元野球選手が鎮守府に着任しました。   作:ポンセ

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今回から各選手の成績が出てきますがそれは妖精さんが作った「特製バッティングマシーン」の機能の一つ。自分の希望する打順を設定。そしてそれに応じた過去のプロ野球選手のデータや試合のシチュエーションを一打席ごとにランダム選出。それを500打席程、プロ野球のワンシーズン分繰り返す。

その時の500打席分の成績が今回から出てくる各艦娘の成績という風にこの物語の中ではなっています。

実際はパワプロで作った選手にお任せで能力に応じた成績を付ける機能を使用して出ているデータですのである程度能力に見合ったものが出ているはず?だと思います。


岬ビックナインズ VS  鶴翼ウィングス 第一回戦 (2)

「さあ始まりました!待望の初試合は加賀・長門率いる「岬ビックナインズ」対翔鶴・瑞鶴率いる「鶴翼ウィングス」!因縁渦巻く一戦ですねぇ!提督さん!」

「因縁・・・っていっても主に加賀と五航戦の二人なんだがな。」

マウンド上に整列しているときにも若干の煽り合戦があったようで、しかも「加賀対瑞鶴」ではなく「加賀対翔鶴」だったみたいだ。

 

「戦意が高揚しているのはいいがあまりいがみ合うのは良くない。今後このような光景が続くようだったらなにか対策も取らなくてはならないかもな。」

「まあ香取先生がしっかりといさめてくれていたので問題はないでしょう。」

「まあ・・・大丈夫か。」

深く考え込むようなことでもあるまい。今は私自身がうまく解説をこなせるように取り組む必要がある。

 

「では今日のスターティングメンバーをご紹介しましょう!先行のビックナインズは

1番 セカンド   時雨

2番 センター   電

3番 ショート   夕立

4番 キャッチャー 長門

5番 サード    高雄

6番 ライト    大井

7番 ファースト  山城

8番 レフト    夕張

9番 ピッチャー  加賀

 

そして後攻のウィングスは

1番 セカンド   響(ヴェールヌイ)

2番 サード    叢雲

3番 ファースト  愛宕

4番 ショート   金剛

5番 ライト    那珂

6番 センター   足柄

7番 レフト    暁

8番 キャッチャー 翔鶴

9番 ピッチャー  瑞鶴

 

となっています。」

 

「野手陣は基本8人しかいないため大きなメンバー変更はおそらくないだろうな。まあ中には複数の守備位置を守れる器用なものもいるため、守備位置の変更やその日の調子で打順変更なんかはこれからいくらかあるんじゃないか。」

現在マウンドでは後攻側のピッチャーが投球練習をしている。

「放送席から見る限りでは特に好不調があるようには見えないな。」

マウンド上のピッチャーを見ながらそうつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い起こすは「無敗」の投手。一人で貯金を24作るという規格外の成績を残した鷲の誇る大エース。決め球のSFFを武器に、海を渡り野球の本場で今もなお輝かしい活躍を続ける大投手。そんな名選手をほうふつとさせる投球フォーム。

 

 

五航戦2番艦 瑞鶴

 

 

 

 

「瑞鶴の球は今日も変わらず走っているようだ。」

「さっきから受ける翔鶴さんのミットがすごい音を立ててますねぇ。」

 

他愛のない会話をしていると主審の香取先生から「プレイボール!」試合開始の合図が上がった。

 

「さあついに試合が始まりました!ビックナインズの先頭バッターは「時雨」!提督さん、時雨ちゃんとはどういうバッターなんでしょうか?」

「私の印象としては俊足巧打、選球眼もよく非常にクレバーなバッターだ。また、特に付け入られる隙もない。相手からすれば攻略が難しく、味方からすればとても頼りになる選手だろう。」

「妖精さん謹製のバッティングマシーンでの成績は.313 7本 51打点。」

「ハイアベレージ、1番で設定していたことを考慮すると51打点というのはなかなかチャンスの強い理想的な1番バッターだ。」

 

時雨について端的に説明していると時雨がゆっくりバッターボックスへと入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その構えは竜の誇る名ショート。

経験に彩られた攻守はともに見る者を魅了するいぶし銀。「右打ち」と言われれば真っ先に思いつき、その精度は他を寄せ付けない確実性を誇る。

2000本安打に王手をかける名選手をほうふつとさせるバッティングフォーム。

 

白露型 2番艦 時雨

 

 

 

 

(本当に彼女らは何も参考にしていないのだろうか。)

うちの鎮守府の選手は皆フォームが往年の名選手を思い起こさせるものばかりだ。

「参考にしたのか。」ときくと皆一様に「最初にとった構えがこれだった。」という。

(・・・うちの鎮守府はどうなっているんだろうか。)

 

 

「バッテリーはいかに少ない球数で楽に抑えるのか。時雨はいかに出塁をするか。それがかなわなければ少しでも多くの球数を使わせる。少なくとも初球で凡退というのは後続へ悪い雰囲気を流すことになり相手バッテリーはいいリズムに乗ってしまうかもしれない。とはいえ、甘い球が来たら初球からでも打っていくべきだと私は思う。中々難しいところだが、そこら辺を時雨はどう判断していくのか楽しみでもあるな。」

 

「打ち逸るのは良くないが簡単に見逃すのもまたいかがなものか・・・ですか。なんだか判断に迷いますねぇ。」

 

「今までの経験や自分の持つ技術への自信。そういった要素が打席の中では生きてくる。練習中に培った技術はもちろん、今までの自分への自信を大きく持って臨んでほしいな。」

彼女たちは文字通り「命がけの戦い」を制してきた者たちだ。それ相応の胆力や勝負勘なども持ち合わせているはず。少なくとも縮こまって本来の力が出せないということはないだろう。

「是非とも見ごたえのある試合をしてほしいと思っている。」

 

 

 

(・・・この試合のために瑞鶴さんに似たピッチャーはシミュレーションで何度も対戦してきた。)

 

「平成の怪物」を始めとした速球派ピッチャーを中心に練習をこなしてきた時雨。

最速155キロのストレートと言えど速度に押されることはないという自信はある。

 

(優先することは塁に出ること。簡単にアウトにならないこと。少しでも粘ること。)

 

先頭打者の役割はプロで第一線を張ってきた提督から聞いている。

「その日の試合のムードを決めるのは少なからず先頭打者が担っている。」

 

(簡単にアウトになっては相手バッテリーが勢いづく。初球凡退は論外だね。

速い球に負けないようスイングはしっかりと振り切ることを心がける・・・だったら)

スイングの瞬間まで迷いがあっては振りきることはできない。

(狙い球を絞る。初見でストレートを捕らえるのは少し厳しいかな。かといってカウントを取りにくるような球は一打席の中で多くは投げないはず。)

 

時雨の中で決意が固まる。

(狙うはスライダー。)

意識をしっかりと固め瑞鶴に向かう時雨。その迷いのない姿に当てられてか、瑞鶴からも闘志があふれ出す。

 

(時雨、いい顔つきをしてるわね。)

思わずたじろぎそうなほどの清澄な闘志。しかし瑞鶴は怖気づくことはない。

ゆっくりと投球モーションへと入る。

(出ばなをくじく!必ず抑える!)

 

 

 

「さぁ、瑞鶴!第一球を・・・投げたっ!真ん中高め145キロのストレート!判定はストライク!」

「・・・今のは・・なんだ。ストレートか?」

今のストレートに違和感を覚える。

「?何かおかしなところがありましたか?」

「いや・・見間違いかもしれないな。」

 

比喩表現でならいくらでもあった球筋だが、実際には見たことがない。

 

(手元でボールが浮き上がった気がしたが・・・うーん。)

リプレイの角度からではいまいちよくわからない。

何にしてももう一球見てみる必要がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・瑞鶴さんのウイニングショットは変化球だったはず。でも今のはいったい・・・!)

打席で見た時雨ははっきりと理解していた。今瑞鶴から投じられた球の異常性を。

 

 

(今のストレートは確実に・・・浮き上がってきた・・!)

 

 




「なんとか週一投稿を・・」

うそを言って申し訳ありませんでした。
予想以上に忙しくなかなか取り掛かることが・・・。



暇を見つけては投稿していこうと思いますので、これからも引き続きよろしくお願いします。

一球ずつ紹介していくのはそのうち変わりますので多少の間延びはご勘弁を・・。
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