元野球選手が鎮守府に着任しました。   作:ポンセ

14 / 64
3000字は無理


やりたい気持ちに理由はいらない

「早速だが、鎮守府内ペナントについての話は聞いているか?」

 

 

私は現在第六駆逐隊の4人と「喫茶間宮」に訪れている。

この「喫茶間宮」とは鎮守府内にある飲食店のことであり、朝昼晩の三食からデザートまで何でもござれの万能店である。

ごはん時ならば「喫茶間宮」、落ち着いた雰囲気と酒をたしなみたいのなら「居酒屋鳳翔」といった具合にこの鎮守府ではうまい具合に飲食店の差別化が図られている。

 

なぜ執務室ではなく間宮に足を運んだのか。

堅苦しい雰囲気の中では思い通りに自分の本心を話せないというものだ。そこで、おいしい食事と和やかな雰囲気のあるこの間宮ならば、多少なりとも話しやすいのではないかと思いここを選択した。私なりに機転を利かせてみたわけだ。

 

「昨日、長門さんと赤城さんから聞いたのです。」

長門に赤城か・・・また妙に威圧感のある連中が話に行ったものだ。

 

「そうか。ならば話ははやい。鎮守府内ペナントレースのチーム。その一員として参加してみる気はあるか?」

私は遠回りをしながらやんわりと話を進めるのが苦手だ。唐突な質問になるかもしれないがはっきりと質問することが私にとっては一番伝わりやすい。

・・・しかしいきなり核心をついてもちょっと答えずらいか・・?

もう少し雑談を挟んでから本題に触れたほうがよかったのだろうか。

 

「「「「ある(のです)!!!!」」」」

 

「・・・・」

悩んで答えが返ってくるものだと思ったのだがこの返しは意外だった。

あっけにとられて思わず言葉に詰まってしまう。

 

「まだ野球を始めて1日目だけど・・・」

「司令官がこのスポーツに己の人生を賭けた理由がなんとなくわかった気がするよ。」

「ほかの鎮守府の艦娘がこんなになにかにのめり込んだなんて聞いたことないわ!」

「もしかしたら司令官さんと私たちの絆なのかもしれないですね。」

 

各々が口々に自分の思いを述べる。

 

「それに・・・平和な毎日は好きだけどなんか刺激が足りないんだ。」

「艦娘の性・・・なのかもしれないわね。もともと戦うことが最大の目的だったわけだし・・・」

「だからこそペナントレースの話を聞いたときは心が湧いたわ!」

「昨日見た試合に移っていた選手の方々は、司令官さん含めてみんな本気で戦ているいい表情をしていたのです。」

 

平和ながらなにか物足りない日々。そんな中に現れた深海棲艦とは違った形の戦い。

 

「なんで野球がしたいかって言われると・・・ちょっとピンとこないんだけど・・・」

「それでも野球がしたいのです!」

「さっき電が言ってたように司令官との絆なのかもしれないね。」

「・・・細かいことは苦手だわ!一人前のレディーだもの。はっきり言うわ!」

 

「「「「私たちは野球がしたい(なのです)!」」」」

 

「・・・途中でやめたいと思ってもほかのものに迷惑がかかる。そう簡単にはやめられないぞ。」

「大丈夫!!深海棲艦との戦いも投げ出さなかったのよ!?野球を投げ出すわけないじゃない!!」

そういえばそうだった。私もすっかり平和ボケしていたらしい。この子たちがどれだけつらい戦いに身を投じていたか・・・すっかり忘れてしまっていた。

「そうだったな。野暮な質問をしてすまなかった。・・・よし!やるか。鎮守府内ペナントレース。」

「「「「!」」」」」

いろいろ考えることがあるからな。久しぶりに頭を使うことになりそうだ。

「ペナントレースやるの!?ほんとに!?」

「ああ。やるといったらやる。幸い今は時間が有り余っているからな。わりと大きい規模でできそうだ。」

「い・・意外とすんなりと決まったね。」

「司令官さん・・・そういえば意外に即断即決だったのです。」

「とりあえずペナントレースに関しては明日の朝に連絡する。」

「司令官。今日もグラウンドで練習に付き合ってはくれないかい?今度が打撃練習がしたいんだ。」

「うむ・・・すまないが今日は付き合ってはやれない。が、グラウンドにはいくといい。もしかしたら誰かが練習しているかもしれない。そこで勝手を教えてもらうといい。」

「残念だけどわかったわ!」

「そうと決まったら早く練習に行くのです。」

「司令官が私たちのバッティングを見たらびっくりするくらいうまくなってくるわ!一人前のスラッガーになるんだから!」

 

各々注文したものを食べ終わると一目散にグラウンドへと駆けていった。

「・・・なんだか思い出すな、昔のことを。」

彼女たちの後ろ姿に昔の私を重ねてそう口にする。今度は選手としてではなく運営する側としての参加だが、それでも私の心は浮足立ってワクワクと湧いていた。

「・・・そういえば今日は叢雲が打撃練習に行くとか言っていたな。」

私が教えるよりもずっといいコーチだな。これなら安心して自分の仕事ができる。

「とりあえず皆の簡単な実力が知りたいな。・・・朝はペナントレースの連絡をするとして、空いているなら昼からでも合同練習を企画してみるか。」

私一人では心もとないな。鳳翔さんと間宮さん。大淀と・・・

「香取先生にも協力を仰いでみようか。」

 

鎮守府内ペナントレースか・・・チーム数の関係で1リーグしか作れないが名前がほしいな。

「艦娘によるリーグ・・・」

「カ・リーグなんてどうでしょうか?提督?」

「カ・リーグか・・・いい名前だ。装用させてもらうよ、間宮さん。」

「よかった。少し自信があったから採用されなかったらどうしようかと・・・。運営に関しては私もぜひ協力させていただきますよ?」

「あぁ。こちらも協力を仰ごうとしていたところだ。」

非常に話が早い。これほど有能な彼女たちが運営にかかわってくれるのならば「カ・リーグ」もきっとプロ野球に負けない盛り上がりを見せるだろうな。

とても楽しみだ。




文字数が多いとただでさえまとまらない文章がさらにまとまりません。
次の合同練習・・・うまく書ききれるのでしょうか・・・?精進します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。