金剛さんは無気力   作:郡山さん

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一航戦、赤城、寝ます!
提督、どうか武運長久を私、ヴァルハラから観ているネ
天龍ちゃんがみんなに迷惑かけてない?心配よね~
電の本気を見るのですっ!



金剛さんはコーヒー派

「どうだ、はかどってるかい?」

 

カップを両手に持った白い軍服を着込んだ青年が、パソコンと睨み合いをしている俺にコーヒーを渡してきた。

 

「どうもこうも、何故俺がこんな事やりゃないかん」

 

「まぁそう言わないでくれよ。他の艦娘はこういう機械に弱くてね」

 

はぁ…アハハじゃねーよ。おめぇがやれよ!

何故俺が会計などという面倒なことをしなきゃいかんのか。

咥えていたタバコを灰皿に押し付け、コーヒーを一口飲み、気分を落ち着かせる。

最近はコーヒーを飲みすぎて、なしでは生活できなくなってきた。

 

「お前がやったらどうだ」

 

「アハハ、お生憎様。僕もメカには弱いのでね。君しかできないんだよ金剛くん」

 

金剛くんとは俺の事だ。

いや、身体に合わせて言うなら私の事だろう。

何ゆえに女の俺が俺と言っているのか。

それは俺の前世に関係する。

前世俺は男だったのだ。日本に生まれ日本人にとって普通の人生を歩んでいた。

そして交通事故でおじゃん。俺をひき殺した奴の顔は今でもはっきりと覚えている。絶対許さん。

今世、神様のミスか何かはわからんが、俺は前世の記憶を消されることなくこの世に"艦娘"として生を受けた。

そしたらこの有様だ。

雑用、雑用、雑用の毎日。

深海棲艦と戦っては、書類作成の雑用。

ふざけんな。

 

「金剛くんには感謝してるよ」

 

「何だ?気持ちわりィ」

 

「ははは、酷いなぁ。僕の数少ない本音なのに」

 

「言ってろ腹黒野郎が」

 

コーヒーを一口含み、ミスがないか画面を確認する。

後ろでニヤニヤと笑っているのが画面の反射で分かる。

俺以外の艦娘はコイツに騙されて、マインドコントロールされている。

クソッタレ。

 

「何か失礼な事考えてないかい?」

 

「別に…。で?」

 

「で?とは?」

 

「わざわざ雑談しに来たわけでもなかろうに。それともピチピチの女の子とイチャイチャしたくなったとか?」

 

「ははは、冗談は就航年日を見てから言いなさい」

 

「それで?」

 

「相変わらず金剛くんはツレナイネー。まー要件は新人教育だよ」

 

「はぁ…。お前がやったらどうだ」

 

「残念。僕は鞭じゃなくて飴で居たいのです」

 

「飴は飴でもサルミアッキじゃないのか」

 

「まあ、そゆことでヨロシク」

 

「昇給しろ」

 

「ほい、特別手当は申請しときます」

 

お金のやり取りをしていると、ドアがノックされた。入室を許可すると「失礼します」いう声と共に、赤城が入ってきた。

提督はコーヒーを1口飲んだ後、赤城に要件を聞いた。

 

「何用かな?」

 

「哨戒任務中の偵察機が深海棲艦を捉えました。駆逐艦5隻、軽巡が1隻です」

 

赤城からの報告に提督は目を細めた。

俺もパソコンから目を離し、椅子を回転することで赤城に向いた。

 

「敵空母は」

 

「今のところ確認されておりません」

 

「偵察部隊か…。提督、悪いが残りは任せる」

 

「オッケー、諸君らの誉れは皇国の歴史に永遠に語り継がれるであろう」

 

「…アホらし。赤城、他の艦娘は?」

 

「既に待機しております」

 

「あーだりぃ…。赤城達だけでよくね?」

 

「何を言ってるんですか。この鎮守府で戦艦は貴方だけなんですから」

 

「はぁ…」

 

渋々他の艦娘と合流する。

この鎮守府はとっても影が薄く、大本営さんにはいつも忘れられている。

その為、配置されている艦娘は現在のところ俺を含め、赤城、龍田、電の4人しか配置されていない。

"昔"は結構いたんだがな。

流石にヤバイと思った提督が大本営さんに打診、結果空母と軽巡が新たに配置される事になったが、誰が来るのかは聞いていない。

誇大広告でなければいいのだが。

 

 

あの後、外で待機していた龍田と電と合流し、敵さんを迎え撃つ。

駆逐艦イ級5隻、軽巡洋艦ヘ級1隻。報告通りのザコ。敵空母はいなさそうだ。水中に居たりしたら最悪の事態になるがな。

取り敢えず撃ちまくる。弾幕はパワーだぜ。

ふふふと愉悦の表情を浮かべた龍田も後に続く。

 

『航空支援は必要でしょうか』

 

「んー、いらないと思う」

 

『了解』

 

後方で待機している赤城から無線が入った。

ちなみに電は赤城の護衛につかせている。

4人しかいないのだ。空母である赤城を単独行動なんかさせて失ったら大損害どころでは済まない。艦隊が崩壊すると言っても過言ではないだろう。

無論、龍田や電が消しんでも大損害であることには変わりない。

駆逐艦を3隻ほど砲撃で沈めた後、肉弾戦に持ち込む。

龍田の援護射撃の元、敵に急接近、イ級を上から抑え込み砲撃を撃ち込む。

残った1匹のイ級も同様に沈める。

軽巡ヘ級は砲撃を撃ち込み、目くらましをした後、素早く後ろに回り込み腕を引っ張りあげ、ぶら下がった状態のヘ級に撃ち込み爆発四散。

持っていた手首から下が綺麗に吹き飛んだ。

手首を投げ捨て龍田の所へ戻る。

はぁ、疲れた…。

ブラックもいいところだよこの鎮守府は…。

 

「相変わらず金剛さんは凄いですわねぇ」

 

「赤城へは連絡したか?」

 

「はい、合流しだい帰還すると」

 

あー、タバコ吸いてぇ…。

 

 

基地へ戻った俺は、提督を殴った。

 

「な、殴ったね?父さんにも殴られたことないのに!」

 

「…フザケルナ、ハンセイシロ」

 

業務用のパソコンで卑猥な画像調べるアホが何処に居るんですかね?

しかも部下が命かけて戦ってる時に。

そんなゴミがこの世の中にいるとは。

あ、ここにいましたか。

ゴミはゴミ箱にキチッと入れないとダメじゃないですかねぇ?

 

「ちょっちねー、男の性なので―」

 

「オッケイ、大本営さんに―」

 

「ちょっ!マジすんませんでした!それだけは勘弁してくだせい!!何でもしますから!」

 

「じゃあ、パンジャンドラムにでも乗ってもらおうか」

 

「死ねって事かな?」

 

青い顔でひきつり笑いする提督に笑顔で答えてあげる。

 

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