「というわけで鎮守府内ペナントレース、通称「カ・リーグ」を開催することとなった。選手として参加するものはこれまで以上にコンディションを整えるよう日々の生活に気を使うように。なにか、質問のあるものはいるか?」
「間宮」でのカ・リーグ開催決定の翌日、提督は作戦会議室に艦娘を全員集めてリーグ開催宣言を行った。突然の宣言に戸惑う艦娘が多かったがすぐに戸惑いは歓声に変わった。
「ようやく・・・!ビックセブンの腕が鳴るな!!」
「あらあら。」
「気合!入れて!打ちます!」
「一航戦には負けてられないわね・・・!ねえ!翔鶴姉!!」
「そうね。頑張りましょう、瑞鶴。」
「広報、ヒーローインタビュー、実況・・・やることはいろいろありそうですねぇ。」
各々が口々に思いを述べる。その中にはおそらく選手では参加しないであろう艦娘も期待に胸を膨らませた姿を見せていた。
参加する艦娘はともかく、参加しない艦娘までもがここまで盛り上がるとは・・・
思った以上の野球人気に提督も思わず舌を巻く。
「質問がないのなら今日はこれで解散だ。いろいろ準備があるからな。細かに連絡を掲示していき、予定としては一か月後に初試合を行いたいと計画している。」
「提督。」
そう声を上げたのは戦艦の「大和」
「なんだ大和」
「チームはどのように編成されるのでしょうか。」
なるほど、チームのメンバーがわからなければ連係の練習もできない。それでは試合に臨むことも難しいだろうな。
「鎮守府内にはすでに4組のバッテリーが存在している。その4組を中心に戦力を分散させたバランスのいいチームを編成しようと考えている。姉妹艦が必ず同じチームになるとは限らないからその辺は頭に入れておいてくれ。チームメンバーの発表は後日、掲示板にて発表するからしっかりと確認しておくように。というところで大和、君の質問にはこたえられただろうか。」
「はい。納得のいく答えを得られました。ありがとうございます。」
「今のように、私の用意した説明ではわかりにくいところが点在していると思う。不明瞭な点があったらどんどん質問してほしい。いつでも受け付けている。」
自分の視点だけでは抑えきれない部分は当然存在する。他者の質問を利用することによって抑えきれなかった部分を埋める。コミュニケーションも取れて一石二鳥だ。
「質問はないか、だったら今回はこんなところだ。以上、解散。」
解散の指示が出ると足早に部屋から去っていく。
「あんなに急いで・・・今日は何かあったのか?もしかしたらあまりよくないタイミングで読んでしまったのか・・・?」
まずかったかなと呟く私を見て横に控えていた叢雲が
「違うわよ。あんたがリーグ戦やるっていったからみんな練習やら道具の新調やらにいってるの。別にタイミングが悪いとかないから心配しなくていいわよ。」
「そうか。それならよかった。」
流石は叢雲。頼りになることこの上ない。
「リーグ戦の前のチーム分け、結構重要なイベントよね。楽しみにしているわ。」
そういうと叢雲も部屋から退出していった。その際「私のカラーにあったグラブがほしいわ」という独り言を何かに向かって言っていた。おそらく妖精に装備品の新調を頼んでいたのだろう。
「私も頑張らなければな。」
そうつぶやきながら「居酒屋鳳翔」へと足を進める。鳳翔さん、間宮、香取先生、大淀の4人と今後の話し合いがある。昼間は店が閉まりつつ、小腹がすけば鳳翔さんの一品料理が出てくる何ともいい空間だ。
「執務室もあそこにしようか・・・。」
心のどこかでやはりカ・リーグが楽しみなのだろう。柄にもなく冗談をつぶやいていた。
今回よりあとは艦娘の個別イベントのお話になります。
まずは1組のバッテリーのお話から。
1話完結ではありません。これからもよろしくお願いします。