あなた達のその愛で   作:えっぐぶれいん

5 / 10
当たり障りのない慰めの言葉

 

海未『…軽い捻挫だけど完治するのは2週間程かかるかもしれないそうです…』

 

希『ライブには間に合わんかもしれんね…』

 

にこ『こんなこと言いたくないけど、もし凛が間に合わなかったら、花陽。凛の代理としてやってほしいと思ってる』

 

花陽『そんな…私、凛ちゃんの代わりなんてできないよ…』

 

『それに、凛ちゃんみたいに踊れないよ…』

 

ようやくわかった。

 

私は凛ちゃんに近づきたかったわけじゃなくて

 

 

 

私が何者か知りたかっただけなんだ。

 

 

 

花陽『…』

 

 

凛ちゃんが頑張ってた理由は

 

 

凛『頑張ってたんだけどなぁ…』

 

 

大事な人に認められたかったから

 

 

穂乃果『凛ちゃん…』

 

 

凛『見せたかったなぁ…』

 

 

その大事な人はきっと

 

 

花陽『…ごめんなさい…』

 

 

 

私じゃない

 

 

 

凛『…うん』

 

花陽『…ごめんなさい』

 

凛『いいから』

 

花陽『ごめんね…』

 

 

凛『謝らないでよ!!』

 

 

花陽『っ!凛ちゃん…』

 

『ごめ…!あ…!え…?』

 

『っ……』

 

 

自分だけ苦しいなんて、弱音を吐くだけなら楽なのかもね

 

なにも

 

 

解決しないけど…

 

 

 

~~~~~~

 

ライブに出られないかもしれない…

その事を凛ちゃんは納得しているのかはわからない

 

でも誰もその事を責めることはなかった…

 

責任の取り方がわかるほど私は大人じゃなかったけど

 

事の大きさが分からないほど子供でもなかった。

 

 

穂乃果『花陽ちゃんは別に悪くないよ…』

 

『別に出られないって決まったわけじゃないし』

 

『にこちゃんも代理をやってほしい、なんて言ってたけど凛ちゃんは戻ってくるよ』

 

『花陽ちゃんも、だから安心していいよ』

 

 

花陽『穂乃果ちゃんは優しいなぁ』

 

 

『そうやって…』

 

 

 

『凛ちゃんにも[当たり障りのない慰めの言葉]をいったんだよね?』

 

 

 

穂乃果『…!』

 

 

花陽『凛ちゃんが最近もっと頑張ってるのは誰の為か、なんて知ってる癖に!』

 

『穂乃果ちゃんがスクールアイドルを始めて凛ちゃんと私もそれについていった』

 

『それなのに…見えなくなっちゃったんだよ。凛ちゃんばっかり先に歩いていって』

 

『アイドルの凛ちゃんじゃなくて、いつもの幼馴染みの凛ちゃんがいたはずなのに!』

 

『やめてよ!穂乃果ちゃん!』

 

『なんでもわかったふりして!』

 

 

『私から居場所を取り上げないでよ!!』

 

 

穂乃果ちゃんに、穂乃果ちゃんがいる場所に嫉妬していた。

 

こんなこと、言いたくないのに。

 

ただ八つ当たりしてるだけだって分かってるのに

 

頭では理解してるのに子供みたいなわがまま言ってる…

 

 

穂乃果『…ねぇ…花陽ちゃんは何になりたいの?』

 

『凛ちゃんになりたかったの?』

 

『凛ちゃんにすべてを任せるの?』

 

 

『凛ちゃんは[自分]をちゃんと見つけたよ』

 

 

『花陽ちゃんは…自分の行動に責任がとれないことに苛立って』

 

 

『自分を甘やかして』

 

 

 

『[自分を見失ってる]ことを[凛ちゃんのせいにしてる]だけでしょ?』

 

 

 

花陽『わかってるよ!』

 

 

『わかってたよ、気付いてた…』

 

『でもそれを凛ちゃんに言っちゃえば気を使っちゃう』

 

『凛ちゃんの邪魔はしたくないもん』

 

『だから凛ちゃんの前では』

 

 

『いつもの[幼馴染みの小泉花陽]でいるよ』

 

 

『今までそうやってきたから…』

 

 

穂乃果『凛ちゃんが…それを聞いてどう思うか考えたの…?』

 

 

『[花陽ちゃんが一人になった時]の[凛ちゃんの気持ち]は…考えないの?』

 

 

『凛ちゃんを一人にしないであげて』

 

 

…穂乃果ちゃんがそれ言ったらダメだよ…

 

 

穂乃果『帰ろ?風邪ひいちゃうよ…』

 

 

 

~~~~~~

 

学校に帰ると皆が待っていた

 

lily whiteの二人に凛ちゃんの代役を務めるか迷っていると伝えたら

 

 

海未『…凛の代わりなんて誰にも出来ませんよ』

 

海未ちゃんは厳しく言いはなって

 

 

希『凛ちゃんの代わりなんて誰にも出来ないんよ?』

 

と優しいトーンで声をかけてくれた

 

 

 

私はどこか勘違いしていたらしい。

 

私は凛ちゃんの近くにいて凛ちゃんに近づきたかったと思っていたけど

 

それより自分の知らない場所で[小泉花陽]が望まれていたこと

 

答えを出せないまま黙っていたら

 

穂乃果ちゃんが手を握ってくれた。

 

 

穂乃果『一人じゃないでしょ?』

 

 

花陽『…っ』ポロポロ

 

 

また涙がでてきた

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。