのが、お前だけと思うなよ?」

 

「一体何が……」

 

「今回は教えてやらん」

 

 傷を押さえて呻くロッズをかばいながら、口にでた言葉だったが、前回と違って、今回は教えるつもりはなかった。

 

 紅莉が使ったのは【神速】。御神の奥義の歩法にして、御神の代名詞の一つである。

 

 魔法などと違い、この神速は完全に技術である。故に、相手に神速の発動を知られずに、己の限界を外した速度で移動することが可能である。

 

 特に、相手の気配を読み、あいての認識をずらすことで絶対的な防御力を得る幻武と相性がいいため、ここ近年の紅莉は、神速を使いこなすことにも力を入れていた。

 

 その成果は、目の前の状態が物がっているだろう。こと、剣技やそれに必要なものならば、徹底的に磨き抜いてきた紅莉だからこそ、たどり着いた一つの境地。

 

 ここには、いないが、同様に恭也もまた同じ場所へとたどり着いた一人の剣士である。

 

 この二人は、己の限界などとうに突破し、目指すべき頂きにたどり着くために、努力という言葉が稚拙になるほどのことをしてきた。

 

 特に、紅莉は未だに年齢は20とまだまだ伸び代がある年齢である。

 

「くっ」

 

 ヤズーの弾丸が密度を増して、紅莉に迫りくるが、その一発一発を正確に見切り、必要最低限の動作で全て捌ききる紅莉。

 

「うわっ、キモ」

 

 横目で見ていたクロードがあまりの人外っぷりに、思わずと言った感じで口にだしてしまうのも仕方ないのかもしれない。

 

 紅莉から言わせれば、あれもこれもと欲張らず、一点を極めようとすれば、おのずと可能となると言い訳するだろう……それはあくまで、紅莉や恭也のような人種限定である。

 

「くっ、だったら!」

 

 ヤズーの左腕から光が漏れる。それを察知した、カダージュがクロードの剣を弾いて、距離を取る。

 

「いでよ!」

 

 光が腕から放たれ、一定の場所で留まると、そこから現れたのは炎の体を持って、大型の魔人とでも呼べるようなものだった。

 

「まさか……マテリア!?」

 

「やっぱり、お前らか。マテリア強盗事件の犯人は」

 

 カダージュ一味が使ったものを正確に見抜いた紅莉とクロードが顔を顰める。

 

 そもそもが、マテリアが使える人物は、現状ではクロードを置いて他にいない。

 

 だが、今、目の前で使われているのは間違いなく、マテリアであった。

 

 それも、クロードが持ち得ない、召喚のマテリアだったのだ。

 

「引くぞ」

 

「ああ」

 

「すまない」

 

 カダージュがそういうと、炎の魔人…イフリートが紅莉達に襲いかかる。

 

「クロード追え!こいつは、俺がしとめる」

 

「ああ!ザックス!フェンリルを」

 

《諒解。フェンリル、召喚するぞ》

 

 何もない場所に光の粒子が漏れ、そこからフェンリルが現れた。

 

 これこそ、リニスとアリシアが無駄に技術をつぎ込んで搭載した転送システムである。ただ、転送に莫大なエネルギーが使われるため、通常のエンジンだとどうしても、使えないのだが。

 

「任せた」

 

「任された」

 

 スロットルを思いっきり回したクロードは、イフリートの脇を通り抜けていく。

 

 そうはさせまいと、その巨大な拳をクロードに向かって、振り下ろすイフリートだったが、それは簡単に紅莉に防がれてしまった。

 

「お前の相手は、俺がしてやるよ」

 

 そういうと、紅莉の刃が煌めく。煌めいた刃は、イフリートの左二の腕あたりをあっさりと斬り落とした。

 

「Gyaaaaaaaッ!」

 

 叫び声とも、怒りの咆哮とも捉えられる声を上げながら、イフリートは紅莉に残った右手で攻撃を繰り出すが、紅莉はバックステップであっさりと避ける。

 

「およっ?」

 

「Gyaaaaaaッ!」

 

 再び雄叫びをあげたイフリートは、あろうことか左腕を再生したのである。

 

 再生した左手と右手の両の掌には、小さな太陽かと思われるほどの熱の球体が浮かび上がる。

 

 その熱気は凄まじく、もともと暴れていたために、崩れかけていたのだが、その熱で融解を起こしたのか、ドロドロと溶け出してきたのである。

 

「やべ」

 

 さしもの紅莉も、さすがにそれがどれほど危険なのか素早く察知し、顔を青くする。

 

「この上には、久遠がいるじゃないか」

 

 心配するポイントがずれているが、それでもやることは変わらなかった。

 

「はぁっ!」

 

「Gyaッ!」

 

 気合の入った声とともに、一気に振り下ろした紅莉の刀は、見事にイフリートを真っ二つに切り裂いたのであった。

 

 紅莉が使ったのは、彼が使う流派の奥義【断空】。威力は緋凰流の中でも、最上位に位置し、紅莉が幼少の頃より、己の支えとして【葬刃】と共に使い続けてきた奥義である。

 

「あーびっくりした。あれが、あのまま残ったらどうしようと思った」

 

 刀を納めながら、冷や汗を拭う動作をする紅莉……別段、汗をかいているわけではないが、肝が冷えたのも事実である。

 

 もし、あれがあのまま残ったら、最後の手段を使わざる得なかったかもしれなかったのである。

 

「いや、炎が斬れるか試してからのほうがよかったか?いや、斬ったからってすぐに霧散する訳じゃないし、やっぱりあれで正解だよな?」

 

 誰がいるわけでもないのに、ぶつぶつと独り言を続ける紅莉だが、言っている内容は、度し難いものだった。

 

「流石に、魔力生命体ってところか?刃に魔力を纏わせなければ再生するって、酷すぎるだろ」

 

《その使う魔力ですら、最小限に抑えるマスターに言われたくないと思いますよ?》

 

「そうか?動きは鈍いし、攻撃は大振りだし、最後の技なんて、力を溜めるからって、動かないとか、嘗めているだけだろ」

 

《普通は、あの熱量の前では怯みますよ》

 

「まぁ、熱かったが……敵を前に怯むなんてありえないな」

 

《はぁ……》

 

 紅莉が先ほどのイフリートに対して理不尽をぶつけていたのだが、そこにすかさずエアが突っ込みを入れた。

 

 愛機としては、マスターの無事は嬉しいが、マスターの人外っぷりにドン引きだったのである。だんだん、人外という言葉すら稚拙になって行くこの主が本当に心配だったのである。

 

「まぁ、いいや。久遠達を追うか」

 

《イエス》

 

 そういうと、紅莉は一気にジャンプをし、大穴へと跳びあがって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません!」

 

 地下から出てきて、見つけた新人達に近づいていったら、開口一番にティアナ嬢が謝ってきた。

 

 なんでも、穴から出て、ルーテシアを保護しようとしたのだが、誰かの横入りが入り、混乱している間に、逃げられてしまったのだとか。

 

 まぁ、なんでルーテシアやガリューが敵方にいるのか知らんが、いずれまた会うこともあるだろう。後で、クイントさんに連絡を取って、教えてあげないとな。

 

 ただ、そういった失敗もあったが、得るものもあった。

 

 俺たちが追っている、レリックの封印に使われるアタッシュケースは盗られてしまったが、中身は無事だった。

 

 ティアナ嬢が万が一のために、封印処理をしてから、偽装を施してキャロの頭に固定して隠していたようだ。

 

「まぁ、失敗は誰でもある。問題があるのが問題じゃない、問題をそのままにするのが問題だ……意味は分かるな?」

 

「はい!次は必ず!」

 

「おし」

 

 俺の言いたいことを確りと理解したティアナ嬢に頷き返して、通信を開く。

 

「お前らは大丈夫だったか?」

 

『問題ないよー』

 

『こっちも、敵対勢力を取り逃がしちゃったけど、それ以外は無事だよ』

 

『私はちょいと、ガス欠や』

 

『主、久々のユニゾンだからといって、はしゃぎすぎですよ』

 

 なのは達の方はどうなったのか、気になったので通信で繋いだが、どうやら無事のようだ。

 

 地下に行く前に、なにやらうようよと羽虫の如く、航空型ガジェットが現れたと報告があったから、それになのフェイが向かったのは知っていたが、それ以後は、通信しなかったから心配ではあったのだ。

 

 そんでもって、途中からその役ははやてと変わったようだが、どうやらアインスと久々にユニゾンしてはっちゃけ過ぎたようだ。

 

 まぁ、普段する必要もないし、一時期は、ユニゾンすると危ないと言って、やらなかったからなぁ。それ以後も、必要ではなかったろうし。

 

『すまん!取り逃がしちまった!』

 

「フェンリルで追ってたのにか?」

 

『向こうもバイクを用意していたんだよ。想像以上に速くてな』

 

「ああ、そういや、前に現れた時も同じくらいにすっ飛ばしていたな」

 

 どうやらクロードも取り逃がしたようだ。負けるとは思ってなかったが、逃がすとまでは思わなかったな。あの時に、けりをつけておけばよかったな。

 

 いや、武人がたらればを言ってもしかたないか。ティアナ嬢に言ったように、次はないようにしないとな。

 

「うし、帰るぞ。反省その他諸々は帰ってからにしろ」

 

『了解!』

 

 俺の言葉に全員が元気よく返事をする。さーってと、帰ったらちと本気で鍛錬をしだすかね。先ほども思ったが、次はないようにしないとな。




†久遠放送局†

久遠「遂に出た、カダージュ一味」

リニス「こちらの小説では、原作とは色々と違いますよ、と最初から伝えておきます」

久遠「それはともかく、リニス何やってんの?バイクを魔改造しすぎでしょう」

リニス「趣味です。紅莉の趣味がお菓子作りという意外な趣味と似たようなものです」

久遠「いつも美味しそうに食べているじゃん。てか、全然違うと思う。アリシアも悪ノリしすぎだと思うし」

リニス「年がら年中、食っちゃ寝のあなたよりはましかと」

久遠「そ、そそそそんなことないもん!」

リニス「滅茶苦茶動揺しているじゃないですか。それに、ああ言ったのは、常識にとらわれたら面白くありませんしね。知ってますか?文明とは、常識を破った人たちによってもたらされているんですよ?」

久遠「そうだけど、そうだけどっ……!なんか、納得ができない!」

リニス「私としては、まだまだ改良の余地があると思うんですよ。空を飛んだり、変形してスライダー形態になったり、変形して体に纏ったりとか」

久遠「最後の二つが変形じゃん。では、次回もお楽しみに」
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