ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer- 作:〜レオス〜
気付いたらお気に入りが100件越えててびっくり!これからも頑張っていきたいと思います!
エクストラエディションをやるというふうに言っていたのですがこちらの都合でカットしました。
すみません…
第二十三話 銃世界ーGGOー
「おーい!セツナくーん!」
「………あまり大声で呼ぶな」
2025年の12月、俺は総務省仮想課の菊岡に銀座のとある店に呼び出された。
夏に和人と呼び出されたときに余計なこと言わなければよかった…
「まぁとりあえず座って座って、好きなもの注文していいかさ」
菊岡は席に座りメニュー表を渡してくる。
メニューを開くと値段がケタ違いなケーキなどがズラッと並んでいる。
「……じゃあチョコケーキとコーヒーで」
菊岡もコーヒーを注文し、一息ついてから菊岡が本題を切り出した。
「セツナくん、単刀直入に聞こう…ゲーム内から人を殺すことができると思うかい?」
「………どういうことだ?」
俺が質問すると菊岡は資料を見せてきた。
「これは?」
そこにはアミュスミアを被って死んでいる人物の写真が
「今回の事件の被害者だよ、死因は心不全」
「心臓が止まったってことか?」
「うん、マンションの大家が掃除をしてるとき部屋からただよう異臭に気付き中に入ると…」
「アミュスミアを装着し、死亡してる被害者の姿が……」
「そう、しかも部屋の中は一切荒らされてなかった」
「だがそれとゲーム内から人を殺すのと何が関係がある」
「それがね…このプレイヤーが死亡した時刻とちょうど同じ頃GGO内のある場所で不信な行動をしたプレイヤーがいてね。話によると「裁き」とか「本当の力」とか言った後にこのプレイヤーが出演してた番組が放送されてるテレビに向かって銃を撃ったらしいんだ」
「ちょっと待て、こいつはテレビに出るほど有名人だったのか?」
「うん、GGO内での最強を決める大会「Balet of Balets」通称「BoB」の前大会優勝者さ」
「………そうか、話を続けてくれ」
「それでそのプレイヤーは最後に「この銃と俺の名前は死銃」と言って去って行ったんだ」
「………その死銃というプレイヤーがこいつを殺したと…お前はそう言いたいんだな?」
「そうだね」
「……偶然が重なっただけではないのか?この資料によるとこいつは一日中ログインしっぱなしで食事もまともにとっていない、推測するにそのようなことが何度もあったのだろう。度重なる不健康な生活が心不全に繋がったと俺は思う」
「つまりゲーム内から人を殺すことは不可能だと?」
菊岡はニヤリと微笑んで聞いてくる。
「あぁ、ナーヴギアと違いアミュスミアには脳をマイクロウェーブで3分クッキングする出力は出ない。なによりこいつだけでは証拠不十分だ」
「それがね、もう1人いるんだよ被害者が」
「なんだと?」
菊岡はもう1人の資料も渡してくる。
それに目を通すと先程のプレイヤーと色々と類似していた。
「………こいつも死銃に?」
「確証はないけど多分そうだね、近くにいたプレイヤーが「裁き」とか口にしてるのを聞いてるからね」
「………そうか」
「それでも結論は変わらないかい?」
「……変わらないな99%ありえない、もしあるとすればデ〇ノートでも使ったんではないか?」
「……………」
菊岡は口をポカンと開けたまま固まっていた。
「…どうした?」
「いや…君も冗談を言うんだなーって」
「……すまない」
「いやいや、でも君と同じ結論でよかったよ」
「そもそもなぜ俺に聞く、政府のエリート共で話し合えば俺のような意見は山ほどあるのではないのか?」
俺は首をかしげ、聞くと菊岡はまたもニヤリと笑い
「我々凡人とは違う意見が聞けるかもしれないだろ、だって君は『
「………
「へぇ、それだけでも充分な変化だ」
俺はこの男がなんか苦手だ…全面的に信用していいのかどうか…だが悪いものは感じないし多少の信用はしてるが……
「菊岡、本題を言え。こんな話をするために呼び出したわけではないだろ」
「ご名答、刹那くん…君にはこのゲームに参加してもらいたい」
「……つまり俺に撃たれてこいと?断る!俺はまだ死にたくないんだ」
席を立って帰ろうとする。だが菊岡はそれを許さなかった。
「ゲーム内から人を殺すのは無理だって君も言ったじゃないか!」
「それでもだ!俺は断る、キリトにでも頼むんだな」
「…………君さ、夏に「何かあったら俺に言え」とか言ってプール行っちゃったじゃないか」
「う……」
「ほらほら、ケーキもまだ頼んでいいからさ」
そこまで言われたら反抗出来ない…やっぱり苦手だ。
「じゃあコレとコレを持ち帰りで頼む」
店員にケーキを2つ注文する。
「妹さんへかい?」
「あぁ、こうでもしないとキレるからな」
「そうなんだ、仲良しでいいね」
「……そんなことより聞きたいことがあるんだが」
「答えられる範囲ならなんでも答えるよ」
「……先程の2つの資料を見る限りこの死銃というやつが狙うのには条件があると思うのだが」
「流石だね。そうだよ、この被害者2人はGGO内ではかなり名の通ったプレイヤーだよ」
「……つまりゲーム内で有名にならなければ死銃には狙われない……菊岡、このゲーム内で手早く名を売る方法は?」
「近々BoBという大会があるんだ」
「最初の被害者が優勝した大会か……それだけわかれば充分だ、詳しいことはあとでメールしてくれ」
「ちょっとまだ話は…!」
俺は土産を受け取り、店を後にした。
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「ただいま」
俺は家に帰ってきて、リビングに行くと
「あ、刹那さんお邪魔してます」
「直葉か」
麗奈が直葉を家に呼んでいたようだ。
「スグが宿題のわかんないとこあるから教えてって来たんだよ、もし良かったら刹那兄にも教えよっか?」
「残念ながら宿題は全て終わっている。麗奈、直葉、ケーキだ」
ちょうど2個頼んであったのが功を奏したな。自分の分がなくなったのは残念だが…
「ありがとうございます!」
「ありがとね〜」
喜んでくれたからそれでよしとするか。
「俺は部屋にいる、何かあれば呼んでくれ」
「らーじゃ♪」
そう言い残し、部屋に向かって歩いてった。
「刹那さんって優しいんですね」
「いつもは厳しいんだけどねぇ〜あむっ……ん〜〜!このケーキ美味しい〜!」
「ホントに美味しいですね」
「よくこんなお店知ってたなぁ……こういうの興味なさそうなのに」
「いいじゃないですか、美味しいんですから」
「む〜……」
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夜、俺たちはいつものメンバー(都合によりクライン不参加)でALOにログインしていた。
なんでもリズが作りたい武器の素材集めを手伝うとのことだ。
狩りのメンバーはネーナ、リズ、リーファ、シリカの4人。キリトとアスナの2人はどっかでイチャついているのだろう。俺か?俺も狩りに混ざろうと思ってたのだが「ネーナたちでやるからいいの!」とハブられたので現在は我が子の初狩りを見守るお父さん的ポジションだ。
「はあああああああああ!」
ネーナはソードスキル『レイジスパイク』を発動させ、中型モンスターの腕を切り落とした。
「てやあああああああ!」
次はシリカがソードスキル『ラピッドバイト』でモンスターの胴体に切込みを入れる。
シリカが着地しようとしたらモンスターの触手が足に絡みつき宙吊りになりそうだったが
「へへへ、昔の私とは一味違いますよ!」
シリカはドヤ顔で宙吊り状態を回避したが今度はモンスターのほうがシリカより高く飛び、結果シリカは宙吊り状態になってしまった。
「きゃあああああ!リ、リーファさん!助けて下さい!」
シリカはスカートを手で抑え、もう片方の手で短剣をブンブン振り回している。また飛び直せばいいだろう……
「任せて!はあああああああああ!」
リーファはシリカを捕まえてる触手を切断した。
「リズさん!」
「任せんしゃい!チェェストオオオオオオオ!」
リズが上空からソードスキル『パワーストライク』をモンスターの頭部に叩きつける。するとモンスターが横たわった。
「リズさんナイス〜!」
「流石ですー!」
「いえーい!流石リズさんー!」
リーファ、シリカ、ネーナがモンスターを倒したリズを賞賛し、みんなでハイタッチしている。
だが、倒したであろうモンスターが未だポリゴン化していなかった。そしてそのモンスターが起き上がり、4人の後ろから襲いかかろうとしている。だが4人は気付いていない。
あの馬鹿がっ!
俺は自分の武器である片手剣 カーテナを投擲スキルで投げた、カーテナは4人の後ろのモンスターを貫通する。するとモンスターはポリゴン化し、消滅した。
俺はカーテナを拾ってきて、4人のところに向かう。
「ありがとうございましす、セツナさん!」
4人のところに行くとシリカがお礼を言ってきた。
「4人共不注意すぎだ。ネーナ、お前は詰めが甘すぎだ。シリカ、お前はもっと臨機応変に対応しろ。リーファ、お前はソードスキルに頼らない戦い方に慣れすぎている、スキルのほうが威力は高いんだからもっと積極的に使っていけ。……最後にリズ…お前はネーナにも増して詰めが甘すぎる。敵はちゃんと倒せ」
「「「「はーい……」」」」
4人は少し落ち込んだようだ。仕方ない、直しといたほうがいいことを教えただけなのだから。
そうだ、リズには伝えないと、菊岡との話のこと、GGOのこと。またALOの時みたいに怒られるのも嫌だからな。
「ネーナ、シリカ、リーファ、リズを少し借りてもいいか?」
「リズさんですか?いいですよ〜」
シリカからの許可が出た。つまりOKということだろう。
「リズ、ちょっと空行くぞ」
俺はリズの手を引き、上空に向かった。
「ちょ、いきなり何よ?」
「……俺はこれからしばらくALOにログイン出来なくなる」
「どうしたの?何かあるの?」
「あぁ、GGOというゲームにコンバートしなくてはならなくなったからな」
「GGO!?」
コンバートするゲーム名を聞くとリズは目を丸くした。
「どうかしたのか?」
「GGOって唯一プロがいるゲームじゃない!なんでそんなのやることにしたのよ!?」
「………菊岡の頼みでな」
「あの総務省の偉い人でしょ?」
「偉い人かどうかは知らん」
「……なんか私あの人のこと全面的に信用出来ないんだよな〜」
「それは俺も同じだ、だが頼まれたからにはやらなくてはならない」
「そっか…じゃあ頑張って来なさいよね!」
リズは笑顔でそう言ってくれた、大切なことをまだ言ってないが…大丈夫だろ
「あぁ、頑張ってくる」
俺はリズを抱きしめた。リズも最初は戸惑っていたが抱きしめ返してくれた。…………俺は…絶対に死銃と呼ばれているやつの正体を掴まなければ…
しばらく抱き合っていると下からネーナたちの声が聞こえたので急いで戻った。
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次の日、俺は都内にある病院に来ていた。理由は菊岡に指定されてた場所がここだからだ。
ゲーム中に何かあっても病院なら何かと対処しやすいということもあってだ。
それともうひとつメールの内容で気になったことなのだが、どうやらこれには報酬が出るらしい。高校生が持つにはケタ違いな額だ。
「病室は……2025…ここか」
メールで指示された病室に入る、そこには既にGGOがインストールされているであろうアミュスフィアがあり、ベッド、医療器具、それと専属のナースがいた。
「刹那くん、お久しぶりね」
「お久しぶりです、あの時はありがとうございました」
柄にも無く礼儀正しく接する。この人は俺が現実に帰ってきてからリハビリなどを手伝ってくれた人だ。そんな恩人を軽く扱うなんてことは出来ない。菊岡は恩人ではないのかだと?あんなやつ知らん。
「早速始めたいんですが……」
「あぁ、ちょっと待って!電極とか貼りたいから服抜いじゃって」
「はい…」
俺は上裸になりベッドの上に寝た。
看護師が電極を貼り終わると俺はアミュスフィアをかぶる。
「数時間は潜りっぱなしになると思う…思います」
「了解、そのあいだはしっかり身体見とくからね」
「よろしく頼む…お願いします……………」
目を瞑り、仮想世界へと入っていくための合言葉、いや掛け声を口にする。
リンクスタート!
ALOみたいにキリトと同時進行で行こうかな〜と思ってたんですがそしたらどちらかが中途半端になってしまうので今回は刹那のみということで
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