東方数学帳   作:フリーエイリアン

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12はサブライム数という非常に珍しい数です。
サブライム数とは約数の個数と和が完全数になる数のことで12の次は6086555670238378989670371734243169622657830773351885970528324860512791691264というとても大きな数です。


第12話 12=2×2×3 一ダース

咲夜side

 

「では始めましょうか。」

「ええ、」

取り敢えずナイフをばらまく。空中だと跳ね返る壁がないからこれだけだと攻撃が単調になりがちね。

「随分沢山ナイフ持っているわね。そのボールの中にしまってあるのかしら?」

ラッパを持ってる少女の名前はメルランと言うそうだ。プリズムリバー三姉妹の次女らしい。まだお互いスペカは使っていないがそこそこ速い弾幕は避けごたえがある。なんといっても厄介なのはへにょっと曲がりながら飛んでくるレーザー。軌道が読みにくいので危なっかしい。

 

「これは先手必勝ね。時符『プライベートスクウェア』」

時間を止めて自分付近の弾幕を全て叩き落とす。更に相手の背後にナイフを少し設置してから距離をとる。最後に自分周辺の時間の流れを遅くした状態で時間停止を解除。

「私の弾幕が…消えた!?」

慌てて弾幕を張り直しても無駄よ。私のナイフに気付いていないようだし、私の回りに来た弾は全て動きが遅くなる。これを避けるのは赤ん坊でも出来る。

 

「何にも気付かないままピチュリなさい。」

「なによ!適当なこというんじゃなっ!!?」ピチューン

「だからいったでしょう?」

「今何が起きたの!?」

 

 

魔理沙side

 

「うーん、随分と細かい弾幕だな。」

リリカ・プリズムリバーと名乗る少女の弾幕はなかなかに濃くて私の機動力を生かせない。

「こうなりゃまとめて吹っ飛ばしてやるぜ!恋符『マスタースパーク』!!」

「隙あり!」

「しまっ!?」ピチューン

ははっこれはヤバい。いきなり被弾した上にマスパを失ってしまったぜ。初動の遅さが問題か。

「それならこれだ。魔符『ミルキーウェイ』」

大きい星弾は規則的に、小さい星弾は不規則に飛ばすことにより絶妙な避けにくさを実現したスペカ。たちまち大量の星弾が相手の弾幕をかき消し相手を襲う。

「あ〜これはよらけれないわね〜」

「よし、これで同点だな。」

「姉さん〜 準備出来てる〜?」

 

 

掛side

 

「お手柔らかにお願いします。」

「…知らないわ。普通にいくわよ。」

さて、俺の相手はあのバイオリニストだ。名前はルナサ・プリズムリバー。3人の中では最も年上だそうだ。座標空間だけ設定して取り敢えず様子見っと。

 

結構変わった弾幕を撃ってくる。まず大弾を放ってくる。(しかもバイオリンから飛んできた。)するとその軌道に極小弾が撒かれ更に時間差で小弾がバラ撒かれる。大弾の軌道を一次関数で表すことで一応の避けの目安とした。

「さて、じゃあこっちからも行くぞ。」

相手の少し右側に小弾を撃ち相手を少しずつ左側に誘導。そして時計回りレーザーで挟み撃つ。

あっ上に避けられた。

今度は弾の軌道を色々変えて全方位から相手を取り囲むように小弾を飛ばす。…大弾で弾き飛ばされた。

 

かなり避けにくいような弾幕を作っているつもりでも思わぬ隙から逃げられる。これが弾幕ごっこの難しさであり、面白さだろう。

「こうなりゃ物量で勝負だ。スペル、鼠講『バナッハ・タルスキーの定理』」

 

外の世界の二人の数学者が考え出した不思議な定理、それがバナッハ・タルスキーの定理だ。一つの球をバラバラに分解し、上手に組み立て直すことで同じ大きさの二つの球を作る事が出来るという定理だ。一見すると現実離れした荒唐無稽な定理に見えるがよく証明を読めば数学的には正しいことが分かる。一つの球を二つに増やすことは数学的には可能なのだ。

 

さて、俺が今宣言したスペカはこのバナッハ・タルスキーの定理を模したものだ。(あくまでも模したものであって定理を使っているわけではない。と言うか弾幕なら何でもありだ。)まず一つの大弾を撃つ。その大弾は一定時間飛んだ後、破裂するように多数の小弾や中弾に分裂する。分裂した弾はある程度辺りを飛び回った後再び集結し二つの大弾となる。この二つの大弾は再度同じことを16個になるまで繰り返す。

 

あっという間に空間を埋め尽くした弾は見事に相手に当たった。

やはり弾幕は質より量なのだろうか。

「…仕方ない。メルラン!リリカ!あれやるよ。」

「わかったわ!」

「了解〜」

おっなんだ?何を始めるんだ?

 

「「「騒符『ライブポルターガイスト』!」」」

「なるほど、合体技か!」

「なかなか味なまねするな。」

「さて、どうしますか?」

魔理沙と十六夜が近づいてきた。

「そうだな、取り敢えず避けに徹しよう。」

音符を模した弾が漂い、それが突然破裂し小弾がバラ撒かれる。ただのバラ撒きと自機狙いと混ざって避けにくい。これは気合い避けしかないな。

「魔理沙、マスパ撃てるか?」

「すまん。もう使ったぜ。」

「そうか。じゃあ十六夜、エターナルミーク。」

「わかりましたわ。奇術『エターナルミーク』」

3人がわりと近い位置に居るならば範囲攻撃が有効だろう。そう読んでの指示だ。

 

うーん。やはり3人とも上手いな。結局当たったのはルナサが一回だけだった。俺らは全員避けきった…かな。

 

 

 

 




後半戦に続く。

まさかプリズムリバー戦を2話に分けて書くことになるとは思わなかった。


バナッハ・タルスキーの定理はとても面白いので興味のある方はぜひ調べてみてください。
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