英雄伝説~精霊の軌跡~   作:叢雲君

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今回は若干長いです。そして若干見にくいかもです。すみません


特別オリエンテーリング後編

床が開いてできた穴に飛び込んだエレナが見たものは一種の衝撃的な場面だった。

先ほど自分たちに話しかけた黒髪の少年が金髪の少女に平手打ちをされていた。

近くにいた小柄な赤毛の少年に話を聞いたところどうやら穴から落ちた時に金髪の少女を庇おうとしたところ着地を誤って金髪の少女の胸の下敷きになったそうだ。

 

「はぁ……なるほど、要するに単なる事故だけど当たり所が悪くてビンタされちゃった、と」状況を理解し若干苦笑いしながら黒髪の少年に憐みの目を向ける。

そんな中入学前にもらった資料についていたARCUSから通信が入った。

どうやら正門をくぐる際に渡した自分たちの得物とARCUSにつけるマスタークォーツというものを用意したから受け取れ。ということらしい。

 

通信が終わったと同時に今まで真っ暗だった部屋に明かりがついた。どうやら部屋は円柱状にできていたらしく10の台座が等間隔に自分たちを囲むように配置してあり、その上に先ほどのサラが通信で言っていたものが置いてあった。

 

「へぇ~これがマスタークォーツねぇ……きれいだね~」薄い灰色の普通のクォーツよりも一回り大きなムラクモと呼ばれるクォーツをARCUSにセットする。

そうするとエレナを淡い青色の光が包み同期の完了を知らせる機械音が鳴る。

 

辺りを見回すと全員が淡い光に包まれ同期が完了した機械音が辺り一帯に反響した。

そんな中手に持ったARCUSからサラの声がする

 

「――それではこれより、士官学院・特化クラス《Ⅶ組》の特別オリエンテーリングを開始する。各自、ダンジョン区画を抜けて旧校舎一階まで戻って来ること。文句があったらその後に受け付けてあげるわ」これまためんどくさいことを……と思いため息をつく、そこにサラに追い打ちをかける一言をサラは言った。

 

何だったらご褒美に、ホッペにチューしてあげるわよ」これだからサラは……さらに深いため息をつきARCUSを懐にしまう。そして通信が切れたと同時に近くのゲートが開く。それと同時にフィーがエレナから逃げるように、脱兎のごとく駆け出した。

 

「ちょっフィー?!なんで逃げるの?!」突然のことに戸惑いつつも一瞬の静止の後すぐにフィーを追いかける。西風の旅団の中でも随一の足の速さを持つエレナが後ろから追いかけるためフィーは辺りの魔獣を無視しながら駆け回る。だがそれでもフィーは30秒と立たずに捕まってしまった

 

「さぁて、フィー?なんで私から逃げたの?」まったく息を切らさずに追いかけフィーになんで逃げたのか問い詰める、だがフィーは全力で逃げたため息を切らしていてまともに返事ができない。だがそんなことお構いなくエレナはフィーに問い詰める。

 

「えぇっと……なんとなく?」苦笑いをしながら少しずつ後ろに下がっていく。

 

「ふぅん……さて、フィー、ひとまずもう逃げないでね?一応これチームワークを見るのもあると思うから単打区行動はよくないろ思うよ?」フィーの制服の襟首をつかんで引きずりながら語りかける。だがフィーはふてくされた顔のままなされるがままになっている。

 

そんなことをしていると背中に羽の生えた飛び猫と呼ばれている魔獣と金色の甲殻を持ったコインビートルと呼ばれる魔獣が曲がり角から飛び出してきた。

 

「おっと~これまためんどくさそうなのが出てきたねぇ……どうする、フィー?このまま無視して突っ切ることもできるけど、一応倒していく?」フィーの襟首から手を離し自分の武器に手を掛ける。

 

「ん、そだね。」そういってフィーも自分の武器を取り出す。

 

それが合図となって戦闘が開始された。

だがそれも一瞬のうちに終わることになる。もともと数多の戦場を経験しいくつもの死線を潜り抜けてきた二人にとってはこの程度の敵など相手にすらならない。一瞬のうちに二人に翻弄され、駆逐されていく。

 

「う~ん、こいつらじゃあ相手にならないね~。」一瞬で蹴散らしたため暇になったのか大きな欠伸をする。

 

「ん、そだね。どうする?ひとまず終点見てくる?」己の武器を腰に下げている武器ケースに入れ、エレナに賛同するように頷く。

 

「よぉし、それじゃあしゅっぱぁーつ。」右手を大きく頭上に掲げ自分の耳(・・・・)から入ってくる音を頼りに出口があるであろう場所を目指して進む。

 

道中出てくる魔獣を蹴散らしつつ先に進んでいくと少し広い広間のような場所に出た。

 

「はぁ……ねぇフィー?あそこにいるのはどう見ても石の守護者(ガーゴイル)だよね?これまたサラさんはろくでもないものを用意してくれたね。」隣に立つフィーに語りかけながら元来た道を引き返すため振り返る。そして元来た道を引き返していると、黒髪の少年とほかに3人の少年が向こうから歩いてきた。

4人組の実力を見るため少し大きな広間にある柱の裏に隠れているとまず最初に黒髪の少年が、そしてその次に背の高い異国の出身のような出で立ちをした少年が気づいた。だがそのほかの赤髪の少年と緑色の髪をした少年は何がいるのか気づいていない。

そんな中フィーが最初に、それに続いてエレナが4人組の前に姿を現した。

 

向こうの4人組は少し警戒しているが淡々と自己紹介は進んでいくまず自分たちに語りかけてきた黒髪の少年がリィンと言う名前だったことが分かった、そして背の高い少年はノルド出身でガイウス、さらに緑色の髪の少年はあの帝都知事カール・レーグニッツの息子、マキアス、そして赤髪の少年はエリオットという名前ということが分かった。

 

「改めて自己紹介するね、と言ってももう名前も名乗ったしねぇ……まあもう一度名乗るよ、私はエレナ、エレナ・クラウゼル、もう道のりの半分は過ぎてるから君たちなら後15分もすれば終点に到着できると思うよ。」そう言い残して今いる場所から上の階に壁を伝って上る。後ろで彼らが何か言ってる気がするがそんなのは無視して少し道を行きその場で休憩することにする。

 

その場に座り込み仮眠をとるために目を瞑る。そしてそのまま寝てしまう。だが遠くから反響する剣檄の音でその眠りはすぐ覚まされることになる。戦闘が行われている場所に向かうためその場で少し伸びをする。そうすると自分と一緒に傍らで寝ていたフィーがいないことに気づく。どこに行ったのかと考えていると、剣檄の音がしたほうからフィーの双銃剣特有の軽い発砲音が響いてきたことからフィーも戦闘に向かったのだと気づく。そして自分も戦闘が行われている場所に向かうべく走り出した。

 

10分ほど走り続けると先ほど発見した石の守護者とほかの生徒たちが戦闘をしている部分に出た。そして先ほどエリオットと名乗った少年が石の守護者に攻撃される瞬間だった。

 

「危ない!」その光景を見てガンブレードで今にも喰い付こうとしている石の守護者の頭を狙撃する。眼球に弾丸が直撃することで攻撃を中断していったんエリオットから距離をとる。どうやら先ほどの攻撃はエリオットがカウンターを繰り出してきたと思ったらしく威嚇のために咆哮をする。

 

「エリオット君、大丈夫?」エリオットの前に出てから安否を尋ねる。

 

「う、うん。エレナさんのおかげで助かったよ。ありがとう」その場で、ペコリ、とお辞儀をして礼を述べる。エレナとしては当然のことをしたまでと思っているのでお礼を言われたことに少し驚いているが一瞬で目の前の敵に意識を向ける。

 

「えぇっと、こいつはだいぶ硬いからみんなで隙を作って私とそこのあなたで一気に首を切り落とすよ」青髪の少女を指さしその得物を見て君ならできると応援する。それに乗せられて8人が隙を作るために攻撃を仕掛ける。その瞬間全員を淡い青色の光に包まれる。そうすると熟練の兵団のように連携が取れた攻撃を作り出していく。そしてフィーが石の守護者の腱と思われる場所と切り相手の首を剣が届く範囲に下した瞬間

 

「はぁあ!」「ソニックムーブ」二人の少女が上下から首を切り落とすために剣を振るう。

 

スパンッときれいな音が鳴って石の守護者の首が切り飛ばされた




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