半神ショタと黒い雌豹が出合うのは間違っているだろうか?【更新停止】 作:ベクセルmk. 5
「ここ?」
「たぶん、そう」
そう言ってエリーゼが連れてこられたのは『豊穣の女主人』という酒場だった。夜のためか賑わっており、中から人々の笑い声が聞こえてくる。
「それにしても、ベルがこういうとろこに誘ってくれるなんてねぇ」
「エリーがついてきたんじゃないか」
エリーとは、オラリオに来てから初めて仲良くなったベルに対して、エリーゼがあだ名で呼ぶように頼んだのだ。
店の前で立ち話をしていると、
「ベルさんっ」
店の中から一人の
「し、シルさんっ」
「来てくださったんですね!」
「や、約束しましたから」
ベルは真っ赤になりながら俯き、ぼそぼそと呟く。そんなベルを見ながら、シルはクスリと笑う。
「こちらの女性は?」
ちらりとエリーゼを見るシル。対するエリーゼは、
「初めまして、私の名前はエリーゼ。エリーゼ・ロアーと申します。エリーと呼んでくれて構いません。ベルと私は―――――――恋仲です」
と言ってやると、ベルは真っ赤にして吹き出し、シルは頬を染めながら口元を手で隠す。
「勿論冗談ですよ」
「そうですよ!同じファミリアのメンバーですからね!?」
シレっと言うエリーゼと、慌てて否定するベル。
「そ、そうだったんですか。(よかった)初めまして。私はシル・フローヴァ。ここ、『豊穣の女主人』でウェイトレスをさせてもらっています」
はきはきとした明るい声、この仕事に喜びを抱いている者の声だ。
シルがベルの手を引いて、店内に入る。エリーゼも慌てて店の中に入る。
「お客さま二名入りまーす」
大声でカウンターに向かって言うシル。突然のことで驚いているのか、おろおろしているベル。と、その後ろに隠れるエリーゼ。いくら人見知りが激しいと言っても、自分よりも身長の低いベルに隠れるエリーゼはシュールだ。
それにしても、客の大半が冒険者だというのに、この酒場は平和だ。
「では、こちらにどうぞ」
ベルとエリーゼはカウンター席に案内された。
「おや、あんたたちがシルのお客さんかい?冒険者なのに、可愛い顔してるねぇ」
目の前には酒場の女将と思われる大柄な女性がいた。
「なんでも、アタシ達を泣かせるほどの大漢食なんだってねぇ!期待してるよお」
ベルが吹き出し、エリーゼが眉をひそめる。
「失礼な、ベルは大して食べませんが―――――――私はベルの5倍は食べますよ」
「背後に隠れながら言われてもねぇ~」
どん、と勢いよく女将さん――――――ミアお母さんとシルさんが呼んでいた――――――がパスタや魚の丸焼きなどの料理を置いていった。
「どれも美味しそうです!!」
エリーゼは目を輝かせて言う。そこに、サボりで来たのかベルの隣の席に座りながら話しかけていた。
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それから、【ロキ・ファミリア】のメンバーがアイズ・ヴァレンシュタインに助けられたベルの話をしていて、ベルの悪口と「アイズ・ヴァレンシュタインとは釣り合わない」と言う声が聞こえた瞬間、
「――――――っ!」
「ベルさんっ!」
「・・・・・・」
ベルが椅子を飛ばしながら走り去っていくのを見送った。
「追わなくていいのかい?」
ミアさんが尋ねるが、
「追いませんよ。追っても意味がありませんから」
そう言って、食事を再開する。
「それでも、あなたは仲間ですか?」
避難するような声が後ろから聞こえる。振り返ると、鋭い目つきをしたエルフの女性がそこにいた。
「ええ、仲間です。だからこそ、追いかけません」
―――私の求めている冒険は、助けたりしない―――
とだけ言って、二人分の金を置いて、酒場を出た。
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遅くなりました。いやぁ、運転免許の試験勉強してて全く更新できませんでした。
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