否定者とほぼ無能者も来るそうですよ?《一時凍結かつ作り直し予定》   作:tomlet

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過去を書く(過去を書くとは言ってない)


3話「白夜の夜叉と神の否定者」

街に戻ってすぐ、黒ウサギは本日何度目かもわからない絶句をすることになる。

「どうやったらこんな短期間で”フォレス・ガロ”に喧嘩を売ってギフトゲームをすることになるんですか!?しかも日時は明日!?めちゃくちゃにも程があるのです!」

怒気を撒き散らす黒ウサギに対し、二人の問題児は。

「「ムシャクシャしてやった、今は反省している。」」

「だまらっしゃい!そんなことを聞いてるのではありません!!」

と、どこまでも自由に答え、黒ウサギはどこから取り出したのかわからないハリセンで二人頭を叩く。その流れに乗り切れない桜はボソッとつぶやいた。

「私は反対したんですけどね・・・」

 

 

「でもまぁ、そのクズがコミュニティの現状を話してくれててよかったじゃねぇか。これで黒ウサギの説明も省かれて、ついでに俺と十六夜はお嬢様達が最低限の強さを持ってるか査定できるわけだ」

問題児一行は”サウザンドアイズ”というコミュニティを目指し、暗くなった道を歩いていた。

「まぁ、それはそうかもしれませんが・・・って、今の発言からするにお二人は明日のゲームに参加する気は・・・?」

「「無いな」」

零斗と十六夜に飛鳥は当然といった風に反応する。

「あら、当然でしょう?これは私たちが売った喧嘩よ。頼まれたって、あなた達は混ぜてあげないわ。ね、春日部さん?桜さん?」

その飛鳥の発言に対し、桜はほんの少し困った顔をして。

黒ウサギは心底疲れたような顔をしてこうぼやくのだった。

「・・・もう、どうにでもなればいいのですよ〜・・・はぁ」

 

 

そうして6人は”サウザンドアイズ”の支店の一つの前に到着した。

するとそこには店仕舞いをする女性の姿があった。

「まっ」

「待ったなしですお客様。うちは時間外営業はやっておりません」

女性定員は黒ウサギを軽くあしらう。

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

「ま、全くです!閉店の五分前に客を締め出すなんて!」

「文句があるならどうぞ他所へ。ただしあなた達の今後の出入りを禁じます」

「で、出禁!?たったこれだけで出禁だなんてお客様を舐めすぎでございますよ!」

いつまでもコントが続きそうなので、零斗は助け舟を出すことにした。

「確かに無理言ってるのはこっちだがな、多少は優遇効かせたほうが将来のためなんじゃねぇか?」

からかったような物言いに店員はピクッと反応する。

「それは、どういう意味でしょう?」

「そのままの意味だぜ、黒ウサギは箱庭の貴族とか言われてるなんかスゴイやつなんだろ、それに加えてここには新たに戦力になりそうなのがこんなにいるんだ。貸しを作っといても、損はさせねぇって断言するぜ」

どこまで本気なのかヘラヘラしながら店員に答える零斗。しかし、その態度は余計に女性店員に火をつけた。

「つまり、私は名も、旗印もない。素性もよくわからないものに借りを作れと?」

その発言に問題児たちは全員が一つの事実に気づかされる。それは、名と旗印がないということの本当の意味だった。

さすがに全員が押し黙る中、黒ウサギが反論を絞り出そうと口を開くと。

「イヤッホォォォォォォオオオオオ!!会いたかったぞ、黒ウサギィィィィィイイイイイ!!」

店の奥から白い何かが飛び出してきて、黒ウサギと近くの水路に落ちていった。その光景に十六夜は。

「おいおい、この店にはドッキリサービスが有るのか?有るなら俺も是非、別バージョンを」

「ありません」

「なんなら有料でも」

「やりません」

また茶番が始まりそうだったので零斗は飛んできたよく分からないもの訪ねる。

「おい、そこのわざわざクレーマーの対応に来たってことは店長かなんかか?それなら店に通してからにしてくれると有難いんだが?」

「おおっと、そうだったの。立ち話もなんじゃ中に上がるがよい」

水に濡れ、ビショビショで偉そうにする謎の幼女と、その後ろでゲンナリする黒ウサギ。

「お待ちください。我々はノーネームは」

「何、友人を招き入れるだけのことよ、さすがのボスもそのくらいで目くじらはたてんであろう。付いて来い、黒ウサギの新たな同志たちよ」

そうして問題児たちは白髪幼女に招かれるまま店の中へと入っていった。

 

 

「さて、とりあえず自己紹介から入ろうかの。私は白夜叉。サウザンドアイズの幹部を任されておる。そこの黒ウサギとは前々から知り合いでな。コミュニティが崩壊してからもいろいろ便宜している。ま、見た目に違わぬ心も綺麗な美少女どと思ってくれればよい」

「ちなみに中身は中年オヤジ並みにセクハラ行為を働くので女性の御三方は気をつけてください」

と、これは黒ウサギ。

「ところでの。先程蛇神を倒したという連絡があってな。少々興味があるのだが、誰かの?」

白夜叉の言葉に零斗が十六夜の方を向くと。

「ほほう!お主か。してどの試練を受けたのか? 知恵か、勇気か、それとも力か!?」

「あぁ、俺を試すとか生意気言いやがったからねじ伏せてやっただけだ」

「なんと!神格持ちの奴にギフトのみで打ち勝つか!面白い人材が入ったものだ、のぅ黒ウサギ」

「まあ、頼もしいことは良いことですけどね」

白夜叉の発言に十六夜は一つ質問を投げかける。

「お前、あの蛇を知ってるのか?」

「当然だろう、あやつに神格を与えたのは私だぞ」

その言葉に十六夜は白夜叉を好戦的に見つめ尋ねる。

「てことは白夜叉。お前はあの蛇より強いのか?」

十六夜の問いに白夜叉は平然と答える。

「ふふん、当然だ。私は東側の”階級支配者(フロアマスター)”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者(ホスト)だからの」

白夜叉の言葉に対して全員が目を輝かせる。

「なるほどな、じゃあ」

全員を代表するように零斗が、続いて十六夜が白夜叉に明確な挑戦状を叩きつける。

「お前を倒せば、俺たちはこの辺で最強になるわけだ。」

予想外の反応だったのか、白夜叉は一瞬意外そうな顔をして。

「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」

「え? ちょ、ちょっと皆さん!?」

慌てて黒ウサギが制止しようとするが、白夜叉がその手をで黒ウサギを抑える。

「よいよい黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えているゆえの」

「ずいぶんノリと気前がいいんだな。」

零斗のわかりやすい挑発に白夜叉は「ハハハ」と笑い。

「ところでおんしらに聞かねばならんことがある」

そう発した瞬間、その顔を壮絶な笑みに変え、着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印―――向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、ただ一つの確認を取った。

「おんしらが望むのは『挑戦』か―――もしくは、『決闘』か?」

 

 

瞬間、世界が切り替わる。

脳裏を様々な情景が過ぎる。黄金色の穂波が揺れる草原、白い地平線を覗く丘、森林の湖畔。様々に世界が流転し、6人が投げ出されたのは、白い雪原と湖畔―――そして、水平に太陽が廻る世界だった。

((((ッ!?))))

「何を驚くことがある?こんなものはゲーム盤の一つに過ぎん」

問題児三人と鏡野 桜は自分たちが目の前にした怪物の異常性にやっと気づいた。これだけ広大な世界をゲーム盤の一つと言い切れる。目の前にいるのはそういう怪物だと思い知らされる。

しかし、どうやらここで試されてやるというのは問題児たちには勇気がいるようだ。ただここには一人だけ、問題児ではない少女がいた。

「挑戦でお願いします。他のみんなもそれでいいですよね?」

鏡野 桜は白夜叉の居住に入ってから初めてその口を開いた。すると、十六夜たちも。

「これだけのゲーム盤を用意できるんだ、あんたには資格がある。――今回は黙って試されてやるよ、魔王様」

すると他の問題児も彼に続く。

その対応に白夜叉は。

(ハハ、意地の張り方は随分と年相応で可愛らしいものよ)

そんなことを考えながら、どんな試練にしてやるかと考えていた。

そして、そんなことを考えていたからこそ、その場で一人だけ明らかに様子がおかしい男に気づくことができなかった。

 

 

彼、鏡野 零斗の記憶は、父親から不死の呪いを埋め込まれたところから始まる。

『さぁ、零斗。この呪いは君の事を世界を、いや、神様を殺せる『英雄』にするための第一歩だ。これから君はこの世界に存在する、ありとあらゆる呪いをその身に受ける。でも大丈夫だよ。』

彼の父親は狂っていた。狂ったその目で彼に言葉を投げかける。

『きっと全てが終わる頃には、君は神様よりつよくなっているからねぇ』

そして零斗の頭は頭に響く声を残したまま過去から一気に現在へと戻される。

《殺せ!殺せ!そこにいる莫大な力を持つものを殺せ!それが神に違いない!殺せ!殺せ!殺せ!》

初めに不死の呪いを受けた、次は痛みをなくす呪いだった、それからは色々な呪いをその身に受けた。その先に全てを『否定できる力』を得た。そして彼は自らの中にある悪意をそのままに『暴走した』。

 

 

『GAAAAAaaaaa_______!!』

そこに居たのは白い悪魔と呼ぶに相応しい『化物(バケモノ)』だった。黒い髪は白く染まり、肌の見えるところからはところどころ白い力が渦を巻くのが見て取れる。

白夜叉はその時今の霊格を奪われた自分にどれだけこの怪物の相手が出来るのかと考えていた。否、魔王であった時の自分の喉元にすら届きそうな力の塊に畏怖をすら覚えていた。

しかし彼の暴走は、ほんの一瞬で止まることとなる。

「ッ!?そっちは危ないのです!」

誰もが目の前にある規格外に呆然とする中、黒ウサギの制止を聞かず、たった一人彼の元へと歩み寄る少女がいた。そしてそのまま歩み寄り、その怪物の胸に右手を触れ。

『その回答は認めません』

そう一言つぶやいた。そして、誰もが言葉を発する他に行動をとらないその少女の死を確認した。

しかし怪物はいつまでたっても動かず、そして最後には、風船がしぼむようにその霊格は静かに小さくなり。その怪物がいた場所には鏡野 零斗が横たわっていた。

 

 

次に零斗が目を覚ましたのは白夜叉の私室だった。

「起きたか、試練の結果だがの、おんしの同士は無事に成し得たぞ。ホレ、おんしのギフトカードだ」

そういうと白夜叉は鏡野 零斗にライトグレイのカードを渡す。

「記念品?」

「まぁ、前祝いだがな。その紙片になんと書かれておる?」

白夜叉に促されるままにさっきのカードを見ると、文字が浮かび上がっていた。

 

鏡野 零斗

否定者(キャンセラー)

全ての呪いの回答者(アンサラー)

 

「これのことか?」

白夜叉にギフトカードを見せると、白夜叉は桜色のギフトカードを取り出す。

「これは、あの桜といったか?あのおんしの仲間のギフトカードだ。」

白夜叉が零斗に示したそのギフトカードには。

 

鏡野 桜

回答を砕く肯定者(アウト・オブ・オーダー)

 

と示されていた。零斗がそれを視認したのを確認すると白夜叉は零斗に問いかける。

「おんしが暴走したあの時、あの少女があの時のおんしを止めるのは絶対に無理だと全員が確信しておった。なぜならあの少女からはそれほどの霊格は感じられんからだ。あの場にいた中で、いや、このノーネームの子供達程度の霊格しか感じられなかった。」

零斗は沈黙し、白夜叉の言葉を待つ。

「おんしにはそのトリックがわかるのだろう?おんしとあの少女は、いったい何だ?」

零斗は一瞬ためらうが、白夜叉に自分と桜の過去を語り始めた。

 

 




次回こそ二人の過去に触れようと思います。
では、感想等お待ちします。
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