ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer-   作:〜レオス〜

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もうタイトル=ネタバレ、いや出落ちですね


いつもより少し長いですがお付き合いお願いします!


第九話 紅蓮-TRANS-AM-

俺は数日前から休暇を取らされていた。理由は働きすぎということらしい。

一刻でもはやく攻略を終え、現実世界に帰りたいというのに……

 

 

 

「ちょっと!何してくれんのよ!」

 

「すまない、まさか当てたほうの剣が折れるなんて………」

 

「何よ!あたしの剣がやわっちいとでも言いたいの!?」

 

 

昼寝をしていたらなにやら下が騒がしいので目が覚める。

何事かと思い下に行ってみると

 

「リズベット、何かあったのか?」

 

「ちょっと聞きいてよセツナ!コイツがね!」

 

「ん?セツナ……?えぇっ!?セツナ!?」

 

「………お前か…」

 

「何?2人とも知り合いなの?」

 

「あぁ、コイツが前に話したことのある『黒の剣士』キリトだ。」

 

「あぁ〜!あの人ね!」

 

「おいセツナ、なんでお前がここにいるんだよ!」

 

「ここは俺の家だ。」

 

「え?でもここってリズベット武具店じゃ………もしかして同棲してるのか?」

 

「そういうことになるわね。…………ってそんなことよりアンタ〜!私の剣どうしてくれるのよ!」

 

「悪かったって!ごめんな。」

 

「謝ったって折れた剣は直らないわよ!」

 

俺はアイテムストレージを開いて〈クリスタライトインゴット〉をオブジェクト化してリズベットに渡す。

 

「これでキリトに武器を作ってやってくれ、コイツの戦力アップは攻略組全体の戦力アップにも繋がる。折れた剣のぶんは俺がなんとかする。それで勘弁してやってほしい。」

 

「これどうしたんだよ…?」

 

「この前ドラゴンを倒したらたまたまドロップしたんでな。」

 

「……セツナがそこまで言うならいいわよ、許してあげるわ。じゃあ剣打ってくるわね。」

 

そう言ってリズベットは鍛冶場に向かった。

 

「ごめんなセツナ」

 

「問題ない。」

 

「それよりいつ頃からリズと同棲してるんだ?」

 

「53層攻略の前からだ。」

 

「結構前なんだな、それよりもお前ら付き合ってるのか?」

 

「付き合う?なんだそれは?」

 

「いやお互いに好きあってさぁ……ってじゃあなんで同棲してるんだ?」

 

「いろいろ手伝っていたらお礼と言って俺の部屋も作ってくれたんだ。」

 

「へぇ〜(リズのほうは絶対セツナのこと好きだろうけど……セツナって鈍感なのか…)」

 

 

キリトの剣が出来るまで俺は色んな話を聞いた。以前ビーストテイマーの少女を助けたことやアスナと一緒に圏内PKの事件を解決したこと…あとは殺人ギルド笑う棺桶の近状についてもだ。

 

しばらくするとリズベットが水色の剣を持ち鍛冶場から出てくる。

 

「はい、出来たわよ。名前はダークリパルサー、私の最高傑作ね」

 

リズベットはキリトにダークリパルサーを渡す。

 

「サンキュー、リズ!重くていい剣だ。」

 

「はいはい、じゃあその剣で攻略頑張ってね」

 

「キリトお前エリュシデータもあるのにどうして……?」

 

「……んんーー……お前らならいいか……実はな、俺…」

 

キリトが何かを言いかけると武具店の入口が勢いよく開けられる。

 

「リズ!今セツナくんいる!?」

 

アスナが大急ぎで入ってきたのだ。

 

「アスナ!?どうしたのそんなに急いで!」

 

「リズ、セツナくんは!?」

 

「え!?ちょ!アスナ落ち着いて!」

 

「俺はここにいる。」

 

「アスナ……どうしたんだよ…?」

 

「セツナくん…あとキリトくんもいたのね、良かった手間が省けるわ。」

 

「何かあったのか?」

 

「とりあえず聖龍連合の本部まで行くわよ、詳しい話はそこから。ごめんねリズ、セツナくん借りるわよ」

 

「う、うん…」

 

「リズベット、少し行ってくる。何かあったらメッセージ送る。」

 

「おい!アスナ!セツナ!待てよ!」

 

 

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俺たちはアスナに聖竜連合の本部に連れてこられた。

道中に少しだけ説明を受けた、どうやら殺人ギルド笑う棺桶の掃討作戦を決行するらしい。

 

「よし、みんな集まったな。今回の指揮は聖竜連合のシュミレットが取らせてもらう。今から資料を配布するから目を通して欲しい。」

 

周りを見ると血盟騎士団、今回はリボンズも来てる。あとは聖竜連合、クライン率いる風林火山、それと俺やキリトを含めたソロプレイヤー達、合計50人弱のプレイヤーたちによる掃討作戦だ。

 

資料が手元に回ってきた。資料にはラフコフのリーダー『PoH』、幹部プレイヤーの『赤目のザザ』、『ジョニー・ブラック』の情報が載っていた。

こいつらはキリトが言ってた十字の丘で出会った奴等だろう

その情報を見てると、シュミットが

 

「笑う棺桶の本拠地が下層の洞窟だということがわかった。」

 

ザワザワ……

 

資料には本拠地の場所が記されていた。

その場所は層の端で誰も探してなさそうな場所にあった。

 

「道理で………」

 

 

 

 

「1ついいかな?」

 

「なんですか、リボンズさん?」

 

「この作戦の本質をまだ聞いていないのでね、これは捕縛するのか、それとも処分するのか……それをはっきりして欲しい。」

 

リボンズの言葉で再びざわつき始める

 

「極力は捕縛で………万が一抵抗してきた場合は各々の判断に従って貰います。」

 

「わかった。ありがとう」

 

「で、では決行は明日ココに一度集まり回廊結晶で洞窟前まで行く、他に質問は?」

 

「……ないようなので本日はここで解散!」

 

 

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「なんかすごいことになっちゃったわね…」

 

「あぁ、だがあいつらは………」

 

キリトとアスナが話している内容は良く分からないが2人とも戸惑っていた。

 

「キリト、アスナ、俺は帰る。リズベットも心配してるだろうからな。」

 

「うん、リズによろしくね。」

 

「セツナ、明日は頑張ろうな。」

 

「あぁ…」

 

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俺は48層に戻った。

 

「リズベット、戻ったぞ。」

 

「あ、おかえり!何だったの?」

 

「あぁ、実はな……………」

 

俺は明日のことをリズベットに説明した。

 

「……笑う棺桶って殺人ギルドで有名な…………」

 

「あぁ、そうだ。これ以上被害者を出さないように今ここで破壊しておく必要がある。………その際にお前の作った武器で人を殺してしまうかもしれない……そうしたらすまない…。」

 

「それはいいわよ………でもセツナ…お願いだから死なないでね……?」

 

「大丈夫だ、俺は死なない……生きて未来を切り開くためにも……だから心配するな。」

 

「うん……」

 

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もう日付も周りをいつもならとっくに寝てる時間だ。だがなぜだか眠れなかった。

 

「………もしかして俺が人を殺すかもしれないのか…この手で…そしたら母さんたちを殺したやつと同類だな………」

 

「セツナ……入っていい…?」

 

「あぁ、構わない。」

 

「なんか眠れなくて……一緒に寝ていい?」

 

「俺も眠れなくてな、こちらからも頼む。」

 

リズベットが俺のベッドに入ってくる。

 

「こうして隣で寝るの久しぶりね」

 

「あぁ……不思議だ、1人で居たらこんな風にすぐ落ち着くことは出来なかった……リズベットのおかげだ。」

 

「そんなことないわよ、人と一緒にいると落ち着くもんなのよ。」

 

「俺の場合はリズベットだからこんなにはやく落ち着けたんだ。」

 

「そ、そんな…恥ずかしいこと言わないでよ…」

 

「リズベット、いつも武器の整備だけじゃなく俺のことを気づかってくれて助かる、ありがとう。」

 

「うぅ……あ、あたしもセツナにいつも元気貰ってるんだ。それにこの世界で生きていこうと思ったきっかけもセツナだったし………ねぇセツナ聞きたいことあるんだけど……?」

 

「すぅ……すぅ………」

 

「寝ちゃったか……死なないでね、大好きだよセツナ」

 

リズベットは寝ている俺のおでこにキスをした。だが俺が気付くことはなかった。

 

 

 

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朝ごはんを食べ終え、いよいよ出発するときが来た。俺はいつものコートに着替え、マフラーを巻き装備を整えた。

 

「もう…今は8月なんだからわざわざマフラー巻いてかなくてもいいのに。」

 

「これはリズベットとの約束のマフラーだからな」

 

「約束?」

 

「あぁ、『絶対に死なない』って約束だ。……じゃあ行ってくる。」

 

俺はリズベットの頭をポンポンとやって集合場所である聖竜連合本部まで向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「お、来た来た!おーいセツナ〜!」

 

クラインが俺を見つけて手を振ってきた、周りにはキリトとアスナもいる。

 

「このメンツが集まるのは久しぶりだな。」

 

「そうね、大体キリトくんが攻略サボっちゃうからね〜」

 

「おいおい、まだあの時のこと根に持ってんのか!?」

 

「別に何も言ってないけど〜?」

 

「あの時のこと?」

 

「お前さんは休暇中だったから知らねぇのか、あのな……」

 

「クラインさんも余計なこと言わなくていいですっ!!」

 

みんなそんなに気が滅入ってるわけではなさそうだな、いや考えないようにしてるだけか……

 

「みんな聞いてくれ!これから俺たちは回廊結晶で笑う棺桶の本拠地の洞窟前まで転移する!行くぞ!」

 

 

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総勢50人弱のプレイヤーが笑う棺桶本拠地の洞窟前まで転移され、洞窟の中に入っていく。

 

 

 

 

「静かだな……」

 

「あぁ…もしかして俺たちの奇襲に気付いてたのかもしれない。」

 

「嘘だろ?どっからバレるってんだよ!?」

 

「しっ!静かにしてろ」

 

 

 

クラインの言う通りバレる可能性は低い、だが俺たちの中にスパイがいたとしたら………

 

洞窟の奥には大きな空間があった。これ以上先には進めない。

結局最後まで笑う棺桶のメンバーは出てこなかった。

 

「なんだよ、居ねぇじゃねぇか」

 

「シュミレットさん、ホントにここであってたんですか?」

 

「間違いないはずなんだが………」

 

すると上からローブを被った集団がいきなり襲いかかってきた。油断していたプレイヤーは驚いたが、なんとか 応戦している。俺たちもそれに続くように、応戦する。

 

「出来るだけ殺さず、制圧するんだ!」

シュミレットの指示で次々と制圧していく。

 

 

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数十分戦っていると次々に笑う棺桶のメンバーが降参していく。だがまだ半分は残っている、それに……

 

「まだ幹部が出てきていないたちが出てきていない。」

 

 

 

俺がそう言った瞬間後ろからナイフが飛んでくる

 

「くつ!」

 

GNソードを展開して飛んできたナイフを叩き落とす。

 

 

「オイオイ!それを落としちゃうか、流石は『雪崩』さまだ。」

 

「ジョニーブラック、お前は、『雪崩』を、俺は、『黒の剣士』を、やる。」

 

「なら俺は血盟騎士団団長様というわけだ、おい!野郎ども!まだ終わりじゃねぇよな!It's show time!!!」

 

PoH、赤目のザザ、ジョニーブラックの登場で士気が落ちていた笑う棺桶のメンバーも活気を取り戻した。

 

「PoH、僕の目の前に立つということは死にたいということなんだね?」

 

「またまたご冗談を……死ぬのは…テメェだ!」

 

PoHはメイトチョッパーで切りかかってくる、だがリボンズは武器すら抜かないでひらりひらりと攻撃をかわしていく。

 

「はっははは!どうしたのかなPoH?君の力はそんなものなのかい?」

 

リボンズはまるでダンスを踊っているかのように、優雅に舞っている。

そしてそれは数分間、いや数十分にも感じ取れる時間続いていた。

 

「なぜだ!なぜ当たらねぇ!」

 

Pohも実力だけなら攻略組トッププレイヤーにも劣らない。その剣戟を息一つあげずにリボンズはかわしつくしている。

 

「ふっふふ……そう言う物言いだから器量が小さいんだ」

 

そしてリボンズがついに動き出す。

右手に体術スキルの光が集中する。

そしてそのスキルでPohの持っているメイトチョッパーを弾き、そのまま彼の右手を切り落とした。

 

 

 

 

アスナとクラインたちは再び襲ってきた笑う棺桶のメンバーを捌くので精一杯だった。

 

「アスナ!クライン!」

 

「お前の、相手は、俺だ」

 

ザザが針剣で切りかかってくる。

 

「くっ…!」

 

キリトはエリュシデータでなんとか弾き切り返すが苦戦は必須だろう。

 

 

 

「ザザのやつ苦戦してんな、助けに行ってやるか。」

 

「まて!貴様の相手は俺だ!」

 

「雪崩……」

 

「はああああああ!!」

 

「へっ!威勢だけじゃ俺は倒せないぜ!」

 

GNソードで切りかかるが交わされてしまう、なぜだ、なぜ当たらない…いつもなら!……いつもなら…?

 

「まさかお前、動揺してるな…?…へっ!殺す覚悟もねぇのに!俺に挑むな!」

 

GNソードの横振りを後退して交わして、再び接近してくる。

 

「なにっ!?俺が動揺だと?」

 

接近してきたジョニーブラックを迎撃しようと再びGNソードを降る。だがジョニーブラックはまたも簡単に避けて、麻痺ナイフを数本投げてくる。先程のように打ち落とせばよかったのだがザザの言ったように動揺してたため避けようとしてしまい麻痺ナイフが何本か刺さり。倒れてしまう。

 

「くっ…!あぁっ!?」

 

「雪崩、お前らのことはいろいろ調べてあるんだ。お前どうやら48層のリンダースの鍛冶屋にお世話になってる女がいるらしいじゃねぇか……」

 

「なん……だ……と………?」

 

「ここが片付いたらお前だけ殺さず生かしといてよぉ、48層に連れていってお前の目の前で殺してやるよ!くっははははははははははは!!!最高だろぉ?そしたらその後お前も後を追わせてやるからよ!くっくくく…!今から笑いが止まらないぜ!」

 

コ……コイツ…

 

「さて…サザを助けに行くか2人でなら『黒の剣士』も楽勝だろ、『黒の剣士』を片付けたらPoHと3人がかりならあの団長さんもなんとかなるはずだしな。リボンズを倒したらここのみんな片付けてその後はお前の大切な人、みんなみんなお前の目の前で殺してやるよ……クックック…」

 

「や……めろ……」

 

「クックック!クッハハハハハハ!」

 

ここで、コイツが奴らの加勢に向かうとするならば…充分にそれは……可能だろう……動け……動いてくれ!俺の身体!

 

「じゃあな、約立たずの芋虫くん…一瞬にして全てを薙ぎ払う雪崩なんだろ?その状態で、出来るもんならやってみよ…クッハハハハハ!」

 

奴は笑い声と共にキリトのほうへ向かって歩いていく。それと同時に、俺の頭の中で…みんなが…殺されていく映像が鮮明に流れる。

 

ドクン…

 

キリト!アスナ!クライン!リボンズ………リズッ!!!

 

ドクン…

 

ここで、俺が……倒れたら……

 

ドクン…

 

みんな命が…消えていく……

 

ドクンドクン…

 

「…そんな…こと………そんなこと………させるかぁぁぁぁああ!」

 

刹那俺の中で何かが弾けた。全身から意識が宙に浮いて、辺り全てを見渡せるようになったと同時に、怒りによって全身が熱く燃えている感覚にも襲われた。

 

そして

 

「ガッ…!!??」

 

瞬間的にGNソードでキリトのほうに向かっていったジョニーブラックの腕を切り落とした。

 

「な、なんでお前が!!お前はまだ麻痺しているはずではないのか…!!」

 

「俺は……守る……それを邪魔するなら…俺が貴様らを破壊する!」

 

「綺麗事言ってるんじゃねぇぞ!このクソ野郎がァ!!」

 

ジョニーブラックは後退と同時にナイフを大量に投げてくる。俺はそれを全て交わして彼を見据える

 

「いいのか……そんな近くで?」

 

「………何を言って…」

 

「そこはもう……俺の距離だっ!」

 

一瞬で開いた距離を詰め、ジョニーブラックを胴体で真っ二つにする。

 

「ぐあああああ!」

 

「まだだ!」

 

GNソードを構え、周辺を縦横無尽に走り回り

 

 

 

 

 

「なんだあれ…セツナか?」

 

ザザをなんとか制圧したキリトがセツナを見て驚嘆の声をあげる

 

 

 

 

 

「あれは………あのスキルは……TRANS-AMか……あれを使えるのは革新者である僕だけ……まさか彼も…」

 

「はっ!流石のリボンズ様もあれには驚きか、どうだ自分のプロデュースしていたガキに驚かされた気分はよぉ……リボンズ・アルマ……」

 

PoHが何かを言い切る前にリボンズの腕がPoHの胸を貫く。

 

「お喋りが過ぎるよ……君はここで死んでいい……!」

 

「はははは……なら言ってやるぜ、あのガキはいつかてめぇをも食い尽くす………!」

 

そう薄ら笑いと共に言葉を残しポリゴン状になって消えた。

 

「…………君たちの大将は死んだ、残った幹部も投降したザザと今セツナに切り刻まれてる。どうするまだ続けるかい?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

俺は数分間、無心でジョニーブラックを切り刻んでいた。

 

「はぁ…はぁ……もう…辞めてくれ!……お前の仲間には手を出さない!……辞めてくれ!死にたくない!」

 

HPゲージを赤にし、あと一撃加えれば死ぬ。そんな状態のジョニーブラックが命乞いをしてくる。この男は

 

「貴様はそう命乞いしてきたものを何人殺してきた!許すものか!貴様はこの世界の歪みだ!その歪みは俺が破壊する!」

 

そう言い俺はGNソードをジョニーブラックの頭上から振り下ろす。

 

 

「あぁ………これで……お前も…俺たちと同類だ……」

 

 

ジョニーブラックはポリゴン状になり消失する。

 

「てめぇ!よくもジョニーさんを!」

 

メンバーの1人が俺に斬りかかってくる。俺はそれをいち早く察知し、横に交わす。そして大振りをし、隙だらけだったそいつの首元にGNソードを思いっきり突き刺した。

 

「ぐ…あぁ…」

 

断末魔の声をあげることなくそいつはポリゴン状になって死んでいった。

 

「てめぇ!」

 

「よくも!」

 

メンバーの怒りの矛先は俺に向いてきた。俺は自分の身を守るためにも必死に応戦した。

 

ーーーーーーーーーーーーここから先は地獄だった。

絶え間ない憎しみの連鎖。また殺して、さらに殺す。

それを繰り返しているうちに背負う十字架の重みはどんどんと増えていく。

そしてセツナに殺意から剣を向けた者、怯えながらも剣を向けた者、そして終いには命乞いをしてきた者でさえ、その命は平等に、一瞬にして無に帰したのであった。そう、さながら『雪崩』のように

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

討伐作成は終わった。相手側の生き残りが投降をしてくれたおかげだった。

 

「俺は…いったい…何人殺してしまったんだ…」

 

俺が震えている。頭が回らない。意識が朦朧としている中、血盟騎士団のメンバーに連れられたフードの男が近づいてきた。

 

「いつか、復讐をしてやる、覚えておけ、貴様を倒す、者の名を、俺の名はーーーー」

 

「やめろ…!もう、もう俺は!…………貴様らとは、関わりたくない…快楽のためだけに人を殺す…そんな奴らとは、関わらない……」

 

その男が名乗ろうとしたのを拒否した。なぜこんなことをしたのか…自分でもよくわからなかった。そんなことよりはやく帰って休みたい。今はそれだけだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は転移結晶を使いリズベットが待っているリンダースに戻った。

 

「……………戻った…ぞ…」

 

「セツナ!!大丈夫!?怪我とかは?」

 

「……特にない…ただ…」

 

「ただ…?」

 

「俺は…殺してしまった……たくさんの…たくさんの人間をッ!!!」

 

当然のことながら人を殺してしまった俺のカーソルはオレンジになっていた。

 

「……すまない、俺みたいなやつが一緒にいると、お前に迷惑がかかる…すまない、今日中に出ていくつもりだ…」

 

「何言ってるのよ!迷惑なんかじゃないわよ!」

 

そう言うとリズベットは俺のことは抱きしめてきた。

 

「迷惑なんかじゃないわよ……たとえあたしはセツナが人を殺してしまったら一緒にその罪を背負うわよ……だから安心して…セツナは……1人じゃないわ……」

 

 

「あり……がとう……ありがとう…」

 

俺はリズベットに抱かれたまま涙を流した……

リズベットと離れると言ったとき、心が痛かった。ジョニーブラックがリズベットを殺すと言ったとき、とても腹が立った。そして今、抱きしめられて嬉しいと思った。

 

そしてわかった……これが好きという感情なのか………




多機能フォームの使い方がよくわからないので笑う棺桶は放置で脳内補完しといて下さい。

感想、表価、アドバイスお待ちしてます。

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