魔法科高校の劣等剣士 ~想いはいつも~   作:shinkau

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ご都合主義のような作品です。

原作を愛している方、こんなのは認められないという方は申し訳ございません。

矛盾点もあると思いますが、それでも良いと思ってくだされば

拙い部分ばかりだと思いますが、よろしくお願いします。



【入学編001】 入学前

 

-道場内-

 

木刀の打ち合う音が響きあう道場。

 

時に激しく、時に静かに。

 

向かい合うは、お互いに小太刀サイズの木刀を構えた男女。

 

どれくらい時間が経っただろうか……。

 

お互いに得意な奥義の構えを取る。

 

そして……

 

「ふっふ~w」

 

「……むっ」

 

三つ編みの女性、高町美由希は座り込む青少年に胸を張っていた。

 

「惜しかったね~、恭くん。あと一歩って感じだったのに。」

 

「……己の未熟に何も言えない。また美由希姉なんかに負けるとは。」

 

苦々しい顔で答えたのは、この家の次男である高町恭次であった。

 

「なんかって酷いな~。これでも恭くんより長く御神流をやってるんだから。母さんに

 

も教わってるんだからまだ負けられないよ。」

 

先ほど二人が行っていたのは、子供の頃から収めている御神流という剣術。

 

正式には「永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術」というものだ。

 

恭次がぶつぶつ文句を言い、それを笑って聞く美由希は傍から見れば仲の良い姉弟だ。

 

恭次は頷くことはないが。

 

するとそこに

 

「ほれ、いつまでもくっちゃべってないで、汗を拭け。今日はここまでだ。」

 

と声を掛けたのは、この家の家主にして御神流の現・師範である高町士郎であった。

 

「お互いに何が欠けているかは、分かっているだろう?それをどう修正していくか、今後に生かすように。」

 

「はい。」

 

「わかった。」

 

そこで朝の鍛錬は終わりとなった。

 

「美由希姉、先にシャワーすると良い。」

 

「優しいね~恭くんは。でもどうせなら一緒に入る?」

 

「ばっ、何を言ってるんだ!!??」

 

「あははっ、冗談だよ。じゃ~先に入ってくるね。」

 

と笑顔で手を振ってくる姉を、真っ赤になりながら追い払うように見送る恭次。

 

身内とは言え、恭次も思春期(?)の青少年である。

 

興味が無いわけではないが、分別はつけて欲しいと思う。

 

傍でニヤニヤしながら見ていた父親に、苛立って飛針を投げようと思った時は、

 

既に逃げられたあとであった。

 

 

 

-リビング-

 

シャワーを終えリビングに戻ると、

 

「おはよう、恭次。」

 

と笑顔で迎えてくれたのは母親の高町桃子である。

 

先に戻っていた父と姉は、新聞を読んだり、本を読んだりと思い思いの朝を過ごしていた。

 

「おはよう母さん。」

 

と答えたあと辺りを確認する恭次。

 

「母さん、なのははまだなのか?」

 

妹の事を確認すると

 

「そうみたいね~。昨日は大変だったらしいから。」

 

「なるほど。だがそろそろ起こさないとまずいと思うのだが?」

 

「そうね~。なら恭次、起こしてきてくれない?」

 

妙案と言わんばかりに、両手を打ち合わせる母。

 

「年頃の女の子を俺なんかが起こしていいのか?」

 

「俺なんかって言うけど、恭次~。なのはが一番喜ぶ事よ?」

 

「そんな事はないと思うが?」

 

「……は~~~~(-o-;)」

 

とため息をつく桃子であった。

 

「大好きなお兄ちゃんに起こして貰えるんだから、なのはが喜ばないわけないじゃないの。」

 

ブラコンの娘なんだから……と付けないのが優しい親心である。

 

「……ふむ、なら起こして来よう」

 

と全く理解していない次男に、長男と同じ感想をもつのであった。

 

「恭也に似てやっぱり鈍感ね~。同一人物だから仕方ないけど、もしかしたらあれ以上かしらね~?」

 

高町家の長男・高町恭也の事を思い出していた。。

 

彼も鈍感であったが高校三年の時に恋人が出来、結婚して今は婿養子となって家を

 

出ていた。

 

今はドイツに行っており、夫婦仲良く暮らしており孫たちも可愛いのでいう事なしの

 

桃子さんである。

 

「さてさて、あの子がなのはの気持ちに気づくのはいつになるのやら?」

 

そんな事を口にしながら朝の準備を再開するのであった。

 

そのやり取りを聞いていた美由希は思っていた。

 

”難しいというよりも、無理だと思うよ?だってもう一人の恭ちゃんなんだから(-_-;)”と。

 

 

 

-なのは部屋前-

 

コンコン。

 

扉をたたく恭次。

 

しかし反応がない。

 

「なのは、そろそろ起きないと朝食が抜きになるぞ?」

 

と声をかけるがまたしても反応がない。

 

仕方ないと思い、恭次は扉を開けることにした。

 

「なのは、入らせてもらうぞ。」

 

するとそこには……。

 

寝ぼけ眼でパジャマのボタンを外しているなのはが立っていた。

 

「…………(-_-;)」

 

「ふぁ~……。あっ、おはようお兄ちゃん!」

 

欠伸をしながらも恭次に気づいたなのはは元気に挨拶をかわす。

 

「…………」

 

しかし挨拶を返さない兄になのははムッとして再度声を掛ける。

 

「おはよう、お兄ちゃん。」

 

「……あぁ、おはようなのは。朝食の準備がそろそろ終わるから早く着替えて降りてくると良い。」

 

そう言うと目線をすぐに逸らす恭次。

 

「うん!着替えてすぐ……」

 

ここで忘れていけない。

 

今はパジャマを着ているが、着替えの途中であった事を……。

 

「ふにゃーーーーーーーっ!?お兄ちゃんダメだよ、こんな朝からなんて!!」

 

「叫ぶな!暴れるな!!すぐ出ていくから」

 

「確かに嬉しいけど!ずっと待ってたけど!でもそういうのは出来れば夜とか段階を踏んでから○#$×%&+*{」

 

「何を言ってるか分からんが落ち着け。俺は先に戻るから!」

 

そう言い残すと、恭次は部屋をすぐに出て行った。

 

出ていった事に気づかないなのはは

 

「お兄ちゃん、私初めては……にゃ~(///▽///)」

 

絶賛妄想中であった。

 

「あら、恭次。なのはは?」

 

「……大丈夫だ、ちゃんと起きていた。」

 

「???」

 

なぜか大変疲れた表情を浮かべる息子に疑問を持つ母であった。

 

朝食の開始が更に遅くなったのは言うまでもない。

 

 

 

-朝食中-

 

「それにしても恭次となのはも遂に高校生か~、早いわね~。」

 

「だね~。恭くんもなのはも大きくなったもんね~。」

 

「えへへ~。」

 

「という事は美由希姉もこのまま行けばでおおだ「ていっ!」…痛いぞ。」

 

「失礼なことを恭くんが言うからだよ。」

 

「・・・・・・」

 

おもしろくないといった感じだが、恭次は言わない事にした。

 

気にしていることをこれ以上言うのもと考えたからである。

 

「そういえば、いつ引っ越し業者来るの?」

 

と美由希がなのはに聞くと

 

「明日の10時には着くって聞いたけど。」

 

「そっか。じゃあしばらくはお別れになっちゃうね。」

 

「……うん。」

 

少し寂しそうな二人。

 

そう、まもなく恭次となのはの引っ越し日なのである。

 

「でも二人が良く考えた事なんだから応援するよ!」

 

「私もよ!二人とも頑張んなさい!!」

 

「うん!」

 

「うむ。」

 

二人の返事に満足といった桃子と美由希であったが今まで黙っていた士郎が口を開く。

 

「いいか、恭次?これだけは言っておくぞ。」

 

とすごい剣幕で士郎は言い放つ。

 

「なのはにちょっかい掛けようなんて奴らがいたら叩きのめせ!これは高町家の、いや世界の理だ!!」

 

と訳の分からない事を口にする士郎。

 

ようするに男を近づけるなというのは分かるが……。

 

呆れ顔で恭次は答えた。

 

「高校生になるのだし、なのはが良いと思える相手なら出来てもいいと思うが?」

 

「いやダメだ!俺が認めた奴でなければな。せめて俺に勝てる奴なら考えんでもない。」

 

そうは言うがこの父はかつて御神で最強と言われた男である。

 

昔の仕事中にした大怪我で一線を退いたと言っても、この父から勝利というのは普通は無理だ。

 

「お父さん!そんな事言ったら私結婚出来ないよ!?」

 

「何!?なのは結婚するつもりか!!??許さんぞ、なのははずっと我が家で暮らすんだーー!!」

 

あーでもない、こーでもないと言い合っている父と次女。

 

「もう士郎さんってば。」

 

「相変わらずなのはには甘いね、士郎父さん。」

 

と達観気味の母と長女。

 

そんなやり取りに平和を感じている恭次であった。

 

 

 

-夕方-

 

縁側で恭次が寛いでいると、士郎が声をかけてきた。

 

「隣いいか?」

 

「ああ。」

 

返事を聞くと、恭次の隣に腰をかける。

 

お互いにしばらく黙っていたが、しびれを切らした士郎が口を開いた。

 

「何か言えよ。折角父が隣に来てやったんだから。」

 

随分な物言いであるが、これが士郎である。

 

「誰も頼んでないのだが?」

 

「可愛くない息子だ。」

 

「知ってる。」

 

「…………」

 

「…………」

 

また会話が終わってしまうが、二人はフッと笑うのであった。

 

こんな取り留めの無い会話が好きな父子である。

 

「……早いものだな。あれからもう5年か。」

 

「確かに早かった。」

 

「あの時は驚いたぞ。なのはたちが突然お前を連れてきた時は。」

 

「俺も驚いた。突然斬りかかられた時は……。」

 

「そんな事あったか?」

 

「あっただろうが!玄関入った瞬間に!!」

 

「う~ん?全く覚えてないな。」

 

この男は自分の不都合はすぐに忘れる事の出来る素晴らしい人物なのである。

 

どうやら

 

【なのはが男を連れてきた=斬りかかることが正しい】

 

という変な公式を持っているようだ。

 

「兄さんが間に入ってくれたおかげで助かったが。」

 

「まあ気にするな!今が良いなら小さい事だ!」

 

「……はぁ~、もういい。」

 

呆れ果てる恭次であった。

 

だがふと士郎は真面目な顔になり、恭次に語りかける。

 

「いよいよか。恭次、なのはを頼んだぞ?」

 

「もちろんだ。俺を救ってくれたあの子たちに恩返しする為にも。」

 

「修行もしっかりな。お前なら心配いらんだろうがしっかりやれ。次に戻ってきた時はたっぷりしごいてやる。」

 

「楽しみにしているよ、父さん。」

 

それを聞いた士郎は一気に力を抜き、悪戯っぽい笑顔を向けた。

 

「あーやめやめ。こんな真面目な事は恭也の分野だ。俺のじゃねーや。」

 

そう言うと立ち上がり、リビングの向かい始めるのであった。

 

「…父さん。」

 

呼ばれた士郎は、立ち止まりすごい勢いで振り向いた。

 

顔は涙でグチャグチャで

 

「やっぱりなのはは置いて行ってくれ~~~~~~!!」

 

それを聞き溜息が絶えない恭次であった。

 

 

 

-次の日-

 

「では、行けるかなのは?」

 

「うん!バッチリだよ!!」

 

と恭次となのはは出発する旨を家族に伝える。

 

「二人とも何かあればいつでも連絡するのよ?」

 

「大丈夫だよ母さん。恭くんもなのはもしっかりしてるから。」

 

と心配と信頼を伝える母と姉。

 

「そうだ恭ちゃんからも連絡あったよ。頑張るといいだってさ。」

 

「にゃはは、恭也お兄ちゃんも相変わらずだな~。」

 

「兄さんらしいがな。」

 

口下手な上の兄の伝言。

 

「だぁ~なのは~、お父さんと離れて本当にいいのか~!?」

 

泣き喚く父。

 

恭次となのはは苦笑いしながらも、家族のありがたみを噛みしめていた。

 

「別に今生の別れというものでも無いだろう。何かあれば連絡するし帰ってくるから安心してくれ。」

 

「そうだよ!私たちのお家はここなんだから。」

 

と笑顔で伝えるなのは。

 

すると二人の足元に転送用の魔法陣が展開する。

 

「行ってくる。」

 

「行ってきます!」

 

と言葉を残し、二人の姿は消えていくのであった。

 

「全く余韻も何も無いんだから、二人とも。」

 

涙ながらも笑みを浮かべていた桃子。

 

「恭くん次に会う時はどれくらい強くなっているかな?そしてなのははどれくらい綺麗になっているかな?楽しみにしてるよ、二人とも。」

 

弟と妹の未来に期待している美由希。

 

「な~~~~の~~~~は~~~~~!!!!!!!」

 

滝のような涙を流して娘の名を叫び続ける士郎。

 

思いはそれぞれであったが、この日家族が巣立っていくのであった。

 

尚、士郎の叫びについて近所から苦情が来たことは伏せておく……。

 

 

 

-引越し先-

 

「粗方片付いたな。」

 

そう口にした恭次は自分の部屋を眺める。

 

元々あまり物が無い部屋にいたので、引っ越してきてもそれは変わる事はなかった。

 

恭次の部屋は6畳の和室。

 

丸テーブルと箪笥、あとは本棚といった余りにもシンプルな部屋だ。

 

今回恭次となのはは二人で一つの家を借りる事にした。

 

2階建ての普通の一軒家だ。

 

家賃はそれなりなのだが、二人の稼ぎなら微々たるものであったので高校に近いこの物件を選んだ。

 

食事と入浴を済ませ、恭次は片付けの済んだ自室で寛いでいると、走ってくる足音が。

 

まあこの家には今二人しかいないので、当然なのはである。

 

襖があけられそこに現れたのは高校の制服を着た妹。

 

「どうどう?おにいちゃん?」

 

似合うでしょ、褒めて褒めてといった感じの表情で恭次を見て来た。

 

その制服は緑を基調としたワンピース型で、八枚花弁のエンブレムが入っている。

 

「ああ。」

 

とそれだけの返事を恭次は返す。

 

だがいくらお互いの事が分かっても、口に出して欲しいと思うのが乙女心というもので。

 

「ムーッ。それだけなんですか~?」

 

と不満を口にする。

 

初めて袖を通し、一番に恭次に見せようと決めていたので反応が薄いのは許容できないらしい。

 

私ちょっと怒ってますと頬を膨らませるなのは。

 

時空管理局の教導隊に所属し、周りからはエース・オブ・エースと言われてはいるがまだ大人にはなり切れない。

 

女性らしく成長しても恭次の前では可愛い妹であり続けたいと思っているなのはだ。

 

分かっても言ってほしいのですと目で訴えかける。

 

そんな攻撃(?)にシスコン(本人は否定するが)の恭次が勝てるわけもなく、

 

「良く似合ってる。」

 

と口にして、頭を撫でてやる恭次。

 

その行為に顔を真っ赤にしながら喜ぶなのは。

 

「そういえば、フェイトとはやてはもうこっちに着いてるんだったか?」

 

「うん、二人とも昨日のうちにこっちに来たって言ってたよ。今日まではホテルに泊まって明日からお世話になりますだって。」

 

「二人にはこちらの方が世話になるだろうな。」

 

フェイトとはやてはなのはの幼馴染である。

 

かつて魔法に出会った時に、大きな経験をして得た大切な友達だ。

 

その時は恭次はまだいなかったので話を聞いただけなのだが。

 

「よし、今日は早めに休もう。明日は入学式だしな。」

 

「うん!そうだね。」

 

「ちゃんと着替えろよ。間違ってそのまま寝るなよ?」

 

「そんな事しないよ~。」

 

「そうか?中学の入学式の前日にた「にゃ~~~~~っ!」」

 

恭次の話を中断させるなのは。

 

恥ずかしい過去を使って、いじわるをする恭次の十八番である。

 

「もう。」

 

と言って恭次の部屋をあとにしようするなのは。

 

「お兄ちゃん、おやすみなさい。」

 

「ああ、おやすみ。」

 

と挨拶を交わし、なのはは自分の部屋へ戻っていった。

 

そして、恭次は壁に掛けてある真新しい制服を見る。

 

なのはと同じ緑を基調としたブレザー。

 

違う事はそこにはエンブレムが入っていないという事。

 

だがそんな事は恭次にとってはどうでもいい事だ。

 

「どんな困難が待っていようとも、なのはたちは俺が……。」

 

決意を胸に恭次は眠りにつくのであった。

 

ここから新たな幕が開かれる・・・・・・。

 




これからも努力していきますので、温かい目で読んでいただければありがたいです。
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