時を止める魔道士 作:柱の様な男
ここはシロツメの街。
「着いた!!!」
「馬車には二度と乗らん…」
「いつも言ってるよ」
馬車を降り、シロツメの街を軽く見回す一同。
ちなみにナツは恒例の乗り物酔いでフラフラだ。
「見事なまでに晴々とした青空だな…気分が悪い」
日傘をさしながら空を見上げて呟くDIO。
「そういえば、吸血鬼って太陽の光を浴びると灰になるっていう話はよく聞くけど、DIOは調子が悪くなる程度なのね」
「直に触れればそうなるだろうな。
しかし私は常に、太陽の光や紫外線を防ぐ特殊な
DIOはダルそうにルーシィの問いに答えた。
「へぇー、そうなんだ」
「話してないで、とりあえずハラ減ったからメシにしよメシ!」
「ホテルは?荷物置いてこよーよ」
「あたしお腹空いてないんだけどぉ〜、あんた自分の火食べれば?」
と何気なく言うルーシィ。
「とんでもねぇこと言うなぁ。
お前は自分の“プルー”や“牛”を食うのか?」
「食べるわけないじゃない!!!」
「それと同じだよ」
「そ…そう?」
ようするに、自分の炎は食べられないらしい。
「そうだ!あたしちょっとこの街見てくる。食事は2人でどーぞ」
「私もだ、少し用事があるのでな」
そう言って別行動を取るルーシィとDIO。
「何だよ……みんなで食った方が楽しいのに」
「あい」
仕方なく2人はハッピーの提案通りホテルへ荷物を置いてから食事に向かった。
ーーーーーーーーーーーー
とあるレストラン。
ナツとハッピーはそれぞれ、大好物の肉や魚料理をたらふく食べていた。
「脂っこいのはルーシィにとっておこっか」
「脂っこいの好きそうだもんね」
「おおっ!!!これスゲェ脂っこい!!!」
脂っこいもの以外を次々と平らげていくナツとハッピー。
2人の中でルーシィの脂っこい食べ物好きなイメージが何故ついたのかは、2人にしかわからない謎だ。
「あ…あたしがいつ、脂好きになったのよ…もう…」
「お!ルー………シィ…」
帰ってきたルーシィの姿に、ナツとハッピーは呆然となる。
なぜなら、ルーシィがメイド服姿になっていたからだ。
「結局、あたしって何着ても似合っちゃうのよねぇ」
ナツとハッピーににっこりと笑いかけ、ウィンクやポーズを取るルーシィ。
クエストに行く前はあれほど嫌がっていたというのに、案外ノリノリだ。
「お食事はおすみですか?ご主人様。
まだでしたらごゆっくり召し上がってくださいね♡」
精一杯メイドになり切るルーシィ。
そんなルーシィに対する2人の反応は…
「どーしよぉ〜‼︎
冗談で言ったのに本気にしてるよ〜‼︎メイド作戦」
「今さら冗談とは言えねえしな、こ…これでいくか」
「聞こえてますがっ!!!?」
珍しくルーシィに気を使ってひそひそと聞こえないように話すナツとハッピーだが…
ヒソヒソ声がでかく、普通に本人に聞こえてしまっている。
「待た………せたな。
全員揃っているようだし、そろそろ行くか?」
日傘を差しながら合流してきたDIO。
メイド服姿のルーシィが目に入るが、何故かそのままスルーした。
「DIOはご飯食べなくていいの?」
「心配はいらん、私はさっき済ませた」
ハッピーの気遣いにぶっきらぼうに答えるDIO。
「!?」
ルーシィは“何で”済ませたのかを問おうとしたが、答えを聞くのが怖いのでやめた。
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一同は大きな屋敷の前にやって来た。
「立派な屋敷ね〜、ここがエバルー公爵の…」
「いいえ、依頼主の方です」
屋敷を見上げるルーシィに、地図を見ながら訂正するハッピー。
「そっか…本一冊に20万Jも出す人だもんね。
お金待ちなんだぁ」
コンコンと、ナツが扉を叩いてノックした。
「どちら様で?」
屋敷の中から声がする。
「魔道士ギルド、フェアリー…」
「!!!しっ!!!静かに!!!
すみません…裏口から入っていただけますか?」
声の主のあまりの慌てように、四人の頭にハテナが浮かんだ。
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言われた通り、裏口から屋敷に入った四人。
四人はこの屋敷の主だと思われる男に案内された。
「先ほどはとんだ無礼を……私が依頼主のカービィ・メロンです。
こっちは私の妻」
隣にいる女性…依頼主の妻が、五人分の紅茶の乗ったおぼんを手に持ちながらペコリとお辞儀した。
「うまそうな名前だな」
「メロン!」
「ちょっと‼︎失礼よ‼︎」
ナツとハッピーの2人の態度を注意するルーシィ。
「あはは!よく言われるんですよ」
そんな2人の無礼を依頼主…カービィは笑って受け流した。
(メロン…シロツメの街…どこかで聞いたことあるのよね…)
この二つの言葉に、何か引っかかりを覚えるルーシィ。
「・・・・・」
様子から察するにDIOも同じことを考えているようだ。
「まさか噂に名高い、
「そっか?こんなうめェ仕事、よく今まで残ってたなあって思うけどな」
(仕事の内容と報酬が釣り合ってない。きっとみんな警戒してたのよ)
呑気なことを言っているナツに、ルーシィが心の中で冷静に突っ込んだ。
「しかも、こんなお若いのに、さぞ有名な魔道士さんなんでしょうな」
「ナツは
「おお‼︎その字なら耳にしたことが!
それにこちらの黄色い魔道士さんなんて、見た目からして強そうだ」
と、ここでカービィが異質な人物について尋ねる。
「……で、こちらは?」
「あたしも
カービィがルーシィを数秒見つめる。
「その服装は趣味か何かで?
いえいえ…いいんですがね」
メイド服姿で魔道士と言い張る女性。
初対面であるカービィからすれば、完全に変な人だ。
「ちょっと帰りたくなってきた」
完全に誤解されショックを受けるルーシィ。
そんなルーシィを見てナツとハッピーは爆笑している。
「さて…そろそろ仕事の話をしましょう」
「おし」
「あい」
本題に入り、真剣な顔つきになる一同。
「私の依頼したい事はただ一つ。
エバルー公爵の持つ、この世に一冊しかない本。“
「盗ってくるんじゃねえのか?」
依頼書との若干のズレについて尋ねるナツ。
「実質上、他人の所有物を無断で破棄する訳ですから、盗るのと変わりませんがね…」
「驚いたぁ…あたし、てっきり奪われた本かなんかを取り返してくれって感じの話かと」
「焼失かぁ…だったら屋敷ごと燃やしちまうか!!」
「楽ちんだね」
「ダーメ!!!確実に牢獄行きよ‼︎」
ナツとハッピーの野蛮な提案に、もう慌てでツッコミを入れるルーシィ。
「一体…なんなんですか?その本は…」
「・・・・・」
ルーシィの問いに、困ったように口を紡ぐカービィ。
「どーでもいいじゃねえか、20万だぞ20万‼︎」
「いいえ…“200万J”、お払いします。
成功報酬は200万Jです」
「にっ!!?」
「ひゃ!!!」
「くぅ!!!?」
「まんだと!?」
「なんじゃそりゃあああああっ!!!!」
予想していたよりも10倍の桁に、大声を出して驚く一同。
「おやおや…値上がったのを知らずにおいででしたか」
「200万!!?ちょっと待て!!!4等分すると………
うおおおっ!!!計算できん!!!」
「簡単です、オイラが100万ナツが100万、残りがルーシィとDIOです」
「頭いいなぁ!!!ハッピー!!!」
「残らないわよっ!!!」
「50万だ!!!マヌケがっ‼︎」
興奮して上手く脳が働かないハッピーとナツのズレまくった計算に、怒鳴り声をあげるDIOとルーシィ。
「まぁまぁ、みなさんおちついて」
「な…な…なんで急に、そんな……200万に…」
「それだけ、どうしてもあの本を破棄したいのです。
私は、あの本の存在が許せない」
そう俯きながら話すカービィ。
その様子からは明らかに怒りを感じられた。
「おおおおおっ!!!!」
突然、火山の噴火のように激しく燃え上がるナツ。
「行くぞルーシィ!!!燃えてきたぁ!!!!」
「ちょ……ちょっとォ!!!」
ナツはそのままの勢いでルーシィの手を引っ張り、そのまま走り去ってしまった。
(存在が許せない本…か…)
DIOは日傘を持って立ち上がり、ナツ達の後をゆっくりと追いかけた。
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依頼主、カービィ・メロンの屋敷にも負けないほどの大きな豪邸。
この豪邸こそが、エバルー公爵の屋敷だ。
そしてその片隅で、ルーシィが三角座りでしくしくと泣いていた。
どうやら作戦通りエバルー公爵邸にメイドとして乗り込んだものの、エバルーのお眼鏡にかなわず、見事に門前払いを食らったようだ。
「使えねぇな」
「違うのよ!!!エバルーって奴、美的感覚がちょっと特殊なの!!!!
あんたもみたでしょ!?メイドゴリラ‼︎」
「言い訳だ」
「キィーー!!!くやしーー!!!」
と、ここでDIOが一歩前に出た。
「ルーシィがダメだったか……ならば次はこのDIOがやるッ‼︎」
いつの間にかメイド服姿になっているDIO。
「そんな筋肉質な女がいるかーっ!!!!」
「お前はもっと客観的にものを見れねえのかーっ!!!」
メイド服姿のまま乗り込もうとし、総ツッコミを受けるDIO。
そんな一同の様子を、監視
「性懲りも無くまた魔道士どもが来おったわい。
しかもあのマーク。今度は
エバルーが巨大な葉巻に火を付ける。
「さーて…今度の魔道士はどうやって殺しちゃおうかね。
ボヨヨヨヨヨヨ!!!」
エバルーの後ろに立つ2人の傭兵。
そして…
「貴様には期待しているぞ、ホルホース」
「わかってるって、ちゃんと貰った金の分は働くよ」
カウボーイのような男が、銃を携えそう言った。
ちょっと最後のあたりがグダグダになってしまいましたが、次回を楽しみにしてください。