時を止める魔道士 作:柱の様な男
すみません。
マグノリア駅
マグノリアにある列車の駅であり、毎日多くの人々が行き交っている。
もちろん、
そんな、旅行や仕事目的の人々で溢れる駅のホームで暴れまわっている少年が二人。
ナツとグレイだ。
理由は簡単、いつも通りのケンカだ。
「何でエルザみてーなバケモンがオレたちの力を借りてぇんだよ」
「知らねぇよ、つーか“助け”ならオレ一人で十分なんだよ」
「じゃあオマエ一人で行けよ!!! オレは行きたくねぇ!!!」
「じゃあ来んなよ!!! 後でエルザに殺されちまえ!!!」
「迷惑だからやめなさいっ!!!!」
他の客を巻き込み、店や荷物を散らかしながらケンカする二人。そしてそれを止めようと叫ぶルーシィ。
「もおっ! アンタたち何でそんなに仲が悪いのよぉ」
あまりにもケンカの多い二人に溜め息を吐くルーシィ。
「何しに来たんだよ?」
「頼まれたのよっ!! ミラさんに!!!あんた達の仲をとりもってくれって‼︎
ミラさんの頼みだから仕方なくついていってあげるのよ」
「本当は一緒に行きたいんでしょ?」
まさか!! てか、三人の仲を取り持つならアンタが居たじゃない!うわーかわいそっ!ミラさんに存在忘れられてるしー」
「あい」
ハッピーとルーシィがそんなやりとりをしている間にも、ナツとグレイは再び睨み合い、今にもまた殴り合いが始まりそうな雰囲気になっていた。
「テメェ何でいつも布団なんか持ち歩いてんだよ」
「寝る為に決ってんだろ、アホかおまえ」
「あ~あ…めんどくさいなぁ…」
睨みあう二人を見てルーシィはそうぼやく。
何か簡単に止める方法はないかとしばらく考えた後、何か閃いたように手を叩き、こう言った。
「あ! エルザさん!!!」
「今日も仲良くいってみよー」
「あいさー」
“エルザ”という単語に反応して、二人が作ったような笑顔で肩を組み始める。
「あはははっ! これ面白いかも」
二人の豹変ぶりに腹を抱えて笑うルーシィ。
「「騙したなテメェ!!!」」
「アンタら本当は仲良いんじゃないの?」
いきぴったりに怒鳴る二人を見てルーシィが鼻で笑う。
三人がそんなやり取りをしている間に、本当にエルザが到着した。
「すまない、待たせたか?」
「荷物、多っ!!!」
ルーシィが荷台に山のように積まれたバッグをみて言った。その大きさは昨日エルザが持ち帰ってきた魔物の角ともいい勝負である。
「ていうかDIOまで一緒に積まれてるし!荷物扱い!?」
バッグの山の中にDIOと書かれた棺桶が混じっている。
「ん?君は昨日、
エルザが見慣れない魔道士であるルーシィの存在に気づく。
「新人のルーシィと言います。
ミラさんに頼まれて同行することになりました。よろしくお願いします」
ルーシィはペコリとお辞儀して自己紹介した。
「私はエルザだ、よろしくな。
そうか…ギルドの連中が騒いでいた娘とは君のことか…
銃を使う傭兵ゴリラを倒したとか…頼もしいな、それだけの活躍なら平気そうだ」
エルザが丁寧に返し、間違った噂を口に出す。
「それ…ナツとDIOだし…事実とすこし違ってる…」
「何の用事か知らねぇが今回ついてってやる。条件つきでな」
ナツが不機嫌そうな顔で言った。
「条件?」
「バ…バカ!! オ…オレはエルザの為なら無償で働くぜ!!!」
「言ってみろ」
「帰ってきたらオレと勝負しろ。あの時とは違うんだ」
「!!!」
「オ、オイ!!! はやまるな!! 死にてぇのか!?」
そんなナツの申し出に、ルーシィとグレイは驚いた。
しかし当の本人であるエルザはクスリと笑う。
「確かにおまえは成長した。私はいささか自信がないが…いいだろう受けて立つ」
そう言って、エルザは髪をかき上げながら了承した。
「自信がねえって何だよっ!! 本気で来いよな!!!」
「フフ…わかっている。だがお前は強い……そう言いたかっただけだ。
そうだグレイ…お前も勝負したいのか?私と」
そんなエルザの問いに、グレイは全力で首を振って答えた。
「おしっ!!! 燃えてきたぁ!!! やってやろうじゃねーか!!!」
エルザとの勝負を誓い、テンションの上がったナツは、言葉通り実際に燃え上がって気合を入れた。
そんな五人の会話を、エルザの荷物に混じる棺桶の中で静かにDIOは聞いていた。
(何やらナツがエルザに対して勝負を挑んだようだな。
まぁ…私には関係ないし、興味もない話だがな)
DIOは昨夜エルザに聞いた、今回の仕事の話を思い出した。
(
そのリーダーである… “死神” の異名を持つ“エリゴール”。
そして…やつらが狙う魔法 “ララバイ” )
(ララバイか…確か意味は…子守歌…どこかで聞いたことがあるのだが…どこ…だったか………)
自分の持つ知識を掘り出し、ララバイについての情報を探るDIO。
しかしその思考は、子守歌と名の通り、眠りによって妨げられた。
ーーーーーーーーーーーー
ドゴシャアァァァ!!!
DIOは棺桶に何かがぶつかった衝撃で目を覚ました。
「
「そんな話、始めて聞いたぞ…」
「なぜ、私の話をちゃんと聞いていないっ!!!」
DIOは棺桶の隙間から外を覗き見た。
目の前には紅葉のように赤い手の後が顔についたナツと、怒っているエルザが見えた。
どうやらエルザに吹っ飛ばされたナツが、DIOの棺桶に激突したらしい。
因みにナツが話を聞いていなかった理由は、乗り物酔いしていたナツをエルザが気絶させたからだ。
「やかましいぞ貴様ら、眠れんではないか」
DIOが棺桶から顔を出して一同を睨みつける。
「あぁ、起きたのかDIO。
目覚めたばかりで悪いが、ここから先は手を貸してもらう」
「おい…私は昼間は…」
「さっきの列車に乗っているのだな、今すぐ追うぞ!!!
どんな特徴をしていた?」
エルザはDIOの話をスルーしてSEプラグを付け、ナツに出会った敵の特徴を聞き出す。
(この女ッ‼︎)
DIOはそんなエルザに対し、怒りで体をワナワナと震わせた。
「あんまり特徴なかったなぁ…
なんかドクロっぽい笛持ってた、三つ目」
「なんだそりゃ?趣味悪ィやつだな」
そんなグレイの隣で、話を聞いたルーシィが震えていた。
「ううん…まさかね……あんなの作り話よ……でも…もしもその笛が呪歌だとしたら…子守歌ララバイ…眠り…死……!!!」
ルーシィは確信したように顔を上げた。
「その笛がララバイだ! 呪歌ララバイ… “死” の魔法!」
「何!?」
「呪歌?」
「あぁなるほど、思い出した。
もともと呪殺のために使われていた笛を、伝説に登場する “黒魔道士ゼレフ” が進化させたと聞く…
それが “集団呪殺魔法”
DIOはルーシィの言葉で先ほど思い浮かべようとしていた魔法を思い出し、全員に補足説明をする。
「闇ギルドが狙っている魔法というからには、ろくでもない代物だとは予想していたが、これは思ったよりも大物だったな」
口の割りには、どこか嬉しそうな表情を見せるDIO。
そしてそれを聞いた一同は、急いで魔道四輪を走らせた。
ーーーーーーーーーーーー
『みなさん!! お下がりください。ここは危険です。ただいま列車の脱線事故により、駅へは入れません!!』
駅員が拡声器を使って野次馬に呼びかけている。
脱線事故と言ってはいるが、実際はテロによるものであり、一部の者にはすでにバレている。
そしてもちろん、
「行くぞ!」
「でも封鎖って」
「いちいち聞いてられっかよ」
「うぷ」
「人酔いしてんじゃねえ!!!」
駅に近づくため、人混みをかき分け進む一同。
先ほどの魔道四輪も合間ってか、人混みで吐きそうになるナツ。
「駅内の様子は?」
やっと駅にたどり着いたエルザが、駅員を一人捕まえて、現在の駅の状況を問いただす。
「な…なんだね君!!!」
当然、わけのわからない部外者に尋ねられて、素直に答える者はいない。
「うほっ!」
すると、エルザは駅員を頭突きで気絶させた。
「駅内の様子は?」
「は?」
流れ作業のように次々と尋ねては気絶させていく。
「即答できる人しかいらないってことなのね」
「だんだんわかってきたろ?」
二人が若干引き気味でエルザから視線を外した。
「貴様はいつまでそうしている、さっさと起きろ」
酔いで地面に倒れこんでいるナツを、DIOが足で揺すって起こす。
「・・・・・」
しかしナツに反応はない。列車、魔道四輪、人酔いの三連コンボが随分とこたえているようだ。
「…
仕方ないのでDIOは、腕のスタンドでナツを引きづって運ぶことにした。
やっとこさ駅員から中の情報を聞き出せた一同は、
道中、テロリスト鎮圧のために突入した軍隊が全滅しているのが目に入った。
「相手は一つのギルドすなわち全員魔道士。軍の小隊では話にならんか……」
「ひいっ‼︎」
「急ぐぞ!ホームはこっちだ‼︎」
グレイが先導し、一同は先に進んだ。
「やはり来たな、
ホームに待ち受けていたのは、
そしてその真ん中には、大きな鎌を持った男、エリゴールがいた。
「待ってたぜぇ」
「貴様がエリゴールだな」
エルザは敵のリーダー、エリゴールを睨みつけた。
「貴様らの目的はなんだ?返答によってはただでは済まんぞ」
殺気を放つエルザだが、エリゴールは一切動じない。
「まだわかんねぇのか? 駅には何がある?」
そう言って、エリゴールは風の魔法で宙に浮かぶ。
そして時間切れとでも言いたげに「ぶー」と発し、コツンっと駅の放送機を叩いた。
「呪歌ララバイを放送するつもりか!!?」
「ええ!?」
「何だと!?」
「ふはははははっ!!!」
驚愕する一同を見て、エリゴールは楽しそうに笑う。
「この駅の周辺には何百、何千もの野次馬どもが集まってる。いや…音量を上げれば町中に響くかな、死のメロディが」
「大量無差別殺人だと!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。
この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えに来た。 “死” という名の罰をな!」
「そんなことをしても権利は戻ってこないわよっ!! それに元々、アンタたちの自業自得じゃない!!!」
エリゴールの理不尽な発言に怒りを表すルーシィ。
しかしエリゴールは、そんなルーシィの怒りを鼻で笑い、こう言った。
「ここまで来たらほしいのは “権利” じゃない、 “権力” だ。
権力があればすべての過去を流し、未来を支配することだってできる」
「あんた、バッカじゃないの!」
ルーシィが再び怒号をあげる。
しかしエリゴールには、もはや何を言っても通用しない。
「残念だな、妖精ハエども。闇の時代を見る事なく死んじまうとは!!!」
「きゃあ‼︎」
「しまった!!!」
突然の強襲に、エルザとグレイも間に合わない。
「この声‼︎やっぱりおまえかぁあぁぁぁっ!!!」
突然目を覚ましたナツが、影の魔法を炎の拳で焼き払った。
しかしDIOに引きづられていたせいで、顔から腹にかけて縦に線が入ってしまってるため、イマイチカッコがつかない。
「てめ…」
ナツの目覚めで殺気立つ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
「こっちは
圧倒的数の差にも関わらず、一切臆していない
その中で一人、不敵な笑みを浮かべて高みの見物を続けるエリゴール。
「あとは任せたぞ、オレは笛を吹きに行く。
身のほど知らずの妖精ハエどもに…の
エリゴールは部下達にそう言い残し、窓を割ってその場から去ってしまった。
「いかん‼︎やつはこの駅で
ナツ‼︎グレイ‼︎二人でやつを追うんだ!!!」
「勝手に決めんな!」
「そうだそうだ‼︎」
「た・の・む!!!」
「「あ、あいさー!!!」」
反論するナツとグレイだったが、ほんの少し怒気のこもったエルザの一声で簡単に折れ、そのまま走っていった。
「逃げたやつらはオレにまかせな、仕留めてくる!!!」
「こっちも!!!あの桜頭だけは許せねえ!!!」
ナツとグレイの二人を、
「ここは私とルーシィに任せてくれ、DIO、お前も行ってくれるか?」
「フン…ここは屋内と言っても、外からけっこうな光が入って来ているからな…どうせ満足に戦えん。いいだろう」
DIOは意外にもすんなり聞き入れ、ナツとグレイ達の後を追った。
「女二人で何ができるやら…それにしても二人ともいい女だなぁ」
「殺すにはおしいぜ」
「とっ捕まえて売っちまおう」
「待て待て、妖精の脱衣ショーを見てからだ」
「下劣な…これ以上
エルザは威圧感ある目で敵を睨み、魔法剣を構えた。
「珍しくもねぇ!
こっちにも魔法剣士と杖使いはぞろぞろいるぜぇ‼︎」
敵も魔法剣を持ち、多勢に無勢でエルザに襲いかかる。
しかしそんな魔道士達を、エルザは単身で突っ込み、次々と切り倒していく。
飛び道具を使ってくる相手にはリーチの長い槍を使い、両方向から敵が来れば双剣を使い、敵が盾を使えば威力の高い斧を使う。
相手の武器や戦い方によって、一瞬にして武器を交換して戦っているのだ。
「こ…この女…なんて速さで “換装” するんだ!!?」
「換装?そういえばDIOの時も言ってたわね…換装がどうとか…
あの時はナイフだったけど」
「別の空間にストックされてる武器を呼び出すって原理なんだけど、その武器を持ち換える事を、換装っていうんだ」
「へぇ〜…すごいなぁ」
「まだまだ、エルザのすごいところはここからだよ」
「え?」
結構な数敵を倒したはずだが、流石はギルド一つ分。
まだ相当な数残っていた。
「面倒だ、一掃する」
エルザがそう言った瞬間、エルザの纏っていた鎧が剥がれ始める。
「!!!」
「魔法剣士は通常、 “武器” を換装しながら戦う。だけどエルザは自分の能力を高める “魔法の鎧” にも換装出来るんだ。
それがエルザの魔法… “
まるでヴァルキリーを連想させるような、翼が生えた銀色の鎧。
その周りには十を超える剣が、輪を描いている。
「エルザ…!?
まさかこいつ…!
そこからの戦闘は、圧倒的なものだった。
「すごぉぉーい!!!」
圧倒的実力でその場を制したエルザだが、カラッカという名の魔道士を一人、取り逃がしてしまう。
「エリゴールのところに向かうかもしれん。ルーシィ、追うんだ‼︎」
「えーーっ!!?あたしがっ!!?」
「頼む‼︎」
「はいいっ!!!」
反論虚しく、エルザの人睨みでその場を逃げるように追いかけるルーシィ。
(やはり、魔道四輪を飛ばしすぎたのがこたえたな…
ナツ…グレイ…ルーシィ…DIO……後は頼んだぞ。
………あとハッピーも…)
エルザは返信を解き、ガクリと膝をつける。
無理もない、ハッピーを含め五人も乗っている魔導四輪を、常に全速力で飛ばしていたのだから。
常人なら倒れてもおかしくはない、それほど魔力を消費していたのだ。
ーーーーーーーーーーーー
エルザに恐喝…ではなく頼まれて逃げた敵を追うルーシィもまた、ナツ達とは別の通路を走っていた。
「あ〜あ…完全に見失っちゃったよ」
「あい」
しかし敵を見失い途方にくれているようだ。
「ねえ…いったんエルザのとこ戻らない?」
そんなルーシィの提案を聞き、ハッピーはガクガクと震え始めた。
「エルザは「追え」って言ったんだよ。
そっか……すごいなぁルーシィは……エルザの頼みを無視するのかぁ…あのエルザの頼みをねえ〜
エルザにあんな事されるルーシィは、見たくないなぁ」
遠い目をしながら言うハッピー。
その言い方には、何処と無く恐ろしいものが感じられた。
「あ…あたし、何されちゃう訳!!?」
ハッピーの言葉でビクリと体を震わせるルーシィ。
「わ…わかったわよっ!!!探しますっ!!!見つけるまで探しますっ!!!」
「ルーシィって、コロコロ態度変わるよね」
「もおぉぉっ‼︎うるさいなぁっ!!!てか、何であたしになついてんの!!?このネコォ!!!」
ギャーギャーと騒ぎながら愉快に進む二人。
しかし次の瞬間、今までとは打って変わった緊張感に張り詰められた。
「!!」
全方に何かを見つけ、目を見開いたまま呆然と立ち尽くすルーシィ。
「どうしたのルーシィ?」
ルーシィの明らかな様子の変化に、疑問を持ったハッピーがルーシィに尋ねる。
尋ねられたルーシィは、目を見開いたままゆっくりと自分の見た物を指で刺した。
「なんだこれ…」
刺された指の先を見たハッピーは、その場で絶句した。
死体だ、舌を千切られズタズタにされた、見るも無残な姿で横たわる死体。
「こいつらは
呆気に取られている二人の横からDIOが口を挟む。
「おそらく挟み撃ちの形で戦うつもりだったが、たやすく倒されたようだな。
正面は
ルーシィとハッピーの後方を睨みつけるDIO。
それにつられ、ルーシィとハッピーも後ろを振り返った。
そこにいたのは、宙を飛び回るクワガタ虫。
それがただのクワガタ虫ではないということは、発せられる邪悪な魔力から理解できた。
「クワガタ虫⁉︎」
「何よあれ」
「おそらく“これ”と同類だろうな」
二人の疑問に、DIOは
「まさかスタンド⁉︎」
ブーン
クワガタのスタンドはそう、はっきりと音が鳴るほど激しく羽を動かし、死体の方へとまっすぐとんでいった。
ズチャ
クワガタ虫のスタンドが死体を貫く。
そしてそのままの勢いで、グチャクチャと気持ちの悪い音を立てながら、すでにズタズタの死体を更にえぐり始めた。
死体からは血が洪水のように吹き出し、肉片が辺りにベチャベチャと飛び散ってゆく。
「うっ…」
目の前のあまりの惨状に、ルーシィは吐き気を催した。
ベチャ…ベチャベチャ…
一通り死体を弄り回した後、クワガタ虫のスタンドは死体から抉り取った臓物を筆代わりに文字を書いた
クワガタ虫の書いた文字とは…
『Massacre!』
意味は、皆殺し!
「ほぉ…なかなか面白いことをいうじゃあないか」
DIOはスタンドの拳を硬く握り、クワガタのスタンドの前に立った。
「無駄ァ‼︎」
高速で放たれる
「何ッ…!?」
クワガタのスタンドはそれ以上のスピードで拳をかわした。
「ぐぬぅぅぅ‼︎」
自らのスタンドを合わせて計四本の腕を振るうDIO。
しかしそれらの全てをクワガタ虫のスタンドは軽く躱してしまう。
『そんなスピードじゃあ、俺のスタンドには触れることもできん』
クワガタ虫のスタンドから聞こえてきた。
「喋った!?」
「スタンドを通じて本体が話しているのか…」
「俺のスタンドの名は
Massacreの文字の通り、おまえらを皆殺しにする者だ!」
クワガタの口が槍のように伸びた。
「まずいっ!
伸びてきたタワー・オブ・グレーの口から己を守るため、
しかしその伸びた口は、スタンドの腕をも貫通した。
「ぐっ!」
スタンドの腕を貫かれた瞬間、DIOは首を傾けた。
そうすることでギリギリだがタワー・オブ・グレーの攻撃を躱すことができた。
『おしいおしい、もう少しで舌を食いちぎれたのになぁ!』
「そう言えば聞いたことあるぞ」
タワー・オブ・グレーを見ながらハッピーが言った。
「事故に見せかけた大量殺戮をする魔道士がいるって…そいつの名前がタワー・オブ・グレー」
「事故に見せかけた大量殺戮…!?」
ルーシィは青い顔でゾクリと体を震わせた。
目の前にいるのはそれほどにまでヤバイ存在なのだ。
「DIO‼︎」
そんなヤバイ相手と戦っているのだ。仲間として心配になるルーシィ。
「ルーシィ、ハッピー、あわてるんじゃあない」
そう言ってDIOは、
「…しかしなるほど、このままでは本当に触れることすらできそうにはないな…
ならば見せてやる!
DIOはニヤリと笑った。
その瞬間、
「
そしてこれが我が、
DIOの背後に、まるで黄金のような輝きを放つ戦士が、守護霊の如く力強く立っていた。
ちょっと時間をかけすぎましたね、最後のDIOの決め台詞はもうちょっとかっよくなるはずだったんですけど…忘れてしまいましてね…