ノースティリス冒険譚(仮称)   作:ゆにお

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第十一話 エーテルの風、再び

 村の中央広場。

 赤々と色づく紅葉を眺め、小鳥の囀りに耳を傾けるのに最適の場所。

 普段ならばそんな静謐に満ち溢れた憩いを求めて人々が訪れるそこは喧騒の最中にあった。

 

 大勢の村人の活気に満ち溢れ、あれやこれやと指示を飛ばしてんてこ舞い。

 収穫祭の段取りのため村人達が駆け回る。

 村の広場の中央には祭壇が置かれ、豊穣神クミロミの像が鎮座している。

 

 その姿はヤギの角と見紛うばかりの二股に分かれた帽子。肩までかかる夕焼け色の髪。そして背中には真っ白な天使の羽。村民を見守るようその瞳は優しげな光を讃え、実りある大地を祝福しているかのようだ。

 そして緑の上着と対比的な白いスカートがなんともまぶしい。

 そんな小柄で可愛らしく愛嬌のある『男神』を象った像が、収穫の象徴である鎌を凛然と構えているのだった。

 

「おう、兄ちゃん。ピアノを置くならそこにしてくれぃ!」

 

「あ、はい。わかりました」

 

「お嬢ちゃん、お料理手伝ってもらえんかねぇ?」

 

「はいっ! おばあさん。私に出来ることなら」

 

 村人たちに混じり段取りの作業に追われる。もちろんコルザード達もだ。

 

「……あの、シュフォンに料理させるのはちょっとまず」

 

「あーあーあーあ! 聞こえません。何も聞こえませんよ。さあ行きましょう」

 

「ほほほ、若い子は元気でいいわね」

 

 という具合に村人たちの溢れる輪の中にいて、先ほどまで消沈二人もすっかり回復した様子で駆け回る。

 

 広場にはたくさんの長椅子や机が並べられ、机の上では大皿や食器が配膳されていた。

 コルザードは今その最前列にある舞台に設置されたピアノの傍でそんな作業を見守っていた。

 

「やっぱりこういう場所で引くほうが性にあうな」

 

 誰に聞かせるでもなく呟く。

 お堅いパーティで演奏するよりも村の片隅で、人々の笑顔にほんの少し花を添えるような、そんな些細なことが好きであった。

 舞台の上から観客席を眺めて、演奏する自分を想像する。

 

「――さてと、こちらの準備は大体終わったし……。っ!? そうだ。シュフォンが心配だからちょっと見に行くか」

 

 突如訪れた悪寒がコルザードを調理場へと足を運ばせる。

 シュフォンの身が心配ではなく、それによって作り出されるものがどのような被害をもたらすか、そちらのほうが気がかりであった。

 

 

 

「で、これはなんだ?」

 

 料理場に入ると満面の笑みでシュフォンが迎えてくれた。

 

「――これが『原型を留めていないアピの実』、こちらが『禁断の麺』、『恐怖のパン』に『生ゴミ同然のイーモ』。これらを余すことなくつめた『祝福された愛のこもった少女の手作り弁当』です! もしものための『大災薬』もしっかり用意してありますよ」

 

 両手でバスケットを掴み、コルザードの方へと差し出している。

 それを見るやいなや滂沱の如く背中を伝う冷や汗。

 名前が既にやばい。その形状も恐ろしい。

 というか、祝福された? 呪われたの間違いではないのか。そう彼は自答する。

 まるで過去に封じられし忌まわしい記憶がよみがえって来るかのようだ。

 

「……もう一回だけ聞くぞ。それを俺にどうしろと?」

 

 おどろおどろしい口調で尋ねる。

 

「どうしろって決まってるじゃないですか! 味見ですよ。あ・じ・み!」

 

「……」

 

 頬を膨らますシュフォンはバスケットをコルザードの方へと差し出した。

 その拍子にコルザードはシュフォンの手の甲に出来た生傷が目に止まる。

 剣士として多少の心得のある彼女には不釣合いな切り傷だ。

 

 そんな視線をシュフォンが見て取ったのか、恥じらいの混じった声で返答する。

 

「あっ、これですか? いやぁ、お恥ずかしいです。つい勢い余っちゃって……」

 

 なるほど。一生懸命、不慣れな料理に打ち込んだ証。

 小さい女の子が、綺麗な手から血を流して成し遂げた成果。

 その事実が抗いがたいプレッシャーとなりコルザードを抑圧する。

 

「それで、がんばったんですけど。是非味見を、と思いまして。……どうでしょうか?」

 

 顔を伏せ、うつむきがちに流し見るその瞳がなんとも儚げなであった。

 「あらまぁ、若い子達はいいわね」と調理場のおばちゃんたちもそんな様子をほほえましげに見守っていた。

 この場の構成する雰囲気が、コルザードから拒否権を剥奪しているかのようだった。

 

「あっ……。ああ」

 

 神よ。どうかご加護を――。

 コルザードは祈った。

 俺、これを食べ終えたらシーナさんに告白するんだ……。なんてことを思ってみたくもなる心境。

 

 恐怖に震える手をおそるおそる伸ばしていく。

 既に味わった恐怖ではないか。

 いや、だからこそより一層その経験が身を苛むのだ。

 

 得体の知れないそれを掴む。

 おそらくそれは麺であったのだろう。既に色艶は失われており石灰と勘違いするほどに白い。

 水気を吸いすぎてふやけている。掴んだ感触が……ない。

 

 コルザードはそれを恐る恐る口に運ぼうとしたときだった――。

 

 外から机をひっくり返した様な音が耳に飛び込んできた。

 気付けば喧騒の質も変わっており、和やかな賑わいから驚愕や不安の入り混じったざわつきが周囲を支配する。

 

「そ、そ空が!!」

 

 突如として広場にいた村民の一人が叫んだ。

 その場にいたものは皆、何事かとそちらに視線を向ける。

 

 山の端が輝いていた。それは陽光を乱反射させ、現実味の無いほど幻想的な光景を描き出す。帯状のものがたゆたうように光沢を放ちながら、こちらに向かって蛇行してくるのが遠目にも分かった。

 

「エ、エエ、エーテルの風だ!!」

 

 村人がその名前を叫んだ。忘れることは出来ない。あの夜二人を襲った災厄の名前を。

 透明な空を、侵食するが如く気流に乗りながら光の波が押し寄せてくる。

 山の際に辛うじて視認できるばかりの距離ではあるが、それは見る見るうちに山を下り、硝子の雪崩れの如く山肌を覆い滑り落ちてくるのだ。早く行動しなければ巻き込まれてしまうのは想像に難くない。

 

「い、いそげっ! 宿のシェルターにみんな非難しろ!」

 

 その光景に目を奪われていたのも束の間。蜂の巣をつついたように我先にと村人たちは避難し始める。

 

「俺たちもシェルターに逃げるぞ!」コルザードがシュフォンに言い放つ。

 

「え、でも料理……」

 

「馬鹿! そんなこと言ってる場合か。急がないとまずい。そんな悠長な時間はないんだ。シュフォンがせっかく作ってくれたのは嬉しいが、早く逃げないと間に合わなくなるんだぞ!」

 

 おお、風の女神よ。俺の祈りが通じたのですね。オパートス様ほどではありませんが貴方の事も信仰してもいいかもしれません。

 不謹慎ながらその声はコルザードの内にひっそりと響き渡った。

 

 シュフォンは少しの間、躊躇いの色を浮かべていたが一度強く目を瞑り、そして見開いた。

 

「分かりました」

 

「よし、今すぐ行くぞ! 早く逃げないと(料理から)」

 

 シュフォンの手を引き二人は村の宿にある地下シェルターの前まで駆けて行く。

 だが先導するコルザードの手が突如引かれた。シュフォンが足を止めたからだった。

 

「っ!? おい、どうしたシュフォン。なんで立ち止まる?」

 

 シュフォンは慌てていた。忘れていた重大な事実に気付いたように。

 

「コルザードさん! グウェンちゃんは? グウェンちゃんはどこですか!?」

 

 彼も言われて気付く。シュフォンとさっきまであんなに仲良くしていた少女の姿が見当たらない。四六時中一緒にいるというわけでもないので不審に思っていなかったが、この状況下で発せられたシュフォンの言葉に全身が水をかけられたかのように冷たくなる。

 底冷えのする感情が腹のそこからせり上がって、開いた唇がわなわなと震えていた。

 

「……まさか、いないのか?」

 

 シュフォンはその問いに答えず、周囲へキョロキョロと目配せしている。

 その目には焦りに彩られ、シェルターへと避難している村民の群れの中にグウェンがいないかどうかを必死で探し出していた。

 つまりそれが答えだった。

 

「シュフォンはそこでグウェンが後から来ないか見ててくれ! 俺は既にシェルターの中に避難していないかどうか確かめてくる」

 

「わ、分かりました!」

 

 シュフォンの声を背中で聞き、コルザードがシェルター内へと足を踏み入れた。

 シェルター内部では既に避難してきた住民たちが安堵の表情を浮かべている。

 けれどその中にグウェンの姿を見て取る事はできなかった。

 

 しかしその代わりに村民たちの集団の中からコルザードは見覚えのある人物に目を留める。

 

「おじさん!」

 

 コルザードが声を掛ける。それにつられて、振り返ったのは畑仕事を手伝わせてくれた中年の農夫であった。

 

「おお、兄ちゃんも無事だったんだな。よかったよかった」

 

 コルザードは農夫の前へと駆け寄った。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。グ、グウェンが、グウェンが避難してきていませんでしたか?」

 

「グウェンちゃんかい。まさかはぐれたのか?」

 

 不安そうな顔でコルザードに答える農夫。だがその反応だけでコルザードは察した。

 

「あ、おいっ! 兄ちゃん!」

 

 コルザードはシェルターを飛び出していた。宿の前まで戻ると、そこに佇むシュフォンが眉を歪め不安な面持ちで立っていた。

 

「あっ! コルザードさん。グウェンちゃんは? グウェンちゃんはもう避難していましたか?」

 

 切実な表情で声を張りつめシュフォンはコルザードに問いかけた。

 

「はあ、はぁ、はあ。グウェンは、シェルターにはいなかった!」

 

「そ、そんなっ!」

 

 口の中がひどく乾いていく。生唾が喉を通らない。胸が押しつぶされそうなほど苦しい。

 もぞもぞと身体を這い回るようひどく不快で、気持ち悪く身を苛む。

 刻一刻と具現化する絶望を前に二人は沈黙し、硬直していた。

 

 既に、村にはエーテルの風の予兆を知らせるように強い風が吹き荒んでいる。

 本体である輝きを伴った風は未だ村のはずれに漂っている。

 雨の到来は降られてみないと分からないのに、エーテルの風の場合はとても分かりやすかった。

 だが、分かってしまうが故に恐怖心を押さえきれない。

 

「グウェンの事だ。どうせ次の瞬間にでもコルおじちゃ~ん、とかシュフォンお姉ちゃ~んとか言って、場違いなほど明るい笑みを浮かべて駆け寄ってくるさ……。短い付き合いだがきっとそうだ。そんな気がする」

 

「……」

 

 コルザードのそんなかすれた呟きに対してシュフォンは何も言わなかった。

 二人は今、混迷の極みにあった。

 

「コルザードさん……」

 

 シュフォンが唇を噛み締めた。

 

「私、グウェンちゃんを探してきますっ!」

 

「なっ! 馬鹿な。そんなことしたらお前まで――っ!」

 

「ごめんなさい。コルザードさん」

 

 シュフォンの靴が勢いよく大地を蹴る。

 エーテルの風の中で人を助けることは、急激な水流の中で溺れている人を助けに行くのと同義だった。

 

「おいっ! お前っ……。クソっ! どうなっても知らんぞ!」

 

 コルザードも腹をくくったのかシュフォンの背中を追いかけた。

 

 こうしてシュフォン達は、エーテルの風が吹き荒ぶ方向へ向かって駆け出した。

 誘蛾灯に誘われる虫のようだと、誰が彼女を笑えるであろうか。

 出会って間もない他人の為に命を懸けるなんて馬鹿らしいと。

 だが、シュフォン達はそんな馬鹿を断行するほどの絆を、グウェンに見出していたのだ。

 

 

 

"――はっ、はっ、はっ、はっ、はっ"

 

 まるで廃墟のようだ。

 つい先ほどまではあれほど活気に満ち溢れていた中央広場。

 そこは閑散としてる。

 

"――はっ、はっ、はっ、はっ、はっ"

 

 綺麗に並べられた机や椅子は倒れ、食器も地面に落ち割れていた。

 祭具もその場に打ち捨てられ、クミロミ像が寂しげに佇んでいる。

 思えばここも、初めてグウェンと出会った場所だった。

 

"――はっ、はっ、はっ、はっ、はっ"

 

 既にそんな風景すら後ろ目で見送り、それでも二人は走る。

 グウェンがいそうな場所を探すために、小さい割りに目立つあの銀色の髪を必死で探す。

 

"――はっ、はっ、はっ、はっ、はっ"

 

 呼吸が規則正しく吐き出される。

 冒険者稼業を営んでいた二人はちょっとやそっとでへばるほどやわな鍛え方はしていない。

 間もなく、例の農夫の畑に到着する。

 ここで、シュフォンとグウェンは本当の姉妹のように楽しげに笑っていたのが懐かしく感じる。

 

「コルザードさん、次はこっちですっ!」

 

 そういってシュフォンは今朝方、グウェンとフルートの練習をした野原の方へ駆け出した。

 

「ああっ!」

 

 コルザードも少女の声に強く答え。追いかける。

 村の入り口の前に光の壁があるようだった。既にエーテルの風は眼前まで迫っていた。

 幻想的な風景を感じさせる描写として"ルミエスト大橋の向こうは雪国"という表現は聞いたことがあるが、今の状況ほど現実と幻想の対比が際立つ光景というのもないだろうと彼は自問する。

 

「グウェンちゃーん!」

 

「おいっ! グウェンいるか!? 返事をしろ!」

 

 野原にたどり着いた二人が必死に声を張り上げる。無邪気で陽気な返事が返ってくることを期待して。

 喉が張り裂けても構わないと言わんばかりに同じことを何度も繰り返す。

 

「いたら返事してください! グウェンちゃんっっ!」

 

「グウェン! どこだ! お前がいないと演奏会が始まらないだろ! 早くでてこーいっ!」

 

 刻一刻と募る焦燥感。全力疾走し、大声を上げ続けた喉はカラカラ。

 疲労と危機感が全身を苛み二人の身体に重くのしかかる。

 ――そのときだった。

 

「きゃっ!」

 

「うわっ!」

 

 突如吹き荒れた一際強い突風と共にコルザード達は燐光の嵐の中へと沈んだ。

 輝く風にあおられ、二人は踏ん張り堪える。

 

「くそっ、シュフォン大丈夫か?」

 

「はい、なんとか、ですけど」

 

 全身に纏わり付いてくる輝きにコルザードは顔をしかめる。

 実害は今のところ……ない。だが、エーテルの風は徐々に徐々に確実に二人の身体を蝕んでいく。

 

「くそっ! 不味いな……」

 

 悪態をつくコルザードの周囲は淡い輝きを湛えた無数の光点がふわりふわりと風に運ばれ空中を漂う。

 舞い散る粉雪のようなもの。

 

「グウェンちゃっ――むぐっ!」

 

 一心不乱になおもグウェンに呼びかけようとするシュフォンの口をコルザードはその手で覆った。

 

「やめろ、シュフォン。エーテルの風を吸いすぎるな。取り返しが付かなくなるぞ」

 

 コルザードはシュフォンに言い聞かせながら自分の見当違いな発言に悪態をつきたくなる。

 そもそも吸うとまずいのではなく浴びること自体がまずいというのに。

 

「いいな。大声は出すな。口に手を当て、なるべく無駄にコレを吸わない様にしろ」

 

 コルザードの言葉にシュフォンは頷いた。

 それを確認してコルザードはシュフォンから手を離した。

 

 とはいえ内心コルザードは焦りを募らせる。どうみても、どう贔屓目に見ても既に限界であった。

 もはやその奔流に自分達は身を浸しているのだ。いまさらその程度のささやかな抵抗が一体何になるのか。

 

「っ! ぐっ……」

 

 重苦しい倦怠感にコルザードは思わず膝を突いて倒れそうになる。

 もう、限界だ。

 

 彼の目の前ではシュフォンが尚も周囲に視線を配っている。

 声があげられないのであればせめてその目でグウェンを見つけよう言わんばかりに。

 そんな彼女の顔色も明らか悪い。

 コルザードは決断を迫られていた――。

 

 そしてコルザードは気付いてしまう。

 シュフォンの身体に目に見えて訪れる異変。本人は気付いていないのであろうか。意に介した素振りは見せていない。

 

「っ!? シュフォン! もう限界だ。シェルターに戻るぞ!」

 

 少女の肩に手を置き、コルザードは告げる。

 

「――っ!? そ、そんな!? コルザードさんグウェンちゃんを見殺しにするんですか? そんなことできません!」

 

 シュフォンは半狂乱になって叫ぶ。

 シュフォンはまだ若い。親しいものとの別離をほとんど経験していなかった。

 そんな彼女だから現状を受け入れることが困難なのだ。

 

「だがこのままじゃ共倒れだぞ。頼むから現実を見てくれシュフォン……!」

 

「でも、でも。でも……!」

 

「お前、今の自分の状態気付いているか? 本当に時間がないんだよ!」

 

 そういってコルザードが指を差す。

 

「え……。私の状態? って、あれ? コルザードさんそれ……!」

 

 シュフォンの方に向いたコルザードの指を、彼女もまた差し返した。

 

「ん? うわっ!」

 

 それに促されコルザードも自らの手に視線を落とす。

 それは着々と人の手以外のようなものに変化しつつあった。

 

「そ、そんな。私のせいで。コルザードさん……あっ――」

 

 恐怖、狼狽、不安、緊張、苦痛――肉体的、精神的に極限状態の中で少女は意識を失った。

 

「シュフォン!? くそっ」

 

 悪態をつき、コルザードはシュフォンを担ぎ上げる。少女の身体は羽のように軽く、辛かったろうに今まで気丈に振舞っていたことに目頭が熱くなった。

 程なくして、ぐったりと動かなくなったシュフォンを背負い。

 コルザードはシェルターへと駆け出した。

 

 コルザードはシュフォンよりも抗えぬ別離というものに慣れている。

 両方を救う都合の良い選択肢がないということを弁えていた。

 彼が常に命の選択を強いられる環境で育ったせいか、シュフォンを背負ったときには既にグウェンのことは諦めていた。

 

「恨むなら、恨んでくれ!」

 

 その言葉は誰に向けたものかは分からない。もしかしたら目を覚まし、癇癪を起こすシュフォンかもしれないし。

 本人の知らないところで見捨てることを決定付けられたグウェンに対してかもしれない。

 

 道中、何度も何度も身体に襲い掛かる虚脱感。

 地に伏せたくなる。足を止めたくなる。身体を動かすたびに襲い掛かる痛みに堪えながら、コルザードはシェルターを目指す。

 

「頼むから。間に合ってくれ」

 

 必死で足を動かす。光の奔流と共に度々訪れる身体の違和感に顔をしかめながらもコルザードは倒れるわけにはいかないと自分に言い聞かせる。

 背中の重みがなければ足を止めてしまいそうな苦痛の中、ひたすら走る。

 

「くそ、なんてざまだ……」

 

 何も出来ず、グウェンを見つけることも叶わず、被害だけ悪化させて逃げ惑うその様は、負け犬そのものであった。

 それが分かっているからこそ、そんな悔しさを味わっているからこそ、己の未熟を呪う。

 

 とは言えまだ失っていないものもある。背中に圧し掛かっている命の感触がその答えだ。

 

 正直、変な小娘。出会いは最悪。料理もまずい。トラブルメーカー。

 けれど、不思議と周りを笑顔にしてくれるやつだ。

 脳裏に過ぎった彼女の笑顔が失われるのは惜しいと、ひたすら足を動かす。

 

 そして、朦朧とした意識の中、宿へ駆け込んだのを確認し、コルザードの視界は暗転した。

 

 

 

「ん……」

 

 コルザードがぼんやりと、目が開く。

 耳には雑音が飛び込んでくる。複数の言葉が混ざったノイズ。一つ一つは意味のある言葉なのであろうが、全体としては何を言っているか分からない雑音の群れ。

 周囲を見回すとそこはシェルターの中であった。どうやら無事に帰還できたらしい。

 

 その身をよじるとはらりと毛布が落ちる。

 

「おう、兄ちゃん! 目を覚ましたか。心配したんだぞ」

 

 その様を見て村人の一人が声をかけてくる。

 コルザードはひどい頭痛に眉をひそめながらゆっくりと身体を起こす。

 

「ん……。これは……。俺は一体……?」

 

 おぼろげな思考で周囲を見渡すと、見知った農夫達が声をかけてきた。

 

「あんた達は、この風の中飛び出していったんだってな! 全く無茶するぜ……」

 

 どことなく冗談めかした農夫の表情はまるでたちの悪い武勇伝を持て囃しているかのような呆れが混ざっていたが、コルザード達の無事を見て安堵を浮かべていた。

 

「っ! そうだ、シュフォンは? シュフォンはどうなりましたか!?」

 

 しばらく呆けていたが、あることに思い至りキョロキョロと視線を彷徨わせる。ひどく体が痛んだが、それよりも少女のことが心配だった。

 

「落ち着きな、兄ちゃん。お嬢ちゃんならそこにいるぜ」

 

 そんなコルザードをなだめすかせるように柔和な笑みを浮かべ農夫が親指を横に向ける。

 

 憔悴の色が抜け気ってはいないが、すやすやと穏やかに寝息を立てている少女がコルザードの隣のベッドにその身を横たえていた。

 それを確認し、思わず安堵の息をつく。

 だが、それと同時に襲い掛かってくる罪悪感。シュフォンは救った一方で彼はグウェンを見捨てたからだ。

 

「今は――」

 

 コルザードがポツリと呟く。

 

「ん? なんだい?」

 

「今は……いつ、ですか?」

 

「ああ、兄ちゃん達は丸一日ぐらいかな。眠っていたよ」

 

「エーテルの風はどうなっていますか?」

 

「ああ、見ての通りだよ」

 

 コルザードの質問に農夫はシェルター内を指差して答える。

 人も疎らなシェルターは、外がもう無事だということを物語っていた。

 

「そう、ですか。重ね重ねのご厚情、ほんとにありがとうございます」

 

 農夫夫妻に丁寧に礼を言い渡し、シュフォンのほうへ歩く。

 

 あどけない表情ですやすや眠ってる。無言で少女を見つめる。農夫達も気を利かせてくれたのか離れていった。

 沈黙の中、シュフォンの寝顔を眺めていると、一回二回とシュフォンの瞼が動いた。

 

「ん……。ううん。……あれ?」

 

 寝ぼけながら眼をこする。

 

「やっと起きたか。寝ぼすけめ」

 

「あら? コルザードさん。……私は?」

 

「気付いたか?」

 

「んっ――」

 

「目が覚めたか?」

 

「は、い。えっと私?」

 

 朦朧とした表情でシュフォンは重い瞼をこする。シュフォンは天井に視線を彷徨わせながら熱っぽい表情を浮かべていた。

 だが、突然――。

 

「っ! そうだ! グウェンちゃんは、グウェンちゃんはどこですか!?」

 

 布団を跳ね上げ身を起こした。

 

「落ち着けシュフォン。グウェンは……」

 

 コルザードが顔を伏せる。

 

「そ、そんな。だって、昨日まであんなに元気で……」

 

 そんなコルザードの様子から察する。そして思い出す。つい先日までのグウェンの笑い声、そしてエーテルの風の中での探索。

 

「――っ! そんな、私探してきます!」

 

 ベットから跳ね起き駆け出そうとして足をもつれさせるシュフォン。

 身体を引きずるように立ち上がりわが身を厭わぬといわんばかりにシェルターの外に駆け出した。

 

「おい、待て――。って聞くわけないか、あの馬鹿!」

 

 悪態をつきシュフォンを追ってコルザードも外へと飛び出した。

 つい先日の焼き回しの光景にコルザードは憤慨する。ただ、エーテルの風が吹いていない分だけましであった。

 

 

 

 村の郊外。シュフォンを追いかけてコルザードがそこにたどり着くと、立ちすくむ彼女の姿がそこにあった。

 

「はぁはぁ、お前な。病み上がりなんだからもう少し加減ってものを覚えろ。まったく――」

 

 肩で息をしながら語りかける。だがその声はシュフォンには届いていなかった。

 シュフォンは地面に俯き方を震わせている。

 

「そんな、嘘だろ……」

 

 コルザードが喉から声を絞り出す。シュフォンの目の前に倒れ伏すそれが何なのか理解してしまったからだ。

 

「グ、グウェン?」

 

「グウェンちゃん……」

 

 覚束ない足取りでシュフォンがグウェンの方へと歩み寄り、彼女の手を取る。

 つい先日まであれほど精気に満ちていた彼女の身体は蝋のように白く、すっかり血の気が失せていた。

 

「グウェン……ちゃん? グウェンちゃん。グウェンちゃん!」

 

 堰を切ったように彼女の名前を呼ぶ。喉の奥から声を絞り出す。湧き上がる悲しみを堪えるかのようにグウェンの腕を力強く握り締めながら。

 

「嘘ですよね? グウェンちゃん。おきてくださいっ! ついさっきまた一緒に遊ぶ約束したばかりじゃないですか。フルート教えてくれるって、私まだまだ下手くそで、グウェンちゃんに教えてもらわないとダメなんですよ」

 

 声をかけるのを止めてしまえばそれはグウェンの死を認めてしまうようで、それに抗うようにシュフォンは必死に声をかけ続けた。

「くそっ……」

 

 そんなシュフォンの様子を眺めながら、コルザードは必死に歯を食いしばって耐え難い心の痛みを必死でかみ殺している。

 グウェンの死そのものよりも無力な自分を責め立てているかのようだった。

 

「ううっ……。グウェンちゃん、グウェンちゃん。おきてくださいよ。ねぇ……」

 

 声にならない嗚咽を上げながらグウェンの身体を揺する。

 シュフォンの涙が数滴、ポタポタとグウェンの顔を叩いた。

 

「シュフォン……お姉ちゃん……?」

 

 そのとき、微かな、本当に耳を澄まさなければ聞こえないような小さな声がグウェンから発せられた。

 

「おい、グウェン! 大丈夫か!?」

 

「コルおじちゃんもいるんだね。目が……よく見えないよ」

 

 仰向けになりながら虚空に目を彷徨わせる。

 意識が朦朧としているのかグウェンの瞳は虚ろで何も映っていないかのようだった。

 

「グウェンちゃん、どうして……こんな……っ!」

 

「待ってろ。グウェン今すぐ人を呼んでくるからな!」

 

「ま、待って……」

 

 首をふるふると振りグウェンはコルザードを制する。

 青ざめた表情を苦痛にゆがめて必死に言葉を紡ぐ、グウェンの小さな意思表示にコルザードの足は縫いとめられてしまう。

 

「シュ……フォンお姉……ちゃん、これを」

 

 血に濡れた手をシュフォンの方へたどたどしく差し出す。

 

「これは……?」

 

 シュフォンは驚愕と狼狽のどちらとも付かない表情でそれを見つめる。

 彼女は知っていた。グウェンに手渡されたものを。

 なぜならそれは――。

 

「グウェンちゃんのフルートじゃないですか。どうして?」

 

「えへへ、シュフォンお姉ちゃんはママの次に大好きだから。コルおじちゃんもその次にね。だ……だから、世界でね、一番……大事なものを、最後にプレゼントしてあげようと思って」

 

 グウェンは弱弱しく震える手をシュフォンに重ねた。なんの変哲もない軽いフルートがとても重たいものに感じられる。フルートを取りこぼしてしまいそうになるほど震えている。

 シュフォンはグウェンがなぜそんなことをするのか、考えたくないと、必死に首を振った。

 

「そんな、ダメですよグウェンちゃん。私まだまだ下手っぴで、まだまだ吹きこなせないんですから。いま、今、貰ったって……全然」

 

「うう、ん……。そんなことない……よ。お姉ちゃん凄く上達してたよ。もう私が教えられることないぐらい」

 

 グウェンの儚げな笑顔がシュフォンの心に突き刺さる。涙を堪えるのも限界であった。

 

「そ、そんな、私なんかグウェンちゃんに比べればまだまだですよぉ」

 

「え……へへ、うれしいな。私頑張って練習したけど、あまり褒めてくれる人いなかったから――ゴホッゴホ!」

 

 グウェンが一際大きく咳き込む。呼吸も荒く口の端から血が滲んでいた。それでも必死に言葉を繋ぐ。

 

「はぁ……はぁ、死んだら、みんな再会するって、お母さんが言ってた、私もお母さんに会えるかな……」

 

「グウェン。お前……」

 

いつもの無邪気な少女らしからぬ言葉にコルザードが瞠目する。

 

「うん……。思い出したの、たぶんアスカロンはもう……。お母さんだって……」

 

「そんな……グウェンちゃん」

 

「コホッ、フルート大事にしてね。私がいたっていう証、お姉ちゃんみたいな善い人にならきっと」

 

「グウェンちゃん!」

 

「シュフォンお姉ちゃん、すごく綺麗な羽だね。なんだか天使みたい……」

 

 その言葉を最後に、グウェンは動かなくなった。少し前まで、ほんの数日前まであれほど元気に野原を駆け回っていた少女がこうもあっさりと。

 

 時が止まったかのように、まるでその光景が切り取られた一枚の絵画のように、静止していた。

 その場にいる三人とも。

 

「おい、シュフォン……? 大丈夫か」

 

 どれほどそうしていただろうか、時を動かしたのはコルザードであった。

 目覚めた直後に走りまわり、グウェンを見つけて泣きじゃくっていたシュフォンの様相はひどいもので年頃の少女であれば赤面してわが身を恥じ入りそうな有様。

 先ほどまでグウェンを悼み、咽び泣き、嗚咽を押さえ切れず泣きじゃくっていたシュフォンがスッと立ち上がった。

 

「お、おい……」

 

 コルザードが怪訝な面持ちで少女を見つめる。鼻をすすり、涙を拭い。立ち上がったシュフォンは大空に向かって、フルートを構えた。

 

 フルートから風が、音を伴って駆け抜ける。

 それは専門家から見ようと素人目に見ようとひどいものだった。

 嗚咽の残滓を残すシュフォンが喉をしゃくりあげるたび音が歪む。鼻は詰まり口もふさがっているものだから呼吸のたびにも音が歪む。

 シュフォンに奏でられたフルートはひどく不恰好な音色だ。おまけにドレミファソラシドと、基本的な音階を吹いてるだけ。

 だがなぜだろうか。それは今まで聞いたどんな名演よりもその音色はコルザードの胸を打った。

 

 ただ愚直にシュフォンは吹き続ける。まるで天まで届けといわんばかりに。

 グウェンに聞かせるように。何度も何度も笛の音は響き渡った。

 

 どれくらい立っただろうか、フルートを口から離しシュフォンは言った。

 

「――コルザードさん。私決めました」

 

 その表情には決意が篭められていた。

 

 

 その夜、ヨウィンの村は収穫祭の真っ只中であった。村人達がクミロミの像を取り囲み、輪になって踊っている――はずだった。

 グウェンが死んだことなど誰も気にしていなかった。

 しかし、そのことで村人達を責めるのも筋違いであろう。

 グウェンはそもそもヨウィンの村人と言うわけでもないし、村人の大半は面識すらないのだから。

 村人達も村人達でエーテルの風の恐怖から目をそらすように、暗い話題を拭い去るように祭りの準備を進めていたのだ。

 そのはずだった。

 

「ふぅ~。これでグウェンちゃんも報われますかね?」

 

「…………」

 

 馬蹄が大地を叩く。コルザードとシュフォンは今、パルミアへの旅路を進んでいた。

 ヨウィンの村はもはや遠めになんとか見える程度の距離。

 

「せっかくの収穫祭を台無しにしやがって。この野郎」

 

 コルザードが悪態をつく。シュフォンは特に悪びれた様子もなく言った。

 

「グウェンちゃんのためですからしょうがないじゃないですか。ほら、早く歩いてください」

 

 ぺしぺしと、コルザードの尻を叩く。背中から生えた羽で。

 なんとも器用に。

 

「くそ、調子に乗るなよ。大体なんで俺がお前を乗せなきゃならないんだ。むしろ散々迷惑をかけたお前が俺を乗せるべきじゃないか」

 

「うわぁ、女の子に乗ろうとするとか、流石に引きます。ドン引きです」

 

「こういうときだけ女ぶるな馬鹿。しかしお前あれだな。なんか重いぞ。太ったか?」

 

「んなっ! なんて失礼なことを……。違いますよ。これは重力が発生しているからであって私の体重とは無関係です。あと重いのはきっとコルザードさんのでかくなった頭のせいでしょう。面白いですよそれ」

 

 クスクスとシュフォンが笑う。

 

「お前。グウェンが死んだばかりだってのに笑いやがって不謹慎なやつだ」

 

 その言葉でシュフォンの顔に一瞬陰りが差した。

 

「まぁ、それを言われるとちょっと痛いです。でも、くよくよしていても仕方がありません。グウェンちゃんから託されたこのフルートで私は果てしないフルート坂を上り詰めることにします。そうすれば天国のグウェンちゃんにもきっと聞こえるかもしれませんから」

 

 天高くフルートを掲げた。反対側の手を腰に当てて。

 

「シュフォンの腕じゃ石をぶつけられるぞ。痛い目を見て泣かないように気をつけるんだな」

 

 コルザードがそんなシュフォンの決意に冷や水を浴びせる。演奏家の道のりはそんなに平易じゃないぞと、先輩風を吹かせて。

 

「心配には及びません。飛んできた石はこうやって、こうしますから」

 

 そういってシュフォンはフルートを両手で持ち、ブンブンと横なぎに振るった。

 気持ちの良い風切り音が耳を駆け抜ける。

 どうやら打ち返す算段らしい。

 

「グウェンちゃん無事にジュア様の下に着いたでしょうか。あんな可愛いグウェンちゃんですから。きっとジュア様に愛されているに違いありませんよね」

 

 しみじみとシュフォンは夜空を眺める。輝く星々からグウェンを夢想するように。

 

「ジュアの下に、ねぇ……」

 

 コルザードは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

 そう、この少女ときたらグウェンの死体を担いで、収穫祭の準備真っ最中の広場に突撃。

 驚愕する村人達をよそに大量のクズ石を祭壇に捧げクミロミの祭壇を乗っ取り、ジュアの祭壇にしてしまったのだ!

 

 そのまま、騒然する村人達を全く意に介さずグウェンの亡骸を祭壇へ捧げた。本人は供養のつもりだったらしい。

 コルザードはそんなシュフォンの行動に開いた口がふさがらず、とにかく村人に事情を話し、宥めて、平身低頭し、結局逃げるように村から出てきたというわけである。

 

「……まぁ、過ぎたことは蒸し返しても仕方がない。お前のせいでしばらくヨウィンに行き難くなったのを差し引いてもだ」

 

「反省してまーす」抑揚のない声でシュフォンが呟いた。

 

「そうしてくれ。まあ、何はともあれ明日にはパルミアに着けるだろう」

 

「まずは冒険者登録からですね。見ててくださいね、グウェンちゃん。グウェンちゃんの分まで私立派になりますから」

 

 シュフォンの決意が夜空に吸い込まれていく。

 

「パルミアに着いたらエーテル抗体も手に入れなきゃならないな。これでは何かと不便だ。くそ! 重い!」

 

こうして夜はゆっくりと更けていった。

 

 

 

◆おまけ キャラ崩壊注意。

 

 そこは白亜の宮殿。

 人間には作り出せないような精緻な手法で作られたそれはその存在感を余すことなく放っていた。

 

 宮殿の中、一人の男がある一室の前で立ち止まる。

 重厚な鎧、そして半身を覆い隠せるほどの大きさの長盾を携えて荘厳な扉の前に立つ。

 二度三度、彼がノックをすると中から声が聞こえてきた。

 

「はいりなふぁい」

 

 大きく軋む音を奏でながら扉が口を開く。中からは眩い光が差し込んむ。それは部屋の中央に座する人物から発せられていた。

 中にいたのは身長155~160cmほどの女性。乳白色のローブに身を包み丸い帽子を被っている。

 ある一部を除いてふくよかな彼女の前に男が跪いた。

 

「ジュア様。本日の分のクズ石でございます」

 

「そう、ご苦労様。べ、別に頼んだわけじゃないんだからね! あんたが勝手に持ってきただけなんだから!」

 

 もはやお決まりの台詞。あえて語ることもない。

 

 男が顔を上げ、主君に目を向けた。

 

「ジュア様それは……?」

 

「ああ、これ? 敬虔な信者が送ってきてくれたの。もぐもぐ」

 

「は、はぁ……そうですか」

 

 男は苦笑いを浮かべる。

 

「もういいでしょ。食事中だから下がりなさい」

 

「はっ!」

 

 男は敬礼して部屋を後にした。

 咀嚼音だけが、そこに響き渡っていく。

 

「もぐもぐ」

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