アイドルマスターシンデレラガールズ 〜Ifストーリー〜 作:東仙ミカゲ
この作品は息抜きに作ったものになります。
恋愛に特化した作品にしようと思いますので、もしこのキャラでの話を読みたい!
というかたはリクエストお願いします。
――――あの日、私は、運命の人に出会いました。
「文香さん、これからも一緒だからね?」
「はい…これからも、共に、私と歩んでいきましょう。…きっと、辛いことも、悲しいこともある…けれど、私たちなら、乗り越えられますから。」
これは、私と彼の、出会いの物語。
――――私の、シンデレラストーリー。
「…これで、お終い、ですね。」
今日も、仕事である古書店でのアルバイトを終えました。
「明日の準備も…しないと…」
すると突然、入口から扉を叩く音がしました。
…こんな時間に、一体誰が?
とりあえず、扉を開けて要件を聞くことにしました。
「…はい。どんな御用ですか?」
「あ、あの…ここは、まだ開いていますか?」
「申し訳ありません、今日はもう閉店で…」
「そ、そんなぁ…せっかく学校が終わって急いで来たのに…」
何か、緊急の要件があったのでしょうか?
…きっと走って来て下さったのでしょう。
ここで帰してしまうのは、申し訳なくて、私は引き止めてしまいました。
「よければ…ですが、中に入りますか?」
「え?でも、もう閉めてしまったんじゃあ…」
「特別…です。わざわざ来てくださったんですし、せっかくですから…」
「あ、ありがとうございます!」
その笑顔を見て、思わず私は、顔を背けてしまいました。
…何故かはわかりません、けれど。
私は、この胸の高なりを、嫌だとは思えませんでした。
そして、私は、後に気づきます。
――――これが、私にとっての、運命の出会いで、王子様に出会えた瞬間だと…
あなたと出会って
「それで、その先生がさ…」
「ふふっ…そうなんですね、とても面白いです。」
あれから、数週間が経ちました。
あの後、読書が趣味で、さらに読んでる本のジャンルも全く同じという事で意気投合し、お店を閉めた後もずっと話し込み、気がつけば夜になっていました。
彼がまた会って話したい。そう、言いました。
――――私も、同じ気持ちだったので思わず即答してしまい、顔を赤くしてしまい、彼に心配させてしまいました。
そのことはさておき、私と彼は今、私が働いている古書店でお話をしています。
――――その時間が、本当に幸せで、けれど、あっという間に過ぎ去ってしまう事を私は、認めたくありませんでした。
「あ…もうこんな時間か…そろそろ、帰らないと。」
「あ、あの…」
「ごめんね、文香さん!明日も学校があるからまた明日ね!」
「…はい、また明日、来てくださいね。」
そう言って彼は、慌ただしく身支度をして出て行ってしまいました。
…こういう時、うまく言葉に出すことが出来ない私を、恨めしく思います。
けど、あそこで引き止めて彼に嫌な顔をされてしまうことを酷く恐れてしまう自分がいる…
私は、臆病者だ。
…分かっていたはずだった。
けれど、言葉にするだけでこんなにも、自分が弱いことに気がついた。
「明日は…土曜日。なら…」
あの人は、明日も来てくれる。
――――今度こそ、伝えたい。
私は、あなたともっといたい、話したい。
そして――――あなたのことをお慕いしていることを――――
次の日、彼はお店に来ませんでした。
きっと何か、用事ができたのだと自分に言い聞かせて明日来ることを願いました。
――――けれど、日曜日も彼は来ませんでした。
そして、彼がお店に来なくなって、2ヶ月程が経ちました。
彼に、何かあったのでしょうか…
こんなにも、彼の事ばかりを考えてしまう…
「どうして、私はあの人のことばかり考えてしまっているのでしょう…」
本当は分かっていた。
私がいだいている気持ちに。
――――私は、あの人に恋をしているのだと。
この答えに辿り着くのに時間は必要ありませんでした。
だからこそ、あの人に会いたい。
会って話をしたい。
その気持ちばかりが募ってしまう。
「まるで、お話の中の恋物語のよう…会いたいのに会えなくて…最後には私も、同じように狂ってしまうのでしょうか…」
名前を知っていて、毎日のようにお話をしていたのに、連絡先を知らないなんて…
「私は、どうしてこういう所で抜けてしまっているのでしょう…」
本当に、恨んでしまいます。
せめて電話番号さえ知っていれば、こんなにも苦しい思いをしなくて済んだはずなのに…
そんな時でした。
お店の入口から、扉を叩く音がしました。
「こんな時間に、いったい…?」
そう言いながらも、期待してしまっている私がいます。
あの日のように、あなたが来てくれたら…
私は、きっと…
「…はい、どんな御用ですか?」
「あ、あの…まだこの店、開いてますか?」
あの日と、全くやり取り。
嬉しくなって、私は思わず彼に抱きついてしまいました。
はしたないと、思われてしまうかもしれません…
けれど、こうしないと、彼がまた、ここに来ない気がして…
「ふ、文香さん!?」
「もう少しだけ…こうさせて下さい。あなたの温もりを…感じたいんです…」
「…わかりました。」
あなたがここにいる…
これだけでも私の心は満ち足りている…
けど私は、これ以上を望んでしまっている。
あまりにも我侭で、傲慢な私…
けれど、勇気を出す事を決めました。
あなたともっと、一緒にいたいから…
「あの…」
「ねえ、文香さん。」
「は、はい…」
…やはり、私は弱い人間だ。
すぐに流されて、自分の意思を通すことができない…
どうして、私は…
「このままでいいから聞いて欲しいんだけど…いいかな?」
「…はい。」
「この2ヶ月間、会いに来れなくてごめんね?いろいろ、やらなきゃいけない事が重なっちゃって…」
「いえ…誰にでも、そういうことはありますから。」
「そう言ってくれると助かるよ。…会いに来るって約束を破ってしまったこと、すごく申し訳なくて、けど、自分の気持ちには嘘をつきたくなくて。」
「…?」
「今日、この日のために、これを用意してたんだ。」
そう言って見せたのは…
「ゆび、わ…? 」
「そう、結婚指輪。エンゲージリングでもいいけど…まあ、そういうことさ。」
…言葉に、出来ませんでした。
彼が、私のことを好きだった…
私も、彼のことを好きだった…
「ほん、とうに…?」
「ああ、勿論。…あと一年で大学も卒業する。働く先も見つかった。そして…」
「あ…」
彼は、私の手を握り、まっすぐ私を見つめてきました。
「そして、生涯を共にしたいと思える人にも出逢えた。…鷺沢文香さん。」
「は…い。」
声が震えて、上手く声に出来ませんでした。でも、返事は出来たはず…
「僕と、結婚してください。あなたと共に、色んなことをして、どんなことでも分かち合いたい…毎日、本の話をして、一緒に働いて…そんなありふれた日々を、あなたとともに歩いてゆきたいから。」
「…!」
先ほどと違って、私は声に出すことができませんでした。
――――私の心の中は一瞬で喜びと幸せでいっぱいになってしまいました。
「ふ、文香さん!?どうしたの!?」
「…え?なにが、ですか…?」
「だって文香さん、泣いてるから…」
どうやら私は、嬉しさのあまり泣いてしまっていたようです。
彼がすごく慌てている様子が、とてもおかしくて…
「…ふふっ。」
思わず、笑ってしまいました。
「あれ?今…文香さん、笑った?」
「あ、ごめんなさい…あなたの様子が、おかしくて…」
「嫌で泣いてたんじゃないのか…良かった…」
「…嫌じゃないに、決まってるじゃないですか。」
「え?」
嫌なんて、あるわけがない。
だって、私は、こんなにも喜んでいる。
――――今こそ、伝えよう。内に秘めた、この思いを。
「私も、あなたが好きです。…狂おしいほど、あなたをお慕いしています。」
「あ…!」
…ようやく、気持ちを伝えることができました。
自分から言うことができなかったけれど、それでも…
「文香さん、これからも一緒だからね?」
「はい…これからも、共に、私と歩んでいきましょう。…きっと、辛いことも、悲しいこともある…けれど、私たちなら、乗り越えられますから。」
こんな私でも、受け入れてくれた彼となら、きっと、少しずつ変わっていける…
そして、幸せな日々を綴っていける…
そう、お話の中の、幸せになった恋人同士のように…
時は巡って
あの日から、いくつもの季節が巡りました。
彼が卒業してからすぐに結婚し、籍も入れました。
結婚式にはたくさんの人が来てくれ、そして祝福してくれました。
叔父さんが、泣いて喜んでくれたのも、よく覚えています。
「文香、どうしたの?」
「あ…あの頃ことを思い出してしまって…」
「あぁ…あの頃から文香には心配ばかりかけていたね。」
「そんな…わたしこそ、口下手で、思ったことを伝えることも出来なかったのに…」
「文香の言いたいことなら全部わかるからね、これも愛のなせる技かな?」
「もう、からかわないでください…」
「からかってないよ。文香のことが大好きだから、愛しているから君の言いたいことも全部わかるんだよ?」
…ずるい。こんなことを言われてしまったら、私は、何も言えなくなってしまう。
私が欲しい言葉を的確に伝えてくれる…
だから、私は…
「私も、あなたのことを、愛しています…」
こうやって、お互いの気持ちを伝え合うことが、こんなにも大事で、必要なことかを、毎日思い知っています。
「おかーさーん!」
「あれ?どうしたのかな?」
「あ!おとーさんもいるー!」
この子は香織。
四年前に生まれた私たちの宝物。
性格は彼に似て、明るくてとても活動的な子に育ったけれど、本が好きなのはきっと私たちに似たのだろうと思う。
「この前の続き読んでー!」
「はいはい、読んであげるから落ち着いて?」
「はーい!」
彼は香織が持っていた本をもらい、栞を挟んでいたところを広げる。
「あ…それ…」
「この栞のこと?ちゃんと大事に使ってるよー。」
彼が持っている栞、あれは彼の誕生日プレゼントとして、あげたものだった。
最近見ないと思っていたけれど、ちゃんと使っていてくれた…
毎日、ありふれた日々を過ごしています。
とても穏やかで、幸せな日々…
私が憧れ、そして夢だった生活。
こんな日々が続くことを、私は、願いました。
――――これからもずっと一緒だよ、文香。
――――はい、いつまでも、あなたと共に…
最初は友人のリクエストだった文香さんです。
このキャラは僕も個人的に好きなんですよね。
次回をお楽しみに!