元野球選手が鎮守府に着任しました。   作:ポンセ

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物語を書くのは初めてなため読みにくい個所も多々あると思いますが、どうかお付き合いください。私も読みやすいものを書けるよう勉強していきます。


追記:書き直しました。


提督は元プロ野球選手!?

「「「「野球がしたい(なのです)!」」」」

 

 

「帰って早々いきなりなんなんだ。」

 

 

突然の来訪者。

廊下が騒がしいと思ったらいきなりこれだ。

一体何があったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことのきっかけは数時間前。

 

 

 

 

2メートル少々ほどの大きな棚がズラリと並ぶのはここ、資料室。

点在している照明は空間に薄暗さを残すものの視界を遮るほどの暗さではなく、居心地の良さを資料室にもたらしている。

 

読書好きな艦娘たちの多くは安楽椅子に揺られながら、何か人をダメにしそうなクッションに身をゆだねながら、あるいは長掛のソファに寝ころびながら。

日々の喧騒を忘れ、本の世界に耽っている憩いの空間。

 

そんな空間にひょこひょこと、若干騒がしい人影が4人。

「あった!鳳翔さんの言っていたDVDはこれよ!」

影の正体は第六駆逐隊。

そしてお目当てのDVDを見つけたのは雷。

 

 

 

 

外で遊んでいるイメージのほうが強い彼女達だが、最近はこの資料室に頻繁に出入りしている。

理由は単純。暇なのだ。

 

 

というのも。

 

彼女たちの使命とも言えた深海棲艦との戦いはとうの昔に終結している。もちろん艦娘側の勝利だ。

苛烈極まる戦いであったが誰も沈まず、失わずに勝利を得たのは幸運だ。

誰かを失っていれば終結後も悲しさは決して癒えず、つらい気持ちは日々に大きくのしかかっていただろう。

暇な時間に暇ができるのはそれだけ満ち足りた幸せな時間である証拠なのである。

 

しかしその時間が幸せだと感じられるのは過去を振り返った時。

現在進行形で暇な彼女たちはどうにかしてこの暇を潰したいのだ。

 

 

しかし、パッと考え付く暇つぶしは一通りやり終えた。

それでも暇が余ってしまう。

 

彼女たちは考えた。どうしようかと。

 

 

若干の閉塞感が漂う中、流石は長女の暁!

この行き詰まりをぶち破る方法を導きだした。

 

「そうだ!暇な時間は"きょうよう"に当てればいいのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「礼節が人を造る。」

 

どこぞの英国紳士もそう言っている。

礼節がある人間はそれにふさわしい教養も持ち合わせている。

そして暁が目指す「一人前のレディ」に教養は間違いなく必要だ。

ちなみに礼節云々は暁の座右の銘である。

この座右の銘に決めて以来、彼女は腕時計を付け始めたのはそれと関係しているのだろう。

 

 

教養は学ぶもの。

人から、本から入り口は様々。

そして彼女たちはDVDを入り口に選んだ。

 

もう少し詳しく言うと映画。

選んだ理由は4人で教養を学びながら楽しい時間を共有できる・・。

 

というのも本心だが、一番は手っ取り早くそして楽しく観れるということ。

まあ根本が暇つぶしなんだからしょうがないと言えばしょうがない。

 

 

そして彼女たちは「教養」を学ぶべく様々な映画を見漁った。

始めはそれっぽいタイトルを選んでいたがそもそも映画は娯楽を得るためのもの。

第六駆逐隊が求めるものを満たす映画はあまりなかった。

 

 

なのでだんだん脱線していく。

そしてついには「教養」(第六駆逐隊が求めるような)とはかけ離れたものまで手を伸ばすこととなる。

 

 

ちなみに直近では全身タイツの俺ちゃん系ヒーローものを観ている。

提督が知れば見るのはやめるよう言っただろうが知らなければどうとも言えない。

まあ年齢制限も余裕でクリアしてる時点で言われる理由もないのだが。

 

 

 

そして脱線を重ねた結果、とうとう興味を引くような映画がなくなってしまった。

しかし、未だ暇は無くならない。

 

 

 

再び4人は行き詰った。

あーでもない。こーでもないと昼食のテーブルを囲みながら話し合う。

されども画期的な解決策は出てこない。

 

そんな4人を見かねて声をかける艦娘が一人。

 

「プロ野球の試合なんてどうでしょうか。」

昼はランチもやっている「居酒屋鳳翔」の店主鳳翔だ。

 

 

「プロ野球の試合?」

思わず首を傾げる4人だが、目の前にいるのは確かな教養を持った正に一人前のレディ。

いい加減考えるのも疲れていた4人にとって天啓ともいえる彼女の意見は即採用となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なんでも司令官が関係しているらしいわ。」

 

一つ言っておくと、この鎮守府の提督は艦娘間の人気が非常に高い。

それは信頼、尊敬、LIKEからLOVEまで幅広く人気がある。

精悍な顔つきからがっしりとした、しかし大きすぎない締まった体格、高い身体能力に加え性格も真面目とくれば人気なのもまあ納得。

ともなれば、ある程度来歴等を知っているはずなのだが・・・。

 

「そういえば司令官さんが鎮守府に来る前、何をしていたのか知らないのです。」

彼女たちが知っているのは「提督」としての彼であり、それ以前の彼のことを知らない。

 

 

戦時中はそんなことにかまっている余裕もなかったが今は余裕だらけ。

知りたい欲も顔を出してくるのは当然だろう。

 

 

 

「がっしりとした大きい体と高い身体能力。そしてプロ野球・・・ハラショー司令官が何をしてたのか読めたよ。」

「奇遇ね響。私もちょうど思いついたのよ。」

なにかに感づいた様子の響とドヤ顔の暁。

 

どうやら雷と電も勘づいているよう。

 

「昔提督が何をやっていたかについてでしょう?せっかくだからせーので言いましょう。」

「了解した。」「「せーの」」

 

 

「「「プロ野球選手」」」「プロ野球ファン!!」

 

 

「暁・・・」「野球ファン・・・」「発想が貧困なのです・・・」

「ちょ、ちょっとジョークをかましただけよ!本気じゃないわ!」

 

ならばあのドヤ顔はなんだったのか。そう思いながらいつものように流す。彼女たちにはいつものやり取りである。

 

「とりあえずDVDを見てみよう。そうすれば提督の何に関係しているのかわかるよ。」

 

響に促され4人は部屋へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さっそく見てみましょう!」

部屋につくなり慣れた手つきで雷がDVDの操作を始める。手早く準備しDVDを挿入。すると・・・

 

 

 

 

 

 

デーデデデン!デッデンデッデーデッデーデッデン!

テンポのいい音楽とともに野球選手たちの躍動感あふれるプレーの映像が流れる。

 

 

「さあ!本日の対戦カードは現在首位を走る「読日ドライアンツ」対するは首位と2ゲーム差で3位につける「燕神タイローズ」!なかなかの好カードになりました!」

 

「どちらも前のカードで3連勝を決めていますからね。現在の順位に関係なくどちらが勝ってもおかしくない試合になるでしょう。」

 

「なるほど!それを予感してか球場にいるお客さんたちのボルテージも高まる一方です。」

 

 

実況と解説がこの試合の見どころや両チームの先発を紹介していく。

映像では選手たちのウォームアップ姿が映し出される。

 

守備練習の締めにキャッチャーが2塁へ送球したあと、ウグイス嬢のアナウンスが球場に響き渡った。

 

 

「一回の表 ドライアンツの攻撃 一番センター福端由之助 背番号21」

 

 

打席へ入るのは精悍な顔つきをした一人の青年。

10代というには少し老けてるが、20代後半というには若い。おそらく歳は20代前半だろう。

大きく素振りをすると左打席へ入る。

 

 

「少し若いけどこれ・・・司令官さんなのです!」

「響の予想通りね!どうりで体つきがガッシリしているわけだわ」

 

 

毎日見てきた顔だ。

多少若くともすぐにわかる。

 

 

 

 

「さあ一番バッターはドライアンツの切り込み隊長福端!ルーキーイヤーから今シーズンまで3割10本20盗塁を下回ったことはないという成績。」

「さらに言えば高校卒業からここまでフルイニング出場!まさに理想の1番バッターなのではないでしょうか。」

 

「甘い球は逃しませんが早打ち凡退は少なく、粘りのあるバッターですからねぇ。加えて盗塁もうまいので相手ピッチャーからすればぁ・・・塁には出したくないうっとおしい相手でしょう。」

 

 

 

高卒選手がルーキーから成績を保っている以上、その才能は疑いようがない本物。

そこに加えてグッドな見た目。

球場の歓声は福端の入場と同時に膨れ上がる。大人気選手の一人だ。

 

 

「ハラショー。歓声が大きすぎて音声が割れてるよ。」

 

 

 

奥まで響く音声に思わず耳を塞ぐ響。

TV越しでこの音量だ。球場の中心で歓声を浴びる選手たちはどうにかなってしまうのではないか。

しかしさすがはプロフェッショナル。ピッチャーは顔色一つ変えず投球モーションに入る。

 

 

 

 

 

「1球目真ん中高めストレート!判定はストライク!球場のスピードガンは148キロを計測しています!」

 

 

 

 

「148キロ・・・結構速いわね。」

 

「ハラショー。」

 

 

 

呟く雷とそれに同意する響。

どうやら彼女のハラショーは状況によって意味が変わる万能言語らしい。

 

 

 

 

「生身の人間でもあれだけ速い球が投げられるのですね。」

 

「艦装があれば私たちも出せるけど・・・それにあんな距離から打ち返すなんて司令官はできるのかしら。」

 

 

電・暁の口ぶりからするに二人は野球の試合を見たことがないようだ。

とても見入っている。

 

 

彼女たちの瞳にほのかな熱が灯る。

今の一球だけでも十分魅力的だったのだろう。

 

そして表情はある期待を隠せていない。

 

 

(鳳翔さんが勧めてくれたってことは・・・。)

 

(司令官さんが活躍する場面もあるのでは?)

 

(打つのかな。打つのよね。)

 

(ハラショー。)

 

 

打席に立つ司令官への期待が高まる。

4人とも司令官のちょっといいところが見てみたいらしい。

 

 

そしてピッチャーは振りかぶる。

固唾をのんで画面を見入る中、彼女たちの今後を決める決定的な瞬間が訪れた。

 

 

 

「ピッチャー第二球目を・・投げた! 打った!」

「一閃!どうだっ!もう見送っている!入ったー!レフトスタンドへ一直線!ライナー性の凄まじいホームランです!」

 

「いやいや・・・すごい勢いでしたねぇ。お客さん危ないんじゃないんですか?」

 

 

 

司令官のスイングから放たれた打球は低い弾道を保ちながらその勢いを増し、あっという間にライトスタンドへ突き刺さる。

打った瞬間というやつ。ホームランだ。

 

 

より一層ボルテージを上げる球場の歓声。

そしてTVの前でも。

 

 

 

「見た!?見たわよね電!!151キロ!!151キロをホームラン!!さっすがは司令官!!鋼の肉体は伊達じゃないわ!!」

 

「すごいのです!!あんな距離からスタンドまで飛ばすなんて・・・。」

 

「これはスパシィーバだ。」

 

「うおおおおお!!」

 

 

 

およそレディとは思えない叫び声。

暁も思わず両手を挙げて歓声を上げる。

ほのかな熱は強い輝きに変わる。司令官の放ったホームランは彼女達を魅了するには十分だった。

 

 

 

「今のホームランのリプレイをご覧いただきましょう!!」

 

そして画面は司令官のホームランシーンへ移り変わる。

 

 

 

「151キロのボールをインパクトの瞬間までしっかりと目でとらえているわ!」

 

「あの打球は腕力だけで・・・いや左足を軸に腰もうまく連動させて力を伝えているわね」

 

「ただバットを振っているだけではないのです」

 

「これはスパシィーバ。スパシィーバだね。」

 

 

流石は深海棲艦と闘ってきた戦士だけあって、見た目は幼くとも観察眼に優れている。

スロー再生とはいえ一回見ただけでスイングの構造を分析している。

 

 

 

 

「DVDの再生時間は4時間。長丁場になりそうね・・。間宮さんからジュースとホットドックもらってくるわ」

 

4時間飲まず食わずは流石に辛いと判断したのか。暁が席を立つ。

 

「ハラショー。だったら私も行くよ。雷と電は何がいい?」

 

暁に4人分を運ばせるのは危険と判断した響も席を立つ。

 

 

 

「私はカレーがほしいわ!」「私はロコモコ丼がほしいのです」

 

 

「ハラショー。いこう暁。」

 

「ねえ、そのハラショーってわかったって意味?」

 

「ハラショー。」

 

「・・・まあいいか。勝手に見ちゃだめだからね!」

 

そう言い残すと暁・響の二人は間宮へ食べ物をもらいにいった。

 

 

 

 

 

「・・・響のハラショーってどんな意味なのかな。」

 

「ニュアンスで使ってるから深く考えないほうがいいのです。」




物語を書くというのは予想以上に難しいですね。
読みやすいものを書けるように頑張ります。
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