けど、穂乃果が欲しいんです。
SRはにこにーと花陽ちゃん率が高すぎる。
「久々だな、カリム」
「ええ、お久しぶりです」
「なんで、知っているの?」
ひとまずヴィヴィオを六課で引き取ると決まった後、はやてに連れ出されてきた場所は、聖王教会であった。おっさんが知ったらまた怒鳴りそうだ。
「シグナム→シャッハ→カリムみたいな感じか?」
「ああ、なるほど。シグナムさん経由で知り合ったんだ」
「最初は驚きました。私たち教会のシスターの中でも指折りの実力者であるシャッハとシグナムさんの両名を纏めて相手をして、圧勝していたのですから」
「あー……」
カリムの説明になのはとフェイトがすっげぇ呆れた顔をしながら頷いている。
俺としてもいつだったか忘れたが、シグナムが珍しく人を連れてきて、纏めて相手をしたんだよなぁ。そのあとも、シグナム並にしつこいのなんの。
そのあとに、なにやらクスクス笑っている女性がいたから、話しかけたら、教会の騎士であって、ひょんなことで知り合ったんだよな。
「さぁ、こちらです」
カリム先導のもと、案内された部屋の中にはクロノがおり、そこで六課設立に関する裏話が披露された。
「紅莉君は驚かないんだね」
「知っていたからな。つか、加えるならば、おっさんも一枚かんでいるぞ」
「おっさんって……もしかして、レジアス中将!?」
「紅莉君、それはバラしたらあかん」
俺の暴露でなのはとフェイトはおろか、カリムとクロノが大層驚いていた。
「いっけね。そうだったっけ?」
「また、嫌み言われるんは、私やねんから」
「ご愁傷様」
「ラグナロク撃ってええか?」
六課設立前に、おっさんと対談?したはやてはすっげぇ口論していたからなぁ……内容は小学生の口喧嘩みたいな感じだったが。
「と、とにかくですね、皆さんを読んだのはお話したいことがあったからです」
未だに動揺から抜け出せていないカリムだったが、このままじゃ話が進まないと思ったのか、無理やり元に戻し話し始めた。
「私のレアスキルである預言者の著書に新たな文面が追加されたんです」
「へー」
「紅莉君、興味なくてもせめて真面目に聞いてあげようよ」
「そうだよ。カリムさんが心なしかしょんぼりしちゃっているよ」
俺が打った適当な相槌がカリムの心を結構抉ったようだ。メンタル弱いな。
「話てもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
涙目のカリムに先を促して続きを話してもらう。いかんな、幾ら興味がないからと言って、女性を泣かしてしまった。
「ええっと……『聖なる棺落ちる時、まつろわぬ魂の王現れん。王、現れる時、地は一度破壊を受け入れ、新たなる再生を望むだろう』……以上です」
「相変わらず、分かり辛いなぁ」
「すいません」
「紅莉君!」
「すまん!」
だから、メンタル弱すぎだって!
そのあとは、カリムを宥めて六課に帰ることとなった。
「それで、なんでレジアス中将が六課の設立に一枚かんでいるの?」
帰りの車の中、暇だったのか、先ほどの会話の中で気になっていたのか、再びなのはが訪ねてきた。
「おっさんが、はやてのことを犯罪者云々って言ったからなぁ、言うのは簡単だが、本人を知らずに陰口を大の男が叩くなと言って、はやてと会わせたんだよ」
「ビックリしたで、紅莉君に紹介したい人がおるって言われたからなぁ。てっきり、婚約者……ごめ、冗談やからデバイス構えんといて」
はやての冗談に本気になるなのはとフェイトに必死に謝るはやて。ったく、それでからかって、いつも痛い目にあっているんだからいい加減に懲りろと言うんだ。
「まぁ、それでなぁ……最初は緊張しとったんやけど」
「それがだんだんとお互いに遠慮がなくなって笑えたぞ?その時の動画撮ってあるがみるか?」
「遠慮しておくよ」
ある意味で似た者同士だからなぁ。しかも、根本的な考え方は一緒という、ある種の同族嫌悪に近いかもな。言ったら、お互い否定したけど。
「うー!」
「むー!」
「くーん」
紅莉です。非常に困った事態になりました。
「お父さんはリインのお父さんなのですよ!」
「違うもん、ヴィヴィオのパパだもん!」
きっかけは、すげぇ些細なことだったんだはずなのに、どうしてこうなった?いい加減に鍛錬に行きたいんだがなぁ。
ちょいと前にヴィヴィオに肩車をしてやったら、思いのほか気に入ったらしく、会うたびに強請られてしまったんだよな。
肩車自体はこれと言って負担になることもないし、子供が笑顔になるならば別に苦労にもならんしやってやらんこともないんだが。
ただ、今日は何かが違った。
朝練を終えて、久遠を頭に乗せて食堂に向かって行ったら、ヴィヴィオが起きてきたようで、それで朝一で強請られたんだよな。
ただ、今日はリインも食堂にいて、それがリインの何に触れたかは分からないが、ヴィヴィオに食ってかかってきた。
「リインもやってもらったことないのにずるいです!」
と、こんな感じで何故かヴィヴィオの前にやってもらいたい、みたいなことを言ってきたのだ。
俺としては、順番にやってやるつもりだったんだが……
そこで、何故か頭に乗っていた久遠が人間モードになって肩車の形で乗っかったら、さぁ大変。
話がこじれにこじれてしまったのだ。
「うわぁ、紅莉さんが困っている。凄く、新鮮」
「意外な弱点ね。子供に弱いなんて」
「兄さんは、結構弱点多いらしいですよ?」
「リニスが言っていたね」
そして、遠巻きでみている新人共がすげぇ好き勝手なことを言ってやがる。
「紅莉は、基本的に女子供に弱いですよ」
「そうだねぇ。紅莉君って女の子大好きだし」
「なんか、接し方に慣れているよね」
食堂にやってきたリニスとなのフェイまでもが好き勝手言い始めた。
「子供自体は、なのはや久遠で慣れているからなぁ」
「だから、なんで私の名前が出るの!?」
「紅莉、失礼だよ」
つっても、ガキの頃のお前らを思い出せ。久遠については、ガキって年齢ではないが、精神年齢が上がったのは最近だからなぁ。
なのはは、覚えてないかもしれんが、あれで中々に困った子供だった。
兄さんに、面倒を見てもらえて助かったと言われたのが懐かしい。兄さんも色々と苦労していたからなぁ。
てか、兄さんは、10くらいでなのはの面倒を見始めていたし、美由希の鍛錬を指導したりと、あの人って子供だったの?って思うくらいにやっていたなぁ……てか、あの人の父性が強すぎだって忍さんが漏らしていたっけ。
「久遠、どうしたんだ?お前が、対抗するなんて珍しいな」
「紅莉のここら辺は久遠の物だもん」
なるほどなぁ。子供のころから頭に乗せていた影響か、ヴィヴィオ達に場所を奪われると思っているのかもしれんな。
「待ちなさい久遠!頭は私の場所です!」
「べー!リニスは、最近のらないじゃん、もう久遠のものだもん」
「お前も、何を対抗しているんだ」
「だって!」
忘れていた。そういや、昔から久遠と俺の頭の位置を取り合っていたなこいつも。
「パパ!」
「お父さん!」
んで、ちょっとの間放置していた二人の娘(?)が突如話しかけてきた。
「リインが先ですよね?」
「ヴィヴィオだよね!」
そう言って、抱っことでも言いたげに手を広げて待ち構える二人。てか、リインは燃費が悪いと言って、めったにならないフルフレームになっているし。
「おい、母親ズ。娘が我がまま言っているぞ、なんとかしてくれ」
「よろしくね」
「あまり、我儘を今まで言わなかったんだ、頼む」
困ったので、とりあえず母親に振ったのだが、全くと言っていいほど役に立たんかった。
「久遠、狐モード」
「はーい」
俺の指示に素直に従ってくれたのか、久遠が狐モードになり、いつもの定位置である、頭の上に乗っかる。ちなみに、リニスがそれを見て物凄く悔しそうな表情をしていたので、後でフォローを入れてやるか。
「よっと」
「「わぁっ!」」
んで、娘的存在をそれぞれ片手で抱えて肩に乗せる。
「お前ら、暴れるなよ。流石にバランスがやや厳しい」
「「はーい!」」
俺の言葉に素直に返事をする娘的存在。
「これは、初めての経験です!今まで、知らなかったのは悔しい限りです」
「お前は普段飛んでるだろうに」
「それとこれとは別ですよ、お父さん」
俺としてはどっちも変わらんだろうと思うんだがなぁ。そういや、雫も兄さんに肩車されるのは好きだったな。
「パパ発進!」
「ロボットじゃないぞ、俺は」
まぁ、そのまま突っ立っているのもあれだから歩きますが。
歩きだしたら、二人は大はしゃぎである。頭に乗っかっている久遠はなんだか、仕方ないなぁと言った感じで溜息吐いているが、お前も変わらんぞ。
「お前ら、飯は食ったんだよな?」
「食べたですよ?」
「うん」
「久遠、ちょっと我慢できるか?」
「大丈夫ー」
ふむ。だったら、いったん外へと出るか。
歩きだしたら、何やら後ろにぞろぞろと付いてきている連中がいるが無視だ無視。
てか、エリキャロが若干羨ましそうな顔をしているから、後でついでにやってやるか。昔、散々してやったんだがなぁ。
外に出た俺は、一旦肩に乗っていた娘を地面に下ろす。おろしたら、すごっく不満そうな顔をしたが、まぁ、次にやることで何とかなるだろ。
「ヴィヴィオ、気をつけ!」
「はい!」
俺の指示に微笑ましい感じにびしっと気をつけをするヴィヴィオの腋に手を入れながら、屈む。
「いくぞ~……高い高ーい!」
「きゃー♪」
「ヴィ、ヴィヴィオー!?」
膝のバネと腕の力だけでなく、全身を使ってヴィヴィオを空へと舞い上がらせると、ヴィヴィオは嬉しそうな声を上げて飛んでいき、母親役であるなのはが心配そうな声を上げた。
「よっと」
「きゃっ♪パパ、もっともっと!」
「順番な」
落ちてきたヴィヴィオに衝撃がかからないように受け止めてから、地面に下ろしたが、思いのほか楽しかったのか、更にと強請られた。だが、ヴィヴィオの隣で、めっちゃくちゃ羨ましそうな顔をしている子供がいるので、頭を撫でて窘める。
「ほれ、行ってこい」
「わーっ♪」
「ふむ、普通なら怖いだろうに」
10m程度上げたのだが、リインも楽しそうな顔をして上がっていった。そんなリインを見て、アインスがしみじみと呟いている。
「っと」
「お父さん!」
「順番な」
そう言って、リインをおろしてから、次はと思って隣を見たら、何故か列が出来ていた。
そして、その列の中にちゃっかりとエリキャロがいたりする。
「まぁ、いいや。纏めて行ってこい」
「「わっはー♪」」
「いいなぁ」
エリキャロを時間差で上へと放りあげる。こいつらも肝が据わっているな……いや、エリオは昔からこういうのが好きだったな。ただ、キャロはそうでもなかったような?六課に来てから肝が据わったか?そして、フェイトの一言は聞き逃さなかったぞ?
「紅莉、久遠も」
「あいよ」
「わーい♪」
どうやらみていたら、やってほしくなったようだ。丁度一周したので上げてやる。嬉しそうで。
「ついでだ、お前らも行ってこい」
『キャーーーッ!?』
ついでとばかりに見学に来ていた奴らも空中に上げてやった。何名か、悲鳴じみた声を上げていたが、それほどに嬉しかったか。
「怖かったよ!」
「私は楽しかったよ?」
「同じくです」
「訓練校のトラウマが蘇りそうになりました」
「なんで、私にしてくれんのや!?アインスにはしたのに」
「クロードに頼め」
「あかん、そのままいちゃつきそうや」
「知らんわ」
「まぁまぁ、主。あれで、紅莉は主やクロード達の関係を気にしてくれているのですから」
「ずるいわぁ。アインスはどうやった?」
「え?いや、その……童心とはああいったものかと、知りました」
なのはや、ティアナ嬢には不評だったが概ね好評だった。そのあとは、子供たち相手に遊び倒した……鍛錬が遅れたのはまぁ、仕方ない。もともと、事務仕事の時間をそれに当てていたからな。それをやったと思えば我慢できた。
「はぁ?六課で誰が強いかって?」
「はい」
ある日の昼下がり、突如訪ねてきたスバルちゃんがそんなことを訪ねてきた。
「俺」
「でも、ランクだとクロードさんやなのはさん達より下ですよね?」
「んじゃ、スバルちゃんは、俺となのはと相手にするならどっちがいい?」
「どちらも嫌です!」
ありゃ、そういった結論に達しちゃったのか。
「まぁ、俺>クロード>その他隊長陣じゃないか?」
「はぁ……」
俺の正直な感想に生返事しか返さないスバルちゃん。聞いておいて、その態度か。まぁ、しょうもないか。
つか、強さ云々ねぇ……まぁ、この子たちだと誰がって気にもなるだろうな。
「あの、兄さん」
「さっきスバルちゃんが来たが?」
「そうなんですか?」
そのあとも、次々と新人ズがやってきた。誰か、情報を共有しておけよ。しているんだろうけど、連絡が雑になってんのか?
「言っておくが、管理局の中で括っても、誰にも負ける気はないぞ」
「本当!?」
「まぁ、相性云々があるだろうし絶対とは言わんが……負けるとは思えんなぁ……六課で言えば、はやてとの相性が悪いが、負けるとまではいかんよ」
「そうなんですか……」
俺の答えに首を傾げながら、エリオが元の場所へと戻って行った。
「そんで、どうだった?」
「皆、紅莉さんが一番だって言っていたよ」
「私もそうです」
「僕も同じです」
それぞれが、六課の中で誰が強いのかと、隊長陣や主要関係者に尋ねて行ったところ、帰ってきた答えは全部、紅莉が一番だという回答であったようだ。
「不思議よねぇ。確かに強いってのは知っているんだけど、それでもオーバーSランクの隊長陣が揃って紅莉さんが強いって言うなんて」
「クロードさんに至ってはSSSランクだからねぇ」
「兄さん曰く、管理局の誰にも負けないと」
「それ、本当?」
「はい」
スバルが持ってなかった情報をエリオが告げると、ティアナの顔が引きつる。流石に、大言壮語と言い切るには否定できる言葉が思いつかなかった。
「皆さんおつかれさまです」
『お疲れ様です』
顔を見合わせる中、研究室から出てきたリニスが新人達に声をかけたのであった。
「一体どうしたというのですか?」
「実は……」
新人達が何やら浮かぬ顔をしていたので、理由を尋ねてみれば、帰ってきた答えにリニスは思わず苦笑いを浮かべる。
「まぁ、紅莉の強さはデータでは分かり辛いですからね」
そう言って、溜息を吐くリニス。リニスの言った意味が今一理解できてないのか、困り顔の新人達を見て、苦笑いを深めるリニス。
「そうですねぇ。では、一つ問題を出しましょう」
「問題ですか?」
「ええ。そんなに難しいものではないですよ」
リニスの言葉を聞いた新人達は、顔を見合わせた後、頷いてリニスを見る。
「では……自分より強い相手に勝つにはどうすればいいのでしょう」
「えっと……」
「答えは私でなく、なのはさんに答えてくださいね。私の方から、なのはさんに話は通しておきますから」
そういうと、リニスはそのまま離れて行ってしまったのであった。
「ふーん。そんな風にねぇ」
「そうなんだよ。私が言おうとしたら、先にリニスさんに言われちゃった」
鍛錬中になのはがやってきて、先ほどの新人達とのやりとりのその後を教えてくれた。
「お前が、それを知っている方が驚きなんだが?」
「ほら、私とフェイトちゃんって短期間だけど、訓練校に行ったでしょ?その時に、教えてくれた人がいたんだ」
「なるほどねぇ」
俺としては、それが当たり前だったからこれと言って悩むこともないが、新人共はある意味で、悩むかねぇ。
つか、普段のシュートイベーションでのことを考えれば簡単だが。
「それよりも、紅莉君があっさり答えを言う方がビックリなんだけど」
「なんでだよ」
「だって、紅莉君って負けなしじゃん」
「アホか。小学生を卒業するまでは、兄さんはおろか、美由希にも負け通していたわ」
「嘘っ!?」
中学は行って、体がおっきくなり始めて漸く美由希に勝ち越し始め、兄さんとはいい勝負できるようになってきたんだから。
んで、中学卒業のころに漸く互角近くまで持って行けた。あの時の死闘はある意味で、俺も兄さんも神がかっていたが、あの時の実力でみれば、俺は兄さんのワンランクは下だったろうな。
どんなに奥義を使えようが、どんなに技が冴えようが、体が出来てなかったせいか、実力に直結しなく歯がゆい思いをしたもんだ。
心技体とはよく言ったもんだ。
「まぁ、今じゃ簡単に負ける気はさらさらないが、それでも、油断でもすれば負けることだってあるしな」
「そっかぁ」
「まぁ、純粋な魔導師達に俺をどうこうできるとは思えんが」
「この人外!」
「やかましい」
なんかディスられたので、とりあえずデコピンをしておいた。
「そういや、限定条件で俺が絶対に負けるってのは教えてやったのか?」
「あ、忘れてた」
まぁ、教えたところでどうにもできんだろうから、知らなくてもいいか。
その後、なのはがご機嫌に新人共が答えにたどり着いたと報告してきた。
†久遠放送局†
久遠「紅莉が完全にパパになっていた。結婚もしてないのに」
リニス「なんか、突如思いついたらしいですよ」
久遠「そういや、リインがそういう設定だったね」
リニス「ちなみに、前半の予言はぶっちゃけ適当だそうです」
久遠「適当言っちゃったよ。そういえば、紅莉が限定条件だと負けるって言うのは?」
リニス「純魔法戦です。まともに魔法を使えませんからね」
久遠「あれ?でも、シグナムやクロードに近いし……」
リニス「紅莉の場合は、刀身に魔力を纏わせませんし、飛行もここ近年はまともにしませんし、魔力弾なんてもってのほかですし……エアまかせにすれば、多少は、と言ったレベルですね。隊長陣では確実に負けます」
久遠「意外な弱点?があったね。では、次回もお楽しみに」