IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中) 作:弐式水戦
「……………此処、何処だ?」
何もない真っ白な空間の中で、俺こと、フェルディナンド・ポルシェは一人、佇んでいた。
俺はクルスクの戦いの後、ソ連軍将校であり、国こそ違うが、ドイツ軍将校であった俺の親友にしてライバル、イワン・ナイジョノフと最後の戦いをして、互いに最後の技を出し合って死んだはずだ。
等と考えていると、俺が思っていた言葉に続けるように、背後から声が聞こえた。
『君の放った『宿命の砲火』と、イワン君の放った『シベリアの地獄吹雪《ヘル・ブリザード》』のぶつかり合いで起きた大爆発に巻き込まれて、そのまま爆死したのさ。もうあの世界には、君達の死体なんて無いよ。綺麗サッパリ消えちゃったもん。なんせ、二人共全力全開でやるんだから』
「……………誰?」
突然、背後から話し掛けられた事に驚いて振り向くと、容姿が大体、俺と同じぐらい、20歳ぐらいの男が立っていた。つか、死体消えちまったのかよ。まあ、此方はこのニイチャンの言った通り、最後に残していた力を全部出し切ったからな。爆発して当たり前か。それに、俺やイワンが居たのは、爆心地と言っても過言じゃねえぐらいの場所だったからな、尚更か。
そう思いながら、俺は目の前に居るニイチャンに、誰なのかを訊ねた。すると、案外直ぐに答えが返ってきた。
『そうだね…………………まあ、君が住んでいた世界の人々の運命を管理している者って言えば分かるかな?』
目の前のニイチャンは、少し不安げに聞いてくる。つか、男なのにそんなツラすんな。
『ゴメンゴメン、時折やっちゃうんだよねえ』
そう言って、目の前のニイチャンは笑った。どうやら心を読めるようだ。
「所謂、神様ってヤツか?」
『ビンゴ。正にその通りだよ。それでね、今回は君に、BIGなNEWSを持ってきたんだよ!』
なんか、ビッグとニュースが完全に英語で言われてたような………………まあ良いか。
つか、ビッグなニュース?何だソリャ?
俺が首を捻っていると、神様はいつの間にか、1つの箱を持ってきていた。
立方体の箱には、円の穴が開けられていた。大体、俺の手を入れてもまだ入る大きさだ。
「なあ、神様よ。この箱をどうしろと?」
俺が尋ねると、神様は箱を俺に近づけて言った。
『いやね?君は今から転生するから、行き先や特典を決めようと思ってね。さあ、分かったらさっさと、中のボールを取った取った!』
俺は神様に言われるがままに、箱に手を入れ、中のボールを適当に選び、手に取った。
ボールの色は青。でも俺、『青』より『蒼』の方が良かったなあ。
え、紛らわしいし、色は殆ど同じ?良いじゃん別に。
「取り敢えず神様、青のボール取ったぜ?」
『はいはい』
俺は神様にボールを渡す。神様は、暫くボールを眺めると言った。
『では、発表しましょう!君の転生先は~~………………』
「転生先は?」
俺が尋ねると、神様は暫く目を閉じ、俯いていた。そして、神様は顔を上げ、目をカッと見開いて言った。
『君の転生先は、《IS》こと、《インフィニット・ストラトス》の世界でーす!あ、コレ、その世界の簡単な説明』
そう言って、神様は俺に、一枚の紙を渡してきた。俺はその紙を受け取り、内容を読む。
『ね?中々良い世界でしょ?』
いつの間にか、俺の背後に来ていた神様が言うが、俺としては微妙だ。
取り敢えず、その物語は、ISって言う、俺らが生きていた時代の戦車や戦闘機や軍艦からさらに進化した兵器を遥かに上回るスペックを持っているのに、女性にしか扱えないと言う致命的な欠陥を抱えたモビルスーツみたいなのを、男性でありながら動かしてしまった織斑 一夏(おりむら いちか)って奴の物語なんだそうだ。
『つ・ま・り、その世界には女性がわんさか居るから、ハーレム作り放題じゃん!やったねフェルディナンド君!ハーレムがでk「喧しい」あべしッ!?』
なんか一人で暴走しかけていた神様の頭を一発シバいて、神様を元に戻す。
『いやあ、ゴメンゴメン。調子に乗りすぎたよ。じゃあ、君の転生特典の説明をしようか』
そう言って、神様はまた、別の紙を渡してきた。
『その紙に、君の転生特典が書かれてあるよ。じっくり読んどいてね』
「あいよ」
俺は生返事を返し、紙に書かれた転生特典を見る。其所には、こう書かれてあった。
転生特典その1、『身体能力は前世のを引き継ぎ(ただし、転生後暫くは封印状態。条件を達成したらアンロック)』
転生特典その2、『専用機』
転生特典その3、『自力でISを造ったり、プログラミング出来る程度の頭のよさ(条件を達成したらアンロック)』
だそうだ。取り敢えず、転生後暫くは、俺の身体能力は並の人間程度に落ちるってことか。
まあ如何にも、新しく人生を始めるって感じで悪くない。
「なあ、神様。その1と3の条件は何なんだ?」
『いやあ、それを教える訳にはいかないなあ。第一、そういうのは自分で見つけなきゃ面白くないからね。でもまあ、そんなに頭を悩ませるようなモンじゃないから安心して良いよ。知らず知らずのうちにアンロックされてると思うしね』
「あ、そうなん?了解」
まあ、確かに最初から条件知ってたら面白くねえわな。
そして、俺は神様から色々と話を聞いた。
その内容は、主に俺が元々居た世界についてだ。
神様曰く、今現在の俺が元々居た世界は、西暦2015年に突入しており、俺とイワンが最後の戦いをして消滅してから、既に70年以上経っているというのだ。
さて、ここまで来て今更だが、俺は神様に、ずっと聞きたかった質問を投げ掛けることにした。
「なあ、神様?前々から聞きたかったんだが、イワンば何処に居るんだ?少なくとも、彼奴も死んだんだろ?」
『あ、ああ。彼も此方の世界に来てるよ。来てるんだけど……………』
「来てるんだけど?」
そうして、神様は言いにくそうにしながら言った。
『彼は、別の世界に転生したんだよ。君達が半径1m以内に居たなら話は別だけど、かなり離れた場所から撃ち合い始めたみたいだからね。悪いけど、彼は一緒じゃないよ』
「マジか……………\(^o^)/オワタ」
ウソダドンドコドーン!何てこった!別の世界に転生したァ!?つまり俺、ほぼ孤立無援で行くのか!?
『ま、まあまあ、大丈夫だよ。身体能力とかが並程度に戻るんなら、また鍛え直せば良い話だからさ!』
「ああ、それもそっか!」
確かにそうだな。落ちた腕は、また磨き直せば良いのさ。
そうしていると、俺の背後に光り輝く扉が現れた。
『さあ、あの扉の向こうに、君の第二の人生が待ってるよ。特殊な家系の元に転生させるから、コレから君には、かなり辛い目に遭ってもらうけど、覚悟は良いかい?』
成る程、転生生活も楽じゃねえってか。面白いじゃねえか。
「ああ、勿論だ」
『そっか!なら、君の第二の人生、楽しんでおいで!』
「ああ!色々ありがとよ!」
そうして俺は、光り輝く扉へと飛び込み、光りに包まれた。
そして……………俺は、原作主人公の家系の長男として転生してしまったのだった。