IS~宿命の砲火~『出来損ないと呼ばれしドイツの帝王』(更新停止中)   作:弐式水戦

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第九話~そして、俺はまた一歩、非常識へと近づく~

男性抜き打ち検査当日、俺は気乗りできずにいた。もし、俺がIS学園にぶちこまれる結果になったら、当然ながら、あの愚弟共が居やがる。今となれば、あんなガキ共片手で潰せるが、無駄な殺生は好きではない。だからなるべく、関わらないように過ごしたいんだが、無理だろうなあ……………

つか、俺は一応転生者であることを忘れつつあるなあ。まあ、転生した結果があーなったって訳だから、少なくとも関わらなけりゃならねえんだろうなあ。

 

そんなことを考えながら、俺は今、抜き打ち検査の会場である市民体育館へと向かっていた。

比較的、解体所から遠いため、俺はゴールドウィングに乗り、其所に向かっている。

そう言えばIS学園って、結構前に俺が助けた女の子が居る所だよな、今思い出したが。

 

そうしてるうちに、俺はとうとう、市民体育館に着いた。バイクから降り、入り口へ向かう。

そして中に入り、受け付けに行き、番号が書かれた小さな紙を受け取り、その番号の列に並ぶ。その列は以外と人が少なく、直ぐに俺の番が回ってきた。

 

「はい次、黄昏狂夜っていう人~」

 

如何にも気だるげな声が飛ぶ。俺は前に出て、前に鎮座している1機のISと対峙する。

何処と無く武士みたいな雰囲気を感じさせるISだった。

だが、そのISは、あちこちが傷だらけになっていた。

小耳に挟んだ話だが、IS学園の受験には、先ずは適性値の検査、筆記試験があり、その最後に実技試験があるようで、こういったISが、試験監督や専用機持ちでない生徒が使うらしいが、コイツは多分、生徒が使ったヤツだな。試験監督は教員だから、矢鱈と傷だらけになる筈がない。

 

そんなことを考えていると、女はめんどくさそうに足を崩して椅子に座り、ケータイを取り出した。

 

「はあ~あ、なんたって私が男風情のために休日を無駄にしなけりゃならないのよ、意味わかんない。サイアク~」

 

俺を呼んだ女は、そう言いながらケータイを弄くっていた。つか、大の大人がそんなんで、日本の未来大丈夫か?

 

「ん?ちょっと、さっさとしなさいよ。何ボヤッとしてんの?」

 

あ、ヤベ。ボーッとしてた。

 

「ホラ、さっさとソレに触れなさいよ。全く、コレだから男は無能だから嫌いなのよ」

 

オイコラ、このクソアマ随分ヒデエことぬかしてくれやがるじゃねえか。

 

「それにアンタ、何処と無く似てるのよねえ、『織斑家の出来損ない』に」

「……………」

 

ムカついたぞこのクソアマ。此処が戦場だったら真っ先に殺してるな。

 

「まあ、あのガキは死んだから、もうどうでも良いけどね……………ホラ、さっさとしなさいよ」「ああ、ハイハイ、やりゃ良いんだろ?やりゃ」

 

そうして俺は、目の前のISに触れながら思った。

 

「(コイツ等ISも大変だな。本来の目的とは全く違ったことのために産み出されるわ。コイツはあちこちが傷だらけなのに修理すらされてないわ…………ヒデエ話だこった。コイツを好きにして良いなら、真っ先に修理するな。俺なら)」

 

そう思いながら、俺は触れた装甲を優しく撫でていた。すると突然、脳裏に直接語りかけてくるように声が聞こえた。

 

『…………ありがとう』

「あ?今の誰…………ってちょっ!?」

 

俺が声を出す間もなく、ISは光り出した。目を瞑った俺の頭の中に、恐らくこのISのものなのであろう沢山の情報が、まるで雪崩のように一気に流れ込んでくる。

そして、光が収まり、頭の中に情報が流れ込むのが収まると、俺はおずおずと目を開ける。

そして俺は、ある1つの現実にぶち当たったのを悟った。

 

 

ーー動かしちまったーー

 

 

つまり、俺がIS学園にぶちこまれるのは確定したようなモンだ。

 

「う、嘘っ!?3番目の適合者を発見しました!」

 

先程までめんどくさそうに足を崩して椅子に座り、ケータイ弄くっていたクソアマが叫ぶように言うと、あちこちから視線が向けられる。

 

「……………最悪だ」

 

俺はISを纏ったまま地面にしゃがみ込み、盛大に溜め息をついた。そうしていると、あのクソアマが恐る恐る声を掛けてきやがった。

 

「あ、あの…………一緒に来ていただけますか?」

 

手のひら返して言いやがるクソアマにムカつき、俺は立ち上がると、『将校の気位』の代わりにドス黒いオーラを撒き散らし、思いっきり睨み付けながら言った。

 

『アア?ナメてんのかクソアマァ…………人様に不名誉な事散ッ々ほざきまくって、いざISを動かしたらソレか?舐めてんじゃねえぞクソが。ぶち殺して大阪湾に沈めてやろうかァ!?アア!?』

「ヒィッ!!?」

 

最後に殺気全開にして怒鳴ると、クソアマはヘナヘナと地面に座り込んでしまった。

コレじゃ埒が明かねえと思った俺は、座り込むクソアマやざわめく連中をガン無視して外に出るため、取り敢えずISを解除することにした。

確かISの解除のしかたって、ただイメージするだけで良いんだっけ?

 

まあ、取り敢えず俺は、ISが解除されることをイメージする。すると予想通り、ISは解除された。

 

「ったく、こんな場所さっさと出ていこ」

 

俺は溜め息混じりに呟き、出口に向かって歩き出す。

 

『ま、待って!行かないで!』

 

後ろからそんな声が響いてくるが、もうこの際知ったこっちゃねえ。

俺は体育館内の全てをガン無視して外に出ると、直ぐ近くに停めてあった我が愛車に跨がり、エンジンをかけると、そのまま一目散に我が家へと帰った。

 

 

 

 

 

「成る程、そんなことがあって動かしてしまったのですか」

「ああ。おまけに俺が並んだ列に居た女、最初は矢鱈と俺を見下してたけど、俺がIS動かした瞬間、手のひら返して一緒に来いとか言いやがった」

「大変でしたね」

 

さてさて、我が家へと帰り着いた俺は、居間で留守番していた桜花に、検査の時の事を話していた。

 

「そう言えばさあ、この前お前が言ってた"あの子"とやらは、結局誰なんだ?」

 

俺は、前々から気になってた事を訊ねる。

 

「それなら、何れ分かりますよ。焦ることはありません」

「いや、そう言われてもなあ……………」

 

そんな感じで話していた時だった。

 

ガコンッ!

 

 

「「!?」」

 

突然、何かがぶつかったかのような音が聞こえた。事故か何かだろうか?

俺と桜花は、様子を見るべく外に出る。

其所で俺達が見たのは、解体所の門を無理矢理突破してきたのであろう、フロントバンパーに傷がついた黒いセダン車が二台、停まっていた。

 

 

 

その後、俺は転生してから二度目の覚醒をすることになる。

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