満開のライノの花とその花の花粉が空を舞う中ライノの木の脇にあるベンチで二人の少女が座っている。正確にはフィーが涎をたらし、エレナの膝枕の上で寝ているそしてフィーが垂らした涎がエレナの服に垂れている。
「ん~……」エレナが目を擦りつつ顔を少し上げる。そしてフィーの涎でベタベタになった自分の制服を見た後フィーの顔を見てからフィーの頭を思いっきりひっぱたいた。
「痛っ?!……ねえレナ?今思いっきり叩かなかった?」叩いたエレナの顔をキッと睨みつけた後エレナの制服を見て自分の頬をさすって何を下のかを考えた後
「ねえ、エレナ?なんで私叩かれたの?」と聞いてみるともう一度ひっぱたかれた。
「レナ、痛い……」叩かれた場所をさすりながらエレナの膝の上でもう一度寝る。
「ちょっ!フィー!?あと何時間寝る気なの?もう私の足が限界なんだけど!」かれこれ5時間近くフィーに膝の上で寝られたため膝より下の感覚が無くなっているエレナは顔面蒼白で訴えかける。
「ん……あと52時間……」そういいつつ体勢を寝るための体制に移す。
「ちょ!フィー!なんで2日と4時間も寝ちゃうの?!もう入学式が始まっちゃうよ!?てかもうはじ魔ちゃってるよ!入学式始まってるよ。はじまって15分くらい経っちゃってるよ!」フィーを起こそうと努力している中でRF社製の懐中時計を懐から出し時間を確認すると入学に関する資料に書いてあった時間よりも15分も過ぎてしまっていた。
「あぁ!もう……仕方ない!」ベンチから勢いよく立ち上がることでフィーが頭から地面に落ちる。だがそんなことは関係なくフィーの足を持って引きずりながらこれから入学するトールズ士官学院に向かって走る。
石畳や砂利道、民家の屋根の上などを場所を関係なくフィーを引きずり回しながら士官学院目指して疾走していく。
「ちょっと!レナ!痛い!」エレナの手を叩きつつ必死に訴えかけてくる。だがそんなこと関係なくエレナは士官学院目指して走り続ける。
ザッっという音と共に士官学院の正門前で足を止めた。
「ふぅ……到着っと。」引きずられてボロボロになり気絶したフィーをよそにエレナは正門から学院内に入る。
「ご入学おめでとうございます!」2~3歩ほど歩くと正門の横から背の低い小動物のような少女が飛び出してきた。
「えっと……エレナ・クラウゼルさんとフィー・クラウゼルさんでいいんだよね?」小動物のような少女は自分たちの名前を何故か知っており、若干警戒して半歩後ずさる
「あっ!そんなに警戒しなくても……」自分に警戒されていることを悟った小動物少女はシュン……としてしまう。少女に耳と尻尾が生えたように見えるのは幻覚だろう。だが念のためエレナは目を擦りながらふと入学時に気になったことを考える
(なんで赤い制服の生徒は私たちだけなんだろう……)
物思いにふけっていると気絶から回復したフィーが制服の袖をひっぱており、何事かとその方向を見ると小動物少女が自己紹介をしたにもかかわらず無視されていたためシュン……としているのが目に入った。
「あっ!すみません……もう一度、自己紹介、お願いできます?」申し訳なさそうにしながら聞いてみる。
「えぇっと……私はトワ・ハーシェルだよ。こう見えても一応はこの学院の生徒会長をしてるんだよ。」もう一度自己紹介する機会を与えられて嬉しいのか、胸を張って答える。
「えっ?!生徒会長だったんですか!?そうとは知らずすみません!」ものすごい勢いで腰を90°に折り曲げ謝る。見事な謝罪を見せられトワも驚いている。
「ねぇレナ……入学式行かなくていいの?」そうこうしていると、横からまたフィーに文句を言われてしまった。
「あっ!トワ会長!すみません、もう行きます!また今度お話いましょう。」そういってまたフィーを引きずりながら講堂に向かって全力で走り去っていった。