ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer-   作:〜レオス〜

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あと3話で終わらせられるかな……


第十一話 星屑-スターバーストストリーム-

またここか…

 

俺が目を覚ますとまた暗くて真っ暗な空間にいた。また父さんと母さんが立っている。

 

父さん、母さん……俺は変わるよ…過去に囚われてはダメなんだ……

 

すると昨日と同じように"誰か"が出てきて後ろから切りかかろうとする。

 

貴様は、貴様は俺ではない!

 

俺は"誰か"を自分の手で殺す。

 

俺は気付いたんだ、殺すことで救われた人もいる。人を守るための殺しは仕方ないことなんだ。

 

お前…その考えは俺たちと紙一重だぞ…?

 

不気味な声で囁く。

 

たとえ紙一重でも俺とお前たちは違う、いや同じでもいい。せめて俺の両手が届く範囲までは守りたい。殺す動機は全然違う!

 

そうか……それがお前の答えならいい、だが忘れるな……お前も人殺しだ。

 

………わかっている。罪は償うさ、この世界を破壊した後でな。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

朝になり目が覚める。

隣にはリズベットが寝ていた。

 

確か昨日、プロポーズの流れで…………よく覚えていないな。

 

「いつも朝食を作らせて悪いからな、今日は俺が作るか。」

 

俺は自慢ではないが料理スキルもそこそこ上げていた。

家で妹と暮らしていたときは当番制でご飯を作っていたからな。それにリズベットと暮らすまでは1人で暮らしていたから料理もできなくては生活出来ない。

 

 

 

「よし、出来た。」

 

朝食はこの前近所に住んでいる人からおすそ分けで貰った米風の穀物とモンスターの肉をベーコン状にしたもの、それとモンスターの卵の目玉焼きだ。

 

「リズベットを呼んでくるか。ん?キリトからメッセージ?」

 

キリトからのメッセージは『今日一緒に74層の迷宮区に行かないか?時間は9時な!』とのことだった。

 

それに俺は『了解した。』っと返信してリズベットを起こしに行った。

 

 

「リズベット、朝だ。」

 

「んん〜……あとちょっと……ムニャムニャ」

 

「…………そうだ……俺が久しぶりに食事を作ったんだ。味見をしてくれないか?」

 

「え!?セツナがご飯作ったの!?食べる食べたい!」

 

「なら準備してるからリズベットは顔を洗って髪を整えてこい。」

 

「ふぇっ!?(そんなにひどい寝癖ついてるのかしら……)」

 

リズベットは顔を真っ赤にして髪を抑えていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うぅ……恥ずかしいところ見られちゃったな。」

 

リズベットが来た頃には食事の準備は完璧にできていた。

 

「うわぁ〜!これセツナが作ったの?あたしのより美味しそうじゃない。」

 

「見た目だけだ、味は数段劣る。食べてみてくれ。」

 

「うん!いただきまーす!」

 

「いただきます。」

 

リズベットは目玉焼きを一口食べると。

 

「ホントにあたしより美味しいわね。」

 

「そんなことはない。俺にはリズベットの作ったやつのほうが数段美味しく感じる。」

 

 

そんな会話をひたすら繰り返しながら朝食の時間は終わった。

 

食後に落ち着くためと言って俺たちは茶を飲んでいた。

 

「そうだリズベット、今日俺はキリトと一緒に74層の迷宮区に行ってくる。」

 

「そう、ボスには挑まないんでしょ?」

 

「当然だ。流石に2人では死にに行くようなものだ。」

 

「なら安心ね。あとセツナ、前リボンズさんに貰った手紙にはなんて書いてあったの?」

 

「あれか、血盟騎士団への勧誘だ。面倒だったので断っとくようにリボンズに頼んでおいた。」

 

「セツナってリボンズさんのこと嫌いとか言っといてなんだかんだ仲良くやってるわよね。」

 

「そんなことはない、俺はやつの人を見下すような態度が嫌いだ。」

 

「えー?そう?リボンズさんいい人じゃない。何回か店に来てもらった時も親切でいい人だったわよ?」

 

「アイツが店に来たのか……?」

 

「えぇ、結構来てるわよ?」

 

「知らなかった……おっと、もうこんな時間か。リズベットじゃあそろそろ行ってくる。」

 

「行ってらっしゃい、武器もばっちりよ。」

 

「助かる。じゃあ俺は行く。」

 

「待ってセツナ。ん」

 

リズベットはそう言って目を瞑り口を出してきた。

 

「……何をしているんだ?」

 

「行ってきますのキス…ん」

 

「普通はするのか…少し恥ずかしいのだが…」

 

「新婚はみんなするのよ、ホラセツナも!遅れちゃうわよ?」

 

「……わかった。」

 

俺はリズベットと唇を重ねる。

 

「………じゃ、じゃあ行ってくる…!」

 

「う、うん…頑張って来てね!」

 

お互いに真っ赤になってたのはいうまでもあるまい。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

74層の待ち合わせ場所の転移門前に俺は来た。

 

「おーい!セツナ〜!こっちこっち!」

 

キリトが手を振ってきたのでそこに向かう。

 

「すまない、待たせたな。」

 

「いや、そんな待ってないから大丈夫だぞ?」

 

「では行くか。」

 

「待ってくれ、あと1人来るんだ。」

 

あと1人?

 

 

 

「避けてええええええええええっ!」

 

「えっ?」

 

キリトに何かがゲートから突っ込んできた。アスナである。その直後、キリトとアスナは地面に倒れた。

 

 

「イテテテテ……?なんだこれ……?」

 

キリトの手になにかが掴まらったようだ。キリトは確認のために手を開閉した。

 

「いやあああぁぁぁぁぁあああっ!」

 

「ぐはっ!?」

 

すると突然アスナがキリトに強烈なビンタを食らわせた。その勢いでキリトは近くの像まで飛ばされた。

 

「もう1人はアスナだったのか……」

 

「いきなり痛いじゃねぇか!アスナ!」

 

「キリトくんがエッチなことしてくるからでしょ!」

 

アスナは顔が真っ赤になってる。

 

「アスナ、なんでそんなに焦っていたんだ?」

 

「セツナくん…あっ、実は!」

 

すると転移門が光だした。アスナはそれを確認した後、キリトの後ろに隠れるように回った。

自分が殴り飛ばした男の後ろに回り込むとは……

 

門から出てきたのはアスナのと同じ色をしている防具を装備している男だった。

 

「アスナ様……勝手なことをされると困ります。ギルド本部まで戻りましょう!」

 

「嫌よ!大体なんであなたは朝から私の家の前に張り込んでいるのよ!」

 

「はぁ?」

 

「………」

 

それはストーカーというやつでは……

 

「こんなこともあろうかと一ヶ月前からずっとセルムブルクでアスナ様の護衛の任務に就いておりました。」

 

「そんなの団長の命令じゃないでしょ!?」

 

「私の任務はアスナ様の護衛です。それは勿論、ご自宅の監視も含まれています。」

 

「いや、ねぇだろ。」

 

「………」

 

コイツは真面目すぎるために任務を変なふうに捉えていたのか?

いや、顔からしてただの変態だろ。

 

「全く……聞き分けのないことを仰らないでください。……さあ本部に戻りましょう!」

 

「うっ……!」

 

男はそう言うとアスナの手を引っ張って転移門に行こうとした。すると

 

「ちょっと待て、この副団長さんは今日は俺達の貸し切りなんだ。」

 

キリトがその男を止めて、そう言いはなった。するとその男はキリトを睨んだ。だがキリトはそれにお構いなしに言葉を続けた。

 

「アスナの身の安全は俺達が保証するよ。だから本部にはアンタ一人で帰ってくれ。」

 

「ふざけるな!貴様のような雑魚プレイヤーにアスナ様の護衛が務まるか!私は栄光ある血盟騎士団の……!」

 

「アンタよりはまともに務まるつもりだよ。」

 

「そこまででかい口を叩くからにはそれを保証する覚悟があるんだろうな……!?」

 

男はキリトにデュエルを申し込んだ。

キリトはアスナに一応確認をとった。

 

「……いいのか?」

 

「うん…団長たちには私が報告するから。」

 

「わかった。」

 

キリトはそう言うとその男、クラディールという名前らしい。クラディールのデュエルを受けた。

 

ルールは初撃決着ルールだった。

 

初撃決着ルールとは最初に相手に強力なダメージを与える、もしくは相手のヒットポイントを半分にすれば勝利するというルールだ。

このデュエルはプレイヤー同士で戦うときに一般的に使われているルールだ。

 

デュエルという話題を聞きつけギャラリーも集まってきた。

 

やがてカウントダウンが0になり、デュエルが始まった。

開幕早々クラディールがキリトに向かって走り、ソードスキル《アバランシュ》を発動させた。

 

キリトもそれに対応して《ソニックリープ》を発動させる。

クラディールはその瞬間笑った。この場合だとクラディールのアバランシュの方が強いため、このまま勝負が決まるわけだ。

だがキリトが狙ったのはクラディールではなくクラディールの剣だった。 そうするとキリトのソニックリープはクラディールの剣に当たり、半分に折れたのだ。

 

「システム外スキルか………」

 

キリトがやったのはシステム外スキル《アームブラスト》、このスキルは相手の武器を破壊する技だ。………キリトは殺さずに無力化する術を手に入れてたのか……

 

「な、なんだとぉ……?」

 

「さぁ、俺の勝ちだ。文句ないな?」

 

「く、くそ……私がこんなやつに!」

 

クラディールはウィンドウを操作し新しい武器を取り出しキリトに切りかかってくる。

 

俺はGNソードを展開し、クラディールの首元に当てる。

 

「見苦しいぞ。負けを認めろ。」

 

「貴様………」

 

「それともこのまま首を切り落とされたいのか…?死にはしないが苦しいと思うぞ……?」

 

「セツナくん、そのくらいでいいわよ。」

 

「あ、アスナ様!あいつが小細工を!小細工でもしなければ私があんな薄汚いビーターなんかに………!」

 

「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日を以て護衛役を解任、別命があるまでは本部で待機しているように。以上です。」

 

「ぐっ……転移、グランザム……」

 

 

そう言ってクラディールは姿を消した。

 

「アスナ、大丈夫だったか?」

 

「キリトくん……えぇ、大丈夫よ。」

 

「……あいつもこの世界の歪みだな。」

 

「ははは……ホントにあいつは歪んでたな。」

 

「もう、2人ともふざけないでよ…真剣に悩んでたのよ?」

 

「ごめんごめん、じゃあ迷宮区行くか!」

 

俺たちは迷宮区へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

迷宮区のマッピングもほぼ終わりボス部屋の前まで来ていた。

 

「中……覗いてみるか?」

 

「あぁ…」

 

「覗くだけよ?私達だけじゃ絶対勝てないと思うし……」

 

キリトがドアを開く、ボス部屋の灯りが中央に向かってついていく。

 

するとそこには羊のような頭をした蒼い悪魔がいた。手には何やらプレイヤーと同じくらいの大きさをした大剣をもっていた。

 

ボスの名はグリームアイズと表示されていた。

 

「グオオオオオオオオオオオッ!!」

 

グリームアイズは俺達に向かってそう叫んだ。今回はあまりにも強そうで、俺達だけでは敵いそうになかった。

 

「くっ!引くぞ!」

 

「お、おう!」

 

「うん!」

 

 

俺たちは全速力で走って逃げた。

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「はぁ……はぁ……強そうだったな……」

 

「ああ……武器は大剣だけだったけど、あれは恐らく特殊攻撃を使ってくるな……」

 

「守りが固い人を前衛に出して攻撃早い人や攻撃力が高い人でスイッチを繰り返しながら戦うことになるな……」

 

「ということは盾装備の人が何人か必要ね……ん?盾装備……?」

 

アスナは俺とキリトを見る。

 

「……そういえばキリトくんとセツナくんっておかしいよね。普通片手剣ならもう片方に盾を装備するはずなのに。私はレイピアだから早さ重視だから盾は装備してないけど、それにキリトくんたちの場合早さ重視という訳でもないのよね……そういえばリズに作ってもらったダークリパルサーも使ってないし……何か隠してるでしょ。」

 

「俺は7本も装備してるからな、それに盾はGNソードで間に合ってる。アスナの希望なら今回は付けて置くか。」

 

俺はウィンドウを操作して白と青の盾を装備した。

確かにキリトの装備はおかしい……俺はユニークスキルの《セブンソード》で…ユニークスキル?もしかしてキリトも……

 

「……まあ、いっか。戦い方は人それぞれだもんね。」

 

 

そう言われるとキリトはホッと一息をついた。

 

 

「さあ皆もお腹がすいたでしょうからご飯にしましょ!」

 

「あぁ、そうだな」

 

「……(しまった…弁当忘れた。)」

 

俺は弁当を持ってくることを忘れたことを後悔した。

 

アスナはウィンドウを操作し、弁当を取り出した。

 

「2人ともこの瓶の中身舐めてみて?」

 

俺は紫色の液体のほうを舐めてみた。

 

「これは……醤油か!?」

 

キリトは緑色のほうを舐めた。

 

「こっちはマヨネーズだ!」

 

「すごいな、アスナ…このゲームで調味料を再現するなんて…」

 

「1年の研究による成果よ!」

 

「それに弁当も美味いし、これ売ったら儲かるよ!………いや、でもそしたら俺のぶんがなくなる。」

 

「もう…!キリトくんにならいつでも作ってあげるわよ…」

 

アスナは赤くなりもじもじしていた。今までの俺ならわからなかったが今ならわかる。キリト、お前もやるな。

 

「アスナ、俺から頼みがある。弁当を忘れた、分けてはもらえないか?」

 

「いいわよ、はい。」

 

「すまない。」

 

アスナから弁当をわけてもらう、貰った立場で言うのもなんだが…確かに美味いがリズベットのご飯のほうが美味しいな。

 

 

 

そんなことしていたら向こうから見慣れた集団がやってくる。

 

 

「「クライン!?」」

 

「おぉー!キリトにセツナ!セツナ、お前リズベットちゃんにプロポーズ成功したか?」

 

「あぁ、おかげさまでな。」

 

「キリトくん、セツナくん、この人は?」

 

「あぁ、コイツは……」

 

「どうも、僕はクライン、風林火山のギルドリーダーです。キリトとセツナとは第1層からの知り合いで、キリトとセツナは僕のこと兄貴のようにしたっていてね、ははは!兄貴分は困るなま、全く!」

 

「は、はぁ……キリトくんとセツナくんがお世話?になっています。」

 

アスナはペコリとお辞儀をする。

 

「アスナ、クラインの言ってることはほぼ嘘だからな?」

 

「おいおいキリト!半分はホントじゃねぇか!」

 

「では半分は嘘なんだな…?」

 

「セツナも厳しいなぁ〜」

 

アスナは俺たちのやり取りを見て笑っていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

なにやら俺たち以外の足音が聞こえてきた。

あの服装は……アインクラッド解放軍か?

 

先頭のやつ以外は全員疲れたような感じだった。

 

 

 

「1層を支配している巨大ギルドがどうしてこんなとこに?」

 

彼らはギルドの本部を第一層に置いているので、そこからわざわざこんな最前線にくるのが25層の攻略以来か、珍しいな…。

 

「私はアインクラッド解放軍、コーバッツ中佐だ。」

 

「俺はセツナだ。」

 

「俺はキリト、ソロだ。」

 

「……君達はもうこの先を攻略しているのか?」

 

「ああ、マッピングはボス部屋の前までしている」

 

「……では、そのマッピングデータを提供してもらいたい。」

 

 

コーバッツがそう言うとクラインがいきなりこちらにやって来た。

 

「タダで提供しろだと!?テメエ!マッピングする苦労が分かってて言ってんのか!!」

 

「我々は一般プレイヤーに情報や資源を平等に提供し、秩序を維持すると共に、一刻も早くこの世界からプレイヤー全員を解放するために戦っているのだ!故に諸君が我々に協力するのは当然である!」

 

 

「テメェ!?」

 

クラインがコーバッツにキレたのかそう叫び、殴ろうとした。

 

「いい、クライン…どうせ帰ったら提供しようと思っていたものだ。それでもいいか?キリト、アスナ?」

 

「俺はいいぞ。」

 

「私も」

 

「……感謝する。」

 

「おい、ボスに挑むのはやめとけよ?俺たちは先に見てきたがその人数でどうにかなる相手じゃなかったぞ。」

 

「…それは私が判断する。」

 

「そんな状態では自殺行為だぞ?命を捨てたいのか?」

 

「私の部下はそのようなことで根をあげるようなやつではない!貴様ら!立てっ!!」

 

コーバッツがそう叫ぶと休んでいた部下たちが声をあげながら立ち、そのままコーバッツと共にボス部屋に入っていった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

しばらくするとボス部屋のほうから悲鳴が聞こえてきた。

 

「今の声は……アイツらか…」

 

「……助けに行かなきゃ!」

 

「おい、アスナ!」

 

「キリト!待てよ!」

 

「はぁ……まったく……」

 

結局俺たちは全員でボス部屋に向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ボス部屋の扉を開けると状況は想像より悲惨だった。恐れをなしているのか逃げ回っている人影もある。そのせいか陣形もバラバラだ。これでは死人が出るばかりだ。

 

転移結晶で逃げられないのか?……まさか結晶無効化エリアか!

 

「撤退しろ!このままだと殺られるぞ!」

 

キリトが叫ぶ。

 

「何を言うか!!我々軍に撤退の二文字などない!戦え!戦うんだ!」

 

 

「ダメよ!下がって!」

 

アスナもそう叫ぶが、コーバッツはそれを無視し、軍の部隊に命令を出した。

 

「全員……突撃ぃっ!」

 

今の軍の部隊はコーバッツ含めて10人だった。しかも2人は瀕死状態である。あれではあの二人が死んでしまう。先のコーバッツの叫びで軍の全員がグリームアイズに突っ込んでいった。

 

グリームアイズは突っ込んできた軍の、しかも瀕死の2人に攻撃をした。そのせいでその2人はHPが0になり、消滅した。

 

そして今度はまたグリームアイズの攻撃で一人の男が吹き飛ばされ、俺達の床の目の前に落下してきた。

コーバッツであった。

 

「……有り……得ない……」

 

コーバッツは信じられないという表情でそう言うと、ポリゴン化して四散していった。

奥ではコーバッツがやられたせいか、先程の統制が崩れ、逃げ回っている軍の部隊がいた。すでに全員のHPが5割ほどになっていた。

 

「だめ……だめよ……逃げて……もう……」

 

 

次の瞬間アスナは剣を抜きグリームアイズに突っ込んでいく

 

「ダメぇぇぇぇええ!」

 

「くそっ!セツナ!クライン!いくぞ!」

 

「了解!」

 

「畜生!どうとでもなりやがれ!」

 

 

 

「はぁぁぁあっ!!」

 

アスナがグリームアイズにソードスキル、《カドラブル・ペイン》を放つと、その攻撃を受けたのか、ターゲットを軍の部隊じゃなく、アスナに切り替えた。

 

するとグリームアイズはアスナに剣を振りおろした。アスナはなんとか交わしたが剣の衝撃波で吹き飛ばされてしまう。

 

「アスナっ!」

 

「キリト、アスナの回復を!俺が時間を稼ぐ!」

 

キリトは飛ばされたアスナの治療をしてる。

 

「いくぞ!《TRANS-AM》!!」

 

目が一瞬黄色くなるが発動しない。

 

「くっ!?なぜ?」

 

俺は困惑して動きが止まる。

その瞬間をグリームアイズは見逃さず攻撃をしてくる。

紙一重のところでGNソードと盾で防ぐ。

 

「やるかよっ!」

 

だがなぜ《TRANS-AM》が使えなかった……

 

仕方ない!

 

「うぉぉぉぉおお!!」

 

俺の本来のユニークスキル、《セブンソード》の連続攻撃をする。4つのスキルを繋げた怒涛の44連激を放つ。

 

グリームアイズのHPはゲージを一本残して耐えた。

 

くそっ!硬直時間が…殺られる…!

 

グリームアイズは俺に一撃を入れようとしたが

 

「大丈夫か?セツナ?」

 

「まったく、無茶しやがる!」

 

キリトとクラインが攻撃を防いでくれた。

 

「すまない!」

 

俺たちは離脱し、距離をとった。

 

「アスナ、セツナ、クライン…10秒稼げるか…?」

 

「任せろ。」

 

「余裕だぜ。」

 

「うん!」

 

「じゃあ…頼む!」

 

 

俺たちはグリームアイズに応戦する、相手も素早い攻撃で耐えるので精一杯だ。

俺たちは10秒持ちこたえるとキリトが何やらエリュシデータとダークリパルサーを構えていた。

 

「あれは……俺と同じ《セブンソード》なのか…?」

 

「いや……二刀流?」

 

キリトには聞いてる余裕なんかなく

 

「うおおぉぉぉぉおっ!!」

 

キリトはそう叫ぶとグリームアイズにソードスキルを放った。数える限りあれは16連撃だろう。しかし、二刀流だとソードスキルは使えないはずなのだが。

やはり俺と同じなのか…?だがあんな組み合わせは……

そう思っているうちにグリームアイズはとうとうHPが0になった。

 

「スターバースト……ストリーム!」

 

 

キリトがそう言うとグリームアイズの体が無数の結晶になり消滅した。

 

 

キリトもスキル発動中攻撃を喰らったのかHPを1残して倒れた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

キリトが目を覚ますまで数分かかった。

 

 

「っ……おれ…は……?」

 

 

キリトが目を覚ますとアスナが強く抱きついた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

キリトが落ち着くと俺たちはキリトに質問した。

 

「キリト、あのスキルはなんだ?お前も俺と同じく《セブンソード》なのか?」

 

「いや、俺のはもっと単純さ……お前のは組み合わせてオリジナルを作るユニークスキル、俺のは根っからのオリジナルのユニークスキルなのさ……」

 

 

「それが《二刀流》ってことかよ…」

 

《二刀流》……今まで見たなかでは一番衝撃度が高かった。

 

「よし!テメェら、アクティベートが終わったら次の層にいくぞ!」

 

クラインはパーティーメンバーにそう指示をし、こちらを向きこう言った。

 

「キリトにセツナよぉ……俺、なんつうか、嬉しいよ

……まあ、そんだけだじゃあな。」

 

クラインは次の層に向かった。

 

「俺も家に戻る、リズベットが心配してるだろうからな。」

 

そう言って俺はキリトとアスナを置いて家に戻った。

 

 

 

家に戻り、ボスを倒してきたと言うととても心配された。当然今晩も一緒に寝ることになった。




結構カットしたんだけど8000文字越え……
分けた方がいいのかな〜?


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