ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer-   作:〜レオス〜

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フェアリィ・ダンス編第二話!


第十五話 失敗-やらかし-

次の日、俺はエギルの店、Dicey cafeに向かっていた。

 

俺は今回のことにリ……里香を巻き込みたくはなかったため内緒で行動してる。

 

店に付くとすでに和人とエギルが話をしていた。

 

「おっす、刹那」

 

「エギルも久しぶりだな。」

 

俺は店のカウンターに付いてコーヒーを注文する。

 

「はいよ、さて揃ったな。じゃあ話をすすめるぜ」

 

エギルはコーヒーを俺に渡した。

 

エギルのコーヒーはうまいからな……少し苦いが……

 

「あの写真についてだが……まずこれを見てくれ」

 

エギルが机の上にゲームソフトを置いた。

ALfheim Online?

 

「これは……?」

 

「何かのVRMMOか?アル……アル……オンライン……」

 

「「アルヴヘイム・オンライン(だ)!」」

 

「そう、それ!それでそのアルヴヘイムがどうしたんだよ?」

 

「意味は妖精の国って意味だ」

 

「妖精?ってことはまったり系か?」

 

「いや、それがそうでもないらしい。"ド"スキル制、プレイヤースキル重視、PK推奨、それにレベルが存在しない。そんでもって各種スキルが反復使用で上昇するだけで、育ってもヒットポイントが大して上がらないそうだ。戦闘もプレイヤーの運動能力依存でソードスキルなし、魔法ありのSAOってとこだな」

 

「PK推奨……だと……?」

 

「おい刹那、そんなに怖い顔するな。それがこのゲームの正しい遊び方なんだから、プレイヤーはキャラメイクでシルフ、サラマンダー、ウンディーネ、スプリガン、ケットシー、インプ、プーカ、ノーム、レプラコーンのそれぞれの妖精の種族を選ぶわけだが、違う種族間ならキルありなんだとさ。」

 

「……ソードスキルなしというのも辛いな」

 

「それにしてもよく売れたな、聞くからにしてマニア向けだろうに。」

 

キリ……和人がそう言うとエギルはにやりと口元を緩ませる。

 

「そう思うだろ、俺も思ってた。だが今これが大人気なんだ。なぜだと思う?」

 

「種族間で競争するという名目でPKをするからか?」

 

「刹那……いつまで引きずるんだ……違う、正解は『飛べる』からだ。」

 

「「『飛べる』?」」

 

「あぁ、それはお前らが想像してるようにな。妖精だから羽根がある。どうやらフライト・エンジンとやらを搭載していてるらしくてな。初心者はスティック型のコントローラーを片手で操作して飛ぶんだが、慣れるとコントローラー無しで自由に飛び回れるんだとさ」

 

飛べるのか……それは確かにPK推奨という点を差し引いても楽しめそうだな。…そうだ!忘れるところだった。

 

「エギル、本題の写真について教えてくれ。」

 

「そうだ、このゲームと明日奈の何が関係あるんだ。」

 

「まぁまて、ものには順番ってものがあるだろ。」

 

 

エギルは一息置き

 

 

「アスナは……このゲームの中だ。」

 

ゲームの中……?

エギルはパッケージを裏返し書いてある大きな木を指さし

 

「世界樹、って言うんだとさ。プレイヤーの当面の目標はこの樹の上にある城に他の種族より先駆けて到着することだそうだ」

 

「なんで上にある城に行くんだよ?」

 

「確か妖精王に唯一無二の妖精に変えてもらうだとか……」

 

「……飛べるなら飛んで行けばいいのではないか?」

 

「いや、飛行にも滞在時間というものがあって無限には飛べないらしい。だからこの樹の一番下の枝にはたどり着けない。……でもどこにも馬鹿な考えを持つやつがいるもんで、体格順5人が肩車して多弾ロケット方式で樹の枝を目指した」

 

ロケット方式か………

俺は想像して笑ってしまった。

 

「それでそいつらはどうなったんだ?」

 

「見事に目論見は成功して枝にかなり肉薄した。ギリギリで到着まではできなかったそうだが5人目が到達高度の証拠にしようと写真を何枚も撮った」

 

「なるほど……その写真の一部に明日奈が移りこんだ……と?」

 

俺は昨日キ…和人から送られてきた写真をエギルに見せる。

 

「そうだ、そのプレイヤーは枝にぶら下がる大きな鳥籠を見た。その中には人がいた。と言っているらしい。………どうする確証はないぞ?それでもアスナを……他の300人のプレイヤーを助けに行くか?」

 

 

「無論だ!」

 

「あぁ、俺はアスナを完璧には助けられなかった。今度は絶対助ける。」

 

「ふっ……そう言うと思ってたぜ。ほらよ」

 

 

エギルはカウンターの上にALfheim Onlineのゲームソフトを2個置く。

 

「ほらよ。どうせ刹那も参加すると思ってたからよ、特別に用意してやったんだ。」

 

「すまない……あとこれは……」

 

「あいつには内緒だろ?わかってるって。その代わり、しっかりアスナたち300人のプレイヤーを助けてこい、そうでなきゃ俺たちの戦いは終わらねぇんだ。」

 

「……ほんとに何から何まですまない。キリ……和人!行くぞ!」

 

「お、おい!刹那!」

 

俺は店から走って出ていき家に急いで戻った。

 

家についてからケータイに『コーヒー代はつけとくぞ。』とエギルからメールがあった。

 

……悪いことをした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は夕食を食べ終わり風呂を出た。

 

「麗菜、風呂空いたぞ。」

 

「えー?はやすぎない?まだ7時よ?」

 

「すまない、このあと用事があるのでな。」

 

「用事?どっか行くの?」

 

「いや、部屋にいる。」

 

「何するのよ?」

 

「すまない、言えない。あと3時間くらいは呼びかけても対応できない。そこは了承してくれ。」

 

「らーじゃっ♪」

 

俺は自室に向かう。

 

「…刹那が3時間手が離せないってことは私もアレが出来るわね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は今部屋にいる。

 

「まさかまたこれを被るとは……」

 

エギルの話ではナーヴギアでもプレイ出来ると言うのだが……

 

「二度と被らないって決めてたのに……仕方無い!」

 

俺はナーヴギアを被る。

 

「リンクスタート!」

 

俺の現実の意識が弱まり目の前を虹がかける。

 

だんだんと意識がはっきりとしてくる。

 

この感じ…懐かしい…

 

俺が感傷に浸ってるとすぐに初期設定が始まる。

「名前はSetunaで……問題は種族か……このゲームはPKがあるからな……戦闘向きなのがいい……小回りが効いて…早く動けるやつ……」

 

俺は説明文'だけ'を見てケットシーという種族に決めた。

 

それが失敗だった……まさかこれから色んな意味で注目を浴びるとは……

 

これからケットシー領のホームタウンに転送するとアナウンスがあった。

 

………これからまた始まるのか…俺の戦いが……

 

そう思うと初期設定の場所から気付いたらホームタウン上空に転移されていた。

 

「ここが妖精の国……ALfheim Online……」

 

新しい冒険に胸を踊らせてると突然目の前にノイズが走る

 

「これは……!?」

 

俺は為すすべもなくノイズに飲み込まれる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ノイズから開けるとそこは森の中だった。

落下地点には人がいた。

 

 

「くそっ!退いてくれ!!」

 

「えっ!?」

 

下にいた人物とぶつかってしまう……

 

「す、すまない……こちらの注意不足だ……」

 

「いててて……」

 

「大丈夫ですか、パパ?」

 

「うん、大丈夫だよ。心配してくれてありがとなユイ。」

 

ユイ…?パパ…?それにこの声……

 

「お前……和人か…?」

 

「ん?この声、お前刹那?」

 

俺たちはお互いに顔を合わせる。

 

「刹那、遅かっ……ぷっははははは」

 

和人……キリトが急に笑いだす。

何があったんだ?俺の顔になにかついてるのか?

 

「もう!パパ!笑ったら失礼ですよ!こんなに可愛いじゃないですか!?」

 

可愛い?ユイも何言ってるんだ?

 

「はははは………いやだってよ、まさか刹那がこれを選ぶとは…ははははは!」

 

「お、おい…どういうことだ?説明してくれ。」

 

「お前鏡見てみろよ…あぁ笑ったぁ…」

 

「はい、お兄ちゃん鏡です。」

 

「すまない。」

 

俺は鏡を見た。鏡を見るとそこには少し金髪がかった黒髪に猫耳をつけ、尻には尻尾が生えている

 

「これは……確かに笑われるわけだ……」

 

里香に見せたら笑われるな……

 

「刹那は……なんだ、お前またセツナにしたのかよ」

 

「そういう和人もキリトのままではないか」

 

「アスナにはこのほうがわかりやすいと思ったんだよ。」

 

「俺もそういうことだ。」

 

「確かに今の黒猫状態を見るとSAO時代の《雪崩》様とは思えないからな。俺も声とプレイヤーネームでやっと認識出来たレベルだ。」

 

「見た目はキリトほど変わってないはずなんだが……」

 

「猫耳と尻尾がインパクト強すぎなんだよ…モデル見なかったのか?」

 

「すまない……説明文しか読んでなかった。」

 

「あ、お兄ちゃんもエラー検知システムに反応する前にアイテムの整理してください。」

 

「了解した。」

 

表記不明になっているアイテムを売っているとひとつだけあった。

 

「これは……?」

 

オブジェクト化してみるとそれはSAO時代、里香…リズベットから貰ったマフラーだった……

 

「またここでも俺を支えてくれるのか…お前は……」

 

 

俺は残りのアイテムを全て消去した。

 

「セツナ、お前ステータスはどうなってる?」

 

「ステータスだと?」

 

俺はキリトに言われたとおりステータスを確認する。

 

「なんだこれは………」

 

俺のステータスは

片手剣1000

探検1000

刀1000

 

開幕早々化け物だな……

 

「キリト、お前もか?」

 

「あぁ。」

 

俺たちは改めて自分のチートさを痛感する。




刹那の種族はケットシー!

理由は友達の書いた猫耳刹那が予想以上に似合ってたので………

似合わねぇよバカ野郎!って人は……すみません勘弁してください。

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