ガメラ〈4〉 ~再誕する神~   作:ジュンチェ

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ガメラぁぁ!50周年ぱねぇっすよぉ!!!!?


話題のあのPV…迫力スゴすぎ。ギャオスがなんかリドリーみたいになってて、敵怪獣とかガメラとかすごすぎるおぉぉ!!


個人的に内容は平成一作目を再構成した内容になると予想。舞台も同じ東京だしね。いやあ、楽しみ楽しみ。


そして、遅いながらなんとか投稿です。感想おまちしてます!はい………





旧京都 後編

「…動かないで。」

 

馬乗りされた背後から聞こえた声は少女のようであった。かろうじて、視界の端に映るのはカウボーイ帽のシルエットにサバイバルナイフらしき刃。抵抗しようにも、凶器の持つ相手には迂闊に動けない…

それを確認したのか、少女は一気に刃を降り下ろし切っ先を突き立てた。

 

「…うっ!?」

 

グサリと首筋に刺さった痛みと血が流れていく感覚…でも、命を奪うようなものではない。すると、兜の背に乗っていた彼女は彼を解放して立ち上がるとサバイバルナイフの先端に貫かれた本来の獲物がいた。

 

「毒虫……。」

 

まだ、カサカサと数本の脚が動いているが…蜘蛛だろうか。何の種か兜には分からないが、タランチュラを小ぶりにして刺々しくしたような蟲を少女はギャオスの頭蓋に擦り付けて、腰のポーチから小瓶を投げ渡す。

 

「…薬、塗っといたほうが良いよ。」

 

「…っ!?」

 

何なんだこの娘は?動転しながら兜は薬を受け取って一応、自分の命の恩人の姿をマジマジと見た。

カウボーイ風な服装に短い金髪に白い肌……碧の瞳。西洋的な顔立ちだ…というより、日本人ではたいだろうが語る日本語は先といい悠長だ。

 

「…お?やあやあ、探したよ。」

 

そして、 今更かよとノコノコと現れた倉田。どうやら、少女も反応をする様から知り合いであるらしい……いや、待てよ?確かこの男は『彼女』を捜すと言っていた。こんな場所に普通、少女どころか人間すらまずいるわけが無い。となれば……

 

「紹介しよう、兜くん。『マヤ・ブレア』くんさ。」

 

「は?」

 

「私が捜していたのは彼女だよ。」

 

マヤ……つまり、このいきなりヒトの首を刺してきた彼女が倉田の目的。対する少女は来訪者たちに素っ気なくサバイバルナイフを腰のポーチにしまうと、かわりに小瓶をいくつか取り出して倉田に渡した。

 

「これ……頼まれてたの。」

 

「クク、ありがとうね。ああ、兜くん…気にすることはない。私は彼女にこの旧京都一帯でサンプル回収の仕事を任せているんだよ。」

 

「サンプル…?って、もしかしてこの娘、旧京都に住んでるのか!?」

 

サンプル…まあ、ろくでもないものだろうが、驚きなのはギャオスの生息圏とされる旧京都で生活など、猛禽が舞う空の真下の荒野で生活する兎……要は食べてくれと言わんばかりだ。すると、マヤは未だに腰を抜かす兜を起こしにかかり告げた。

 

「私はここで生きている。ここから逃げても、宛は無いもの。」

 

「いや、だってここじゃ食べ物だって………って、まさか…」

 

ふと、ここである予感がよぎる。振り向けば、倉田がクククと笑いながらご名答っという具合の顔をした。

 

「そう、食べ物や水とかは私が提供している。サンプルの見返りにね。なんせ、我々のように安全な地域にいる人間ではこういったものが簡単に手に入らないからね。」

 

ビンの中身をちらつかせながら笑うこの男に悪魔の面影をみた兜。透明なガラスに密封された中のドス黒い『ナニカ』は明らかに生物を由来させるが、普通のものじゃないと直感的に感じる。今になっても未だに思うがこの男、何者か解らない。一体、自分をこの旧京都に連れてきて何が目的なのか……

悩む兜をよそに、マヤは兜たちが来た道を向かおうとする。

 

「行きましょ。そろそろ、ここらへんにも『親』がくる。」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ギャオ!!!!』

 

 

 

「!?」

 

 

その時、聞き慣れたくはない鳴き声が響き兜は顔をひきつらせた。そうだ……ここは本来なら人がいない場所。いない理由は空を舞う人食いがいるからである。真っ青になりながら逃げるように倉田たちと彼は来た道を引き返していった…。

 

 

 

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

 

 

旧京都郊外上空……

 

 

「アルファ、ヴェーダ…ここは死守せよ!」

 

3機ほどの戦闘機が茜色に染まる曇天とその上との狭間で何度も輪を描いたりと空中戦を繰り広げていた。目の前はギャオス……ギャオス……ギャオス……

 

激しい機関銃の唸りも、悪魔たちの鳴き声にかき消される中……パイロットたちは必死に視界を動かし、操縦を持てる限界の技量で行って迫りくる超音波メスを回避する。

 

「くそ!ゲートはまだ復帰しねぇのか!?こちら、アルファ!!いい加減、時間稼ぎも限界だ!はやく、応援をよこしてくれ!」

 

【こちら、本部。応援はだせない。現存戦力で対処せよ。】

 

「ふざけんな!俺たちに死ねってか!?ぐおおおお!!!!!!」

 

数は敵が上。残弾も残り少ない……。確かにギャオスは機銃で殺せないわけではないが、飛び道具に空中での機動性…何よりも数の暴力が凄まじい。こんな事態にならないためのゲートも、ドラゴのおかげで滅茶苦茶……今や、怒涛と押し寄せるギャオスを拙い鉄の羽で抑えるしかなかった。

 

『ギャオッッ!』

 

「…っ!」

 

左翼の先端を光線がかすめる……。計器が警告を鳴らすが気にしてられない。標準をあわせて、目についた個体から叩き落とす。生憎、視界は的に困ることなしとギャオスだらけ。問題は弾が無くなれば自分はおしまいだということ。

 

「…死んでたまるかっ!」

 

エンジンに悲鳴をあげさせる……身体にもGで悲鳴をあげさせる……。右へ、左へ、容赦なしに生をたぐりよせようとパイロットは足掻く。しかし、死は非情に彼に牙を剥く。

 

『ギャァ!!』

 

「!」

 

機体に衝撃がはしったと思った瞬間にキャノピーの頭上におぞましい顔が見えた。翼を腕がわりに機体にしがみつき、白濁した眼が獲物を睨む。どうやら、機体に取りつかれたようだ。

パイロットはすぐに振りはらおうと機体を強引に回転させたり、上昇や下降を繰り返したりするが…ギャオスは離さず口を開け、光を灯す。超音波メス…いくら、戦闘機のキャノピーが頑丈でもこれには耐えられない。

 

『ギャァァァ………!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴオォォォウ!

 

 

 

 

 

「あぅ!?」

 

 

 

 

 

その時だった。視界が灼熱と染まると同時にギャオスの姿は消え………キャノピー部分もふき飛んでいた。何が起こったか解らない……無意識のうちに機体は機首を下げ、減速していく中………戸惑いと放心の中、頭上を見上げる。すると……

 

 

『…グウゥオ!!!!』

 

紅に染まる暗雲の合間に巨大な影を見た。赤熱する炎を従え、飛翔する重厚なシルエット……

突然のことで、思考はストップ寸前だったが……機体が限界を迎えていた彼は呆然とその姿を見送ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「……本当に良いのかい?」

 

「ええ、兜くんの保護責任者の一任を担う者ですから、その責任を果たすつもりです。」

 

綾奈は大学前に迎えに来た車へ乗り込むと、兜博士が心配そうに覗く表情を察して笑顔で答えた。ドアと窓ですでに仕切られてしまっているが、兜博士は彼女を止めたい…本来なら自分が行くべきという想いが喉から出かけていた。しかし、綾奈は彼の言葉を腹に押し込ませるように話す。

 

「気持ちは解ります。きっと連れて帰りますから。」

 

「む……」

 

そして、綾奈は運転手の禿げかけた壮年の男に一声かけると車を出させた。

「お願いします、大迫さん。」

 

「はい!シートベルトは良いですね?」

 

彼は『大迫力』と言って、何かと綾奈の力になってくれる人のひとりだ。本人曰く、ろくに身内もいないんだそうで怪獣に振り回された奇異なる人生をおくってきたそうな…。刑事から警備員…果てはホームレスまでと激流のような人生を経た男は綾奈の知る限りではいつも笑っていた。

 

「すみません、無茶を言って………」

 

「いや、いいんですよ。私だって今じゃこれくらいしか役立ちませんから。」

 

幾多の困難を乗り越えた人間が持つ強さなのか………時折それを羨ましく感じる。今回の旧京都行きも事情をきくや否や、すっ飛んでくるくるほど人が良い。

 

「まあ、最近は私の本も少しは売れるようになりましたし………だいぶこのご時世で真っ当に生活できるようになったぶん、長峰さんや綾奈ちゃんたちには恩返しせんと………」

 

「ああ、確か『怪獣に振り回された私の人生』…でしたっけ。」

 

「ええ。まあ、今じゃこの世界に生きている人間全てがそうなんですが………」

 

苦々しい…でも、笑っている。その表情は何処かに自分は忘れてしまったような気がしていた。

 

………自分の『罪』に自覚を持った刻から…

 

 

綾奈は彼にばれないように、心の中で溜め息をつく。

 

 

「それにしても、なんでわざわざ旧京都なんて行くんでしょう?あそこは今、ギャオスの巣でしょ?兜くんいったい………」

 

「…」

 

一方、大迫は綾奈の心情に気がついているのかはわからないが口を動かしつづけている。彼は兜とは知り合いだが、深い間柄ではない。おまけに、ただの一般人なので文字通り一般人のような思考しかできない。専門な知識などなく、ただ周りの状況を無理にねじあわせていくだけ…。

 

「まさか………」

 

「綾奈ちゃん?」

 

「あ、いえ………」

 

 

………一瞬、綾奈の脳裏に『過去』について勘づかれたのではという最悪の予感がよぎった。だが、それは基盤の無い空論と自らを鎮める。すると、大迫が口を『あっ』と開いた。

 

「もしかして、兜くんは誰かに連れていかれた………ついていったんじゃ…。誘拐…あ、いや失礼。つい昔は刑事だったもので…。嫌ですな、昔の癖は中々抜けない。」

 

…誘拐はまずないだろう。確かに彼は兜博士の息子であれど、今時で裕福と言える生活をしているのは大企業の上役か国の役人くらいだ。研究者たちは今の世の中では例え偉大な功績を残そうと利益は別々のところに吸い上げられてしまい、普通に生活するのでやっと。彼を狙っても利益は薄い………ましてや、仮にも青年である。

………では、彼は何故に旧京都に?

 

大迫が言ったようにあそこはガメラが敗れ去った後、ギャオスの巣窟と化したとされる。わざわざ地獄に飛び込んでいくような真似…やはり、何か原因があるはず。ふと、『ついていった……』と後者の言葉が浮かぶ。まさか、誰かに自らついていった…?

 

「…」

 

「………大迫さん?」

 

「ああ、いえね………昔と変わりましたなぁと思って。」

 

突然、黙ってしまった大迫。心なしか顔が子供の成長を見守ってきた親のようなのかは気のせいか………

 

「綾奈ちゃん、昔はそうやって感情を顔に表さないかんじな娘だったからね。やっぱり人間は変わるんだなぁって。」

 

「…そうですね。私は兜くんに救われました………。きっと、彼がいなかったら…自分の『罪』できっと潰れていた。」

 

綾奈は目を細める…。大迫も彼女の過去に何があったかは把握していた。

 

「…綾奈ちゃん。そんなに気負うことはないよ。君だって頑張ってるじゃないか。神様だってきっと許してくれるさ。」

「いいえ。神様が私を許しても………私は私自身を許さない。永遠に…」

 

そこから、大迫と綾奈の会話は暫く無かった。

 

………やがて、物語の舞台は旧京都へと中心を移しつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈つづく〉

 

 

 

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