半神ショタと黒い雌豹が出合うのは間違っているだろうか?【更新停止】 作:ベクセルmk. 5
エリーゼ・ロアー16歳は冒険者だ。同じファミリアに所属している少年、ベル・クラネルとパーティーを組んでいる。
白髪赤目、兎を連想させる彼はダンジョンに出会いを求めている。普通の冒険者なら笑う事だか、エリーゼは笑わない。
エリーゼはダンジョンで、母がしたような冒険がしたかった。巨万の富、英雄のような名声。そして何より、仲間との絆といつ死ぬか解らないスリルを求めている。
神ヘスティアに出会い、彼女のファミリアに所属するまでの間に、冒険者になった理由を語り合った。お互い、一切笑う事なく、夢を語った。
そんなエリーゼとベルは今―――――――――
『ヴオオオオォォォォォォォ!!!』
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「何で中層にいるはずのミノタウロスが五階層何かに?」
ミノタウロスから逃げていた。
母の友人の弓使いは『慢心しては駄目』とよく言っていたが、こうも速く慢心するとは思っていなかった。
「お母様、貴女の娘は良き冒険者になろうと努力しました。しかしどうやらここまでのようです」
「いいから走って!!」
そこでエリーゼ達は曲がり角を曲がらずに真っ直ぐ進んだ。
「あ、そっちの道行き止まりだった」
「えっ?」
見事に追い詰められた。振り返って見ると、2mを超える強靭な筋肉の塊、頭部の角。間違いなくミノタウロスだ。
「はぁぁぁぁぁ!!」
「―――――――――エリーゼ!?」
壁を蹴って跳躍するエリーゼ。本来なら戦っても勝てない。それほど、ステイタスに差がある。
しかし、冒険を求めたエリーゼはミノタウロスに挑んだ。
(見えた!!)
エリーゼの目には、太く、長い赤い線がミノタウロスの右肩に見えていた。
スキル:
魔物の斬れば良い場所に長さ(斬る際の速度)と太さ(斬れる範囲)が見えるスキルだ。
(長さは今までで最長。太さを考えると腕は斬れるな)
ミノタウロスの真上から落下しながらの居合い斬り。右肩に刀が沈み、血が吹き出す。そのまま、骨ごと斬る。途中で刀が折れるが、問題なくミノタウロスの右肩から右腕を切り落とした。
着地出来ずに落下する。叫びながらも、落下したエリーゼを攻撃しようと左腕を降り下ろすミノタウロス。
刹那、ミノタウロスの胴体に線が走った。それと同時に、左腕に光りの矢が刺さる。
「えっ?」
「なっ!?」
『ヴォ?』
エリーゼの驚き、ベルとミノタウロスの間の抜けた声。
更に剣のような幅の広い槍に貫かれるミノタウロス。そして、首が切り落とされて絶命した。
ミノタウロスの血飛沫を浴びるベルとエリーゼ。
「大丈夫?」
「間一髪、だったね」
ミノタウロスを倒した冒険者は成り立ての二人でもよく知る人物だった。
艶やかな金髪、しなやかな肢体、宝石のような金色の瞳。ロキファミリア所属、二つ名[剣姫]。その名は―――――――――
「アイズ・ヴァレンシュタイン」
次にアイズの隣に立っている少年に目を向ける。
短めの黒髪、血のような赤い目、小人と間違えそうな体格。彼もアイズ同様ロキファミリア所属の冒険者、[最終兵器]―――――――――
「リュート・シヴァ」
「あの、大丈夫ですか?」
再び声をかけられ、我に帰る。
「あ、はい。大丈夫で―――――――――」
「ほあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ビュン、とリュートの手を取って立ち上がるエリーゼの横を、ミノタウロスの返り血で真っ赤に染まったベルが通りすぎていった。
「えっ?ベル?―――――――――あ、すいません。ヴァレンシュタインさん、シヴァさん。助けていただいてありがとうございました!」
体を直角に折って、お辞儀をし、ベルの後を追った。
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