この物語の世界観については後日、別の話で説明します。
グラウンドに到着すると第六の4人がすでに門の前で待っていた。
「司令官!あんまりレディーを待たせるものじゃないわよ!」
「仕方がないだろ。車で来るには遠回りの道しかないんだ。」
ちなみに徒歩ならば5分、車だと道の関係上15分くらいかかってしまう。
「道具を持ってくるからには車で来るのが一番手っ取り早いしな。」
そういいながら私は後部のトランクを開ける。
「というわけでこれが君たちのバット、グローブだ。」
そういって差し出したケースの中には4人分のバットとグローブが用意されていた。
4人のイメージカラーなのかそれぞれ色が違った。
「おお。サイズがぴったりだよ。」
「司令官に手のサイズなんて教えたかしら。」
「妖精さん特製の道具だその辺はしっかりと作ってくれたんだろうな。」
流石は万能の小人たち。優秀な仕事っぷりには相変わらず驚かされるばかりだ。
「流石は妖精さんなのです!」
「道具もそろったことだし・・・さっそく野球をしましょ!司令官!」
そう言ったのはグローブを左手にはめ、右手にはバットを握りしめそわそわしている暁。
前から思っていたことだが、4姉妹の中で一番子供らしいのは彼女なのではないか。
・・・三球三振をしている姿が容易に想像できる。
「まぁ待っていろ。」
そう言うと私は「グラウンド使用名簿」に目を通す。
・・・なるほど。どうやら「先客」がいるようだ。
「まずはブルペンにいこう。君たちの先輩がちょうど練習をしてるしな。一回見てみるといい。」
「え!?私たちが一番初めの野球人じゃないの!?」
野球人とはいったい・・・
「あー・・・第六駆逐隊はちょうど大規模遠征にいっていたか。知らないのも無理はないかな。5か月くらい前からだったかなあ、この鎮守府では野球が流行ってるんだよ。」
「知らなかったのです。」
大規模遠征とは一年に二度行われる他鎮守府との合同遠征であり、内容は遠洋基地への長期着任、洋上の警備、深海棲艦が出現した場合はこれの撃滅、大雑把にいえばこんな感じである。一見危険があるように見えるが、深海棲艦側の主力である「人型」は我々の参加した戦いで完全殲滅に成功している。残っている敵勢力は駆逐艦くらいであり、その行動も完全に把握できているためまず「轟沈」なんて危険性は皆無である。年に二回、1グループが派遣され、今回は第六駆逐隊の順番だったということ。
その遠征に派遣されていたため鎮守府内の流行を知らなかったのだ。
「5か月間のハンデが私たちにはある・・・。」
一気に表情が暗くなった暁。ポーカーフェイスはまだ練習中らしい。
「まぁ、艦娘は今のところみなセンスがいい。経験の差はなかなか難しいが、偽jつ的なところはすぐに追いつくんじゃないか?」
「ま、まあそこらへんは一人前のレディーだし!なんとかなるわよ!」
まあ実際に艦娘はセンスがいい。この子たちも例に漏れないだろう。
そんな話をしながら一行はブルペンへと向かう。
「野球は投手といわれるくらいに投手は重要だ。始める前に見ておくのもいいだろう。」
ブルペンに近づくにつれ、「パンッ!」という乾いた音が響いてくる。
ブルペンのドアを開けるとそこには二人の人影が
パンッ!「ナイスボール!!」
整った顔立ちとかけているメガネはどこか知的な雰囲気を醸し出す。受けるたびに乾いた音を響かせるのはキャッチングが優れている証拠なのだろう。投げる投手も気持ちよk投げられるというものだ。「日本球界最高のキャッチャーは?」と問われれば間違いなく名前が挙がる名捕手。打撃も優れ、投げれば驚異の盗塁阻止率。打線VSキャッチャーと銘打たれるほどのリード。燕の誇る最高のキャッチャー。そんな選手をほうふつとされるたたずまい。彼女名前は・・・
「金剛型 4番艦 霧島」
「次!サークルチェンジいくよ!」
身長が低く顔もどこか幼さが残るオーバースローの右腕。明るい声と高いテンションからどことなく女子大生を思い起こさせる。
投げ込んでいる球は見るからに球質が重く、小柄な彼女から繰り出されているとは思えないほどである。
メジャー通算300勝以上の大投手を思い起こす特徴あるダイナミックなフォーム。
そんな躍動感あふれるピッチャー・・・
「蒼龍型 1番艦 蒼龍」
この日第六の4人は、間違いなく一流の「プロ野球選手」の力を持った選手と出会うことになる。
もっと字数を増やしたいんですけど・・・大変です。