半神ショタと黒い雌豹が出合うのは間違っているだろうか?【更新停止】   作:ベクセルmk. 5

6 / 19
豊穣の女主人

「ここ?」

「たぶん、そう」

そう言ってエリーゼが連れてこられたのは『豊穣の女主人』という酒場だった。夜のためか賑わっており、中から人々の笑い声が聞こえてくる。

「それにしても、ベルがこういうとろこに誘ってくれるなんてねぇ」

「エリーがついてきたんじゃないか」

エリーとは、オラリオに来てから初めて仲良くなったベルに対して、エリーゼがあだ名で呼ぶように頼んだのだ。

店の前で立ち話をしていると、

「ベルさんっ」

店の中から一人の人間(ヒューマン)が姿を現す。若草色の制服を着た銀髪の少女だ。

「し、シルさんっ」

「来てくださったんですね!」

「や、約束しましたから」

ベルは真っ赤になりながら俯き、ぼそぼそと呟く。そんなベルを見ながら、シルはクスリと笑う。

「こちらの女性は?」

ちらりとエリーゼを見るシル。対するエリーゼは、

「初めまして、私の名前はエリーゼ。エリーゼ・ロアーと申します。エリーと呼んでくれて構いません。ベルと私は―――――――恋仲です」

と言ってやると、ベルは真っ赤にして吹き出し、シルは頬を染めながら口元を手で隠す。

「勿論冗談ですよ」

「そうですよ!同じファミリアのメンバーですからね!?」

シレっと言うエリーゼと、慌てて否定するベル。

「そ、そうだったんですか。(よかった)初めまして。私はシル・フローヴァ。ここ、『豊穣の女主人』でウェイトレスをさせてもらっています」

はきはきとした明るい声、この仕事に喜びを抱いている者の声だ。

シルがベルの手を引いて、店内に入る。エリーゼも慌てて店の中に入る。

「お客さま二名入りまーす」

大声でカウンターに向かって言うシル。突然のことで驚いているのか、おろおろしているベル。と、その後ろに隠れるエリーゼ。いくら人見知りが激しいと言っても、自分よりも身長の低いベルに隠れるエリーゼはシュールだ。

それにしても、客の大半が冒険者だというのに、この酒場は平和だ。

「では、こちらにどうぞ」

ベルとエリーゼはカウンター席に案内された。

「おや、あんたたちがシルのお客さんかい?冒険者なのに、可愛い顔してるねぇ」

目の前には酒場の女将と思われる大柄な女性がいた。

「なんでも、アタシ達を泣かせるほどの大漢食なんだってねぇ!期待してるよお」

ベルが吹き出し、エリーゼが眉をひそめる。

「失礼な、ベルは大して食べませんが―――――――私はベルの5倍は食べますよ」

「背後に隠れながら言われてもねぇ~」

 

どん、と勢いよく女将さん――――――ミアお母さんとシルさんが呼んでいた――――――がパスタや魚の丸焼きなどの料理を置いていった。

「どれも美味しそうです!!」

エリーゼは目を輝かせて言う。そこに、サボりで来たのかベルの隣の席に座りながら話しかけていた。

~~~

それから、【ロキ・ファミリア】のメンバーがアイズ・ヴァレンシュタインに助けられたベルの話をしていて、ベルの悪口と「アイズ・ヴァレンシュタインとは釣り合わない」と言う声が聞こえた瞬間、

「――――――っ!」

「ベルさんっ!」

「・・・・・・」

ベルが椅子を飛ばしながら走り去っていくのを見送った。

「追わなくていいのかい?」

ミアさんが尋ねるが、

「追いませんよ。追っても意味がありませんから」

そう言って、食事を再開する。

「それでも、あなたは仲間ですか?」

避難するような声が後ろから聞こえる。振り返ると、鋭い目つきをしたエルフの女性がそこにいた。

「ええ、仲間です。だからこそ、追いかけません」

―――私の求めている冒険は、助けたりしない―――

とだけ言って、二人分の金を置いて、酒場を出た。

~~~

 

 

 

 

 

 




遅くなりました。いやぁ、運転免許の試験勉強してて全く更新できませんでした。

コメント、指摘、注意、批評、感想、称賛お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。