魔法陣は正方形に縦、横、斜め全ての列の数字の和が等しくなるように数字を配置したものです。
最小の魔法陣は3×3の正方形に1〜9の数字を配置するものでどの列の和も15になります。
魔理沙side
さて、今度は私が狙撃役だぜ。実は狙撃なんてやったことないんだけれど私のイリュージョンレーザーってそんなに精確に飛ぶんだっけ?
今は咲夜がナイフを乱射して掛があの亡霊の動きを止めるんだっけ。
…?おかしいな。相変わらず死人嬢はフラフラと動いている。これじゃあ狙撃なんて無理だ。あっ掛が呼んでるぜ。作戦失敗かな?
掛side
ちょっと作戦に想定外の事があったので二人を呼んだ。
「すまん。あいつの動きが読めなかった。何かランダム要素が働いている。」
幽霊だからか?動きに規則性が見られ無い上に物理を無視した唐突な軌道変更。これでは予測の仕様がない。
「分かったぜ。じゃあ暫くは私達のやり方でやらせてもらうぜ?」
「何か新しい作戦が作れたらまた呼んでください。」
「了解。少し考えさせてもらう。」
本によると外の世界では全ての物体が物理法則に従うそうだ。全く羨ましい限りだ。
攻撃は二人に任せて今は避けに専念。相手の動きを見て、データを貯める。幽霊だろうが何だろうが思考能力を持っている以上完全にランダムに動く事は不可能。データ量を増やせばなんかしらのパターンは見えてくるはずだ。
そういえば魔理沙が自分のやり方でやると言っていたな。弾幕ごっこの専門家のやり方を少し見せてもらうとするか。
「咲夜!物量攻めだ、行くぜ! 魔符『スターダストレヴァリエ』」
「幻世『ザ・ワールド』」
なんだよ…結局量で勝負か…
しかし効果的なのは確かだな。西行寺の蝶弾や大弾を全てかき消し残った弾で確実に追い詰めている。
「華霊『ゴーストバタフライ』」
西行寺のスペカか。大量の中弾と極小弾で一瞬大きな空間が出来た。その隙に何かレーザーのような弾のようなよくわからないものが打ち出された。6本のそれは十六夜に向かって飛んでいく。十六夜が少し後ろに逃げると、なにかはさっきまで十六夜の居たところに集束し…爆発した。
爆発の様に見えたのはどうやら同心円状に飛び出た蝶弾のようだ。爆心地のすぐ近くにいた十六夜は当然その蝶弾に当たり吹き飛ばされた。更に飛ばされた拍子に別の弾に当たり一気に2被弾。残機が残り一つになってしまった。
ヤバくね?
飛び出た蝶弾は再び6本のなにかに別れ今度は魔理沙を襲う。
「ハハッ遅い遅い!っとっうおっとぅ!?」
中弾が撒かれたことにより魔理沙も上手く飛べずに被弾。ってことは魔理沙も残機一か。
ヤバくね?
魔理沙も咲夜も次の被弾でゲームオーバー。一回休みとなる。
6本のなにかはまたもや十六夜を狙う。…そうはさせるか。間に割り込み狙いを俺の方にそらせる。
「このスペカは俺に任せろ!二人はそこで休んでてくれ。」
「すまん。頼んだぜ!」
「申し訳ありません。お願いします。」
全ての中弾を数式で表すことにより意識下に置ける俺なら中弾を避けながら高スピードで飛び、あのなにかを撒くことが出来る。
そしてこのスペカで決める!
「追符『無限降下法』」
無限降下法は数学の証明に使われる一つの手法。背理法の一種で自然数には最小の数があることを利用している。主にある命題がどんな自然数でも成り立たないことを証明するのに使う。
証明の手順としては
1,まずある命題が任意の自然数αで成り立つと仮定する。このときにその自然数より小さい自然数βでも成り立つ事を証明する。
2,するとβに置いても1,が成り立つため更に小さい自然数に置き換えることが出来る。
3,これをいくらでも繰り返すことが出来るが自然数には下限があるのでそれはおかしい。
ここに矛盾が起きるためどんな自然数でもこの命題は成り立たない事がわかる。
無限降下法はn=4の時のフェルマーの最終定理を証明するのにも使われた。
このスペカはそんな無限降下法をイメージしている。
まず相手の頭の高さに合わせて密度の濃い弾幕をうつ。これを避ける最善の方法は下に動くこと。そして下に動いた相手の頭を更に狙う。これを繰り返せば相手はどんどん下に行くわけだが下に行けばいずれ地面につく。そこを狙い撃ちにするわけだ。
当然ずっと下に動けば相手もなにかおかしいと気付くだろう。そこは上手く加減する必要がある。
少しづつ、少しづつ、下へ下へと追い詰めていく。
地面まで残り数メートル。流石にこっちの作戦もばれているだろう。ここからはどちらが先に仕掛けるかの読み合いだ。
俺からすればギリギリまで下に追い詰めたい。しかしこれ以上無駄に時間を使えば隙が出来て逃げられるだろう。
西行寺からすれば一刻も早く上へ逃げたいだろう。しかし不用意な動きをしたらそれこそ格好の餌食になる。上手いこと俺の隙を突かなければならないのだ。
………
………………
「十六夜!時符!」
「時符『パーフェクトスクウェア』!」
刹那、西行寺の上に大量のナイフと一人の十六夜が現れる。
時間を止めればタイミングをとる必要は無い。
「あらあら〜 幽曲『リポジトリ・オブ・ヒロカワ -神霊-』」
ここでスペカ発動か…無駄だ!!
「このまま押しきるぞ!」
「分かったぜ!魔符『ミルキーウェイ』」
「幻符『インディスクリミネイト』」
「鼠講『バナッハ・タルスキーの定理』」
大量のナイフと星弾、そしてどんどん増える大小の球弾が西行寺の蝶弾をかき消し殺到する。
ただでさえものすごい量の弾幕だ。下が地面で塞がれている状態でかわしきれるはずがないだろう。
ピチューン
…よし、これであいつも残機一だ。ラストは俺の完璧なる作戦で決めさせて貰おう。
ここまでの戦いで量とスピードに優れた弾幕が強いのはよく分かった。しかし完璧な計算に裏打ちされた作戦ならばどんな弾幕にも勝てる!…はずだ。
「これが最後のスペルカードよ。この美しき弾幕の前に倒れ伏すが良いわ!桜符『完全なる墨染めの桜 -開花-』」
大量の蝶弾が飛んできた。でも直線軌道だ。それなら俺には関係ない。全て一次関数で表せるから目をつぶってでも避けられる。
「おーい!霊夢!魂魄の残機はあとどれだけだ?」
「あと一つよ!」
「分かった。俺に策がある!次の指示を待て!」
「分かったわ!」
良し。完全に想定通りだ。まずは魔理沙から動かすか。
「魔理沙!マスパを左前下45度に構えて右方向にゆっくりと等速移動してくれ。」
「えっ!? わ、わかったぜ。」
「十六夜は魔理沙に当たりそうな弾全て迎撃頼む。攻撃はしなくていい。」
「は、はい。わかりましたわ。」
後は霊夢だ。相変わらず妖夢と殺陣やっているが…ん?殺陣!?弾幕ごっこしろよ…
「霊夢!一旦後ろに20m下がれ!そして10秒後にその位置から右に10m、前に40m、そして上に15m動いて博麗アミュレット発射しろ。」
「メートルで言われても正確な距離はわからないわよ!」
「大体でいい!勘使え!」
霊夢の勘なら大丈夫だろ。
そして最終微調整。
「操符『空間支配』」
チルノ相手にやったようにそこら辺の弾幕を全て操る様なことはしない。あの後一週間位軽い頭痛に悩まされたんだ…
西行寺、魂魄、霊夢、そして魔理沙の位置を微妙に動かす。数十センチメートル位だから飛び回っている奴らには分からないだろう。しかしこれでやりやすくなった。
さて、あとは全てが計算通りに動くのを待つばかり。
「魔理沙!3秒後にマスパ発射。」
「分かったぜ!3,2,1…恋符『マスタースパーク』!」
極太レーザーが真っ直ぐ西行寺を狙う。
「あんまりなめないでほしいわね〜バレバレよ〜?」
さらっと避けられた。
でもそれも計算済みだ。狙いはお前じゃない。その後ろの…
「しまった!妖夢!!」
もう遅いよ〜
ピチューン
魂魄はこれで敗北。
「くっ、やるわね。」
そしてもう一つの仕掛け。
「博麗アミュレット!!」
「!!!?」
霊夢が突如現れホーミング弾を発射。至近距離ホーミングなんて避けられるわけ無いよね?
ピチューン
「良し!俺らの勝ちだ!!」
「よくやったぜ!掛!!」
「上手くいったから私達を人形の用に使ったことは不問に付してあげるわ。」
「私を護衛に使ったこともですわね。」
「はは…悪い悪い。」
うん。やっぱり不満だったか。まぁ許せ。
「うぅ。参りました…」
魂魄もやってきた。あれ、西行寺は?
いた…けど何か様子がおかしい。
「全員戦闘体制に入って!」
霊夢の声で全員が身構える。それと同時に全ての感情を失ったような顔の西行寺がゆらりと立ち上がった。
今回やる予定だったイベントは次回へ持ち越します。あまりにも間が空きすぎたので。
具体的には自作の数学の問題をここに書きます。そしてそれを解けた人にSSをプレゼントします。