……………………見つけた。
最近視線を感じる。気のせいかもしれないが外でも、誰もいないはずの場所でも、自宅でも感じる。……うーん、何だろう? ちょっと神経質になっているのかな、気をつけないと。
……どうすればあの人にお近づきになれるのでしょうか、生憎と経験が無いので何も思いつきません。とりあえずは観察を続けましょう、彼のことを余すことなく知っておくのは大事です。
やはり視線を感じる、しかも前よりも多くなったような気もする。んー、本当に気にしすぎなのかな? うーん……、でもなあ……。一応明日魔理沙にでも相談しておこう、かな?
どうしたらいいですかね、あの方とお近づきになるには。考えてみましたがどうにも良い策が思いつかない、……こういうときは人に相談するのが一番かな? 少々恥ずかしいけれど思い切って相談を持ちかけてみよう。そう思い勇気を振り絞って同僚に相談したら何故か引かれました、何で? その後上司に呼び出されどうしてだが休暇を貰いました、百年ほど。ええと、何故でしょうか?
魔理沙に相談してみたけれどこれと言って何か分かったことはなかった、少なくとも魔法の類がかけられているこという事は無いとのこと。だったら気のせいなのかな? でも魔理沙と話をしているときも確かに感じていたんだけどな……。別に魔理沙のことを疑っているわけじゃないけれど納得がいかなかったので正直にそう言ってみる、すると彼女は泊まりこみで調査してくれると言ってくれた。男の家に女の子を泊める事には抵抗があったのだけれど、魔理沙は気にしていないように見えたのでそうすることにした。……魔理沙と話していると妙に視線を強く感じることがあった、どういうことなのだろうか?
……霧雨魔理沙、彼との関係は何なのでしょうか。随分と親しそうだったけど、もしかしたら……。彼女の姿を見ていると彼の傍に行きたい、そう思えてくる。…………そろそろ、動くべきでしょうか?
今日僕はとある妖怪に危ないところを助けてもらった、白狼天狗の犬走椛さんという女性だった。妖怪とはいえ命の危機を救ってもらったのは事実、何かお礼をしたいところだけど……。うーん、何がいいのかな? それにしても……、僕の気にし過ぎ、なのかな?
今日は良い日でした、何と言っても彼と会話をすることができたのだから。……また、会いましょう、ですか。ふふふふ、ええ、また会いましょう。今度は何かお土産でも持っていきましょうか、ね?
先日助けていただいた犬走さんと再会した、しかも僕の家の前で。何でもたまたま僕の家を知っていたのでわざわざ会いに来てくれたとのこと、それも僕の好きなお菓子を手土産に。命を救ってもらった立場であるのにこれは無い、そう思ったので僕に出来る限りのもてなしをすると逆に恐縮されてしまった。あまりそういった扱いは得意では無いらしい、悪いことをしてしまっただろうか。その後は適当に世間話をした後彼女は帰っていった、再会を約束して。
今日は彼の家にお邪魔させてもらった、彼の好物を手土産にして。だけど逆に恐縮させてしまったらしい、下にも置かない歓待を受けてしまった。ちょっとやりすぎたでしょうか? でもつい気が……、まあ次に生かしましょう。今度は、もっと親しくなりたいですね。
あれから度々、椛さんは僕の家を訪れるようになった。しかも僕の家の掃除を手伝ってくれたり昼食を作ってくれるようになった、なんとも優しい人だと思う。……いや、気にし過ぎだ、今はそうしておこう。
今日はとうとう彼に名前で呼んでもらえるようになった、出来れば呼び捨てが良かったのですが仕方ない。でも確実に彼との距離は狭まっていると感じます、このままいれたらいいな……。
椛の耳を撫でている時に偶然アイツの話をすることとなった、僕がかつて飼っていた大事な友達の話に。お守りとして持っていたアイツの首輪を見せながら思い出を語った、いつも一緒にいたときの思い出を。椛はそれを楽しそうに聞いてくれた。
彼からかつて飼っていた犬の話を聞いた、何でもいつも一緒にいるぐらい仲が良かったらしい。その首輪を触らせてもらいながら私は願った、私も彼とずっと一緒にいれますようにと。
こんな日がずっと続けばいいなと思う、ずっと二人で何となく生きていけたらいい。
こうしていつまでも彼の傍にいられたらなと思う、ただただ彼の傍にいられたら。それだけで良い、それだけで良いのに。
最近魔理沙の機嫌が悪い、どうやら椛のことが気に入らないようだ。悪い人じゃないと何度も言っているのだが聞き入れてくれた様子は無い、放置するわけにもいかないよなあ……。
彼が何かを悩んでいる、たぶん霧雨魔理沙との会話が原因なんだと思う。それとなく聞いてみたけれど彼は何も言ってはくれない、何か力にはなれないのでしょうか……。
……妖怪と結ばれるなんて駄目に決まっている、か。魔理沙の言った言葉に僕は悩んでいる。分かっている、分かっているのだ。だけど……、それでも。
まただ、また彼は笑顔を曇らせている。何が彼を苦しめているんだろう、どうして彼は苦しんでいるのだろう。魔理沙が原因なんでしょうか? でも彼は彼女のことを随分と信用しているみたいだったし、……どうすればいいんでしょうか?
どうしたらいいのだろうか、段々と分からなくなってきた。魔理沙の言うことも分かる、妖怪と人間が交わるなんておかしなことだと重々承知している。でも、それでも僕は……。
彼がいない時、魔理沙が私を訪ねてきた。挨拶も無しに彼の傍から離れろと言われた、彼の隣に立つのは自分だと。不躾で無礼な言葉だったはずなのに、不思議と私は納得していた。そうだ、彼は人間だ、人間なのだ。妖怪ではなく人間と添い遂げるのは当然のこと、だから魔理沙がそう言うのは分かる。でも、傍で想う位はいいでしょう?
僕は彼女といたいだけなんだ、そう言っているのに魔理沙は分かってくれない。どうしたら分かってくれるんだ、どうしたら。
魔理沙は認めなかった、傍にもいるなと言った。どうして? それぐらいなら別にいいでしょう? 貴方の邪魔はしない、ただ傍にいさせてくれれば良い。私の望みはそれだけなのに……。
アイツはおかしい、そう魔理沙は言った。彼女は、椛はおかしいと。その言葉は許せなかった、いくら大恩のある魔理沙といえどもその発言は許せなかった。
お前のせいだといわれた、私のせいで彼が離れたのだと。……私が悪いの? 私はただ彼の傍にいたいだけなのに、それだけなのに……。
拳を握り、強く力を込めていたことに気づいた。僕は今何をしようとしていたのだろうか? そのことに気づいた時、魔理沙が泣きそうな顔をしていた。まるで殴られでもしたかのように。僕は殴ってなどいない、だけど言葉で殴りつけた。拳ではなく、言葉で彼女を傷つけてしまった。だって、だって彼女は……。
ふと彼が前に話題に出したそれが目に入った、どうしてここにあるのだろうか? そんなことを思いつつ無意識にそれを手に取った。何故か、手が離れなかった。……どんな形でも、それもありなのだろうか?
……千里眼、そんなことは気付いていた。だって彼女の視線は僕が感じていたものと同じ感覚だったんだから。彼女が僕の好物を知っていたことも、妙に僕の行動を知っていたことも、当の昔に気付いていた。でも僕は、僕の本心は。
でも……。………………彼は今、何をしているんでしょうか?
キスをされた、魔理沙に。告白された、魔理沙に。頭の中が真っ白になった、彼女の想いには気付いていたのに。そうだ、僕は知っていた、分かっていたんだ。でも僕は、魔理沙を振り払った。だって、やっぱり、僕は……。
……ああ、そうなのか。私では、今の私では駄目なのか。だったら、恋人が駄目なら、別にものになれば良い。これなら、私も傍にいられますよね?
壊れたような笑顔で笑う彼女を見て、アイツの首輪をつけた彼女を見て、遅かったのだと僕は悟った。
はい、椛回です、久しぶりに早めの時間に書き終わりました。ええっと、魔理沙及びファンの方ごめんなさい。この話には悪役じゃないけどああいう立場の人間が必要でして、モブだと弱いので魔理沙を割り当てちゃいました。性質上人間じゃないといけない、毎回霊夢というのもあれだし咲夜は無理な立ち位置だったので魔理沙にね、はい。今回は質問や突っ込みの多くなりそうな回となりましたね。
さて、今回は初の会話文なし彼視点混じりの回でしたがどうだったでしょうかね。前回に引き続き椛の心の動きが無理やりかなと反省。実は後ろで邪仙辺りがよからぬことを吹き込んでいるんじゃなかろうか、そう思ってしまうほど強引。そしてどうでもいいですが最初は彼のほうもちょっとおかしいキャラにするつもりでした、でも何かあれだったので書き直しました。一度書き始めてからがらりと方針を変えたのは今回が初めてだった気がする。そっちだと割とハッピーエンドにするつもりだったんですけどね、まあこれも別にそこまでバッドエンドじゃ無いでしょう、たぶん。
で、リクエストについてちょっと書いておきます。リクエストははっきりとお願いします、ぼんやりとしたリクエストだと私がピンと来ません。説明すると現在妖精キャラのリクエストをされている方がいらっしゃいますが出来ればキャラを決めていただきたい、範囲が広いとこちらで決め難いのでちょっと困ります。そしてもう一人、193と書かれている方がいますがこれは衣玖さんのことですか? そこが分からないとリクエストとして優先して書くことはありません。私はあまり気を利かさない性質なのでその辺りははっきりとお願いします。
そして長くなりましたが次回以降の話。現在二人がグルになるタイプのヤンデレを書いて欲しいというリクエストを頂いております、それについて感想欄の方で色々と書いているのでそれに対してご意見があればお願いします、この組み合わせがいいとかね。場合によっては特別編として二十話のネタにするのもありかと思っていますが、前回がいまいちだったので特別編はもう無しでもいいかと思っています、そのあたりについても良ければご意見ください。なのでその辺りも含めて次回のキャラは未定です、まあ気長にお待ちください。ではまた。